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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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いとしのレトロ玩具 もう逢えないと思ってた、がここにある

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拙著『東京のレトロ美術館』でも取り上げた、

東京屈指のレトロ美術館、弥生美術館では現在、

“いとしのレトロ玩具  もう逢えないと思ってた、がここにあるという展覧会が開催中です。

 

 

 

こちらは、「レトロ玩具」をテーマにした展覧会で、

20世紀にヒットしたおもちゃを中心に、たくさんのレトロ玩具が展示されています。

その数、実に700点以上!

おもちゃで遊び育ったすべての人にオススメしたい展覧会です。

星星

 

一口におもちゃと言っても、そのジャンルは様々ですが、

今展では特に、ままごと用玩具にスポットが当てられていました。

 

 

 

まず大きく紹介されていたのは、

1950年代に発売されたという「社会科玩具シリーズ」。

 

 

 

「お菓子屋さんごっこ」や「こどものパン屋さん」など、

いろんなお店を体験することができるおもちゃシリーズです。

これらは知育玩具の要素も強かったようで、

こういったお店が近くに無かった地方の人にも人気だったとか。

今でいう、キッザニアに近い感覚だったのでしょうか。

 

このタイプの体験型のおもちゃは、時代を大きく反映するようで。

スーパーマーケットが普及し始めた頃には、

スーパーマーケットで買い物したり、あるいは、スーパーマーケットで働いたり、

そういったおもちゃが販売され、人気を博していたようです。

 

 

 

時代を反映したおもちゃには、こんなものも。

 

 

 

こちらは、日本人の海外観光渡航が自由化された翌年、

昭和40年に発売されたという「トラベルセット」なるおもちゃです。

パスポートやスーツケースはわかるのですが。

なぜに、赤ラーク?なぜに、ジョニーウォーカー??

もし、現代に販売されていたら、一発炎上していそうな気がします。

 

 

そうそう、炎上したといえば、

こちらのおもちゃも紹介されていました。

 

 

 

2001年に限定発売されたという、

妊婦バージョンのリカちゃん人形です。

なんでも同封してあるハガキを送ると、

赤ちゃんの人形と、鍵が送られてくるとのこと。

そして、その鍵を使って、リカちゃんのお腹を開けると、

パーツが外れて、出産後の姿になるという仕組みだったそうです。

その一連が狂気じみてると、物議を醸したとか醸してないとか(笑)。

 

なお、リカちゃん人形は、

ちゃんと普通のリカちゃん人形も紹介されていました。

 

 

 

さらに、チャーミーツインや虹のナナちゃんといった、

今はすっかり見かけなくなったリカちゃんのライバル(?)たちや、

『ママレード・ボーイ』や『きんぎょ注意報!』のドールハウスも紹介されています。

 

 

 

ドンピシャの世代の人(特に女性)にとっては、

懐かしくてたまらない光景なのではないでしょうか。

 

 

さて、展覧会には、1年間で17万個を売り上げた、

伝説のままごと用玩具も、もちろん展示されていました。

 

 

 

その名は、ママ・レンジ。

家庭用電源を使用すれば、付属のフライパンの上で、

実際にホットケーキや目玉焼きを焼くことができるという画期的な玩具です。

このママ・レンジのヒットにより、業界全体で、

実際に調理できるキッチン玩具が大ブームに!

中には、“ホンモノそっくりに水が出る!”ママ・ナガシも発売されたそうです。

 

 

 

・・・・・・・・いや、それって、

実際の流しから水を出せばよくない?

おもちゃにする必要はあるのだろうか??

 

 

さて、展覧会の見どころは、ままごと玩具だけではありません。

もう一つ、特に注目したいのが、増田屋コレクションです。

 

 

 

増田屋は1724年に創業した、日本を代表する老舗玩具メーカー。

バラエティー番組でお馴染みのピコピコハンマーの元祖を発売したり、

にオーストリアで発明されたモーラーを日本に紹介し、大々的なブームを巻き起こしたり。

日本の玩具史を語る上で欠かせないメーカーの一つと言えましょう。

 

 

 

それらの貴重なコレクションの中でも、

とりわけ見逃せないのが、戦後に作られた「歩行熊」。

 

 

 

 

当時は物資が不足していたため、玩具用の金属はほぼなかったそうで。

そkどえ、進駐軍の空き缶を開いてプレスし、

その上から布帛(シール)を貼って、作られているそうです

また、当時、輸出玩具には、

「Made in occupied Japan」(占領下の日本製)と、

明記することが義務付けられていたとのこと。

そう明記しないといけなかったことは、

きっとメーカーとしては屈辱だったでしょうが、

こうした玩具が海外で大ヒットしたことが、戦後復興に大きく繋がったそうです。

たかが玩具。されど玩具。

玩具には、個人的な歴史だけでなく、

社会的な歴史も詰まっているのですね。

 

 

ちなみに。

そんな増田屋の大ヒット商品も展示されていました。

それは、「小鳩くるみちゃんのカール人形」。

 

 

 

小鳩くるみちゃんは、昭和30年代の人気子役。

その子をイメージキャラクターにしたカール人形は、

実際にミルクを飲むことができたこともあって、大人気商品に!

発売された際は、日本橋三越に開店前から行列ができ、

なおかつ、その行列が建物の周りを一周していたそうです。

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そんなに人気だった人形は、きっとめちゃくちゃ可愛いはず。

そう思って、人形に目をやると・・・・・

 

 

 

だいぶ怖いのがいました。

(※感想は個人です)

 

 

 

 

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