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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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Film:69『ビッグ・アイズ』

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■ビッグ・アイズ

 

監督:ティム・バートン

出演:エイミー・アダムス、クリストフ・ワルツ

2014年製作/106分/G/アメリカ

 

『アリス・イン・ワンダーランド』『チャーリーとチョコレート工場』のティム・バートン監督が、

1960年代アメリカのポップアート界で人気を博した「ビッグ・アイズ」シリーズをめぐり、

実在の画家マーガレット&ウォルター・キーン夫妻の間に起こった出来事を描いたドラマ。

悲しげで大きな目をした子どもを描いた、

ウォルター・キーンの「ビッグ・アイズ」シリーズは、

ハリウッド女優たちにも愛され、世界中で大ブームになる。

作者のウォルターも美術界の寵児として脚光を浴びるが、

実はその絵はウォルターの妻マーガレットが描いていたものだった。

絵は飛ぶように売れていくが、内気な性格のマーガレットは、

自分の感情を表すことができる唯一の手段である「ビッグ・アイズ」を守るため、

真実を公表することを決意する。

(映画.comより)

 

 

「2014年公開時に、「これは観なくては!」と思っていたのに、

 昨年、映画のモデルとなったマーガレット・キーンが、

 94歳でお亡くなりになったと報じられた際も、「観なくては!」と思っていたのに。

 なんだかんだあって、ようやくここ最近、視聴することができました。

 で、改めて観た率直な感想ですが・・・・・

 

 「もっと早く観ておけばよかった!!!」

 

 普通に面白かったです。

 こんな映画のような、ドラマのような、

 アート界の大事件があっただなんて!

 恥ずかしながら、まったく知りませんでした。

 そもそも、デビュー時の浜崎あゆみばりに、

 大きな目が特徴的な子どもを描き続けた画家、

 ウォルター・キーンの存在も全く知りませんでした。

 

 映画として素直に楽しんでいる一方で、

 僕も仕事柄、いろんな美術作品を紹介しているわけですが、

 本当にその美術作品の作者が、その本人なのか確認を毎回取ってはいないので。

 こうした贋作騒ぎ、替え玉騒ぎの片棒を、

 知らず知らずのうちに担いでしまっていたかも?
 もしくは、これから担いでしまうかも?

 そんな不安にも若干駆られました。

 評論家になるつもりは、さらさらありませんが、

 審美眼に関しては、映画に登場する美術評論家くらいにはならないといけませんね。

 

 映画内のウォルターは、むちゃくちゃなヤツなのですが、

 演じるクリストフ・ワルツどこかで憎めないキャラとなっていました。

 とにかく口が上手い。

 映画名は『ビッグ・アイズ』なのに、全編を通じて、

 ウォルターの“ビッグ・マウス”を楽しむ映画となっていました。

 

 なお、やはりハイライトは、裁判所でのシーンです。

 かなり脚色されてはいるとは思いますが、

 アート映画抜きにして、コメディとして秀逸でした。
 あと、個人的に裁判所のくだりで、

 グッと来たのは、マーガレットと娘が手を握るところ。

 なるほど。それまでの2つの場面は、伏線だったんだ!

 と、思わずニヤリとしてしまいました。

 

 アートの才能は無いのに、商才はある。
 そんなウォルター・キーンみたいな芸術家は、

 たぶん・・・・・というか、まぁ、実際に令和の現在もいますよね。

 正直なところ、鑑賞中、何人かの芸術家が頭をチラつきました(笑)
 これはすべて、アートテラー歴が長くなったせい。

 2014年の公開時に観ていたら、もっと純粋に楽しめた気がします。
 それだけが、悔やまれます。

 スター スター スター スター ほし (星4つ)」

 

 

~映画に登場する名画~

《永遠の明日》

 

 

 

 

 

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