現在、白金台にある松岡美術館では、
印象派コレクションを一挙展示する展覧会が開催されています。
松岡美術館で印象派展が開催されるのは、実に6年ぶりとのこと。
リニューアルオープン後としては初の印象派展です。
展覧会名は、“モネ、ルノワール 印象派の光”。
それだけに、もちろんモネの作品が展示されています。
そして、ルノワールの作品も展示されています。
ただし、ポスターのメインビジュアルにも採用されている、
ルノワールの《リュシアン・ドーデの肖像》は8月15日からの展示とのこと。
パステルで描かれているため、
おそらく長期展示しないのでしょう。
なお、モデルとなっているリュシアン・ドーデは、
フランスTの小説家アルフォンス・ドーデの次男だそう。
そして、右手に持っているのは、ビスケットなのだとか。
そう言われたら、色味とか雰囲気とか、ビスコに見えてきました。
ちなみに。
《リュシアン・ドーデの肖像》の代わりに、
8月13日まで展示されているのが、ピサロの《羊飼いの女》。
こちらは、色味とか雰囲気とか、
『世界名作劇場』感がありました。
また、モネやルノワール以外では、
最も印象派的な画家と称されたシスレーの作品も。
さらには、全部で8度行われた印象派展に、
計6回参加したアルマン・ギヨマンの作品も紹介されています。
(ちなみに、モネは計5回、ルノワールは計4回しか印象派展に参加していません)
画家として生前に成功したモネやルノワールと違って、
ピサロやシスレーは、画家として大変な苦労を重ねていました。
アルマン・ギヨマンもまた然り。
昼は画家、夜は仕事という生活を長年続けていました。
しかし、ギヨマンはある理由で、50歳より画業に専念できることになります。
それは、なんと宝くじが当たったから!
できれば、画家としてブレイクしたかったことでしょうが、
これはこれで、ステキな画家人生であるような気がします。
神様っているのですね。
さてさて、展覧会では、印象派コレクションだけでなく、
シニャックの《オレンジを積んだ船、マルセイユ》をはじめとする・・・・・
松岡美術館の新印象派コレクションも一挙展示されています。
それらの中には、昨年SOMPO美術館で、
2人展が開催され、話題となったアンリ・マルタンの作品も。
また、明らかにセザンヌを意識した、
というか、パクった?ルイ・ヴァルタの作品もありました。
点数としては、40点弱ですが、
なかなかに充実した印象派・新印象派コレクションです。
ここ最近、がっつりとした(?)印象派展が、
そんなに開催されていなかった気がするので、
久しぶりにまとめて印象派の作品が観られて、なんか懐かしい気持ちになりました。
これぞ美術鑑賞の王道といいましょうか。
なお、コレクションが多岐に渡る松岡美術館、
印象派展以外にも、古伊万里展も同時開催されています。
それにくわえて、古代オリエントや、
古代ギリシャの彫像の数々を紹介する展覧会も開催中。
松岡美術館コレクションの中で最も古いという、
紀元前5600年頃のトルコの《横たわる女人像》も展示されていました。
午後の主婦感がハンパなかったです。
近くには、きっとポテトチップスか、
おせんべいがあるに違いありません。
それから、個人的に印象に残っているのは、
紀元前2800~2300年頃のギリシャの《女性像》。
脱衣所から露天風呂へ、と向かう途中感ハンパなかったです。