■ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ
監督:ウィル・シャープ
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、クレア・フォイ
2021年製作/111分/G/イギリス
イギリスの上流階級に生まれたルイスは、
早くに父を亡くし、一家を支えるためイラストレーターとして働くように。
やがて、妹の家庭教師エミリーと恋に落ちた彼は、
周囲から身分違いと猛反対されながらも彼女と結婚。
しかし、エミリーは、末期ガンを宣告されてしまう。
そんな中、ルイスは庭に迷い込んできた子猫に、
ピーターと名づけ、エミリーのために子猫の絵を描き始める。
(映画.comより)
「この映画の主人公は、ルイス・ウェイン(1860~1930)。
正直なところ、存じ上げなかったのですが、
本国イギリスでは、猫の絵の画家として知る人ぞ知る存在なのだそう。
今でこそ、猫を主役にした絵を描く画家は少なくないですが、
ルイス・ウェインが活躍した当時には、ほぼいなかったようです。
というのも、西洋では、猫は古くから魔術や罪の同類と蔑まれていました。
いうならば、カラスとかヘビとかに近い扱いだったようです。
もちろん、猫を飼っている人はいましたが、それはあくまで鼠除けとして。
猫をペットとして飼うなんて、あり得ない。
そんな時代に、猫をペットとして飼い、
猫の可愛らしい姿を次々に描いたのが、ウェイン。
彼の猫の絵が人気を博したことで、猫そのものも人気に!
ペットとして飼う習慣が根付くまでになったそうです。
そういう意味では、世の猫好きは、ウェインをもっと敬う必要があるでしょう。
と、そんな彼を主役にした映画なわけですから、
当然、猫が登場するシーンが多いだろうと思い込んでいました。
もちろん、可愛い猫は何度も登場したのですが、
映画全体で考えたら、3割程度といったところでしょうか。
ウェインが猫よりも愛するもの、それが電気。
映画の冒頭から、最後まで、
終始、電気の話題が登場します。
改めて、映画の原題を観てみると、
『The Electrical Life of Louis Wain』となっていました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
猫好きを釣るための邦題に、まんまと騙されました。
ねこねこ詐欺です(←?)
なお、もともとの映画のポスターは、こんなビジュアルのようです↓
猫要素は薄め。
その代わり、電気なんだか電磁波なんだか、
よくわからない力が放たれているような感じです。
ちなみに。
最愛の妻エミリーを亡くしたあとのルイスは、
だんだんと精神に支障をきたすようになってしまいます。
アメリカに渡ったルイスは、猫好きの集まりで、
「虎猫の模様は電気で決まる」とか大真面目に言い出す始末。
電気というよりも、電波系。
ベネディクト・カンバーバッチの演技が上手すぎて、
本当に、精神が壊れている人にしか見えませんでした。
なので、観ていて、ただ辛かったです。
可愛い猫の映画だと思って観始めたのに。
また、ルイスは、 こんなことも言っていました。
「電気の影響で未来の猫は青くなる」と。
ドラえもんを予言してたってこと??
(星2.5つ)」
~映画に登場する名画~