2023年7月2日。
水戸芸術館の真向かいに、
伊東豊雄さん設計による水戸市民会館が開館しました!
それを記念して、現在、水戸芸術館で開催されているのが、
“アートセンターをひらく 2023-地域をあそぶ”という展覧会です。
水戸芸術館には、現代美術センターという部門があります。
水戸の地域の人々との連携を広げ、
子どもからシニアまで幅広い層のさまざまな人々が、
〈みる〉、〈つくる〉、そして〈対話する〉ことを身近に楽しめる場を作る。
そんなミッションのもとに活動している部門です。
その現代美術センターの活動にフォーカスしているのが、こちらの展覧会。
それゆえ、会場に入ると、いきなり・・・・・
ワークショップ室のような空間が待ち受けています。
というか、ワークショップ室のような、
ではなく、ワークショップ室そのもの。
スタッフさんが常駐しており、
さまざまなワークショップを体験することができます。
ワークショップが好きな方には、
めちゃ楽しい空間であることは間違いなし!
しかし、僕のように、美術的な創作活動が苦手で、
かつ、人見知りの人間にとっては、まぁまぁハードルの高い空間でした(笑)。
(注:なかなか信じてもらえないのですが、プライベートでは「超」が付くほどの人見知りです)
なお、なんとか頑張って(?)、冒頭のワークショップを切り抜けても、
展覧会の終盤に、《Antara Kita(アンタラ・キタ)》という作品が待ち受けています。
日本とインドネシアを拠点に活動する、
アート集団・KITAによる来場者参加型作品です。
ところで、「Antara Kita(アンタラ・キタ)」とは、
「アンタら(が)来た」という意味合いの日本語ではなく、
「Antara」=「間」、「Kita」=「私たち」というインドネシア語なのだそう。
来場者は、この日本とインドネシアが融合した摩訶不思議な空間で・・・・・
ただ、ボーっと過ごすも良し。
空間内にあるさまざまなモノを使って、何かをしてみるも良し。
あるいは、外にあるさまざまなモノを使って、何かをしてみるも良し。
そんなモノボケを試されるような(?)作品です。
一般的なワークショップとは違って、
何をするかが特に決まっていないため、
より、クリエイティビティが求められます。
空間自体は興味深く、居心地も良いのですが、
改めて、僕のように、美術的な創作活動が苦手で、
かつ、人見知りの人間にとっては、やはりハードルの高い空間でした(笑)。
(注:もう1度言いますが、プライベートでは「超」が付くほどの人見知りです)
ワークショップとか、コミュニティ活動とか、参加型とか、
そういうものに興味がある方には、うってつけの展覧会です。
なお、今展のチケットは期間中、
何度も訪れることができるパス制となっています。
こういうものが好きな人は、是非何度も足を運ばれてみてください!
ちなみに。
参加型のアート以外にも、水戸芸術館のコレクションの中から、
「地域」と「あそぶ」をキーワードにセレクトされた作品も展示されています。
それらの中には、川俣正さんや蔡國強の作品も。
さらには、2002年のVOCA賞で
グランプリに輝いた曽谷朝絵さんに関しては、
コレクションの絵画作品が紹介されているだけなく。
館の内外で新作のインスタレーションが発表されていました。
今回紹介されていたコレクション作品の中で、
個人的に一番印象に残っているのが、こちらのインスタレーション作品です。
ゲルダ・シュタイナー&ヨルク・レンツリンガーによる《美の論理》です。
巨大なスクリーンに投影されていたのは、
抽象的な紋様が次から次へと変化していく映像。
どことなく万華鏡を彷彿とさせるその映像は、思わず見入ってしまうものがあります。
また、真っ暗な空間の中央には、
天井から吊るされた巨大なブランコが設置されており、
漕いではいけないものの、座って鑑賞することもできます。
漕いではいないですが、ちょっとだけアルプスの少女ハイジの気分を味わえました。
それからもう一つ印象に残っているのが、
曽根裕さんの 《19番目の彼女の足》という作品。
19台の自転車が輪っか状に繋げられています。
今では、ただのヘンテコなオブジェのようですが、
1993年に制作された当時は、19人の協力者を募って、
約1か月の公開練習をしてもらった上で、実際に運転してもらったのだとか。
その結果は、想定の範囲内というか、案の定というか。
全然、乗りこなせなかったそうです(笑)。
ドロンボー一味でもさすがにこの自転車は乗りこなせないことでしょう。