過去に2度ほど、諸事情により、
ボツになってしまった、あるいは、お蔵入りになってしまったネタを、
もったいないので、このブログで紹介したことがありました。
そして、また今回も、お蔵入りしてしまった記事を紹介したいと思います。
その記事とは、『はじめまして、かみたまです。』シリーズの最新作。
実は昨年の夏に文章は書きあげていたのですが、
yukimoneさんとのスケジュールが上手く調整できず。
そのまま、自然消滅してしまっていました。
取り上げた神様が、冥界の王ハデスだっただけに、
「ん?お前ぇか?俺に話を聴きてぇってのは。
“冥界の王”って言うから、もっと怖ぇヤツかと思った?
まぁ。そうだな。名前もハデスだし。
強くて怖い印象あるかもしれねぇよな。
イメージ違くてごめんねごめんねー。
いやー、だけどよ。
俺も、したくて冥界を支配してるわけじゃねぇべ。
弟のゼウスとポセイドンとで、
どこを支配するかくじ引きしたことがあって。
したっけ、ゼウスが天空、ポセイドンが海、
んで、俺が冥界を担当することになったんだわ。
冥界には、いろんなヤツがやってくるんだけどよ。
この前おったまげたのが、
詩人で竪琴の名人オルフェウスがやってきたんだわ。
だって、アイツまだ死んでねぇべや。
なんでも最愛の妻エウリュディケーが、
蛇に噛まれて、ポックリ死んじまったとかで、
「妻を生き返らせてくれ」ってやってきたわけ。
フランソワ・ペリエ《ハデスとペルセポネの前のオルフェウス》
普通、生きてる人は冥界に入ってこれねぇの。
冥界の番犬であるケルベロスが、
激しく牙をむいて追い返しちまうからよ。
あ、そうそう。首が3つある犬な。
でも、ケルベロスはちょっとバカなところもあんだべ。
ウィリアム・ブレイクによるケルベロスの絵
蜂蜜が塗られたソップってお菓子が大好きで、
それを渡されると、たちどころに大人しくなっちまうのよ。
あ、だから、ギリシャでは、賄賂を贈るって意味で、
『ケルベロスにソップを贈る』ってことわざもあるくらいで。
まぁ、それはそれとして。
この時は、うちのバカ犬、
ソップじゃなくて、竪琴の音色にやられたんだっぺよ。
心地よい音楽を聴いて、眠っちまったらしいんだわ。
かくいう俺もその音聴いたら、うっとりしちゃって。
いやー、そんで、特例も特例で、
オルフェウスに妻を連れて帰ってもいいって許可を与えたっぺよ。
普通に帰らしてあげても良かったんだけど。
まぁ、なんか条件とかあったほうが、神話っぽいべ?
それで、1コだけそれっぽい条件付けたんだわ。
その条件っつうのが、
『地上に戻るまでの道の途中で、絶対に後ろを振り返ってはならない』
ってのなんだけど。
こんなん誰でも簡単にクリアできると思うべ?
いや~、それなのに、
オルフェウスは最後の最後で振り向いちゃったのよ。
したっけ、エウリュディケーは冥界に戻すしかないべ。
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー《冥府のオルペウス》
オルフェウスはすぐさま、またやってきて、
もう一回チャンスをくださいって言ったけど、
さすがに、それは無理だって断ったのよ。
えっ?振り向くなって言われたら、
逆に、振り向いちゃうのが人間だって?
そういうもんなの?
人間のこと、よくわかってなかったわ。
ごめんねごめんねー。
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