石川、富山、福井の北陸3県を舞台にした北陸工芸の祭典。
樂翠亭美術館。
富山を代表する昭和初期の邸宅を、
リノベーション&増築し、2011年に開館した美術館です。
こちらでは土を素材に制作を行う6名の作家の作品が紹介されています。
入り口に入ってまず目に飛び込んでくるのが、辻村塊さんによる《信楽壺》。
さらに、この階段の先にも大量の《信楽壺》が並んでいます。
1点1点は、それなりに魅力的なのですが、
数が多いとなると、若干の不気味さを感じます。
正直なところ、一瞬、フジツボかと思ってしまいました(笑)
数が多いと言えば、桑田卓郎さんの作品も。
廊下一面を埋め尽くすように、
桑田さんが制作した陶器が設置されています。
こちらの廊下だけかと思えば、あちらの廊下にも。
その数は、なんと3000個もあるそう。
圧巻のインスタレーションです。
圧倒されると同時に、若干胸焼けのような症状を起こしました(笑)
人生初の陶器焼け(←?)。
そして、きっと人生唯一の陶器焼けでしょう。
さて、桑田卓郎さんと同じく、工芸の世界に留まらず、
現代アートの文脈で国際的に活躍する作家が、もう一人。
メトロポリタン美術館やボストン美術館に作品が収蔵されている近藤高弘さんです。
近藤さんの代名詞ともいうべきが、坐像。
これまでに21体もの坐像を制作したそうですが、
これらはすべて、自身を型取りしたものなのだとか。
ただの坐像であれば、マネキンのように感じられますが、
特定のモデルがいると知ってみると、途端に生々しく感じられました。
今にも動き出しそうで。
なお、外にも1体だけ坐像が設置されていました。
何かやらかして、外で罰を受けているのかも。
あまりに生々しいため、そんな風に見えてしまいました。
樂翠亭美術館では他にも、
その土地にまつわる土を謎の装置で押し出す野村由香さんと、
縄文土器×SFチックな世界観で知られる金理有さんの作品が設置されていましたが。
個人的に一番衝撃的だったのは、
美術館の2階スペース全体を使って、
フリーダムすぎる世界観を生み出していた川井雄仁さんです。
まずは、《The Castle》と名付けられた作品がお出迎え。
某テーマパークのシンデ●ラ城をイメージしているのだそうです。
そして、シンボルとなるお城のほど近くには、
セラミック製のアイテムがたくさん並べられています。
これは、某テーマパークでいうところの、
メインストリートのお土産ショップをイメージしているのだとか。
そう、この空間は、川井さんなりの某テーマパークなのだそうです。
それだけに、展示されている作品の一部に、
某テーマパークのキャラクターが使われています。
なお、こちらの《巴里の想いで》という作品は、
ただ普通に鑑賞するのではなく、アトラクション仕様になっており。
すぐ近くにあるジュークボックスの曲を聴きながら鑑賞するようになっています。
スタッフさんに手渡されたヘッドホンをセットし、
当然、ディ●ニー系の音楽が聴こえてくるだろうと、思ったら、
まさかの光GENJIの『STAR LIGHT』でした。
ディ●ニー系でなく、ジ●ニーズ系かい!
このご時世で!
ちなみに。
《巴里の想いで》の先には、
暗幕で覆われた真っ暗な空間が待ち受けています。
そちらに入る前に、ペンライトを1本手渡されました。
どうやらペンライトを照らして、鑑賞するスタイルのようです。
空間の中心には川井さんの作品があり、
それを取り囲む3面の壁には、何やらがビッシリと貼られています。
それらの中には・・・・・
宜保愛子さんの写真や平山郁夫の絵画、
中田敦彦のYouTubeチャンネル、ウゴウゴルーガといったものも。
そして、さらには・・・・・
サイズは小さめながら、あの人の写真も貼られていました。
このご時世で!