■イヴ・サンローラン
監督:ジャリル・レスペール
出演:ピエール・ニネ、ギョーム・ガリエンヌ
2014年製作/106分/PG12/フランス
1953年、パリ。
21歳の新進デザイナー、イブ・サン=ローランは、
クリスチャン・ディオールの亡きあとの後継者に指名され、一躍脚光を浴びる。
その才能にほれ込んだ26歳の実業家ピエール・ベルジェと、
サン=ローランは出会ってすぐに恋に落ち、ベルジェの支援を受けて、
「イヴ・サンローラン(YSL)」を設立、独立を果たす。
2人の関係は世界のファッション史を変えるものとなったが、
一方で表現者としてのプレッシャーや孤独に悩むサン=ローランは、
薬物やアルコールに依存するようになっていく。
(映画.comより)
「国立新美術館で“イヴ・サンローラン展”を観たばかりなので、
イヴ・サンローランの生涯を描いたこの映画も観てみることにしました。
イヴ・サン=ローラン財団が全面協力とのことで、
劇中には、財団が所有するアーカイブ衣装が登場しているそう。
国立新美術館で開催中の展覧会にも、
財団所有の衣装がふんだんに展示されていたので、
あれらもきっと映画で実際に使われたものだったのでしょう。
イブ・サン=ローランの天才性が発揮される映画の前半は、素直に面白かったです。
ただ、物語が進むにつれ、薬物やアルコールに溺れて、
イブ・サン=ローランがダメになっていく姿は、観ちゃいられなかったです。
正直に言って、ドン引きしました。
いやはや、よくこの映画をイヴ・サン=ローラン財団はOKしたものです。
企業イメージが下がりかねないというのに。
同性愛に関しては、個人的には何の偏見も持っていないのですが。
イヴ・サン=ローランとピエール・ベルジェとの恋愛は、観てて辛かったです。
イヴが自由奔放すぎて。
振り回されるピエールが可哀そうでならなかったです。
物語全編を通して、この2人の恋愛模様が描かれていましたが、
できれば、イヴのデザイナーとしての側面をもっと掘り下げて欲しかったです。
ラストもあっさり、バッサリ終わっちゃいましたし。
全編を通じて、なんだかんだで一番印象に残っているのは、
プールサイドでイヴが女性からいろいろと質問を投げかけられるシーン。
「一番の苦しみは何か?」と聞かれたイヴは、即答で「ハゲること」と答えていました。
気になって仕方がなかったので、映画を観終えて速攻で、
晩年近くのイヴ・サン=ローランの画像をググってみることに。
結果としては、フサフサでした。
ただ、フサフサすぎて、逆に怪しいかも。
この映画を観てから展覧会を訪れていたら、
きっと髪の毛のことばかり気になってしまったことでしょう。
そういう意味では、展覧会に行く前に、この映画を観なくてよかったです。
(星2つ)」
~映画に登場する作品~