リニューアル工事のため、長らく休館していた三の丸尚蔵館が、
名前も皇居三の丸尚蔵館と新たに、11月3日にオープンいたしました。
その外観が目に飛び込んできた時の、
率直な第一印象は、「デカっ!」でした。
三の丸尚蔵館時代は、こじんまりした印象のミュージアムだったのに。
しばらく会わないうちに、こんなに大きくなっただなんて。
甥っ子姪っ子の成長ぶりに驚く親戚のおじさんみたいな感想を抱いてしまいました。
なお、さらに驚かされたのが、
これでリニューアル工事が完成というわけではないとのこと。
今回完成したのは、第Ⅰ期棟で、
その隣では、第Ⅱ期棟が今なお絶賛工事中でした。
全面開館は、2026年を予定しているそうです。
完全オープンを気長に待ちたいと思います。
ちなみに。
建物や名前以外にも、大きく変化したものがあります。
それは、入館料。
これまでは無料で観られましたが、
これからは、入館料が有料(一般1000円)となるのだそう。
ただし、皇居東御苑への入園は変わらず無料のままとのことです。
さてさて。
そんな皇居三の丸尚蔵館の開館を飾るのは、
“皇室のみやび―受け継ぐ美―”という展覧会。
(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
皇居三の丸尚蔵館が所蔵する約2万点(!)の、
皇室ゆかりの作品の中から、選りすぐりの名品の数々を、
約8か月にかけ、4期に分けて紹介しようというものです。
その冒頭を飾る第1期は、「三の丸尚蔵館の国宝」と題し、
皇居三の丸尚蔵館が所蔵する国宝全8件のうちの4件を公開しています。
それらの中には、奈良の春日野大社の霊験が描かれた《春日権現験記絵》や、
いわゆる元寇を描いた、歴史の教科書でもお馴染みの《蒙古襲来絵詞》も。
そして、みんな大好きな伊藤若冲の《動植綵絵》も含まれています!
《動植綵絵》は、これまでに何度か目にしていますが、
やはり名画の中の名画は、何度観てもいいものですね。
なお、もう一つの展示室では、天皇陛下の御即位5年&御成婚30年を記念し、
“令和の御代を迎えて―天皇皇后両陛下が歩まれた30年”という展覧会が開催されています。
ご結婚の儀式や御即位の儀式で、
実際にお召しになったご装束をはじめ、
天皇皇后両陛下ゆかりの品々が紹介されていました。
ケース越しとはいえ、これほどの至近距離で、
しかも、マジマジと観ることができる機会なんて、
まず間違いなく、この時を逃したら二度と無いでしょう。
ちなみに。
個人的に印象に残っているのは、お祝いの品々です。
これら3点の作品は、御即位の際のお祝いの品。
作者は写真左から、宮田亮平さん、前田昭博さん、絹谷幸二さんです。
それぞれ内閣関係者の会、衆議院、参議院から贈られたのだとか。
一体、内閣や国会議員の誰が作家を選んでいるのでしょう?
やっぱり与党と野党で選ぶ作家が違ったりするのでしょうか?
なお、展覧会ではご結婚のお祝いの品も紹介されていました。
写真手前のものは、駐日大使一同から贈られたもの。
その名も、宝石の木。
気に実っているのは、アメジストやシトリンなどの貴石。
そして、台座はラピスラズリやトルコ石で作られているのだとか。
その上にある世界地図は金板で作られているそうです。
ゴージャスにもほどがあります。