現在、21_21 DESIGN SIGHTでは、
“もじ イメージ Graphic展”という展覧会が開催されています。
テーマは、グラフィックデザイン。
それも、パソコンやインターネットが普及してきた、
1990年代以降のグラフィックデザインにスポットが当てられています。
展覧会で紹介されているアーティスト、
および、グラフィックデザイナーは、全部で54人(組)。
それらの中には、2021年に惜しまれつつこの世を去った仲條正義さんや、
JTや東京メトロのシリーズ広告でお馴染みの寄藤文平さん、
日本を代表するブックデザイナー祖父江慎さんといった、
グラフィックデザイン界のスターが勢ぞろいしています。
さらに、意外(?)なところでは、
「いらすとや」でお馴染みのみふねたかしさんも。
レジェンドから新星、さらにサプライズ枠(?)まで。
まさに、グラフィックデザイン版『紅白歌合戦』といったようなラインナップでした。
知ってるようで知らないグラフィックデザイン。
その奥深い世界の導入口になりえる展覧会です。
ブックデザインやパッケージデザイン、看板のデザインなどなど、
紹介されていたグラフィックデザインのジャンルは実に多岐にわたっていましたが。
ミュージアムで開催されているからでしょうか。
若干、美術関係のグラフィックデザインが多めだったように思います。
これまでに訪れたことがある展覧会や、
アートイベントに関するグラフィックデザインの数々に、
思いがけず、再開できて何とも懐かしい気持ちになりました。
中でも懐かしかったのが、2012年の三菱一号館美術館のポスター。
それまでの美術館のポスターらしからぬ、
斬新すぎるデザインは、当時、大きな話題となりましたっけ。
公式が病気。
これほど攻めたデザインの展覧会ポスターは、後にも先にもこれだけだったような。
そろそろ、これを超えるデザインの展覧会ポスターが現れて欲しいものです。
そうそう、斬新と言えば。
本展では海外のグラフィックデザイナーも数名(組)ほど紹介されていましたが、
中でも、台湾の王志弘さんのブックデザインがどれも斬新で、強く印象に残りました。
とりわけ、草間彌生さんの自伝のデザイン。
水玉やカボチャをデザインに使用することなく、
超シンプルに草間彌生さんを表現しています。
パッと見でも、100人90人が草間さんと思うことでしょう。
あとの10人は、パックマンに出てくるモンスター。
それから、ロンドンで発足した世界的デザイン集団、
Tomatoのジョン・ワーウィッカーによるポスターも印象的でした。
情報量は多いのに、何のポスターかはよくわかりません(笑)。
『ガリレオ』の湯川博士の頭の中みたいな感じです。
他にも、印象的なグラフィックデザインはたくさんありましたが。
なんだかんだで、最終的にすべてを持って行ったのが、「葛飾出身」なる映像作家。
葛飾出身さんは、自身のSNSでほぼ毎日のように、
「今日の日記です。」というタイトルで短編映像を投稿しているそう。
1998年生まれとのことですが、その作風はノスタルジック。
昭和のテレビやCMを彷彿とさせるものがあります。
ギャラリーでは、そのサムネイルだけしか紹介されていませんでしたが。
展覧会の最後に待ち受けていたのが、葛飾出身さんの映像作品の数々でした。
謎の中毒性があり、思わず全部観てしまいました。
そして、その結果、それまでに目にした、
他の皆様のグラフィックデザインの記憶が上書きされてしまいました(笑)
ちなみに。
葛飾出身さんのプロフィールには、こう記載されていました。
いや、葛飾出身じゃないんかい!