世界有数のピカソのセラミックコレクションを、
所蔵・公開する南青山のヨックモックミュージアム。
その開館記念第4弾として開催されているのが、
生きものをモチーフにした作品に焦点を当てた“ピカソ いのちの讃歌”という展覧会です。
展覧会の冒頭で紹介されていたのは、スペインの国技で、
ピカソも大好きだったという闘牛をモチーフにした作品の数々。
実際、ピカソは闘牛士になりたかった、とも語っていたそうです。
とは言っても、僕ら日本人が闘牛士と聞いてイメージする、
「マタドール(=赤いマントをヒラヒラさせる闘牛の主役)」ではなく、
「ピカドール(馬上から槍を突き、牛を弱らせる役割)」に憧れていたそう。
それゆえ、ピカソが描く闘牛士はほとんどがピカドールなのだとか。
続いて紹介されていたのは、鳥をモチーフにした作品の数々です。
ピカソと言えば、鳩。
というわけで、鳩をモチーフにした作品は多いわけですが。
それと同じくらいに多かったのが、
意外にも、フクロウをモチーフにしたものでした。
なんでも、ピカソはアトリエでフクロウを飼っていたのだそう。
よく見れば、ギョロッとした目がそっくり。
ペットは飼い主に似ると言いますが、
一瞬、どっちがピカソで、どっちがフクロウかわからなくなるほどです(←?)。
そんなフクロウモチーフの作品の中で、
個人的にお気に入りなのは、こちらの作品。
コロンとしたフォルムが、実にキュート。
新手のスマートスピーカーのようです。
さてさて、展覧会では他にも、
魚やウニといった海の生きものをモチーフにした作品や、
ピカソを語る上で決して外すことはできない女性をモチーフにした作品も紹介されていました。
さらに、虫をモチーフにした作品もあります。
ただ、さすがはピカソ。
虫をそのままモチーフにした左下のような作品もありましたが、
女性のおっぱいに虫が止まっている様をモチーフにした作品も制作していました。
どういう状況?
というか、どういうシチュエーションで、このお皿を使えばいいのか?
また、牧神パンなど、架空の生きものをモチーフにした作品も多数制作していたピカソ。
パンの原型はほぼ留めていませんが、
どれもゆるキャラのようで可愛かったです。
グッズにしたら、売れるでしょうに
原型をとどめていないと言えば、こちらの作品も。
そう言われれば、ギリギリ見えなくもないですが。
マーメイドをモチーフにした作品なのだとか。
・・・・・・・・・オリジナリティを出すにもほどがあります。
ちなみに。
自然光が差し込む2階の常設展示室では、
今回も、壁一面にピカソのお皿が飾られています。
ゆるキャラ的なものが多くて、
観ていて、全く飽きることはありません。
そんな中に、最近の草間彌生さんの作品を、
ちょっとだけ彷彿とさせる絵柄のものがありました。
天才で長生きする芸術家が、
最終的に行きつくところは、意外と一致しているのかもしれません。