1年ぶりに、草間彌生美術館に行ってきました。
久しぶりに訪れたら・・・・・
1階のウィンドウ部分が、水玉ver.から無限の網ver.になっていました。
さらに、屋上に設置されていた花をモチーフにした作品も、
《真夜中に咲く花》という別の作品に変わっていました。
草間彌生美術館は刻々と変化し続けているようです。
さて、そんな草間彌生美術館では現在、
“幻の色”という展覧会が開催されています。
テーマはズバリ、「色」。
草間作品の魅力の一つといえる、独特な色彩感覚に注目した展覧会です。
それゆえ、1階エントランスから、
いきなり強烈な色彩が目に飛び込んできます。
手前に見えるのは、《塔》という作品。
塔の中には、無数のソフト・スカルプチュアが詰め込まれています。
そして、奥に見えるのは、《魂を燃やす閃光(A.B.Q)》という作品。
オタマジャクシのような、精子のような、
何やらが画面全体にびっしりと描き込まれていました。
実に、草間さんらしい色彩の作品ですが、
意外にも、初期の作品は、ビビットな色彩は見られません。
いや、むしろ色彩は落ち着いています。
さらに、50年代後半に渡米すると、
色彩はさらに抑えられ、モノクロームに。
ピカソに青の時代やバラ色の時代があるように。
草間彌生さんにも、暗い色の時代、モノクロームの時代があったのですね。
さてさて、本展の見どころの一つともいうべきが、
世界初公開となる90年代に描かれた「無限の網」シリーズ。
モノクロのものや赤いものは、
これまで何度か目にしたことがありましたが、
こんなにもカラーバリエーションが豊富だったのですね!
そして、本展のハイライトとなるのは、3階の展示室。
2009年から2021年にかけて800点以上も描かれた連作「わが永遠の魂」。
そして、現在も描き続けられている最新シリーズの「毎日愛について祈っている」。
その2つのシリーズから選りすぐられた作品で埋め尽くされており、
これでもか、というくらいに、草間さんの色彩を全身で浴びることができます。
どの作品ももちろんインパクトがありましたが、
一番印象に残ったのが、こちらの《毎日愛について祈っている》という作品。
「無限の網」の進化版といった感じですが、
平安時代の料紙を彷彿とさせるものがあり、
どことなく、和風な印象も受ける作品でした。
これまで、草間さんの作品に、良い意味で、
日本美術らしさを感じたことはなかったのですが。
草間さんの色彩感覚の根底には、やはり日本美術のDNAもあるのかも。
そんなことを感じる作品でした。
ちなみに。
4階にある体験型作品は昨年から変わらず。
発光する無数のカラフルな水玉で室内が埋め尽くされた、
《I'm Here, but Nothing》というインスタレーション作品が、引き続き展示されています。
昨年は、モニターに映る草間さんの本人映像に、
気を取られて(?)、体験時間が終了してしまいましたが。
今回は室内をくまなく捜索できました。
その結果、本棚に『ハリー・ポッター』シリーズを発見!
しかし、全巻が揃っているわけではありませんでした。
誰かに借りパクされているのかも?
それから、机の上のペン立てに、
草間さんのぬいぐるみを発見しました。
隠れミッキーみたいな感じで、
見つけたら何かラッキーなことがあるかもしれません。
最後に、もう一点紹介したい作品があります。
草間さんといえば、カボチャがお馴染みですが。
なんと初期の頃に描かれたこちらの作品では・・・・・
キュウリがモチーフとなっていました!
もし、この作品が当時バズっていたら(?)、
草間さんはキュウリをモチーフにした作品を制作し続けていたのかも。
そうなっていたら、直島には巨大なキュウリが設置されていたのかも。
┃会期:2023年11月9日(木)~ 2024年3月24日(日)
┃開館日:木・金・土・日曜日および国民の祝日
┃年末年始の休館:2023年12月25日(月)~ 2024年1月5日(金)
※最新情報はウェブサイトをご確認ください。
┃会場:草間彌生美術館
┃日時指定の予約・定員制(各回90分)
┃※チケットは美術館web サイトのみで販売。窓口での取り扱いは無し。