Quantcast
Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

幻の色

$
0
0

 

 

1年ぶりに、草間彌生美術館に行ってきました。

久しぶりに訪れたら・・・・・

 

 

 

1階のウィンドウ部分が、水玉ver.から無限の網ver.になっていました。

さらに、屋上に設置されていた花をモチーフにした作品も、

 

 

 

《真夜中に咲く花》という別の作品に変わっていました。

草間彌生美術館は刻々と変化し続けているようです。

 

さて、そんな草間彌生美術館では現在、

“幻の色”という展覧会が開催されています。

テーマはズバリ、「色」。

草間作品の魅力の一つといえる、独特な色彩感覚に注目した展覧会です。

 

それゆえ、1階エントランスから、

いきなり強烈な色彩が目に飛び込んできます。

 

 

 

手前に見えるのは、《塔》という作品。

塔の中には、無数のソフト・スカルプチュアが詰め込まれています。

そして、奥に見えるのは、《魂を燃やす閃光(A.B.Q)》という作品。

オタマジャクシのような、精子のような、

何やらが画面全体にびっしりと描き込まれていました。

 

 

 

実に、草間さんらしい色彩の作品ですが、

意外にも、初期の作品は、ビビットな色彩は見られません。

いや、むしろ色彩は落ち着いています。

 

 

 

さらに、50年代後半に渡米すると、

色彩はさらに抑えられ、モノクロームに。

 

 

 

ピカソに青の時代やバラ色の時代があるように。

草間彌生さんにも、暗い色の時代、モノクロームの時代があったのですね。

 

 

さてさて、本展の見どころの一つともいうべきが、

世界初公開となる90年代に描かれた「無限の網」シリーズ。

 

 

 

モノクロのものや赤いものは、

これまで何度か目にしたことがありましたが、

こんなにもカラーバリエーションが豊富だったのですね!

 

 

そして、本展のハイライトとなるのは、3階の展示室。

 

 

 

2009年から2021年にかけて800点以上も描かれた連作「わが永遠の魂」。

そして、現在も描き続けられている最新シリーズの「毎日愛について祈っている」。

その2つのシリーズから選りすぐられた作品で埋め尽くされており、

これでもか、というくらいに、草間さんの色彩を全身で浴びることができます。

どの作品ももちろんインパクトがありましたが、

一番印象に残ったのが、こちらの《毎日愛について祈っている》という作品。

 

 

 

「無限の網」の進化版といった感じですが、

平安時代の料紙を彷彿とさせるものがあり、

どことなく、和風な印象も受ける作品でした。

これまで、草間さんの作品に、良い意味で、

日本美術らしさを感じたことはなかったのですが。

草間さんの色彩感覚の根底には、やはり日本美術のDNAもあるのかも。

そんなことを感じる作品でした。

星

 

ちなみに。

4階にある体験型作品は昨年から変わらず。

発光する無数のカラフルな水玉で室内が埋め尽くされた、

《I'm Here, but Nothing》というインスタレーション作品が、引き続き展示されています。

 

 

 

昨年は、モニターに映る草間さんの本人映像に、

気を取られて(?)、体験時間が終了してしまいましたが。

 

 

 

今回は室内をくまなく捜索できました。

その結果、本棚に『ハリー・ポッター』シリーズを発見!

 

 

 

しかし、全巻が揃っているわけではありませんでした。

誰かに借りパクされているのかも?

 

それから、机の上のペン立てに、

草間さんのぬいぐるみを発見しました。

 

 

 

隠れミッキーみたいな感じで、

見つけたら何かラッキーなことがあるかもしれません。

 

 

最後に、もう一点紹介したい作品があります。

草間さんといえば、カボチャがお馴染みですが。

なんと初期の頃に描かれたこちらの作品では・・・・・

 

 

 

キュウリがモチーフとなっていました!

もし、この作品が当時バズっていたら(?)、

草間さんはキュウリをモチーフにした作品を制作し続けていたのかも。

そうなっていたら、直島には巨大なキュウリが設置されていたのかも。

 

 

 ┃会期:2023年11月9日(木)~ 2024年3月24日(日)

 ┃開館日:木・金・土・日曜日および国民の祝日

 ┃年末年始の休館:2023年12月25日(月)~ 2024年1月5日(金)

   ※最新情報はウェブサイトをご確認ください。  
 ┃会場:草間彌生美術館

 ┃https://yayoikusamamuseum.jp

 ┃日時指定の予約・定員制(各回90分)

 ┃※チケットは美術館web サイトのみで販売。窓口での取り扱いは無し。

 

 

 


1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ にほんブログ村 美術ブログへ


Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

Trending Articles