あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
元日早々から能登で大地震が発生し、
なんだか心の落ち着かない年明けとなりましたね。
被災された方々には心よりのお見舞いを申し上げます。
さて、すっかり毎年恒例となりましたが、
今年も、展覧会はじめに東京国立博物館に行ってきました。
新年早々というのに、お客さんがいっぱい!
特に、国宝室で特別公開中の国宝、
長谷川等伯の《松林図屏風》の前には、スゴイ人だかりが出来ていました。
まるで、立ち見のライブ会場のよう。
心なしか、《松林図屏風》に描かれた松が踊っているように見えました。
本来は、「動」ではなく、「静」を感じる美術品なのに。
また、《松林図屏風》ほどではないですが、
伊藤若冲の《松梅群鶏図屏風》も人気を集めていました。
ついついニワトリの迫真性に目が行ってしまいますが、
足元にちょこんと描き込まれたゆるキャラみたいなヒヨコが可愛かったです。
さてさて、「博物館に初もうで」の名物企画といえば、
その年の干支をモチーフにした作品を紹介する特集展示です。
今年は、“謹賀辰年―年の初めの龍づくし―”と題し、
トーハクの所蔵品から35件の辰(龍)にまつわる作品を紹介しています。
それらの中には、『北斎漫画』や、
龍耳がついた《三彩貼花龍耳瓶》(重要文化財)、
龍を頭に載せた十二神将立像などが含まれています。
龍をモチーフにした美術品や工芸品は多いはずですが、
今回の特集展示では、直球よりも変化球が多用されていました。
例えば、後陽成天皇による「竜虎」の書を紹介してみたり。
また例えば、登竜門の故事にちなんで、鯉モチーフのものを紹介してみたり。
中には、こんなパターンも。
江戸幕府の奥絵師、狩野栄信によって、
描かれているのは芝園(浜離宮)の梅の樹です。
このように、大きな幹が地を這う姿の梅は、「臥龍梅」と呼ばれているそう。
何そのモンスターみたいな名前。
ビオランテ(『ゴジラ』シリーズに登場した怪獣)を連想してしまいました。
なお、それらの中でもっとも龍感(?)が無かったのは、コイツです。
龍というより、シーマン。
飛べそうな気配も無ければ、
泳げそうな気配もありません。
たぶん、そのヒレみたいなので、よちよち歩くのでしょう。
ちなみに。
この企画展示の中で、
個人的にもっとも印象に残っているのは、
出展作品ではなく、第2章のパネルです。
「龍は何しに日本へ!?」は、ちょっと笑ってしまいました。
トーハクがこんなパロディをしてくるとは(笑)。
また、パネルの内容そのものも興味深かったです。
なんでも、龍は9つの動物に似ているとのこと。
爪は鷹に似ていたり、掌は虎に似ていたり。
さすが権力やパワーの象徴だけはあります。
しかし、意外にも目はウサギに似ているのだとか。
こわもてなのに、目はカワイイんかい!
サンドイッチマンの伊達さんのような感じなのですね(←?)。
なお、龍をモチーフにした作品は、
特集展示が行われている展示室以外でも、目にすることができます。
個人的にお気に入りの龍は、
アジアギャラリー(東洋館)で見つけた朝鮮の壺に描かれていたもの。
徹夜明けで描いたのか、
それとも、利き腕でないほうの手であえて描いてみたのか。
おじいちゃんが年賀状に描いた龍、といった印象を受けました。