現在、ワタリウム美術館で開催されているのは、
“梅田哲也展 wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ”という展覧会。
建物の構造や周囲の環境といったものに、
インスピレーションを得たインスタレーションを制作するアーティストで、
近年はツアー形式の作品を発表している梅田哲也さんの最新個展です。
その展覧会名からは、一体どんな内容なのか、全く想像がつきません。
ワタリウム美術館の公式HPでは、こう紹介されています。
「ワタリウム美術館では初となるパフォーマンス公演のような展覧会を開催します。
1公演6名のツアー型の展覧会です。」
「2ヶ月間、ワタリウム美術館は劇場になります」
・・・・・・・・・・・・・・・。
やっぱりまったく想像がつきません。
ということで、百聞は一見に如かず。
行ってみることにしました。
・・・・・と、その前に。
本展は、事前予約制となっています。
13:00以降、毎20分ごとにスタート、
1日に計16回のツアーが行われるようなので、
専用のサイトで、行きたい日時のツアーを選ぶ必要があります。
ただし、定員は各回6名まで。
直前の予約では、定員が埋まっていることもあるので、お気を付けくださいませ。
というわけで、無事に予約を取り、ワタリウム美術館へ。
ちなみに。
本展は全面的に撮影禁止です。
また、特にネタバレ禁止と言われていませんが、
ネタバレしてしまうと、本展の楽しみが半減どころか、
7、8割減してしまうので、できる限り自粛しようと思います。
受付はツアー開始10分前から開始。
受付を済ますと、整理券が渡されます。
5分前に整理券の番号で呼ばれ、受付に再集合しました。
そして、開始時間になったら、
ツアーのメンバー全員で、エレベーターに乗って3階へと向かいます。
ツアーの内容がどんなものなのか、一切説明はありません。
そして、指示らしい指示も特にありません。
ツアーのメンバーは、ところどころで登場するキャスト、
俳優やダンサーといったパフォーマーの案内で、館内を移動することになります。
それも、展示室や移動の外階段だけではなく、
これまで一般には非公開だったバックヤードを含め、
ワタリウム美術館の館内をほぼ網羅するように移動します。
というのも、このツアーは、
ワタリウム美術館の建築的な側面に焦点が当てられているのだそう。
ワタリウム美術館に通い慣れている人でも、
初めて気が付く建築の秘密やスポットが多々ありました。
また、ツアーが20分ごとに行われているのが、本展の大きな特徴。
同じ内容のツアーが繰り返し開催されているため、
途中で、20分前のツアーや20分後のツアーの参加者に遭遇することになります。
20分前のツアーの人たちが、
あんなリアクションを取っていたのはそういうことだったのか!
と、20分後に、20分後のツアーの人たちのリアクションを見て、気づかされます。
知らず知らず、自分たちもパフォーマーの一部になっていた。
そんなゾワっとする体験ができるツアーです。
ツアーを終えた後の率直な感想は、
「で、結局何だったんだろう・・・??」でした。
モヤモヤはだいぶ残ります。
ただ、決して嫌な感じのモヤモヤではなく、
その消化しきれない感じが、新鮮といいましょうか。
今までに味わったことのない感情になりました。良くも悪くも。
なお、1期は来年1月14日までで、
2期は1月16日よりスタートするそうです。
内容は1期と2期で変わるとのこと。
2期ではどのような経験ができるのか。
きっとまたモヤモヤするのでしょうが、
行ってみたい気持ちでいっぱいになっています。