渋谷スクランブルスクエア46階にある展望回路SKY GALLERYではこれまでに、
写真家の石川直樹さんや現代アートチーム「目[mé]」の展覧会が開催されてきました。
その第7弾として現在開催されているのは、
“Ding-dong, ding-dong ~Bells ringing at the bottom of the valley~”という展覧会。
2022年に水戸芸術館美術ギャラリーにて、
大規模個展が開催された美術家・中﨑透さんの最新個展です。
渋谷で開催される本展のために、中﨑さんは、
渋谷に関わる3人にそれぞれインタビューをしたのだそう。
まず1人目は、渋谷で90年代からベルボトムの専門店をやっている店主。
どういう経緯で渋谷に店を構えるようになったのか?
なぜ、ベルボトム専門なのか?
そもそもベルボトムって?
会場では、店主の私物も交えながら、
インタビューでの彼の言葉が紹介されています。
ちなみに。
ベルボトムの発祥には諸説あるそうですが、
ベトナム戦争の時に、兵士が戦争への抵抗として、
ブーツからズボンの裾を出したスタイルから定着したそうな。
「鐘/ベル」の形が、「自由の鐘/Liberty bell」を連想させ、
自由や平和、愛の象徴としてのファッションとして広まっていったとか。
なお、本展のタイトルも、ベルから想起したものとなっています。
2人の目のインタビュイーは、渋谷の都市開発に従事した人物。
今なお日々変化し続ける渋谷の、
主に2000年以降の都市開発について語られています。
それゆえ、会場では、渋谷マークシティの模型や、
今は無き天文博物館五島プラネタリウム関連の資料なども展示されていました。
そして、3人目は、現役のモデルさん。
渋谷に関わりの深い彼女の口から、渋谷の街の魅力が語られます。
なお、会場ではお姿がハッキリと映った写真はなかったのですが、
彼女曰く、学生時代のあだ名は、「シルク・ドゥ・ソレイユ」だったとのこと。
そんなあだ名をつけた人のネーミングセンスに脱帽です(笑)。
インタビューを受けた3人はまったく面識がないそうで、
これまで交わることがなかった(もしかしたら、この先も?)3人の人生が、
中﨑さんによって、ゆるやかにリミックスされていました。
3人の人生は、まさしく三者三様で、
共通するものや似てる部分はありません。
ただ、その交わらないものが一緒くたになっている感じが、
なんとなく、渋谷っぽいといいましょうか、何といいましょうか。
眼下に見える渋谷の光景ともあいまって、妙にしっくりくるものがありました。
ちなみに。
中﨑さんといえば、看板です。
本展でも会場のいたるところに、
中﨑さんによるオリジナル看板が設置されています。
それらの中には、渋谷を代表するあのお店の看板も。
もちろんデザインは、中﨑さんによるオリジナルです。
どの看板も、いい意味で、
本家のイメージとはまったくかけ離れていました。
どの看板も、スナック感に溢れています(笑)
↑109がもしも、この看板だったら、
渋谷のギャルが集うことはなかったはず。
というか、渋谷感すらありません。
赤羽感。もしくは、小岩感。