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崇高さに関する抽象的な覚書

現在、広島市現代美術館で開催されているのは、

“崇高さに関する抽象的な覚書”という展覧会です。

 

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こちらは、ウィーン在住のアーティストの田口和奈さんが着想したグループ展で、

同じくウィーンを拠点に活動を行うアーティストの松原壮志朗さんが構成を担当したもの。

 

それだけに、キュレーターによる一般的な展覧会とは違って、

普段は作品が展示されないデッドスペース的な場所にも作品が設置されていました。

 

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また、一見すると、現代美術とは、

縁の無さそうな物故作家の作品も展示されていました。

 

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さらには、美術史には一切名を残していない、

そもそも、生没年すら不詳の作家も紹介されていました。

 

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キュレーターが企画するものとは一味も二味も違うテイストの展覧会。

展覧会の感想を上手く言語化は出来ませんが、

あえて一言で言うなら、まさに“崇高さに関する抽象的な覚書”でした(←?)。

 

本展で紹介されていた作家の中で、

特に印象的だったのが、ジョアン・カイガー。

アメリカの女性詩人です。

本展では、カイガー生涯唯一のヴィデオ作品《デカルト》が上映されています。

 

 

 

こちらは、フランスの哲学者ルネ・デカルトの『方法序説』を題材にしたもの。

モチーフ自体が小難しいので、内容が小難しかったのは、言うまでもありません。。。

 

続いて印象的だったのが、

日本で本格的に公開されるの初という、

アメリカ出身、ドイツ在住のナンシー・ルポによるインスタレーション作品です。

 

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どういう意図なのか、まったくよくわからなかったですが、

床一面にポリエステルシルク製のバラの花びらが巻かれていました。

さらには、本展のために、彼女自身が、

広島市内各所で入手したという、スチール製のフェンス用支柱杭も。

なお、天井から吊り下げられる形で、

グルグルと回転していたピンクの物体は・・・・・

 

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大人のおもちゃのようです。

そうとはつゆ知らず、グルグルと回る様子を、しばらく見つめ続けてしまいました。

今冷静になってみると、なんだか妙に恥ずかしい気がしてきました。

そう言えば、僕が訪れた時には、

普通に親子連れのお客さんもいらっしゃいましたっけ。

「あのグルグル回ってるピンク色のヤツ、なぁに?」

そう、お子様が両親に無邪気に質問していないことを祈るのみです。

 

 

ちなみに。

展覧会には、本展の着想者である田口和奈さんの作品も出展されています。

2点のうち、1点は普通に展示されていましたが。

 

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もう1点は、めちゃ細い隙間に展示されていました。

 

 

 

鑑賞するためには、この細い隙間に入っていく必要があります。

というか、もしこの隙間に入れたとて。

適切な距離を取り、向かい合って鑑賞できるわけではありません。

間違いなく、今もっとも日本一観づらいアート作品です。

 

 

 

 

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