現在、森美術館で開催されているのは、
“シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝”という展覧会。
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アート界での影響力をランキングで表す「Power 100」で、
昨年度版では7位にランクインしているブラック・アーティスト、
シアスター・ゲイツ(1973~)の日本初となる大規模個展です。
展覧会名にある“アフロ民藝”とは、
アメリカの公民権運動「ブラック・イズ・ビューティフル」と、
日本の「民藝運動」の哲学とを融合したゲイツによる造語。
それゆえ、展覧会の冒頭では、
民藝でお馴染みの木喰による彫刻が設置されていました。
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さてさて、民藝運動に深い関心を持つゲイツが、
日本と関わりを持つようになったのは、2004年のこと。
愛知県常滑市で開催されたという、
「とこなめ国際やきものホームステイ」への参加を機に初来日し、
以来、20年以上にわたり、現地の陶芸家たちとの交流を深めているそう。
なお、常滑市応援大使にも任命されているそうです。
そんなゲイツと常滑市との交流は、
最初の展示室からいかんなく発揮されていました。
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「Shrine」(神聖な空間)と名付けられたこの展示屋には、
ゲイツの作品と併せて、彼に影響を与えた作り手やアーティストの作品、
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さらに、京都にあるお香の老舗の調香師とコラボした新作も展示されています。
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それらの作品ももちろん印象深いのですが、
何よりも印象的だったのは、床一面を覆うレンガです。
この床もまた、ゲイツによる作品であり(タイトルは《遊歩道》)、
床にびっしりと敷き詰められた約1万4000個のレンガはすべて、
このために、常滑市にある水野製陶園ラボによって製作されたのだとか。
ゲイツ曰く、この展示空間は、“美の神殿”をイメージしたのだそう。
確かに、神殿のようでもあり、教会のようでもあり、
さらには、寺社仏閣や茶室のようでもある不思議な空間でした。
また、常滑市との交流から生まれた作品といえば、
「ブラック・ベッセル(黒い器)」と名付けられたシリーズも。
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こちらは、ゲイツのルーツであるアフリカの黒人陶芸に、
日本や朝鮮、中国の陶芸の要素を掛け合わせた作品シリーズ。
作品はすべて彼が住むシカゴの土が使われ、常滑式の「穴窯」で焼かれています。
展覧会タイトルの“アフロ民藝”も
最初の展示室の「Shrine」もそうですが、
異なるカルチャーを絶妙にミックスさせるのが、ゲイツの真骨頂。
そのハイライトともいうべきが、展覧会の最後の章に待ち受けていました。
展示室に入ると、まず目に飛び込んでくるのは、膨大な量の常滑焼。
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その数、実に約2万点!
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これらはすべて、常滑出身の陶芸家、
小出芳弘による作品、蒐集品なのだとか。
彼自身は2022年に亡くなられたそうで、
その残された膨大な陶芸作品の量に圧倒されたゲイツは、
彼の“生涯”を引き受ける覚悟を決め、まとめて買い取ったそうです。
それらをすべて梱包し、目録も作成し、
今回晴れて、美術館でお披露目しています。
ちなみに、この小出芳弘コレクションは、
4tトラックを3台使って運ばれたとのことです。
そんな小出芳弘コレクションと同じ空間に展示されているのが、
氷山(アイスバーグ)の形をしたミラーボール作品《ハウス・バーグ》。
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そして、その奥では、バーカウンターをイメージしたインスタレーションで、
棚に「貧乏徳利」と呼ばれる陶器が約1000本並ぶ《みんなで酒を飲もう》が展開。
さらに、写真では伝わらなくて恐縮ですが、
展示室内では常にハウス・ミュージックが流れています。
あまりにもいろんな要素がミックスされすぎていて、
正直言って、もはや何が何だか、全くよくわからなかったです(笑)。
ただ、わからないにも関わらず、何かテンションがあがりました。
おそらく、本能やDNAに訴えかけてくるものがあったのでしょう。
個人的には、陶芸が好きなこともあって、
ここ近年の森美術館の展覧会の中では、断トツに面白かったです!
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ちなみに。
ゲイツはたびたび、ハイブランドともミックス、
作品とコラボレーションを展開しているそうで。
例えば、「ブラック・ベッセル」の作品の一部に使われているレザーは・・・・・
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ボッテガ・ヴェネタの職人によって制作されたものなのだそうです。
それを知った瞬間、急に高そうに思えてきました。
なお、ゲイツの大型の陶芸作品を入れるこちらの仕覆は・・・・・
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がっつりプラダでした。
ゲイツには、意外とミーハーなところもあるのかもしれません。
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