災害発生時に多くの区民や来街者の方が、
一時的に避難できる安全な場所として割り当てられた「一時退避場所」。
その位置を知らせるため、そして、
世界に向けて文化発信を率先する都市である渋谷区の景観を豊かにするために、
公共スペースにアートを制作するプロジェクト。
それが、シブヤ・アロープロジェクトです。
2017年にスタートし、しりあがり寿さんや、
森本千絵さん、河村康輔さんら多くのアーティストが、
矢印やサインをアート化させていました。
そんなシブヤ・アロープロジェクトが、
今年2024年にリブランディングされ、新たなスタートを切りました。
その第2弾作品として、4月の中旬より、
渋谷消防署横の建物に設置されているのが、こちらの作品です。
続・無料で観れる美術百選050
森山大道《無題》
こちらの写真は、60年近く写真界の第一線で活躍し続ける、
カリスマ写真家・森山大道さんが、1988年にパリで撮影したもの。
一見すると、CGのようにも思えますが、
実際に、このように巨大なクジラのバルーンが空に浮かんでいたのだとか。
なお、写真は幅9mで出力されており、
その大きさには、圧倒されること請け合いです。
事実、この写真の前を行き交う人が、
ほぼ100%の確率で、足を止めていました。
今は平常時なので、それは微笑ましい情景なのですが、
もし、災害発生時にこの場所で足を止める人が続出したら。。。
シブヤ・アロープロジェクト的に問題ないのでしょうか?
というか、そもそもなのですが。
このクジラのバルーンが、矢印ということなのでしょうか?
クジラが向いている先に進め、ということ??
ただ、それを打ち消すように(?)、
一方通行の矢印の看板が設置されており、
ややこしいこと、この上なしです。
よしんば、クジラのバルーンの向く先が、進行方向だったとして。
その先にすぐ待ち受けていたのは・・・・・
なんと、突き当りでした。
右に進めばいいのやら?左に進めばいいのやら?
災害時に、逆に混乱を招かないか不安でなりません。
ちなみに。
森山大道さんの作品に先駆けて、
新シブヤ・アロープロジェクトの第一弾として、
JRの渋谷駅と恵比寿駅の間にある庚申道架道橋に設置されたのが・・・・・
国際的に活躍するグラフィティ・アーティスト、
バリー・マッギーによる幅16m高さ3.5mの大型壁画でした。
その対面には、カリフォルニアでバリーとともに、
活動を続けてきたというアメイズの壁画も設置されています。
・・・・・・・・矢印って何かね?
新シブヤ・アロープロジェクト自身の方向性が心配です。
<無料で観れる美術 データ>
渋谷消防署横の建物
住所:東京都渋谷区神南 1-8-3
アクセス:○JR「原宿」駅より徒歩8分
○東京メトロ「明治神宮前」駅より徒歩8分
○JR・京王線・東急線・東京メトロ「渋谷」駅より徒歩10分