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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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第56回 台東区台東でヴァン・ダイク

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ルノアールを筆頭に、モネ、ゴッホ、シャガール・・・と、
街を歩いていると、時に、美術界の巨匠たちと同じ名前のお店に出くわします。
果たして、それらのお店と巨匠との間に関係はあるのか??

気になるようで気にならない。
でも、気にしてしまったら、気になって仕方がない。
そんな疑問を解消すべく、アートテラーは今日も店へと赴く!!

 

 

御徒町駅から少し離れたエリアに、

お目当てのお店は、ひっそりとありました。

 

 

 

看板は足元に置かれているだけ。

偏見も偏見ですが、建物全体の外観は、

『ナニワ金融道』に登場しそうな印象があります。

 

 

 

店名は、ヴァンダイク。

壁に立てかけられた、サビにサビた看板がお店の長い歴史を物語っているような。

さすがは、フランドル出身のバロック期の画家で、

イギリス国王チャールズ1世の首席宮廷画家として知られる、

アンソニー・ヴァン・ダイクの名前を冠したお店だけはあります。

 

さて、その気になるヴァンダイクは、

階段を上がって、2階にあるようです。

 

 

 

階段を上がったその先には、

ヴァン・ダイクのものではないものの、

誰かしらの作品が飾られていました。

 

 

 

そして、その下におもむろに置かれていたのが、ランチメニュー。

 

 

 

フランドルらしいメニューもなければ、

イギリスらしいメニューもありません。

それが、ヴァンダイクです。

 

 

 

さて、扉をくぐって、店内に入ると、

12時前だというのに、ほぼ席が埋まっていました。

お客さんはすべてサラリーマン。

本家の(?)ヴァン・ダイクは、宮廷で活躍したセレブリティですが、

御徒町のヴァン・ダイクには、それらしい人は一人もいませんでした(←失礼)。

さらに、女性客も一人もなし。

その理由はおそらく、喫煙可能だからでしょう。

ほぼ全員がタバコをスパスパ吸っています。

マジで一瞬だけ、『不適切にもほどがある』の時代に、

タイムスリップをしてしまったかのような感覚に陥りました。

 

というわけで、店内全体の写真は撮影できなかったですが、

やはりヴァン・ダイクはないものの、数点ほど絵画が飾ってありました。

絵画とタバコが楽しめる店。

それが、ヴァン・ダイクです。

 

もちろん、ランチも楽しめます。

ナポリタンとも悩みましたが、

今回は、店の一番人気というしょうが焼きをオーダー。

しばらくして運ばれてきたのが、こちらです。

 

 

 

ヴァン・ダイクといえば、

ヴェネツィア派から影響を受けたとされる、

軽妙な筆致と華麗な色彩が特徴的ですが。

こちらのヴァンダイクの盛り付けも、

多少のはみだしは気にしない軽妙さと、

キャベツの緑やナポリタンの赤で彩りを演出していました。

 

ちなみに。

肝心のお味ですが・・・・・まぁ・・・・・うん。

決して、口に合わなかったわけではないですが、

ショウガの味がほとんど感じられなかったというか、

そもそも、タレの味もほとんど感じられなかったというか。。。

あれは何味なんでしょう?炭味?

焦げ感を味わうメニューという感じでした。

ただ、このご時世で、これだけのボリュームで700円は破格!

スモーカーのサラリーマンに人気なのは納得でした。

 

なお、店内で唯一、ヴァン・ダイクらしさを感じられたのは、カウンター内の棚でしょうか。

 

 

 

ヴァン・ダイクのようなオールドマスターの、

古典的絵画は表面がニスで覆われているものですが。

ヴァンダイクの棚の表面も・・・・・

 

 

 

長年の油でニスのような輝き(?)を放っていました。

もはや、オールドマスターの風格すら感じられます。

 

 

<お店情報>
ヴァンダイク

住所:東京都台東区台東4-21-22
定休日:土、日曜日
営業時間:11:00~15:00




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