ルノアールを筆頭に、モネ、ゴッホ、シャガール・・・と、
街を歩いていると、時に、美術界の巨匠たちと同じ名前のお店に出くわします。
果たして、それらのお店と巨匠との間に関係はあるのか??
気になるようで気にならない。
でも、気にしてしまったら、気になって仕方がない。
そんな疑問を解消すべく、アートテラーは今日も店へと赴く!!
御徒町駅から少し離れたエリアに、
お目当てのお店は、ひっそりとありました。
看板は足元に置かれているだけ。
偏見も偏見ですが、建物全体の外観は、
『ナニワ金融道』に登場しそうな印象があります。
店名は、ヴァンダイク。
壁に立てかけられた、サビにサビた看板がお店の長い歴史を物語っているような。
さすがは、フランドル出身のバロック期の画家で、
イギリス国王チャールズ1世の首席宮廷画家として知られる、
アンソニー・ヴァン・ダイクの名前を冠したお店だけはあります。
さて、その気になるヴァンダイクは、
階段を上がって、2階にあるようです。
階段を上がったその先には、
ヴァン・ダイクのものではないものの、
誰かしらの作品が飾られていました。
そして、その下におもむろに置かれていたのが、ランチメニュー。
フランドルらしいメニューもなければ、
イギリスらしいメニューもありません。
それが、ヴァンダイクです。
さて、扉をくぐって、店内に入ると、
12時前だというのに、ほぼ席が埋まっていました。
お客さんはすべてサラリーマン。
本家の(?)ヴァン・ダイクは、宮廷で活躍したセレブリティですが、
御徒町のヴァン・ダイクには、それらしい人は一人もいませんでした(←失礼)。
さらに、女性客も一人もなし。
その理由はおそらく、喫煙可能だからでしょう。
ほぼ全員がタバコをスパスパ吸っています。
マジで一瞬だけ、『不適切にもほどがある』の時代に、
タイムスリップをしてしまったかのような感覚に陥りました。
というわけで、店内全体の写真は撮影できなかったですが、
やはりヴァン・ダイクはないものの、数点ほど絵画が飾ってありました。
絵画とタバコが楽しめる店。
それが、ヴァン・ダイクです。
もちろん、ランチも楽しめます。
ナポリタンとも悩みましたが、
今回は、店の一番人気というしょうが焼きをオーダー。
しばらくして運ばれてきたのが、こちらです。
ヴァン・ダイクといえば、
ヴェネツィア派から影響を受けたとされる、
軽妙な筆致と華麗な色彩が特徴的ですが。
こちらのヴァンダイクの盛り付けも、
多少のはみだしは気にしない軽妙さと、
キャベツの緑やナポリタンの赤で彩りを演出していました。
ちなみに。
肝心のお味ですが・・・・・まぁ・・・・・うん。
決して、口に合わなかったわけではないですが、
ショウガの味がほとんど感じられなかったというか、
そもそも、タレの味もほとんど感じられなかったというか。。。
あれは何味なんでしょう?炭味?
焦げ感を味わうメニューという感じでした。
ただ、このご時世で、これだけのボリュームで700円は破格!
スモーカーのサラリーマンに人気なのは納得でした。
なお、店内で唯一、ヴァン・ダイクらしさを感じられたのは、カウンター内の棚でしょうか。
ヴァン・ダイクのようなオールドマスターの、
古典的絵画は表面がニスで覆われているものですが。
ヴァンダイクの棚の表面も・・・・・
長年の油でニスのような輝き(?)を放っていました。
もはや、オールドマスターの風格すら感じられます。
<お店情報>
ヴァンダイク
住所:東京都台東区台東4-21-22
定休日:土、日曜日
営業時間:11:00~15:00
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