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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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未来を担う美術家たち DOMANI・明日展2013

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国立新美術館で開催中の “未来を担う美術家たち DOMANI・明日展”

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-domani


こちらは、文化庁の在外研修制度 (新進芸術家海外研修制度) により、
海外派遣された若手芸術家の成果発表の場として、1998年より毎年開催されている美術展です。

もはや、すっかり国立新美術館の恒例プログラムとして定着している感のある “DOMANI・明日展” ですが。
実は、意外にも (?) 、自分が訪れるのは、2009年以来。
僕の中では、恒例プログラムとしては定着していなかったようです (笑)


・・・と言いますのも、あまり足を運ぶ気になれなかったのは、
出展されているアーティストのラインナップに、そこまで魅力を感じなかったから。
ほぼ知らない人ばかりの美術展に、入場料として1000円を払うのは、少々抵抗がありました。
むしろ、彼ら (=出展アーティスト) に、在外研修制度の費用を支援するくらいなら、
僕ら (=観賞する人々) の入場料を支援して欲しい、と、文化庁に対して、思ったものです。はい。


ところが、入場料こそ変わりませんでしたが、
今年の “DOMANI・明日展” は、出展アーティストが、例年より豪華なラインナップに!
2年前に東京オペラシティアートギャラリーで個展が開催された曽根裕さんをはじめ、
超細密なペン画で知られる池田学さんや、変装写真でお馴染みの澤田知子さん、
横浜トリエンナーレや越後妻有トリエンナーレでも大活躍の塩田千春さんなどが、出展しているとのこと。
これは、現代アート好きな人にとっては、かなり魅力的なメンバーなのではないでしょうか。

というわけで、今年は、かなりの期待を込めて、 “DOMANI・明日展2013” を訪れました。
まず、会場で一番驚いたのは、一部の作品に関しては、写真撮影が可能なこと。

神彌佐子さんの作品も、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-神彌佐子  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-神彌佐子


青野千穂さんの作品も、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-青野千穂  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-青野千穂


そして、塩田千春さんのインスタレーション作品まで、写真撮影が可能!

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-塩田千春


ちなみに、今回出展されていた 《大陸を越えて》 のは、
無数の履き古された靴を、赤い糸で結ぶというインスタレーション作品。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-大陸を越えて


それらの靴一つ一つに、実際に履いていた人の思い出が添えられていて、何だかジ~ンとしてしまいました。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-大陸を越えて  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-大陸を越えて


「キレイ!」 とか 「スゴイ!」 とか、
一言では言い表し切れない、想いがずっしりと詰まった作品でした。


さてさて、今回出展されている12人のアーティストの中には、
失礼ながらも、今回初めて知ったという方も、いるのですが・・・。
その中で、自分的に気になるアーティストが3名いたので、ピックアップしてご紹介。
(これからは、その名前を覚えておきます!)

まずは、ガラスや鏡をテーマに作品を制作するという行武治美さん。
彼女の力で、あの味気ない国立新美術館の展示室が大変身!

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-行武治美  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-行武治美


鏡で絵を描く (形作る) というのは、これまでにありそうでなかったアート。
ミラーボールを彷彿とさせ、どこかゴージャスでバブリーな印象でした。
また、床に、このような鏡を配置することで・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-行武治美


天井のライトの光を壁に反射させてみたり、と、他の作品も非常に気になるアーティストです。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-行武治美


続いては、平野薫さん。
彼かつて誰かが身につけていた衣服をほどいて、
再び紡ぐように再構成するのが、平野さんのスタイル。
つまり、洋服のリメイクのアート版 (←ざっくり言ってしまえば)
例えば、こちらは、元・ワンピース。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-平野薫


平野さんがほどいて再び紡ぐと、こんな風になっちゃいます。
とりあえず、着れないことは確かです。

会場には、こんな作品も。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-平野薫


毛糸玉なのか、どうなのか。
探るようにジロジロと観た後、ふとキャプションに目をやると・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-平野薫


元・パンティーであることが判明!!
ジロジロ見ちゃって、すいません(/-\*)

もう一つ、平野さんの作品で気になったのが、この謎の細い棒。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-平野薫 アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-平野薫


実は、この作品の正体は、たくさんのボタン。
ありそうでなかった発想です。


3人目は、橋爪彩さん。

プロメテウスの涙 (文春文庫)/文藝春秋

¥600
Amazon.co.jp


こちらの小説の表紙にも使われている 《Girls Start the Riot》 を筆頭に、
全14点の絵画作品が展示されていましたが、そのどれもに独特のエロスが漂っていました。
橋爪彩さんのエロスは、杉本彩のエロスとイイ勝負です。
これからは、勝手に、 『W“彩”』 と呼ぶことにします。


前回よりは、格段に面白かったですが、
やはり、美術展というよりも、単に発表会という印象が否めなくて、1つ星。
星


最後に、特筆すべきこととしましては、
なぜか、今回の “DOMANI・明日展” は、ミュージアムショップが充実していました (笑)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ミュージアムショップ  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ミュージアムショップ


ちなみに、こちらの充実しすぎなミュージアムショップでは、
ミュージアムショップの定番中の定番ポストカードに、新たな革命を起こしていました。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ポストカード


一見、普通のこのポストカード。
裏返してみると・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ポストカード


別の図柄が!
これは、

「ポストカードを、ハガキとして使用せず、観賞用として購入する人は約30%」

という独自のアンケート調査から生み出した2WAYポストカード。
確かに、このアイディアは、素晴らしいひらめき電球



・・・・・が、ミュージアムグッズ開発を頑張って、どうする (笑) ?!



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