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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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バウハウスの素材

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こちらのCMでお馴染みのミサワホーム。
そのミサワホームの総合研究所には・・・

“ミサワバウハウスコレクションというギャラリーが併設されているらしい!”

そんな情報の真偽を確かめるべく、下高井戸にあるミサワホーム総合研究所へ。
(注:予約制のため、事前予約が必要です)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ミサワホームの総合研究所  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-看板


さてさて、来てはみたものの、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ミサワホームの総合研究所


正直なところ、あまり期待はしていませんでした。
もっと意地悪なことを言えば、

「どうせ、最近のバウハウスブームに乗っかっただけじゃないの?
 たぶん、ちょこちょこっとバウハウス関連の展示品が飾ってあるだけなんだろうなぁ^^;」


と、高を括っていました。


ところが!!


僕が予想していたイメージを大きく裏切って、
なかなかどうして開放的で広めの立派な展示スペース!

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-gallery
(注:この記事に使用している写真は、特別にミサワバウハウスコレクションさんより提供頂いたものです)


企業ギャラリーというよりも、ちょっとした企業ミュージアムといった印象です。
そんな展示スペースに、マルセル・ブロイヤーの 《クラブ・アームチェアB3(ワシリー)》 や、

《100%MADE IN ITALY》マルセル・ブロイヤー ワシリーチェア スティールライン社...

(注:画像はイメージです)


マリアンネ・ブラントの 《灰皿》 など、

【送料無料】 アレッシィ ALESSI アレッシー バウハウス BAUHAUS スタンド付き灰...

(注:画像はイメージです)


バウハウスを代表するプロダクトの数々や、
ドローイングやポスターなどバウハウス関連の展示品が広がっていました。

(ヨースト・シュミット 《バウハウス展のポスター》 1932年)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ヨースト・シュミット


予想していたよりも、遥かに充実したバウハウスコレクションです。

「たぶん、ちょこちょこっとバウハウス関連の展示品が飾ってあるだけなんだろうなぁ^^;」

↑あの前言撤回です。申し訳ありませんでした。


ところで、一体、ミサワハウスは、どれくらいバウハウスコレクションを持っているのでしょうか。
学芸員さんを捕まえて、質問してみたところ、
「作品は約1500点、資料は約1200点。」 とのこと。
実は、バウハウスの本国ドイツ以外で、
これほど膨大でまとまったバウハウスコレクションを持っているのは、ミサワハウスだけなのだとか。

“・・・ん?それだけ膨大なコレクションということは??”

2008年の “バウハウス・デッサウ展” (東京藝術大学大学美術館) をはじめ、
ここ数年、日本各地で、バウハウス関連展が開催されているわけですが、
それらの展覧会にも、ミサワバウハウスコレクションは出展されていたりするのでしょうか。
学芸員さんによれば、もちろんその通りだそうで、
さらに、衝撃的で重要な事実を教えてくださいました。

ミサワハウスが、バウハウスコレクションを購入したのは、1989年のこと。
それを受けて、1994年に、川崎市市民ミュージアムで、
ミサワバウハウスコレクションを初めてまとめて紹介するバウハウス展が開催されました。
これをきっかけに、それまで、日本では、
ほぼ建築やデザイン界の人にしか知られていなかったバウハウスが、一般にも浸透。
『CASA BRUTUS』 や 『Pen』 などの雑誌で特集が組まれたことも、
一般的に認知されたる要因の一つですが、それにもミサワバウハウスコレクションが深く関わっているそうです。

つまり。
もし、ミサワバウハウスコレクションがなかったら、
今のように、バウハウスが日本では市民権を得ていなかったかもしれないのです。

「どうせ、最近のバウハウスブームに乗っかっただけじゃないの?」

↑激しくあの前言撤回です。重ね重ね申し訳ありませんでした。


さてさて、質問からの流れで、有難いことに、
そのバウハウス研究一筋学芸員さんに、マンツーマンでガイドして頂くことになり、
その熱くバウハウス愛に満ちた解説に、目からウロコがポロポロ。

ALESSI アレッシィ BAUHAUS バウハウス SET OF TWO TEA INFUS.../ALESSI アレッシィ

(注:画像はイメージです)


バウハウスの生徒がデザインしたという茶漉し一つで、
あれだけの深いイイ話が出来る人物は、世界中を探しても、
ミサワバウハウスコレクションの学芸員さんしか、いらっしゃらないのではないでしょうか。
(注:訪れたら、いつでも学芸員さんの解説が聞けるというわけではありせんので、あしからず)


ともあれ、これまで美術館や雑誌で紹介されていたのは、
バウハウスのほんの一面でしかなかったことが、よ~くわかりました。
バウハウスっぽいデザインを見て、
「あれって、バウハウスっぽいね。」 と発言することが、何と薄っぺらいことか。
バウハウスというのは、決して一言で言い表せないものなのです。

というわけで、僕も、この記事では、知ったかぶりすることなく、バウハウスに関しては特に語らず。
是非、バウハウスに興味を持たれた方は、ミサワバウハウスコレクションへ (←丸投げ?)


か日本にバウハウスを広めたミサワハウスは、
今でも、ここでの展示を通じて、正しいバウハウス像を伝え続けているのです。
その姿勢に、深く感銘を受けました。
星星


ちなみに、3月1日までは・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-バウハウス


バウハウスの素材” という展覧会が開催されています。。
鉄、ガラス、アルミニウム、土、洋銀…etc、
バウハウスデザインを素材別に紹介するという、なんともニッチな展覧会ですが。
そこらへんの (?) バウハウス展よりも、充実度は高いです。
デザイン好き、建築好きな方は、是非!




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