東京都現代美術館が、継続的に開催している若手アーティストを中心としたグループ展。
それが、MOTアニュアル。
その2012年度ver.は・・・
“Making Situations, Editing Landscapes 風が吹けば桶屋が儲かる”
というテーマのもと、
『物事の通常の状態に手を加え、異なる状況を設定することで、
日常の風景に別の見え方をもたらす7組のアーティスト (展覧会HPより)』
を紹介するのだそうな。
・・・・・・・具体的に、どんなアーティストなのか、ピンとは来ませんが。
同時開催中の “アートと音楽” とセットで観れば、
チケット代が儲かるので、こちらも観てみることにしました (笑)
さて、この美術展。
受付にて、衝撃的な事実が発覚しました。
チケットをもぎってもらった後に、受付の方から渡されるのが、こちらの紙↓
何が書かれているのかと、よく目を通しますと・・・
何やらスケジュールが、ビッシリと記載されています。
実は、こちらは、参加アーティストのうちの1人・田中功起さんのMOTアニュアル期間中の活動カレンダー。
なんと田中さんは、参加アーティストでありながら、展覧会場には、作品を1点も出展しておらず、
期間中、東京都現代美術館の外で、何かしらの活動をしているということが、今回のアートなのだとか。
24時間テレビでいうところの、マラソンランナー的な立ち位置ではなかろうか。
ともあれ、参加作家の作品が、会場に無いというのは、前代未聞です (笑)
ちなみに、田中さんは、会期中の10月30日に、
山手線の車内で、アーティストトークをしたそうで・・・
その時の様子が収録されたリーフレットが、展覧会場で配布されていました。
田中功起さんによる予測不能なパンチから始まったMOTアニュアル2012。
“これは、面白そうな美術展だぞ♪”
と、期待は高まります。
とりあえず田中さんは一旦脇に置いておきまして (笑)
まずはじめに会場で紹介されているのが、
森田浩彰さんによる 《人が集まる場所で、みんなで、行う、何か。》 という作品。
作品と言いますか、会場に置かれているのは、何やらが書かれた紙のみ。
一種類につき一人一部ずつ貰えるので、何はともあれ、全部頂くことに。
計21枚也。
それらには何が書かれているのかと言えば・・・
美術館内の様々な場所で実際に行われている/設置されている/
知らない間に観客も参加しているかもしれないことが、それぞれに書かれています。
裏返してみると・・・
ご丁寧に地図まで記載されています。
ちなみに、実際にロッカーに婚姻届が置かれているのか、気になって仕方がなかったので。
美術展の観賞後に、ロッカーに確認をしに行ってみることに。
確かに、ロッカーの中に、婚姻届が (笑) !!
MOTアニュアル2012を観る前に、
ロッカー内の婚姻届に気づいてしまった人は、相当驚いたことでしょう。
このロッカーの婚姻届以外にも、
森田さんは、いろいろな仕掛けを、美術館内に施しています。
その中には、こんなものも↓
オレンジのリボンをつけた監視員さんを見つけたので、試しに頼んでみたところ・・・
本当に、携帯カイロが貰えちゃいました (笑)
そんな森田さん以上に、東京都現代美術館を巻き込んでしまっているのが、田村友一郎さん。
《深い沼》 と名付けられた彼のインスタレーション作品は、
とあるテキストとともに、展示空間いっぱいに、東京都現代美術館所蔵の絵画や彫刻作品を展示したもの。
それだけでは、インスタレーション作品というよりも、
単なる田村友一郎さんセレクションの東京都現代美術館の所蔵作品展に過ぎないのですが。
彼の作品の真骨頂は、その続き。
なんと、企画展示室を飛び抜けて・・・
地下3階の駐車場へと続いているのです。
地下3階の駐車場に出現した、まさかの光景とは?!
気になる方は、是非、ご自身の目で。
ちなみに、この展示があるために、地下3階の駐車場は、現在使用不可になっているのだとか。
・・・・・ん?美術館のスタッフブログには、こんな案内が↓
『「アートと音楽―新たな共感覚をもとめて」、「MOTアニュアル2012 Making Situations Editing Landscapes 風が吹けば桶屋が儲かる」展は、2月3日(日)で会期が終了致します。
おかげさまで、会期初日より、たくさんのお客様にご来場いただき、ありがとうございます。
最終日にかけて混雑が予想されます。
特に土日は、いくつかの作品でご覧いただくのにお待ちいただく場合がございます。
ご来館をご予定のお客様はお時間に余裕を持ってお越しください。
また、駐車場の台数にも限りがございます。
なるべく公共の交通機関をご利用くださいますよう、お願い申し上げます。
皆さまの、ご来館をお待ちしております。』
間違いなく、田村さんの作品のせいですね (笑)
・・・と、面白い作品とは、たくさん出合えたのですが。
“面白いけれども、面白いだけ” という作品が、そのほとんどだった気がします。
駄菓子も美味しいですが、いくら駄菓子を食べても、お腹が膨れないように。
今回のMOTアニュアルに出展されていた作品を、
いくら鑑賞したところで、充実感や満足感はいっぱいになりませんでした。
いろんなアーティストが参加している美術展で、
今回のMOTアニュアル参加作家のうちの一人だけが参加しているなら、いい意味でスパイスになるのでしょうが。
そういう作家ばかりを集めちゃダメなような気はしました。
余談ですが。
2月3日まで、東京都現代美術館のエントランスホールには、
ビートたけし×ヤノベケンジの豪華コラボレーション作品が設置されています。
1時間に1回、井戸の中より・・・
頭に斧が刺さった謎の生命体が現れます!!
MOTアニュアル2012の作品よりも、こちらの作品のほうが、満足度が高かったです (笑)
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MOTアニュアル2012
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