今回ご紹介する美術展は・・・
国立科学博物館で開催中の “グレートジャーニー ~人類の旅~” です。
『グレートジャーニー』 と言えば、1993年から2002年にかけて、
フジテレビジョン系で不定期に放送されていた紀行ドキュメンタリー番組。
実に長い年月をかけて、その誕生の地であるアフリカのタンザニアから、
南米最南端のナバリーノ島に至るまで、人類は地球上に拡散していきました。
その遥かなる旅路・グレートジャーニーを、
探検家・関野吉晴さんが、逆ルートで辿って行くという無茶な冒険ドキュメンタリー番組です。
しかも、人力で。
そんな関野さんの旅する姿をテレビで観て、子供ながらに感動を受けたことを今でも覚えています。
そんな伝説的な冒険番組が、国立科学博物館の特別展として復活!
これは、もう行くしかありません。
さてさて、 “グレートジャーニー ~人類の旅~” の旅路は、
タンザニア・ラエトリ遺跡にある人類最古の足跡・・・のレプリカから始まります。
ただ、レプリカとは言えども、遥か遠い祖先の足跡かと思うと、非常に感慨深いものがありました。
関野さんほど壮大な規模の旅でなくていいですが (笑)、
この遺跡を求めて、いつか旅に出てみたいと思ってしまったほどです。
それでは、ここから、いよいよ “グレートジャーニー ~人類の旅~” がスタートするようです。
関野さんが旅で辿った熱帯雨林・高地・極北・乾燥地帯の4つのエリアを、
その地で生きている人々の生活や知恵を、さまざまな展示品で紹介されています。
関野さん本人も、そう言ってます↓
・・・・・と、このパネルからも想像が付くように。
『グレートジャーニー』 の展覧会ver.なのですが、
パネルによる解説は、番組のように硬派な感じではなく、むしろ全体的には、ちょっとユルめ。
例えば、熱帯雨林に住む人々の住居の模型。
その解説パネルに目を向けると・・・
「セキノ不動産」 の文字が。
なかなかの遊び心です。
例えば、ウーリーモンキーという猿の剥製。
その解説パネルに目を向けると・・・
ウーリーモンキーを美味しく食べるためのレシピが公開されていました。
なかなかブラックな遊び心です (笑)
これらの解説のおかげで、展覧会をより深く楽しむことが出来たのは間違いありませんが。
展示されている品々や紹介されているトピックが、
どれもこれも興味深いものばかりなので、これらの解説が無くても、楽しめること請け合いです。
従来の 『グレートジャーニー』 ファンは、
ゆるめの解説パネルを、あえてスルーした方が楽しめるかもしれません。
今回紹介されている展示品の中で、もっとも印象深かったのが、
かつてアマゾンの先住民たちが売買していたという 「干し首」。
(注:会場は基本的に写真撮影可能ですが、干し首は撮影不可です)
干し首とは、一体どんなものかと言いますと・・・
[注意:この解説文には暴力シーンやグロテスクな表現が含まれています]
特にエクアドルの先住民に伝わる風習で、
敵の部族の首を奪い去った際に、その首から頭蓋骨を抜き取り、
顔の内側から皮を鞣し、内側からまぶたを縫い合わせ、さらに、皮を丸めるようにしながら、
頭蓋骨を抜き取った箇所を塞ぎ、二回りくらいの小ささの顔の形にして、乾燥させるというもの。
とにもかくにも、小さいながらも、その存在感がハンパない代物!!
これまで数々のアート作品を目にしてきましたが、それらを軽く凌駕する作品 (?) です。
そういう文化があったということは、頭では理解できますが、心では到底受け入れられず。
禍々しさ、いたたまれなさ、嫌悪感・・・etc
自分の心の奥底にあるドロドロとした負の感情が、これでもかと噴出してきました。
いくら芸術家が頑張っても、あそこまで圧倒的な存在感を放つものは作れないことでしょう。
圧倒的な存在感と言えば、こちらも撮影不可でしたが、
日本初上陸となる世界最古のチンチョロ文化のミイラも、引けを取っていませんでした。
チンチョロ文化とは、エジプトではなく、実はチリ北部の文化です。
エジプトよりも古いミイラ文化がチリにあったという事実に驚愕。
さらに、公開されていたのが、幼子のミイラであったことにも驚愕。
というか、そもそも、 『グレートジャーニー』 の展覧会と思って、
何も知らずに来て、会場で、干し首やら世界最古のミイラに遭遇したことが驚愕です (笑)
さらにさらに、もう一つ存在感を放っていた展示品が、こちら↓
関野さんのパンツ (笑)
何でこんなところに、関野さんのパンツが晒されているのか。
その答えは、是非会場で。
まぁ、干し首やらミイラやらは、少々刺激が強かったですが。
それも含めて、人類の文化というものを、強く考えさせられた展覧会でした。
また、自分も人類の一員であるという強い自覚を得た展覧会でもありました。
非常に、ポジティブな気持ちになれる展覧会です。
『グレートジャーニー』 を全く見てなかったという方にもオススメ!
ちなみに、この “グレートジャーニー ~人類の旅~” の旅路は、
展覧会の冒頭で紹介されていた足跡の持ち主・アファール猿人を復元した模型で締めくくられています。
ネットのニュースにもなっていたので、ご存じの方も多いでしょうが、
このアファール猿人のモデルとなっているのは、なんとナインティナインの岡村さん。
「岡村さん何してはるんですか?」 と言わずにはいられません (笑)
とっても感動的な展覧会でしたが、一つだけ残念だったのが、
展覧会の鑑賞直後に、ミュージアムショップで、こんな商品と出合ってしまったこと。。。
感動が台無しになりかねない暴力的なダジャレである。
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グレートジャーニー ~人類の旅~
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