三井記念美術館で開催中の “河鍋暁斎の能・狂言画” に行ってきました。
こちらは、幕末から明治にかけて活躍した絵師・河鍋暁斎をフィーチャーした美術展。
・・・と言っても、ただ絵師としての河鍋暁斎をフィーチャーしただけでなく。
能・狂言を愛好し、素人ながら自らも能の舞台に立ったこともある河鍋暁斎にちなんで、
河鍋暁斎が描いた能・狂言画をフィーチャーした美術展。
そのことからもわかるように、かなりニッチな美術展と言えるでしょう。
河鍋暁斎と言えば、これまでは、妖怪画のイメージで紹介されることが多かった絵師。
能や狂言の絵を描いているイメージは、
あまり・・・というか、全然ありませんでした。
それだけに、
「本当に、そんな美術展が成立するの(¬_¬) ??」
と、少々イジワルな気持ちで、会場を訪れたのですが。
能の演目の一つ 『猩々』 の場面を描いた 《猩々図扇面》 に、
(注:展示は、5/19にちまで)
同じく能の演目 『石橋』 を画題にした 《石橋図屏風》 、
『唐人相撲』 という狂言の演目をテーマにした 《唐人相撲図》 ・・・などなど、
河鍋暁斎が描いた能・狂言画は、意外なほどに存在していました。
それも、やはり本人が舞台にあがっていただけあって、空気感や臨場感は抜群。
絵の中の人物が、本当に動いているかのような印象を受けました。
・・・・・・・・ただし。
確かに、河鍋暁斎が描いた能・狂言画だけで、
ひとまず美術展の体裁は整っていた気はしたのですが。
河鍋暁斎の作品だけでなく、その息子や娘、弟子の作品も紹介されていたり、
下絵やスケッチを紹介するコーナーが、全体の20~25%くらいを占めていたり。
《能「道成寺」(鐘の中)下絵》
美術展の形にはなっていたものの、
「・・・・・・・・・で?」
というのが、率直な感想です。
そこまでして、河鍋暁斎が描いた能・狂言画だけに絞らなくても良かったような。
能や狂言が好きな人ならともかくも、
一般的な観賞者としては、他の河鍋暁斎作品を紹介するとか、
もしくは、せっかく三井記念美術館は重要文化財の 《旧金剛宗家伝来能面》 を所蔵しているのですから、
(注:今回は展示されていません!)
それらも併せて紹介するとか、何かもう一つ工夫があった方が楽しめた気がしました。
今回の美術展が、マニアックすぎた分、
次回の三井記念美術館の美術展に期待したいと思います。
ゲゲゲ。
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河鍋暁斎の能・狂言画
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