昨日紹介した古染付も、だいぶユルかったですが。
それ以上に、ユルい美術品が集まった美術展が、日本民藝館で始まりました。
“つきしま かるかや ―素朴表現の絵巻と説話画” は、8月18日まで開催されています。
美術展のタイトルにある “つきしま” とは、
日本最高峰の素朴絵の呼び声が高い 《つきしま(築島物語絵巻)》 のこと。
一方、 “かるかや” とは、サントリー美術館が所蔵する 《絵入本 かるかや》 のこと。
どちらも、ともに室町時代に作られたものです。
そんなにも古くから、日本には、ヘタウマ文化が成立していたとは!
実に興味深い事実です。
個人的には、 《絵入本 かるかや》 よりも、
《つきしま(築島物語絵巻)》 のユルさのほうに、脱力&悶絶 (笑)
どの場面も、フルスロットルでユルい!
ゆるゆる過ぎて、もはや、潔さすら感じるレベルでした。
昨今のゆるキャラのように、最初から、ユルさを狙っている感じではなく、
おそらく作者は、超大真面目に描いていて、それが、いちいちユルいというのが、何よりもの魅力。
ゆるキャラが氾濫している現代だからこそ、
《つきしま(築島物語絵巻)》 に描かれた天然モノのゆるキャラが、きらめいて見えました。
久しぶりに、美術館で声をあげて笑ってしまいました。
2つ星です。
・・・・・・・いや、美術展のラインナップ的には、
《絵入本 かるかや》 や 《つきしま(築島物語絵巻)》 以外にも・・・
《浦島絵巻〔甲本〕 1巻(部分)》
《新當流剣術秘伝書 1巻(部分)》
《曽我物語屏風》
素朴なユルい絵が次々と登場するので、大・大・大満足だったのですが。
(マイベストは、 《十王図》)
美術展としてもユルく、会場にほぼキャプションが無い状況。
いやはや、そこは、ユルくしないで欲しかったです (苦笑)
確かに、素朴な絵なので、何の知識がなくても、ただ眺めて楽しめます。
しかし、作品と向き合ったら、どうして、このような作品が描かれたのか、
そもそも何のために描かれたものなのか、知りたくなるのが自然な流れではなかろうか。
「もし詳しいことを知りたいのなら、展覧会公式図録を読んでください」 的な感じが、少し残念でした。
キャプションも充実していたら、間違いなく3つ星だったと思います。
ちなみに、その展覧会公式図録の値段は、2940円 (税込) でした。
3000円でも、2800円でも、2980円でもなく、2940円。
なんとも中途半端な価格。
その価格設定も、またユルい!
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つきしま かるかや ―素朴表現の絵巻と説話画
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