現在、埼玉県立近代美術館では、
“浮遊するデザイン―倉俣史朗とともに” が開催されています。
こちらは、 「浮遊するデザイン」 というキーワードで、世界的なデザイナー・倉俣史朗を紹介する展覧会です。
一昨年に、21_21 DESIGN SIGHTにて、 “倉俣史朗とエットレ・ソットサス” という展覧会が開催されていましたが。
今回は、倉俣史朗がメインを張る展覧会。
倉俣史朗というデザイナーを、より掘り下げた展覧会と言えましょう。
今回の展覧会では、 《ミス・ブランチ》 や、
1988年/埼玉県立近代美術館蔵
《硝子の椅子》 をはじめ、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
倉俣史朗の代表的な作品の数々が展示されていました。
それらの作品の数々を目にして、何よりも驚いたのが、全く古さを感じなかったこと。
例えば。
こちらの家具は、1970年代に発表されたシリーズ。
ここ数年に発売されたものと言われても、全く違和感がありません。
むしろ、今風すぎて、むしろ1970年代に発表された時に、違和感があったのでは?
また、机自体が照明器具になっている 《光のテーブル》 や、
収納とディスプレイという2つの機能を兼ね備えた 《プラスチックの洋服ダンス》 など、
一目見ただけで、 「なるほど!」 と膝を打ちたくなるような、
胸にストンと落ちるような、一種の爽快感が倉俣史朗のデザインにはあります。
特に奇を衒っているわけではなく、
誰もが思いつくようで思いつかなかった発想を形にしている気がしました。
だから、彼のデザインした作品を目にするたびに、
「あ!何で、この発想を誰も思いつかなかったんだろう!」
と、いちいち目からウロコが落ちました (笑)
きっとコロンブスが卵を立てたのを見た人々も、こんな感覚だったのでしょう。
倉俣史朗のデザインに一番似ているものを挙げるならば、
ダウンタウンの松本さんの大喜利の答えではなかろうか。
シンプルかつ絶対的。
倉俣史朗のデザインも、松本さんの大喜利の答えも、
一度発表されてしまうと、それ以外の正解は存在しないような気さえしてしまいます。
天才の発想というのは、見ているだけで、
こんなにも気持ちの良いものなのかと実感させられる展覧会でした。
ちなみに。
この展覧会の終了後、埼玉県立近代美術館は3月31日まで改修工事期間に突入するそうです。
埼玉県立近代美術館ファンの方は、是非、その前に一度足を運ばれてみてくださいませ。
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浮遊するデザイン―倉俣史朗とともに
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