昭和53年に、渋谷区神南に誕生したたばこと塩の博物館。
これまでに幾度となく、こちらのブログでも美術展を紹介してきたお気に入りの博物館です。
そんなたばこと塩の博物館が、今年の9月1日をもって休館することが発表されました。
しかも、この休館を機に、渋谷での35年の歴史にピリオドを打ち、
2015年春に、墨田区横川にてリニューアルオープンすることが決まっているのだとか。
というわけで、渋谷のたばこと塩の博物館との最後のお別れに行ってまいりました。
渋谷での最後の展覧会として開催されていたのは、
“渋谷・公園通り たばこと塩の博物館物語 ~35年の感謝をこめて~”
たばこと塩の博物館の代表的なコレクション (たばこ関連資料や浮世絵) を紹介しつつ、
たばこと塩の博物館開館以来の歩みを振り返るという、
なんとも最終回感溢れる展覧会でした。
ハンカチ無しでは見られない展覧会です (←?)
ちなみに、展覧会の冒頭で待ち受けていたのは、
壁一面に展示された、これまでの展覧会ポスター。
思い出深い展覧会のポスターが、あちらにもこちらにも。
ただ展示するだけでなく、好きだった展覧会アンケートの結果と合わせて紹介されていました。
その中で、見事1位を獲得した展覧会は・・・
“小林礫斎 手のひらの中の美 ~技を極めた繊巧美術~” でした。
僕も、やはりこの展覧会を1位に選びます。
あの展覧会で小林礫斎による究極のミニチュア工芸を初めて目にした時の衝撃は今でも忘れられません。
“休館する前に、せめてもう1度観たかったなァ・・・”
と思っていたら、博物館を代表するコレクションの一つとして、
小林礫斎のミニチュア工芸群も、ちゃんと紹介されていました。
今回の展覧会のメインは、たばこと塩の博物館のこれまでを振り返る展示でしたが。
たばこと塩の博物館開館されるまでの歩みも、丁寧に紹介されています。
実は、そのルーツは、昭和初期まで遡るそうで。
日本各地で、専売局 (JTの前身) 主催で 「タバコに関する展覧会」 が開催されていたのだそうです。
(↑こちらは、その入り口を模した展示)
その展覧会で展示されていたのは、
専売局の収蔵品や開催地の名士が所蔵するたばこ関連資料。
時には、天皇家に関するたばこ関連資料も展示されたそうで、
『脱帽』 という注意書きの張り紙が、時代を感じさせます (笑)
ちなみに、この頃のタバコ博覧会の呼び物の一つが、
タバコに関する出来事などをパノラマで再現したコーナー。
正直、現代人の目からすると、何が楽しいのかわからないですが (笑)
当時は、これらの展示が大人気で、
10日間で20万人を動員した 「タバコに関する展覧会」 もあったのだそうな。
さしずめ、このパノラマは、今でいうプロジェクションマッピングのようなものなのでしょうか。
ともあれ、そのような 「タバコに関する展覧会」 という前身があって、
それを通じて集められたたばこ関連資料を常時公開すべく、たばこと塩の博物館が誕生したのですね。
そんな歴史を知ってしまうと、これからも末永く続けていって頂きたいと、切に思います。
2年後のリニューアルオープンが、今から待ち遠しいです。
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渋谷・公園通り たばこと塩の博物館物語 ~35年の感謝をこめて~
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