昨日に引き続き、本日もポップ・アートの話題を。
ユニクロのTシャツでもお馴染みの (?)
1980年代のアメリカを代表するポップアーティストキース・ヘリング。
わずか31年という短い生涯ながらも、
世界に大きな影響を与えた伝説のストリートアーティストです。
そんなキース・ヘリングのコレクションのみを展示する世界で唯一の美術館が、なんと日本にあるのだとか。
渋谷?う~ん、違います。
原宿?それも、ハズレです。
正解は、山梨県北杜市小淵沢町。
「つーか、小淵沢って。ストリート感なくね??」 (←なぜか若者言葉)
というわけで、とても興味を惹かれたので、
東京から車で約2時間半かけて、 中村キース・ヘリング美術館へ足を運んでみました。
建物の外観は、あまり・・・・・というか、全然キース・ヘリングっぽくありません (笑)
どことなく、UKロックな感じで、
キース・ヘリングというよりは、キース・リチャーズのイメージに近い気がしました (キース違い?)。
建物の顔とも言える赤と白の美術館上部、まさしくロック。
八ヶ岳の噴火によって削り取られた火口や、
縄文土器の紋様をイメージしているのだそうです。
設計したのは、建築家の北川原温さん。
ちなみに、この斬新な美術館建築は、
2008年の村野藤吾賞、2010年の日本芸術院賞など、数々の建築賞を受賞しています。
さてさて、外観ばかりに圧倒されてしまいましたが、
そろそろ美術館の中に入ってみることにいたしましょう。
美術館が建っている土地の傾斜をそのまま利用したスロープをくだって行くと・・・
©Takumi Ota
All Keith Haring Works c Keith Haring Foundation
キース・ヘリングの初期の作品を展示した 「闇の展示室」 に辿り着きます。
こちらの部屋は、彼が生きた80年代のアメリカの “影” (インフレの激化、治安の悪化…etc) と、
キース・ヘリングの作品そのものが持つ “影” (人間の持つ狂気) を象徴しているのだそうです。
この部屋を抜けると、壁一面が大きな額となっている 「ジャイアントフレーム」 と呼ばれる部屋があり、
さらに、その先には、
「希望の展示室」 と名付けられた天井の高い気持ちの良い空間が待っていました。
こちらの部屋は、 「闇の展示室」 とは対照的に、
キース・ヘリングの作品に宿る “未来への希望と夢” を象徴しているのだそうです。
キース・ヘリングの作品イメージを、
そのままわかりやすく形にしているわけではないので、
美術館そのものは、完全に独立した北川原温さんの芸術作品といった印象でした。
ただ、そのように北川原温テイストを前面に押し出しながらも、
一方で、キース・ヘリングの人生における “光と影” が、建築で表現されています。
美術館を進むだけで、キース・ヘリングの人生を追体験できてしまうので、
作品にキャプションが付けられていなくても、最後まで全く気になりませんでした。
キース・ヘリングと北川原温という2人の芸術家がコラボした贅沢な空間に酔いしれること必至です。
個人的に一番好きだったのは、 「闇の展示室」 。
こちらの部屋には、キース・ヘリングが得意としたサブウェイ・ドローイングが展示されているのですが。
(サブウェイ・ドローイング:NYの地下鉄構内の広告掲示板に黒い紙を張り、その上にチョークで絵を描く活動)
黒を基調とした部屋に浮かび上がるように展示されているので、
“展示されている” というよりも、キース・ヘリングがこの部屋に実際に落書きしたように見えました。
それだけキース・ヘリングの描くチョークの線は、生き生きとした線なのでしょうね。
ちなみに、中村キース・ヘリング美術館の裏側には・・・
なんとリラクゼーションスパ施設が併設されています。
小淵沢の地に沸き出る源泉を利用した “大人のための贅沢な空間” とのこと。
時間に余裕があったら、こちらでのんびりゆったくつろぎたいものです。
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中村キース・ヘリング美術館
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