毎年、笑撃的なフレーズの幟で来館者を楽しませてくれる板橋区立美術館。
(板橋区立美術館・幟コレクション)
先日、板橋区立美術館を訪れたところ、幟が2013年度ver.に様変わりしていました。
それが、こちら↓
「隠れ家系 美術館」 とは (笑) ?!
隠れ家レストランならぬ隠れ家美術館?
でも、美術館なわけですから、家ではなく・・・あっ、だから、隠れ家系!
正直、意味も狙いも、よくわからないですが (笑)
この “よくわからなさ” が、実に板橋区立美術館っぽくあり、
板橋区立美術館の一ファンとしては、ニヤニヤが止まりません。
そんな板橋区立美術館で、現在開催されていたのは、
“狩野派SAIKO! ~再興!最高!再考?狩野派再点検~” という美術展です。
タイトルのセンスも、これまた、実に板橋区立美術館っぽい。
こちらは、板橋区立美術館が所蔵する狩野派コレクションを紹介する美術展。
狩野派は、言わずと知れた日本絵画史上最大の勢力。
そんな狩野派の名品を、 「最高!」 とばかりに紹介する美術展である一方で、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
これまでに取り上げられる機会が多かった狩野派を、改めて、 「再考?」 する美術展でもあり、
400年という長い歴史を持つ狩野派が、いかに幕末に 「再興!」 したのかを紹介する美術展でもありました。
タイトルのキャッチーさに、つい印象を奪われがちですが、意外とマジメな内容の美術展。
とは言え、 『SAIKO!ポイント』 というキャプションのおかげで、
江戸絵画に馴染みが無い人でも、楽しく観賞することが出来ますのでご安心のほどを。
ちなみに、数々展示されていた狩野派の作品の中で、
個人的に、 「SAIKO!」 と感じたのは、狩野了承の 《秋草図屏風》 です。
シンプルながら、美しい屏風作品。
狩野了承という絵師の名前は初めて知りましたが、
こんなにも琳派のようにデザインセンスの高い狩野派の絵師がいたのですね!
ただ、しばらく眺めていると、絶妙にシンプルすぎて、やや物足りなさを感じるところも。
地味というわけではないが、派手というわけでもなし。
普段使いしたくなる (?) 屏風です。
それと、こちらも 「SAIKO!」 でした↓
河鍋暁斎による 《太公望図》 です。
画面全体に漲る緊張感というか気負いというか、
何か重く硬いようなパワーが、ビシビシと伝わってきます。
向き合った瞬間、背筋が思わずピンとなる作品でした。
さらには、絵の前から足を動かし難くなりました。
ちょっとでも動くと、絵の中の太公望に、
「お前のせいで、魚が逃げたじゃないか!」
と怒られてしまいそうです。
・・・と、こんな緊張感溢れる絵を描いたかと思えば。
その隣の隣に展示されていた河鍋暁斎の 《骸骨図》 は、真逆のイメージ。
緊張感の欠片も感じられません (笑)
あまりにゆるすぎて、思わず骨抜きにされてしまいました。
(↑骨の絵なのに!)
他にも紹介したい作品はありますが、この辺りで。
これだけの内容の美術展ながら、入場料が無料というから驚きです。
一度でならず二度、三度と 「SAIHO!」 したくなる美術展。
5位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在11位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
狩野派SAIKO! ~再興!最高!再考?狩野派再点検~
↧