金沢文庫で開催中の “東大寺―鎌倉再建と華厳興隆―” に行ってきました。
奈良の大仏様でお馴染みの東大寺。
8世紀前半には創建されていたという歴史のあるお寺です。
そんな東大寺を悲劇に見舞われたのは、1181年のこと。
平清盛の五男である平重衡によって、
壊滅的な打撃を受け、大仏殿を初めとする多くの堂塔を失われてしまったのです。
そんな壊滅状態から、いかにして東大寺は復興したのか。
その復興の模様にスポットを当てたのが、今回の金沢文庫での展覧会。
なかなかマニアックでアカデミックな展覧会と言えましょう。
今回の展覧会の目玉は何と言っても、国宝の 《重源上人坐像》 です。
日本美術史上屈指のリアルな肖像彫刻と名高い作品。
歴史の本や美術の本で何度も目にしていましたが、
実物のリアルさは、想定したものの数十倍はリアルでした。
ぶっちゃけた話、ボケたおじいさんが、展示ケースに入っているのかと、一瞬思ってしまったほどです。
さてさて、モデルになっているのは、僧侶の俊乗房重源 (桂歌丸ではないですよ)
壊滅的な被害を受けた東大寺の再建事業を託された人物です。
ちなみに、その時、なんと61歳だったのだとか (なんと酷な人事なのでしょう。。。)
しかし、晩年まで精力的に活動し、見事大仏殿を再建することに成功したそうです。
その功を称えて、東大寺では、現在でも 《重源上人坐像》 は大切に祀られています。
そのため、こちらの像は、毎年7月5日と12月16日の2日間しか公開されません。
今回の金沢文庫の展覧会では、有難いことに、会期中ず~っと展示されています。
今年の 《重源上人坐像》 さんは、休み返上のようです。相変わらず精力的だなァ。
他に印象的だったのが、快慶の 《地蔵菩薩立像》 。
目元が涼しげで、全体的に、とても涼やかな印象のお地蔵様でした。
ただ、気になったのが、右手のポージング。
どう見ても、小さくガッツポーズを取っているようにしか見えない。
それも控え目なガッツポーズ。
ちょっといいことがあったのでしょうね。
ある意味で印象的だったのが、こちらの 《弥勒仏坐像》
通称、試みの大仏。
なぜ、 “試みの大仏” かと言えば、
大仏殿の大仏を実際に作る前の試作品として作られたものだから。
・・・・・いやいやいや (笑)
これは、このまま大仏にしなくて正解でしたね。
なんか有り難味がないですし。
どことなく胡散臭いです。
試作品を作るのって、大事ですね。
とりあえず、この 《弥勒仏坐像》 に一番近いものを、
強いて挙げるとするならば、ボビー・オロゴンではなかろうか。
これらの彫刻作品以外にも、東大寺が所蔵する貴重な資料が紹介されていましたが。
基本的に、文字資料ばかりのため、観賞して面白いものではないです。
歴史好きの人には、面白いのでしょうが。
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東大寺―鎌倉再建と華厳興隆―
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