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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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天上の舞 飛天の美

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サントリー美術館で開催中の “天上の舞 飛天の美” に行ってきました。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-天上の舞


こちらは、空を飛び、舞い踊る天人 “飛天” に焦点を当てた展覧会です。
普段、あまり意識されることがないであろう飛天ですが。
ガンダーラの石彫にも、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-仏伝浮彫「マーラの誘惑・降魔成道・初転法輪」  《仏伝浮彫「マーラの誘惑・降魔成道・初転法輪」》


仏具にも、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-金銅迦陵頻伽文華鬘  《金銅迦陵頻伽文華鬘》


建築の一部にも、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-東塔水煙 模造  《薬師寺東塔水煙 模造》


仏教美術にも、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-阿弥陀二十五菩薩来迎図  《阿弥陀二十五菩薩来迎図》


飛天は、姿を現しているのです。
決して、主役クラスの存在ではないものの、
仏教美術界に欠くことの出来ないバイプレーヤー的な存在である飛天。
そんな飛天を、あえて主役に据えた今回の展覧会は、
“スピンオフ版の仏教美術展” といった印象でした。
星星


今回の展覧会のために、実に数多くの飛天が日本全国から招集されていましたが。
その中でも、一際存在感を放っていたのは、
やはり、展覧会の目玉でもある 《阿弥陀如来坐像光背飛天》 でした。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-阿弥陀如来坐像光背飛天


こちらの飛天は、普段は・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-《阿弥陀如来坐像》


平等院鳳凰堂に安置されている 《阿弥陀如来坐像》 の光背を飛び回っているのですが。
現在、平等院鳳凰堂が修理中ということもあって、
特別に、平等院鳳凰堂を飛び出し、初めて寺外で公開されているのだそうです。
来年には、平等院鳳凰堂の修理が完了するため、それ以降は、元の光背に収まることに。
つまり、二度と、今回のような至近距離で目にすることは叶わないとのこと。
これは、貴重です。


さらに、平等院鳳凰堂から、 《雲中供養菩薩像》 のメンバーも飛び付けています。
普段は、平等院鳳凰堂の壁に掛けられ、総勢52人の大所帯で、堂内を賑やかしている彼ら (彼女ら?) たち。
(注:今回の展覧会では、そのうち14躯が展示されています)

楽器を演奏するメンバーもいれば、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-南1号


踊るメンバーや、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-北9号


よくわからないメンバーもいます (笑)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-南2号


「あれ、この賑やかなメンバー編成、何かに似ているような・・・・・あっひらめき電球




ちなみに、 《雲中供養菩薩像》 のメンバーの中で、
個人的にお気に入り・・・というか応援したいのが、南26号とナンバリングされた彼↓

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-雲中供養菩薩像 南26号


実は、 《雲中供養菩薩像》 が国宝指定されたのは、明治37年のこと。
その時、こちらの南26号は、平等院鳳凰堂内にはおらず、
のちに、ひょっこりと堂外から発見されたため、長い間、国宝ではなく 「番外」 という扱いを受けていたのです。
何というタイミングの悪さ。。。
学校を休んでいる間に、修学旅行のバスの座席が決められてしまったようなものです。
ともあれ、その後、しばらく 「番外」 時代が続き、
ようやく平成20年に国宝に追加されたという下積み生活の長い (?) 飛天なのです。
それだけに、飛び回る姿が、他のメンバーよりも、
若干テンション高めなように見えるのは、僕だけでしょうか。




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