現在、国立西洋美術館では、ポーラ美術館との共同企画展、
“モネ、風景をみる眼―19世紀フランス風景画の革新” が絶賛開催中です。
僕も会期が始まると同時に、美術展を観賞してまいりましたが、
会場では、それぞれの美術館が所蔵するモネを中心とした西洋絵画コレクションを、心から堪能いたしました。
・・・・・と、ここで疑問が。
「あんなにも名品の数々を東京に貸してしまって、
本家の箱根仙石原にあるポーラ美術館は、大丈夫なのだろうか(・・?)」
というわけで、その疑問を解消すべく (?) 、一路ポーラ美術館へ。
さて、その結果は、、、、、
全くの杞憂でした!!
あれだけモネの作品を、他館に貸し出そうとも。
ポーラ美術館には、まだまだ優れたコレクションがあったのでした!
現在は、日本最多を誇るルノワール・コレクションを中心に、
“ルノワール礼讃 ルノワールと20世紀の画家たち” という美術展が開催されていました。
《レースの帽子の少女》 や、
《髪かざり》 など、
ポーラ美術館の ‘顔’ と言うべきルノワール作品が展示されているだけでなく。
ルノワールを慕った、もしくは、ルノワールに憧れた次世代の画家たちの作品も展示されています。
同時代の画家たちの作品を併せて展示する美術展は、これまでにも多くありましたが。
ルノワールとマティスやボナールなど次世代の画家たちの作品を一緒に並べて展示するのは、新鮮な試み。
作風は違えど、エッセンスに共通するものを感じる作品もあれば、
中村彝の 《泉のほとり》 のように、まんまルノワールな作品もありました (笑)
(時代が時代なら、訴訟問題です)
ともあれ、今回の美術展を通じて、
ルノワールがおじいちゃんになっても、いかに多くの画家たちに愛されていたのかが、よくわかります。
日本の漫画家に例えるならば (←?) 、水木しげるさんの立ち位置に近いものを感じました。
展示されていたルノワール作品の中で個人的に一番惹かれたのが、 《水差し》 という一枚。
「あれっ、ホログラム映像??」 と思ってしまったほどに、
水差しの実在感や量感が、しっかりずっしりと感じられる作品でした。
小さな作品なのですが、その存在感は大きかったです。
ちなみに、現在、ポーラ美術館では、 “ルノワール礼讃 ルノワールと20世紀の画家たち” だけでなく。
“「いろどる線とかたどる色」 ドガのパステル、シャガールの水彩、マティスの『ジャズ』” という美術展も同時開催中。
こちらは、ポーラ美術館の名品の数々を、
パステルや油彩など画材に注目しながら紹介するユニークな美術館です。
例えば、ドガのパステル画 《休息する二人の踊り子》 のすぐ近くには・・・
実際にドガも使っていたラ・メゾン・デュ・パステル社のパステルが展示されていました。
「へぇ~、このパステルを使うと、あぁいう絵になるのかぁ~」
という実感とともに、作品を観賞することが出来ます。
他にも、知っているようで意外と知らない画材に関する豆知識が続々。
いつもと違う視点で、美術館賞を楽しむことが出来る好企画でした。
こちらも、星を付けるなら、2つ星でしょうか。
さらに、別の展示室では、
ポーラ美術館が収蔵する日本画、日本の洋画、レオナール・フジタ、ガラス工芸コレクションも堪能。
それらにも、それぞれ星を付けていったら、合計でいくつになってしまうのでしょうか?!
とにもかくにも、ポーラ美術館コレクションのレベルの高さを再認識。
「あんなにも名品の数々を東京に貸してしまって、
本家の箱根仙石原にあるポーラ美術館は、大丈夫なのだろうか(・・?)」
なんて心配をして損をしました (笑)
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ルノワール礼讃 ルノワールと20世紀の画家たち
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