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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ヱヴァンゲリヲンと日本刀展

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上野の森美術館で開催中の “ヱヴァンゲリヲンと日本刀展” に行ってきました。

エヴァ


こちらは、あの 『ヱヴァンゲリヲン』 と・・・




日本刀をコラボさせた展覧会とのこと。
一体、どんな展覧会なのか、全く想像が付きません。

会場に入って、まず展示されていたのは、日本刀についての解説パネル。
内容は、普通の日本刀展にあるような真面目なものです。

パネル


続いては、平安時代から幕末に至るまでの日本刀の変遷が紹介されていました。
(と言っても、本物の歴史ある日本刀ではなく、現代の刀匠による写しです)

平安


・・・と、ここまでは、特にエヴァンゲリヲンとコラボした様子は見受けられません。
強いて言うならば、解説パネルが、エヴァンゲリヲンを彷彿とさせるデザインであったことくらいです。

「これで、 “ヱヴァンゲリヲンと日本刀展” って・・・。あんたバカァ?」

と思った次の瞬間です。
まさしく、 『ヱヴァ×日本刀』 という作品の数々が、目の前に広がりました。

カウンターソード カウンターソード


パッと見は、おふざけな感じに映ってしまうかもしれませんが。
実物は、いたって真面目で、日本刀ならではの凛とした美しさを感じます。
それもそのはず、これらのヱヴァ日本刀を作ったのは、本物の現役の刀匠たち。
今回の展覧会の目玉である 《ロンギヌスの槍》 (全長332センチ、重さ22200グラム!) にいたっては、

ロンギヌスの槍


全日本刀匠会の会長を務める三上貞直さんの手によって制作されています。
一流の刀匠たちが、真剣に作っているからこそ、その感動はひとしお。
正直なところ、まさか、この展覧会で、ここまで感動するとは!
予想の斜め上を行く展覧会でした。
「どうせアニメファンのための展覧会でしょ?」 とスルーしてしまうと、きっと後悔します!
星星

日本刀をテーマにした展覧会は、これまでに何度も開催されていますが。
この発想はなかったはず。
でも、どの日本刀展よりも、新たな日本刀ファンを獲得したのは確か。
この展覧会を観賞して、日本刀に興味を持てない人はいますまい。
とても興味深い試みだったので、
“ガンダムと日本刀展” 、 “ドラゴンクエストと日本刀展” など、シリーズ化希望です (笑)


さてさて、上で紹介した以外にも、
当代の一流刀匠たちが、その腕を振るったヱヴァ日本刀が数々披露されていましたが。

ヱヴァ日本刀  ヱヴァ日本刀


個人的に一番感銘を受けたのは、月山貞伸さんによる 《セカンドインパクト短刀》

セカンドインパクト


こちらは、ヱヴァの物語内で起きた地球規模の大災害・セカンドインパクトの名がつけられた短刀です。
大きな刀紋が、その時の爆発をイメージしているのだとか。
さらに、皆焼 (ひたつら) という技法を用いることで、
刀身全体に、何か禍々しい不穏な空気が漂っている印象を表現したとのこと。
これまで、日本刀に刀紋を見ても、刀身を見ても、何とも思いませんでしたが。
この 《セカンドインパクト短刀》 を通じて初めて刀紋や刀身の表情の面白さを知れた気がします。
ちなみに、茎 (なかご) には、 『二千年九月十三日』 という銘が刻まれています。
実は、この日付は、セカンドインパクトが起きたとされる日付。
芸が細かいです (笑)



会期は、12月23日まで。
少しでも気になった方は、行けばいいと思うよ。




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