パリのモンパルナスと言えば、1920年代に、芸術家の街として栄えた地。
シャガールに、モディリアーニに、
ピカソに、藤田嗣治…などなど、名だたる芸術家たちが集った街です。
そんなモンパルナスにも似た街が、かつて、日本にもありました。
それは、池袋。
今でこそ、サンシャイン60と、
池袋ウエストゲートパークとフクロウくらいしかイメージが無い街ですが (←失礼!) 。
今から遡ること80年前。
現在の池袋駅を中心とする一帯に、
当時としては、かなり画期的なアトリエ付き住宅が建設され始めたそうです。
そして、多くの画家や評論家、詩人、演劇関係者などが移り住み、
いつしか、その一帯は、 “池袋モンパルナス” と呼ばれるようになったのだとか。
そんな “池袋モンパルナス” をフィーチャーした美術展が、
池袋のある豊島区…ではなく、板橋区立美術館で開催中です。
“池袋モンパルナス展”
来年1月9日まで。
“池袋モンパルナス” で過ごした画家の作品や資料が多数展示されているのは、もちろんのこと。
当時のアトリエ付き住宅の間取りを、
ほぼ実物大で体感するコーナーもあり、板橋区立美術館の本気がうかがえます。
・・・が。
1ツ星。
なぜなら、 “池袋モンパルナス” 作家の絵は、基本どれも、暗~く重~い作風。
全体的に、モッサリとした印象の美術展です。
板橋区立美術館がどれだけ頑張っても、
作品が一般受けしないのは、避けられない気がします。。。
今回展示されていた80点の作品の中で、
唯一、僕の足が止まったのは、靉光の 《シシ》
足が止まった…というか、正しくは、足がすくんだ作品。
得体のしれないオーラが、放たれていました。
タイトルに、 《シシ》 とありますが、
どうもライオンではない何者か (魔物?) のような気が。
直感的に、
「こいつを、起こしてはいけない!」
と、頭の中で、警報が鳴りました。
本能的に、危険を感じる一枚。
他に印象に残った作品としては、
今回のポスターにも使われている寺田政明の 《芽》
作品そのものがどうのこうのと言うよりも、
寺田政明は、俳優でもあり、ムスカ大佐役の声優としても知られる寺田農の父だという事実に驚き。
この絵に描かれているのは、芽というよりも、ゴミのようだ。
長谷川利行の 《水泳場》
キャプションを読んで、ようやく隅田川を堰き止めたプールを描いた絵とわかる。
それくらいに、荒々しいタッチの一枚。
音楽で例えるなら、デスメタルといった感じです。
最後に、もう一人、印象に残った画家・吉井忠をご紹介。
・・・悪い意味で (笑)
《二つの営力・生と死と》
あえて、誰とは、言いませんが。。。
作風が、あのベルギーの画家に、そっくりです。くりそつです。
この絵の隣に飾られていた 《落日》 という一枚は、
さらに輪をかけて、あの画家の作風に、そっくりでした。
《落日》 というタイトルも、何となく、あの画家っぽい。
「池袋のマグ○ット」 と呼ぶことにします (←勝手に)。
ちなみに。
今回の美術展の会場では、こんなものが売られていました。
池袋モンパルナスの地図。
お値段は、50円とお買い得♪
裏返すと・・・
現在の地図が。
今度、この地図を片手に、『ブラトニ~・池袋編』 をしてきます (笑)
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池袋モンパルナス展
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