現在、江戸東京博物館では、国際浮世絵学会の創立50周年を記念した “大浮世絵展” が開催されています。
“「大」 浮世絵展” と大きく出ただけあって、ラインナップは超豪華。
菱川師宣の 《見返り美人図》 に始まって、
(注:展示は、1/28~2/16です)
喜多川歌麿の 《当時三美人 冨本豊ひな 難波屋きた 高しまひさ》
(しかも、ボストン美術館と礫川浮世絵美術館だけが所蔵する初摺ver.)
(注:展示は、~2/2までです)
葛飾北斎の 《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》 に、
(注:展示は、~2/2までです)
東洲斎写楽の 《3代目大谷鬼次の江戸兵衛》 …etc
(注:展示は、1/15~2/16です)
浮世絵と聞いて、およそ思いつく作品は、ほとんど網羅していたような気がします。
まさに、浮世絵展のベスト版といった印象でした!! (←ちょっと興奮しています)
・・・・・・・それだけに。
キャプションや展示の構成が、あまりに教科書的だったのが残念でなりません。 (←冷静になりました)
解説文は、真面目すぎるくらいに真面目でしたし、
白地に黒文字で書かれたキャプションは、色気が無かったですし。
何というか、 「楽しませよう!」 という意思が全く感じられない展覧会でした。
むしろ、 「これを機に、浮世絵について、よく勉強してください。」 という感じ。
江戸の娯楽である浮世絵の大々的な美術展なので、もう少し楽しさがあって欲しかったです。個人的には。
とは言え、繰り返しになりますが、ラインナップは超豪華でしたので、
観賞出来て良かったと思える作品には、たくさん出合うことが出来ました。
特に感激したのが、喜多川歌麿の 《難波屋おきた》
一見すると、なんてことはない (?)フツーの美人画ですが。
この作品は、紙の裏表に描かれており、裏を見ると・・・
後ろ姿が描かれているのです。
それも、ピッタリと重なるように!
こちらの 《難波屋おきた》 の展示は、残念ながら1月14日までだったのですが、
同じタイプの 《高嶌おひさ》 が、1月15日から26日まで展示されているので要チェックです。
それから、もちろん歌川国芳の作品も数多く展示されているのですが、
その中でも、 《深見草獅子彩色》 は、これまでにあまり紹介されていない作品だったので、思わず見入ってしまいました。
日本美術では、獅子と牡丹はお馴染みの組み合わせですが、国芳の手にかかると・・・
獅子で牡丹の花が描かれていますwww
この発想はなかった。
最後に、有名どころではない作品をご紹介。
浮世絵=江戸 (東京) のイメージが強いですが、当時、大阪にも浮世絵はあったようです。
その中で、衝撃的 (笑撃的?) だったのが、 《滑稽浪花名所》 シリーズ。
(注:展示は、~2/2までです)
紹介されていた作品の図版が見つからなかったので、同シリーズの中の一枚を↓
こちらは、歌川広重の 《名所江戸百景》 をパロディにしたシリーズで、
わざとドタバタシーンを描き込んで大阪の名所を紹介する浮世絵作品なのだとか。
さすが、吉本新喜劇を生み出した街です (笑)
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大浮世絵展
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