~前回までのあらすじ~
「日本全国に散らばる全ての国宝を、目にした~い!」
と、 『電波少年』 ばりの難企画に挑むことになった国宝ハンター。
前回、ついに23区を脱した国宝ハンターは、
勢いに乗って、今度は、東京脱出を目論むことに。
目指すは、静岡だ!!
現在、MOA美術館では、
“国宝 紅白梅図屏風 所蔵名品展「絵画・書跡」” という美術展が開催中。
『国宝』 。
その2文字には、どうしても反応せざるを得ません。
なぜなら、国宝ハンターだから。
しかも、美術展の詳細を見れば、国宝 《紅白梅図屏風》 だけでなく、
MOA美術館が所蔵する他の国宝も展示されているらしい。
しかもしかも、MOA美術館は、常設展示として、とある国宝を展示しているらしい。
と・い・う・こ・と・は!
この機会に行けば、
MOA美術館が所蔵する3点の国宝を、まとめてゲット出来るということではないか!
一挙三得ではないか!!
これは、国宝ハンターとして、絶対に逃してはいけないチャンス。
そう言えば、誰かが言っていました。
「チャンスの神様には前髪しかないんだよ。
通り過ぎてから後ろの髪の毛を掴もうとしても髪の毛が無いから掴めないんだ。
チャンスが来たと思ったらためらわず掴むことが大事なんだよ。」
その時、僕は思ったものです。
「チャンスの神様、美容院で失敗したんだなぁ」
と。
いや、チャンスの神様の変な髪形の話題は、どうでもよろし。
とにかく、熱海に行くなら、今しかねぇ~♪
というわけで、熱海へ。
そして、MOA美術館へ。
その当たりの詳細は、昨日のブログに。
MOA美術館の3種の神器。
その一つ目は、 《紙本金地著色紅白梅図〈尾形光琳筆/二曲屏風〉》 (ジャンル:絵画)
これに関しての感想は、 昨日のブログに。
続いて、 《手鑑「翰墨城」(三百十一葉)》 (ジャンル:書跡・典籍)
こちらは、古筆三代手鑑の一つとして名高い名品。
手鑑 (てかがみ) とは、
厚手の紙で作られた折帖に、古筆の断簡・古筆切を貼り込んだ作品集のこと。
奈良時代から室町時代にかけての歴史ある書の数々を、
「何て美しい書なんだ♪」 と思い、 「いっそ一部を切って、集めちゃお♪」 と思う人が続出したそうな。
そうして、それらの貴重な書から、
無残にも (?) 切り取られた一部を、断簡や古筆切というそうです。
(↑断簡、バカヤロー)
話を国宝に戻しまして。
『翰墨城』 という名前の由来は、
“翰(筆)と墨によって築かれた城”
とのこと。
311葉もの古筆切が分厚くファイリングされた、
この 《翰墨城》 には、実に多くの日本のウツクシキ文字が収められています。
その規模は、まさに、城レベル!
そして、3つ目の国宝は、
《色絵藤花文茶壺〈仁清作/〉》 (ジャンル:工芸品)
作者は、 『轆轤の名手』 と称される京焼界のスーパースター・野々村仁清。
やきもの鑑賞に関しては、まだまだ素人の僕ですが、
そんな自分が観ても、この茶壷の素晴らしさは、一目でわかりました。
このフォルム!このカーブ!
フリーハンドで作ったとは、とても思えません。
しかも、もちろん叩いたり、触ったりして、確かめることは不可能でしたが、
この茶壷は、稀にみる薄さで作られているのだとか。
『轆轤の名手』 の神業が発揮されているそうです。
さてさて、この茶壷に描かれているのは、藤の花。
紫だけでなく、赤や金、銀でも描かれています。
そんなカラフルな藤と対比する、パステルチックな緑色の葉。
温かみのある白釉の上に、色鮮やかな世界が広がっている様は、まさに “雅” の一言。
いつまでも観ていたくなる、
いや、持って帰りたくなる (←それは、犯罪です!) 逸品です。
これら3点の国宝が、
MOA美術館の展示室で、ほぼ一直線上に並んで、展示されていました。
頑張れば (←?) すべてを一望できるわけです。
国宝ハンターとしては、そんな夢のような光景を目に焼き付けるべく、
自然と何度も何度も、目をキョロキョロ、首をキョロキョロさせてしまいました。
不審に思われたであろうことは、言うまでもない。。。
今現在の国宝ハンティング数 126/1082
国宝ハンターは、ランキングにも挑戦中
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第十四話 国宝ハンター、見渡す!
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