府中市美術館で開催中の “O JUN―描く児” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
こちらは、画家O JUNさんの30年にも及ぶ画業を総攬する大規模な個展です。
ちなみに、 “O JUN” と表記して、 “おう・じゅん” と読みます。
なんとも国籍不明な名前です (実際は、日本人の男性アーティストです。)
国籍不明なのは、名前だけに非ず。
その作品の雰囲気も、なかなかに国籍不明です。
余白を活かした作風は、日本的でもあり。
筆致に注目すると、なんだかドイツっぽくもあり。
スタイリッシュな色遣いは、UKっぽい気もします。
他にも、フランスっぽいような、アメリカっぽいような、スペインっぽいような、中国っぽいような・・・。
ともあれ、そんな国籍不明なO JUN作品が、
メイン会場の壁一面を覆い尽くしている様は、圧巻も圧巻。
普通、これだけの作品を目の当たりにしたら、
その情報量の多さに疲れてしまいそうなものですが、不思議なくらいにスーッと入ってきました。
そして、スーッと抜けていきました (笑)
この感覚は、まるで抽象画を観ているものに近いものがありました。
が、よくよく見れば、車や家や校章、挙句には (?) ブリーフなど身近なものが描かれています。
抽象画っぽい具象画。
国籍不明以上にジャンル不明です。
しかも、紙という軽い素材に描いているにも関わらず、
頑丈な鉄製のフレームとガラスで覆うという妙なこだわりも。
軽やかなのだか、重厚感たっぷりなのだか、もはや作品の性格も不明です。
この一筋縄ではいかないO JUN作品の定まらなさを、
どのようにカテゴライズすれば、自分的には一番しっくり来るのか、しばし作品の前で思案したのですが。
時間の無駄でした (笑)
10分くらい考え抜きましたが、どれ一つしっくり来ませんでした。
こんなにも “よくわからない” 絵画作品には初めて出合った気がします
ただ一つ確信したのは、この “よくわからなさ” が、O JUNさんの最大の魅力であるということ。
たいていの “よくわからない” ものは、見れば見るほど不安になってしまうものですが。
O JUNさんの “よくわからなさ” は、見れば見るほど楽しくなります。
このyoutube動画に近い感じです↓
何で、こんなにも楽しい気持ちになるのか考えてみたのですが。
それは、O JUNさんの描き方にあるのかと。
ハケで塗り重ねたような絵の具の跡を、じーっと観ていると、レゴブロックのように見えてきました。
そんなレゴブロックのような印象の絵が、まるで積み木のように積み重なっている。
ついついおもちゃを連想して、楽しくなってしまったのかもしれません。
ちなみに、今回のO JUN展には、油彩の風景画や、
2000年に発覚した新潟の少女監禁事件をテーマにした新作、
映像作家である石田尚志さんとのコラボレーション作品も展示されています。
観れば観るほど、楽しくなり、
観れば観るほど、味が出てくるO JUN展。
会場では、皆が、 「観る児 (みるこ)」 になること請け合いです。
10位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在11位)
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O JUN―描く児
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