現在、静嘉堂文庫美術館では、
古今東西の名所絵や風景画をテーマにした “描かれた風景~絵の中を旅する~” が開催されています。
この美術展を訪れるだけで、静岡 (富士山) に行った気分になったり、
酒井抱一 《富士山図》(「絵手鑑」のうち)
奈良 (吉野山)に行った気分になったり、
重要文化財 野々村仁清 《色絵吉野山図茶壺》
滋賀 (堅田) に行った気分になったり、
(いや、 《堅田図旧襖絵》 は、もとは大徳寺瑞峯院の襖絵だったようなので、京都に行った気分ですかね)
《堅田図旧襖絵》
ともあれ、 『サザエさん』 のオープニングなみに、日本全国を旅した気分になれること請け合いです。
名所絵や風景画をテーマにしたシンプルな美術展であるだけに、
かえって、静嘉堂文庫美術館の東洋古美術コレクションの質の高さが際立っていたような気がします。
上で紹介した3点以外にも、
門外不出のためビックリするくらいに色鮮やかだった浮世絵作品をはじめ、見逃せない作品は多々ありますが。
個人的に強く印象に残っているのが、鈴木芙蓉の 《那智山大瀑雨景図》 。
根津美術館が所蔵する国宝の 《那智瀧図》 のと比べて、那智の滝が、どえらいことになっていました!
那智の滝が、 「スーッ!パァー!シュワー!」 ってなってます (←??)
とりあえず滝の近くにお住いの方は、早く避難してくださいませ。
そして、今回の個人的No.1作品は、こちら↓
今尾景年の 《耶馬溪図屏風》 です。
圧倒的なほどに、 「上手い!」 と思わされる作品でした。
ただ、上手いことは上手いのですが、なぜか現実感は感じられないという不思議な作品です。
現実の光景というよりは、まるでリアルなCG映像を観ているかのような印象を受けました。
時代もタイプも違いますが、僕が好きな画家の一人カスパー・ダーヴィト・フリードリヒを思わず連想。
(参考画像)
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ 《氷の海》
ちなみに。
今回の美術展をもって、静嘉堂文庫美術館は約1年半の休館期間に入ってしまうとのこと。
しばらく旅に出てしまうのですね。
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描かれた風景~絵の中を旅する~
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