東京国立近代美術館に行ってきました。
美術館の前の看板に、ふと目をやると・・・
「!!!」
あきらかに不審な人物です。
一瞬テロリストかと思いましたが、こちらの人物こそが、今回の主人公。
1950年代は読売アンダパンダン展を中心に、
1962年以降は、主にパリで活躍したアーティスト工藤哲巳 (1935~1990) です。
彼は、既存の芸術の枠をぶち壊そうとした 「反芸術」 の旗手として知られています。
いわば、芸術界のテロリスト。
僕の抱いた第一印象は、当たらずとも遠からずです (笑)
そんな工藤哲巳の日本では20年ぶり、東京では初めてとなる回顧展が、
東京国立近代美術館で3月30日まで開催されている “あなたの肖像―工藤哲巳回顧展” です。
日本初公開の作品や資料を含む出品総数は、なんと約200点!
しかも、第14回読売アンデパンダン展 (1962年) で発表され、
今でも語り草となっている伝説的な作品が、なんと約半世紀ぶりに里帰りし、展示されているのです。
その伝説的な作品というのが、こちら↓
《インポ哲学―インポ分布図とその飽和部分に於ける保護ドームの発生》 です。
その放送コードギリギリ (いや、ギリギリアウト?) の作品名から、なんとなくお察しがついたでしょうが。
天上のネットから釣り下げられているのは、おち○ちんです。
そして、壁一面には、黒い謎のオブジェに、コッペパン・・・。
意味が不明にもほどがある、この作品の一体どこが伝説的なのでしょうか。
誰でも無審査で参加できた読売アンデパンダン展。
1mの壁面につき、いくらという出品料の制度で運営されていました。
工藤は、その制度を逆手に取り、
自分だけの部屋が作れる分の壁面の使用料を払い、その囲まれた空間を合法的に占拠してしまったのです。
そうして発表されたのが、 《インポ哲学―インポ分布図とその飽和部分に於ける保護ドームの発生》 。
当時のアーティストの誰もが、 「その発想はなかったwww」 と感心した伝説的な作品です。
まだインスタレーション作品という概念がない時代に発表された 《インポ哲学~》 。
もしかしたら、この作品こそが、日本初のインスタレーション作品なのかもしれません。
・・・・・なんとなく認めたくないものがありますが (笑)
さてさて、この作品も、なかなかに意味不明でしたが。
《あなたの肖像》 に、
1963年 高松市美術館蔵 撮影:高橋章
(図版の著作権はすべて©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013)
《あなたの肖像―種馬の自由》 に、
1973年 米津画廊蔵 撮影:福永一夫
《愛》 に、
1964年 倉敷市立美術館蔵
工藤が生み出すオブジェ作品も、意味不明なものばかり。
しかも、グロい
・・・・・・・のですが、あれっ??
不思議とイヤな気持ちはしません。
というか、どこかポップな印象で、むしろちょっと好きかも。
引きつつも、惹かれるアンビバレンスな作品です。
この感覚は、ヤン・シュヴァンクマイエルやきゃりーぱみゅぱみゅに通ずるものがあるような気がしました。
ちなみに、今回の工藤哲巳展には、彼のグロポップ (←造語) な作品が多数展示されていましたが。
その中でもとりわけ印象に残っているのが、《未来と過去とのエンドレステープの間での瞑想》 や、
1979年 青森県立美術館蔵 撮影:内田芳孝(ノマディック工房)
《人間とトランジスタとの共生》 といった・・・
1980-81年 国立国際美術館蔵 撮影:福永一夫
鳥かごをモチーフにした作品群です。
実は、こちらの鳥かごシリーズは、工藤哲巳の代表作ともいえる作品シリーズ。
そんな工藤の鳥かご作品が、今回の美術展のために、日本全国の美術館から大集合しています。
まるで、TBSの 『オールスター感謝祭』 のように、
工藤の鳥かご作品が、ひな壇にズラリと並んでいる光景は、圧巻も圧巻。
いい意味で (←?) 、悪夢のような光景でした (笑)
鳥かごだけの部屋だけでなく、全体的に悪夢のような光景が広がった美術展ですが
ここまで徹底して突き抜けた世界観を見せつけられると、好き嫌いに関係なく、感動すら覚えました。
行かなかったら、確実に後悔していたと思います。
でも、行ったら行ったで、あの光景が頭から離れなくて、軽く後悔しています (笑)
究極のトラウマ美術展。
少しでもトラウマを予防したい方は、バレンタインデー期間 (2/14~2/23) に行かれることをオススメします。
なんと毎日入場先着100名様に・・・
工藤哲巳の作品がプリントされたチ●ルチョコが1個プレゼントされるそうです♪
(詳しいイベント情報は、こちら)
パッケージはちょっと不気味ですが、中身は普通に美味しいチ●ルチョコ。
もちろん非売品です。
10位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在12位)
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あなたの肖像―工藤哲巳回顧展
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