本日は、葛西臨海水族園へ。
・・・・・と言っても、魚を観るためではなく。
(なぜなら、アートテラーだから!)
展覧会を観るために行ってきたのです
(二度目ですが、なぜなら、アートテラーだから!)
葛西臨海水族園の本館2階レクチャールームにて特別に開催されている
“博物画に観るエビとカニの美 ~杉浦千里が描いた海の生き物~” なる展覧会。
2月28日まで。
こちらは、2001年に39歳の若さでお亡くなりになった画家・杉浦千里さんの都内で初となる展覧会。
「・・・ん?何で、わざわざ水族館で??」
と、反応された方が大半でしょうが。
杉浦千里さんが、生前、その画家人生において情熱を注いだのが、エビやカニの博物画。
ほぼ独学で描かれたそうなのですが、
その完成度は、他の追随を許さないほどのクオリティ!
たかが博物画。されど博物画。
本当に卓越した博物画は、
立派なアートに成りうるのだと、目からウロコが落ちました。
絶対に見逃せない展覧会の一つです。
ではでは、実際に、杉浦千里さんのスーパー博物画の数々をご覧いただきましょう。
(館内は、写真撮影が可能です)
まずは、小さなカニたち。
あまりにも細部にまでこだわって描かれているので、
会場のあちらこちらに、虫めがねが完備されています。
肉眼だけでなく、虫メガネでも、是非、観て頂きたい!
杉浦千里さんの描いたカニは、まだまだいっぱい。
ガザミに、
ダンジネスクラブ (←スポーツジムみたいな名前!) に、
アサヒガニ (←お好み焼きのへらみたいな形!) に。
見たことも聞いたこともない不思議なフォルムのカニばかり。
カルイシガニや、
ヒシガニなんかは、
もはやクリーチャーや宇宙人のたぐいです (笑)
さてさて、お次は、杉浦千里さんの描いたエビたちをご紹介。
ウチワエビは、表と裏の両面が描かれています。
裏は、結構気持ち悪い。
続いては、アメリカン・ロブスター。
このメロディが思わず脳内されます (←?)
こちらは、杉浦さんの代表作ニシキエビ (オス) 。
写実芸術、ここに極まれり。
圧倒的な美しさが、この一枚には宿っていました。
ちなみに。
“ニシキエビって、本当に、こんな美しさなの??” と疑問がよぎったところ、
会場には、ホンモノのニシキエビが。
さすが、水族館 (笑)
このニシキエビが、あまりにインパクトが強すぎて、
そのあとに、馴染みのあるイセエビの絵が展示されていたのですが。。。
なんだか、ちゃちく見えてしまいました。
イセエビに罪は無いのに (笑)
今後、披露宴などで、イセエビ料理を目にしても、
あまり豪華な印象は受けないことでしょう。
さてさて、会場には、杉浦さんのスーパー博物画がただ並べられているだけでなく。
彼の製作道具や、
丹念に解説された制作行程、
博物画ではない絵画作品、
などが、展示されていました。
いかに非凡な存在だったかが、わかります。
…と、それらに交じって、こんなものも展示されていました。
“ウルトラマン??”
実は、杉浦千里さん。
円谷プロダクションのキャラクターデザイナーとして、
『ウルトラマンコスモス』の怪獣デザインも手掛けているお方。
ウルトラマンの怪獣とエビやカニ・・・何となく通ずるものがありそうです。
ただ、あまりにエビやカニの博物画がスゴすぎるので・・・。
むしろ、怪獣の方が弱そうに見えました (笑)
たぶん、カルイシガニやニシキエビのが強いです。
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博物画に観るエビとカニの美
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