根津美術館で開催中の “清麿 幕末の志士を魅了した名工” に行ってまいりました。
こちらは、幕末に活躍した伝説の刀工・源清麿の生誕200年を記念して開催された展覧会で、
普段はお目にかかれない個人蔵のものを中心に、選りすぐりの名刀約50点が一堂に展示されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
展示は、潔いくらいにシンプル。
黒を基調とした展示室内で、ライトアップされた源清麿の刀たちが、それぞれに光を放っています。
・・・・・・・と、この時点で。
「刀に興味ないから、行かなくていいや。」
と、一刀両断してしまった方もいらっしゃるでしょうが。
単刀直入に言って、源清麿展は、刀に興味が無い方にもオススメです。
いや、むしろ刀に興味が無い方にこそオススメかもしれません。
と言いますのも。
源清磨は、刀工としては、かなり異色の人物。
師匠について修行したのではなく、ほぼ独学で刀の技法をマスターし、
その41年という短い生涯 (最期は、自刃) にわたって、理想の刀を造ることに没頭したのだそうです。
つまり、世の刀工が職人であるのに対して、源清磨は完全にアーティスト。
そんな清磨が造った刀には、工芸的な魅力以上に、アートとしての魅力があるのです。
特に、注目すべきは、その刀紋の美しさ。
まるで朝靄のようであり、まるで叢雲のようであり。
どこか日本画に通ずる美しさがありました。
ちなみに、日本で唯一の女性で刀剣を研究している渡邉妙子さん (佐野美術館館長) 曰く、
「源清磨の日本刀の刀紋は、とてもリズミカル♪」
とのこと。
刀紋に注目し、切先に向かって目を滑らすように眺めていくと、心地よいリズム感を味わえるのだそうです。
試しに、そのように観賞してみたところ、
「確かに、リズミカル♪」 で、心地よさを味うことが出来ました。
是非、皆様も会場で、心地よいリズム感を味わってみてくださいませ。
また、アーティストな刀工だけあって、
あまり目にしたことのないような形の刀 (槍) も展示されていました。
個人的に強く印象に残っているのが、長野県宝に指定されている 《短刀》 です。
刀の半分以上が切先という珍しい刀です (←もはや切 “先” じゃないじゃん!)
このような形状の刀は、とても希少で、 「おそらく造」 と呼ばれているのだとか。
その変わった名前の由来には、 “おそらく他に存在しない姿だから” という説があるのだそうです。
なんとテキトーなネーミングセンス (笑)
ちなみに、 “清麿 幕末の志士を魅了した名工” の会場は展示室1のみ。
展示室2では、42歳という若さで自刃した清磨を鎮魂する意味合いも兼ねて・・・
根津美術館が所蔵する神護寺経がすべて展示されていました。
全部で18巻の神護寺経が、ずらりと展示されている様は、圧巻です。
ちなみにちなみに。
季節は、3月。ひな祭りということで、竹田宮家から寄贈された雛人形や雛道具も展示されています。
日本刀以外の展示も充実していますよ。
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清麿 幕末の志士を魅了した名工
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