東京都現代美術館の企画展示室の1階で、 “「驚くべきリアル」展” を観た後は、
企画展示室3階で開催中の “MOTアニュアル2014 フラグメント―未完のはじまり” へ。
こちらは、1999年より東京都現代美術館で行われているグループ展 “MOTアニュアル” の2014年ver.です。
今回は、 「フラグメント」 (=小さな欠片) をキーワードに、
東京都現代美術館がレコメンドする日本の若手作家6人 (6組) が紹介されています。
まず、最初に紹介されていたのが、双子の姉妹アーティストである高田安規子さん&政子さん。
昨年、川崎市民ミュージアムで開催されていた “セカイがハンテンし、テイク” では、
美術館の外にある木に、ツリーハウスを設置して、不思議で温かみのある世界観を作り上げていましたが。
その世界観は、今回も健在。
どこのお風呂場にもあるような軽石を使って、コロッセオを作ってしまっていたり。
どこにでも生えているような苔を使って、ヨーロッパの宮殿にあるような巨大迷路を作ってしまっていたり。
中でも、もっとも衝撃を受けたのは、
イベント・装飾 店舗装飾 ディスプレイ 店舗♪吸盤 販促備品 ツール【店舗 装飾品 ディスプレ...
このようなどこにでもあるような吸盤が、とあるモノに姿を変えていた作品です。
ただの吸盤が、こんなにも美しい光を放つとは。
まさに目が吸い付けられる作品でした。
この作品だけでも見に行く価値アリです。
続いて紹介されていたのは、映像作家の宮永亮さん。
様々な場所で撮影 (採取?) した実写映像を繋ぎ合わせて、新たな映像世界を作り出す作家です。
さながら映像のコラージュ作品といった感じでしょうか。
今回の美術展では、初公開となる新作 《WAVY》 がループ再生されています。
これが、実にクールな作品。
約10分の映像作品なのですが、全く飽きることなくイッキ見してしまいました。
3人目に紹介されていたのは、
先々月に観た “日常/オフレコ” で知って以来、個人的に注目していた青田真也さん。
彼は、あらゆるモノの表面をヤスリで削るアーティスト。
“日常/オフレコ” では、彼が削りに削ったグランドピアノが展示されていました (笑)
今回は、新作として、様々なガラス瓶やプラスチックボトルをヤスリで削っていました。
商品名のラベルなどは、完全に削り取られてしまっているのですが。
それでも、鏡月やサンポール、キッチンワイドハイターを削ったものであることは一目瞭然。
あれらのガラス瓶やプラスチックボトルの形は、しっかり脳内に刻み込まれているようです。
そして、いよいよ真打登場。
個人的に一番楽しみにしていたのが、本や文房具を素材にアート作品を紡ぎだす福田尚代さん。
昨年、ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションで開催されていた展覧会以来の再開です。
その時にも展示されていた 《煙の骨》 や、
photo:長塚秀人
(注:画像は、ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションで展示されていたときのものです)
《残像/引き潮》 が、
photo:長塚秀人
パワーアップした状態で、展示されていました。
色鉛筆の芯を使って彫刻したり、消しゴムの中央部をくり抜いてフレームだけの姿にしたり、
あの展覧会が終わってからも、黙々と気の遠くなるような作業を続けていたのかと思うと衝撃的です。
もちろん、新作も発表されていました。
個人的には、 《塵》 と名付けられた作品がイチオシ。
《塵》 とは名ばかりの (?) 、とても繊細で美しい作品です。
5人目に紹介されていたのは、吉田夏奈さん。
昨年のVOCA展や瀬戸内国際芸術祭にも参加し、特に注目株のアーティストです。
会場にある作品群も素敵でしたが、
会場の外、美術館のエントランスホールにひっそりと展示されていた作品のほうに、よりグッと来ました。
皆様、見逃しませぬように。
さて、大トリを飾るのが、林泰彦さん、中野裕介さんによるアートユニット・パラモデル。
彼らの展示室のみ写真撮影OKです。
公開制作中の展示室は、アトリエというよりも、工事現場のような印象。
パラモデルと言えば、プラレールを使った大規模なインスタレーションです。
それは、今回も健在で、壁一面にはプラレールの線路がビッシリでした。
ちなみに、僕が訪れた時も、パラモデルの林さんが何やら作業をしていました。
もしかしたら、会期中に、また違う姿に変わるかもとのこと。
この展示空間が、どのように進化するのか、気になって仕方がありません。
今回は、紹介されていた日本の若手作家全員、大当たり。
6打数6安打でした (←?)
東京都現代美術館の実力が、存分に発揮された展覧会だった思います。
ちなみに、今回紹介されていた作家は、どの作品も一様にオシャレな印象でした。
若い、オシャレ、6人 (6組) ・・・・・テラスハウス?!
でも、パラモデルの展示室に無造作に置かれていた作品には、
テラス以上に、バルコニーがたくさん。
バルコニーハウス??
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