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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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「驚くべきリアル」展

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伊達政宗が慶長遣欧使節団を派遣してから、ちょうど400年が経ちました。
それを記念し、2013年から2014年にかけて、
「日本スペイン交流400周年事業」 として、実に様々な催しが行われています。
その一環として、東京都現代美術館では、
“「驚くべきリアル」展 スペイン・ラテンアメリカの現代アート―MUSACコレクション― という美術展が開催されています。

驚くべきリアル


2005年にオープンしたばかりのカスティーリャ・イ・レオン現代美術館 (MUSAC) のコレクションから、
「驚くべきリアル」 をテーマに選ばれた27作家の作品が約50点ほど紹介された美術展です。

正直なところ、出展作家の名前を見ても、誰一人ピンと来ませんでしたが f^^;
“日本で知名度が低い=たいしたことない” というわけでは決してなく。
思わず、 「ハッ!」 とさせられるような作品が多数ありました。
こうした作品を生み出す作家が、ごろごろ存在しているとは (←?)
さすが、ゴヤ、ダリ、ピカソを輩出した国だけあるなぁと、しみじみ実感する美術展でした。
星


今回出展されていた中で、特に印象的だった作品をピックアップしてご紹介いたします。
まずは、ディアンゴ・エルナンデスの 《分断されたリヴィングルーム》

ディアンゴ 


こちらは、タイトルずばりのインスタレーション作品です。

分断


静かでありながら、暴力的。
身近な日常品が、真っ二つにされた姿を目にするだけで、こんなにも心がざわつくものなのですね。


暴力的と言えば、エンリケ・マルティによる 《家族》 という作品も。

家族


スナップ写真を元に描いたという約100枚の絵が、壁一面を埋め尽くしています。
どれも微笑ましい家族スナップ写真に見えたのですが・・・

家族


近づいて1枚1枚見てみると、なんか不気味。。。
狂気的な雰囲気さえ漂っています。
皆、目がイっちゃってますね。
かくいう自分も、約100枚すべてに目を通した後は、軽く目がイっちゃっていたと思います (笑)


他にも不気味な作品が、ちらほらと。
例えば、ホルヘ・ピネダの 《無邪気な子ども》 という作品。

無邪気


少女が、壁の中に隠れています。 (でも、足は出ています)
リアルなので、一瞬、白昼夢を見ているのでは?と、自分の目を疑ってしまいました。
まさに、驚くべきリアル。


また、エンリケ・マルティの 《訪問者たち》 もリアルで不気味な立体作品でした。

サイズ


造形だけ見れば、そんなに不気味でない気がしますが。
見た目は子供なのに、頭は大人 (江戸川コナン?)
そのサイズの違和感は、どうにも拭いがたいものがありました (汗)


・・・・・・・と、不気味な作品ばかりを紹介してしまいましたが。
もちろん、そんな作品ばかりではありません。
最後に、今回の美術展で一番感動した作品を、ご紹介いたしましょう。

そのれは、カルロス・ガライコアのというインスタレーション作品。
《なぜ地はこんなにも自らを天に似せようとするのか(Ⅱ)》 と名付けられた作品は、こちらの奥にあります。

ガライコア


では、いざ、スロープの先へ。

なぜ地は  なぜ地は


・・・・・・・・・・。

すいません。
僕の拙い写真では、本来の魅力の10分の1も伝わらないようです。
驚くべき伝わらなさ (泣)




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