今回は、こちらの映画をレンタルしてみました↓
■華麗なる激情
監督:キャロル・リード
出演:チャールトン・ヘストン、レックス・ハリソン
1965年/アメリカ・イタリア/138分
ローマ法皇ユリウス2世はミケランジェロに天井画を注文。
一度は断ったミケランジェロだが次第に絵にのめり込み、ふたりは友情を深めていく。
(「キネマ旬報社」データベースより)
「原題は、 『The Agony and the Ecstasy』 。
直訳すると、 『苦悩と歓喜』 です。
でも、邦題は、意訳して (?)、『華麗なる激情』 。
いずれにせよタイトルだけでは、ミケランジェロを主役にした映画とは全く想像が付きません (笑)
映画の冒頭は、ミケランジェロの芸術家人生の紹介。
昨年、初来日を果たした 《階段の聖母》 をはじめ、
《ピエタ》 や 《ダビデ像》 といったミケランジェロの代表作の数々が淡々と紹介されます。
映画というよりは、教材ビデオのような印象。
そういう意味では (?) 、斬新な映画です。
斬新と言えば、途中で休憩タイムが挟まるのも斬新な演出でした。
急に画面が黒一色になったと思ったら、
「休憩」 の文字が一瞬映し出され、その後また、黒一色の画面がしばらく映し続けられました。
放送事故??
さてさて、肝心の映画のドラマ部分ですが、
今から約50年前の映画とは思えないくらいに、のめり込んで観てしまいました。
これはひとえに、ミケランジェロとユリウス2世のキャラがしっかりと確立していたことにあるでしょう。
2人の関係性の変化が、ドラマを大きく盛り上げていました。
それと、彫刻家であるミケランジェロが、
嫌々ながらシスティーナ礼拝堂の天井画を描いているという設定が秀逸。
(実際も、それに近かったのでしょうが)
あまりに気が乗らなさすぎて、ついには逃亡をはかったり。
途中で、ラファエロに丸投げしてしまおうとしたり。
ユリウス2世はそんなミケランジェロを温かく、
時には厳しく見守り、何度もやる気スイッチを押してあげています。
これまではシスティーナ礼拝堂の天井画は、
ミケランジェロという一人の天才が生み出した傑作と思っていましたが。
ユリウス2世の存在も大きかったのですね。
全体的には良い映画でしたが、一点だけ気になって仕方がなかったシーンがありました。
嫌気がさして逃亡したミケランジェロは、
その最中に偶然目にした光景により、 《アダムの創造》 のインスピレーションを得るのですが。
その偶然目にした光景が、あまりにもご都合主義すぎて失笑。
思わず、 「そんなわけないやんw」 と関西弁でツッコんでしまったほどです (笑)
(星4つ)」
~映画に登場する名画~
《アダムの創造》
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Film:28 『華麗なる激情』
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