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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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デイヴィッド・シュリグリー「ルーズ・ユア・マインド―ようこそダークなせかいへ」

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現在、水戸芸術館で開催されているのは、
“デイヴィッド・シュリグリー「ルーズ・ユア・マインド―ようこそダークなせかいへ」” という展覧会。
国際的に活躍するイギリス人現代アーティスト、
デイヴィッド・シュリグリー (1968~) の日本初となる大規模な個展です。

デビット


デイヴィッド・シュリグリーは、ブラックユーモアな作風 (芸風?) で知られるアーティスト。
2016年秋には、ロンドンのトラファルガー広場に、
7メートル以上の 「いいね」 を表したブロンズ彫刻 《リアリー・グッド》 を設置し、話題となっています。

シュリグリー
(今回の展覧会では、10メートルの 《リアリー・グッド》 バルーン型レプリカが、世界に先駆けて初公開中!)


どんなブラックユーモアの作品と出会えるのか、と、
ワクワクドキドキしながら、水戸まで足を運んだのですが・・・。

正直なところ、想像していたより、笑えませんでした。

片道2時間半かかったのに。
帰りも同じくらいかかるのに。
それが一番のブラックユーモアです。
星


首が無いダチョウの剥製や、

ダチョウ


世界共通で、子供にされたら気まずい質問No.1、
「どうやって子供は産まれるの?」 を題材にしたアニメーションは、

ブラック


確かに、ブラックユーモアがピリッと効いていましたが。
それ以外は、釣り用の防水ズボンを泡でいっぱいにした 《チアーズ》 や、

チアーズ


展覧会ごとに一般参加者が2トンの粘土から、
ソーセージ状の作品を制作するという 《始まり、中間そして終わり》 のように、

ソーセージ


「へぇー・・・ふーん・・・」 と反応に困る、
なんか面白そうなんだけど、よく考えるとそんなに面白くない作品が多かったです。
色に例えると、ブラックというよりも、オフブラックな感じでした。

ただ、決して、作品がスベっていたわけではありません。
そもそも、ウケを狙った作品がほとんどなかったです。
おそらくデイヴィッド・シュリグリー自身も、自分の作品を面白いと思っていないのでしょう。
笑わしてやろうという感じは一切なく、どこか淡々と作っている印象を受けました。
で、その活動の一連の中で、時々、周囲がハッと驚くような笑いを生み出す。
芸人で言えば、板尾創路さんタイプのアーティストな気がします。


ちなみに、今回出展されていた中で、一番笑いのセンスを感じたのは、こちらの作品。

作品


ルンバ的なヤツに顔を付け、その鼻の部分にペンを差し、
下の白い紙が真っ黒になるまで、動かせ続けるというものです。

ルンバ


その名も、《アーティスト》
いろいろと深読みさせるタイトルに、ニヤリとさせられました。

それと、もう一つ (不本意にも) ニヤリとされたのが、こちらの 《私は人です》 という作品です。
壁に空いた謎の穴。

穴


「何だろう?」 と思って顔を出したところ、
壁の向こう側にいた女学生たちにニヤニヤされてしまいました。

“???”

反対側に周ったときに、その答えが判明。

par


そりゃニヤニヤされるわ!


さてさて、今回の展覧会では、Tシャツが商品化されるほど、
世界的に人気が高いシュリグリーのドローイング作品も数多く紹介されています。

ドローイング
アップ


そのほとんどが、言葉遊びの笑い。
英語が得意な方なら、きっとニヤニヤできるのでしょう。
僕は英語が絶望的に苦手なため、「・・・・・。」 とならざるを得ず。
なんともブラックな気持ちになりました。




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日本・デンマーク国交樹立150周年記念 デンマーク・デザイン

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今年2017年は、日本とデンマークの国交樹立150年を迎える節目の年。
それを記念して、現在、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館では、
“日本・デンマーク国交樹立150周年記念 デンマーク・デザイン” が開催されています。

デンマーク
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


こちらは、デンマーク・デザインにスポット当てた日本初となる展覧会で、
19世紀後半から現代にいたるまで、多彩なデンマーク・デザインが紹介されています。
正直なところ、デンマーク・デザインと聞いても、
パッと頭に思い浮かぶものが、一つもなかったのですが。。。(汗)
なるほど、ロイヤルコペンハーゲン (←確かに、首都の名前!) や、

ロイヤル


世界最大の玩具メーカーLEGO (←「よく遊べ」を意味するデンマーク語「Leg Godt」が由来) は、

デンマーク


デンマーク・デザインだったのですね。
勉強になりました。
星


さてさて、今回のデンマーク・デザイン展でもっともウエイトを占めていたのが、家具です。
会場の右を見ても、左を見ても家具。
IKEA状態、ないしは、リビングデザインセンターOZONE状態でした。


家具
シンプル


なんでまた、こんなにも家具が多いのかと思えば、
冬は寒く、夜が長いデンマークでは、必然的に家で過ごす時間が長くなり、
家具、特に椅子にお金をかけるようになるからとのこと。
ちなみに、デンマークの人にとっての贅沢は、
イイ椅子に座って暖炉の前で過ごすことなのだそうです。
ン十万もするイイ椅子をいくつも買うために、仕事を頑張っている人も少なくないのだとか。

《Yチェア》 でお馴染みのハンス・ヴィーイナ (ウェグナー) や、

ハンス


ミッドセンチュリー期を代表する名作家具 《パントンチェア》 を産んだヴェルナー・パントンら、

パントン


椅子界 (?) のレジェンドたちが、
デンマークから多数輩出されているのには、そんな背景があったのですね。
と、こんなにも椅子がフィーチャーされていると、やはり座ってみたくなるというもの。
そんな皆様のために、ハンス・ヴィーイナの椅子に実際に座れるコーナーが用意されていました。

ハンス・ヴィーイナ
ハンス・ヴィーイナ


試しに、彼の代表作の一つ 《ザ・チェア》 に座ってみたところ・・・

「座りやすっ!」

と、一旦、腰を浮かしてしまうほどに、驚かされました。
特に背もたれの位置が、腰骨のちょうどいい位置にジャストフィット。
「僕に合わせて採寸した?」 と思うくらいにジャストフィットでした。
確かに、これは仕事を頑張ってでも買いたくなる気持ちがわかります。


買いたくなったといえば、こちらのペンダント・ライトも。

照明
スィスィーリェ・マンズ 《ペンダント・ランプ〈カラヴァッジョ〉》 2005年 ライトイヤーズ デンマーク・デザイン博物館 Photo:Lightyears A/S


真っ赤なコードに吊るされた漆黒の本体から、劇的な光が下方に注がれる。
その名も、《ペンダント・ランプ〈カラヴァッジョ〉》
このランプさえあれば、殺風景な我が家が、
カラヴァッジョのバロック絵画ようになるはず。
帰宅後、即Amazonをチェックしました。(購入は検討中)


ちなみに、今回出展されていたデンマーク・デザインの中で一番印象に残っているのは、
アーネ・ヤコプスン (アルネ・ヤコブセン) が小中学校のためにデザインした 《スクールデスク》 です。

北欧


日本のスクールデスクと比べて、はるかにスタイリッシュ。
こんなカッコイイ机だと、勉強が捗りそうです。
しかも、引き出しのサイドが丸見え。
デンマークには、食べ残したコッペパンを机の奥に隠す小学生はいないのでしょう。
あと、デンマークの 《スクールデスク》 にも、ちゃんと給食袋をかけるフックがあるのですね。
なんか親近感を覚えました。


 ┃会期:2017年11月23日(木・祝)~12月27日(水)
 ┃会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
 ┃
http://www.sjnk-museum.org/program/current/5062.html

~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “デンマーク・デザイン展” のペアチケットを、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。

https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
(〆切は、12月5日。当選は発送をもって代えさせていただきます)




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わらしべ長者生活

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美術品を手に、銀座を代表するギャラリーの数々を訪問し、
昔話 『わらしべ長者』 のように、物々交換してもらおうという企画。
それが・・・

わらしべ


前回ご協力頂いた銀座 永井画廊の永井龍之介さんから、

「次の交換は是非、センスがいいヒロ画廊さんにお願いしたいなぁ」

と、ご指名が入っていたので、
今回は、銀座の並木通りに面した場所にあるヒロ画廊へ。

広がろう


この第一岩月ビルの3Fにヒロ画廊はあります。

ヒロ


実は、ヒロ画廊を訪れるのは、今回が初めて。
ギャラリストの藤井万博 (かずひろ) さんとお会いするのも今回が初めてです。
一応アポを取る際に、ざっくりと企画の説明はしましたが。

初対面の僕と美術作品を交換する。
その謎すぎる展開に、さすがに藤井さんは困惑を隠せない様子でした。

“・・・・・・ですよね”

そこで、改めて企画の趣旨説明。
さらに、永井さんからご指名が入った旨を伝えます。

「まだちょっとよくわからないけど、その絵とうちの美術品を交換すればいいのね」

と、腹を括った藤井さん。
伊賀敢男留さんの作品を、じーっと眺めた後・・・

眺める
(↑シャイなので、「後ろ姿でご勘弁を」とのこと)


バックヤードから1枚の絵を持ってきてくれました。

藤松


こちらは、戦後の日本美術転換期に活躍した画家、藤松博 (1922~1996) の晩年期の作品です。
2013年に松本市美術館で大々的な回顧展も開催され、
国内だけでなく国際的にも藤松博の再評価が高まっているのだとか。
それは、きっとお値段もそれなりのはず。
ここだけの話とこっそりと聞いてみると、なかなかビックリの金額です。

「えっ、そんな作品と交換してもらっていいんですか?」

さすがに焦る僕。

「わらしべ長者ってことは、良いものに変わっていったほうがいいんですよね。
 とに~さんが持ってきたのは抽象画だから、
 似たようなタイプの絵と交換したほうがいいかと思いまして」

“まぁ、藤井さんがいいというなら、交換しちゃおうか♪”

と納得しかけた瞬間、心の中に天使の自分が登場しました。

「とに~よ、とに~。
 藤井さんが企画を完全に理解していないことをいいことに、高価な美術品を手に入れるなんて!
 アートテラーがそんなことはしてはいけませんよ天使


“ハッ!確かに、それはよくない!”

今度は、悪魔の自分が登場しました。

「いいじゃんいいじゃん。交換しちゃえよ!
世界的に評価の高い絵を家に飾れるなんて、ラッキーじゃん。
てか、藤井さんに頼んだら、あっちのピカソの絵と交換してくれる可能性もあるかもよデビル


ピカソ


“なるほど。それはグッドアイデアひらめき電球

「何がグッドアイデアなのですか!
ちゃんとリアリティのある交換をしてもらわないとダメですよ天使


“・・・・・はい。”

と、そんな僕の目に、不思議な美術作品が飛び込んできました。

「あのー、藤井さん。あそこに飾ってあるのは、どんな作品ですか?」

鮫島


「あー、これは鮫島大輔さんという若手の作家の作品で、アクリルの球体に、
 どこか見慣れた街の風景を描いた 《Flat ball》 というシリーズの作品ですよ。」

「へー、最近、360度カメラって流行ってますけど、あれみたいな感じですね!」

「彼は、もう10数年前から、こういう作品を制作していますよ。
 そうだ、昼のバージョンもあるから、
 若手作家繋がりで、それと交換するのも面白いかもしれませんね」

鮫島


“これは面白い!”

これなら天使も悪魔も納得の交換です。


というわけで、今、我が家には、
鮫島大輔さんの平面作品 (いや、立体作品?) があります。

平面


360度楽しめる作品。
その日の気分に合わせて、展示方法を変えて楽しんでいます。
ちょっと傾けてみれば、ちょっとシュールな世界に。

シュール


【今回ご協力いただいた画廊】
ヒロ画廊
住所:東京都中央区銀座6-7−16 岩月ビルディング3F


最後に緊急告知!
これまで登場したギャラリストさんのご協力により、
12月9日に開催される “Xmas Art Festa” のスペシャル・パーティーにて、
これまで登場した美術作品が勢ぞろい、交換の流れを実際に見て頂けることになりました!
「あの回に登場した美術作品を生で観たい!」 という方も、
「あのギャラリストさんに生で会いたい!」 という方も、是非この機会をお見逃しなく。
“Xmas Art Festa” スペシャル・パーティーの詳細は、以下より↓
募集中のアートツアー&アートイベントはここをクリック





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わらしべ長者生活

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美術品を手に、銀座を代表するギャラリーの数々を訪問し、
昔話 『わらしべ長者』 のように、物々交換してもらおうという企画。
それが・・・

わらしべ


昨日お伝えしたように、“Xmas Art Festa” のスペシャル・パーティー内で、
『ファミリーヒストリー』 ならぬ 『わらしべ長者生活ヒストリー』 をお届けすることが決定しました。




そこで、一つでも多くの作品を紹介できるよう、ちょっとテンポアップすることに。
ヒロ画廊での交換から日を開けず、銀座7丁目にある小林画廊を訪れました。

小林画廊
小林


こちらが、ギャラリストの小林將利さんです。

小林將利


ギャラリーツアーなども含め、
いつも小林さんには無茶ぶりをしてしまっているのですが、この日も無茶ぶり。
展示替え期間中に関わらず、ご協力頂きました。

画廊


ちなみに、今は、展示替え期間中ですが。
小林画廊と関係の深い秋山泉さん、澁澤星さん、谷保玲奈さん、そして、田中千智さん。
4人の若手女流作家の作品が揃う次回展 “GIFT” は、12月5日よりスタートするそうです。
乞うご期待!


さてさて、実は何を隠そう、僕は、その次回展にも参加する田中千智さんの作品のファン。
横浜市民ギャラリーでの個展を観て以来、いつか作品を家に飾りたいなァと夢想していました。

今回は、その夢を叶える大チャンス!!

それとなく、小林さんに田中千智さんの作品を見せてもらえるようお願いしてみます。
すると、バックヤードからこちらの作品を出してきてくれました。

田中


「わー、イイですねキラキラ


一目でお気に入り。
交換は、この作品に決定です。

「タイトルは何ですか?」

「え~っと、何だったけな?」

と、壁から作品を外す小林さん。

《森へ里帰り》 だね」

「へ~。タイトルって、作品の裏に書いてあるんですか」

「田中さんの作品は、裏に遊び心があるからね。可愛らしいイラストも描いてるし」

タイトル


「おー、裏ってこんな感じになってるんですねキラキラキラキラ

初めて田中さんの作品の裏側を見てテンションがアップしました。
表のクールな感じとのギャップ萌え。
さらにファンになりました。
ちなみに、ちょうど今、フランスのギャラリーで、
田中さんのフランスでの初個展が開催されているそうです。

あぁ、ますます注目を集める田中さんの作品を家に持って帰れるなんて!

・・・・・・・と、想像に浸っていたところ。
小林さんより、現実に引き戻される一言が。

「で、交換なんだけど」

「・・・・・あ、はい。」

確かに、一言も田中さんの作品と交換するとは言っていませんでした。
なんか嫌な予感がします。

「あれでどうかな?」

小林さんが指を差した方向に目を向けると、そこにあったのは・・・

仮面


いや、何すかコレ?!

「・・・・・誰かの作品ですか?」

「いやいや、蚤の市で見つけた土人形。確証はないけど、たぶん南米のだと思うよ」

「・・・・・何で買ったんですか?」

「ここのスペースに合うかなぁと思って」

「・・・・・・・・・。」

ここまで順調に交換してきましたが、ここに来て、謎の人形に。
それも、なんかやる気のない表情の人形に。
しかも・・・

「重っっ!!!」

「あ、とに~さん、重いから気を付けてね」

早く言ってくださいよ。

その後、業者のように梱包作業に取り掛かる小林さん。
その作業を見つめているときの僕の表情は、まさにこんな感じでした。

表情


というわけで、今、我が家に飾ってありますが。
視界に入るたびに僕の表情は、まさにこんな感じ。

表情


【今回ご協力いただいた画廊】
小林画廊
住所:東京都中央区銀座7-5−2 ニューギンザビル8号館 1F




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「思いつく」を考える展

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日本で唯一、世界でもほぼ類のない広告専門のミュージアム、
アドミュージアム東京が、本日12月1日、リニューアルオープンしました。

リニューアル


リニューアルと言っても、改装工事の期間は9か月間ほど。
そこまで大きくは変わってないだろうなァと、高を括っていたのですが・・・

リニューアル


めちゃめちゃリニューアルされていました!!

リニューアル前の面影は一切なし。
まさに、劇的ビフォーアフターでした。
リニューアル前は、ごちゃごちゃ楽しい感じでしたが、
リニューアル後は、館内がスッキリ、スタイリッシュに。
ドン・キホーテから無印良品に変化したような印象です (←?)。
ちなみに、館内はリニューアルしましたが、入館料はリニューアルせず。
嬉しいことに、無料のままです。

もちろん、江戸時代から現代まで、
多数の資料とともに日本の広告史を紹介するコーナーもリニューアル。
より見やすくなっていました。

江戸
現代


ちなみに、『マッサン』 で話題になったあのポスターや、

マッサン


昭和生まれには懐かしいポスターやCMは健在。

cm


ニッポン広告史のコーナーだけで、じっくり1時間は楽しめます。
さらに、今回のリニューアルの目玉ともいえるのが、こちら↓

テーブル


デジタルテーブルです。
この大型タッチ式モニターの中に、
1950年代から現在までのテレビCM、ポスターなど2000点以上が収められています。
モニターに絶えず流れているサムネイルの中から、気になるものを自由にタッチ。
すると、テレビCMが再生されます。
さらに、関連するテレビCMやポスターのサムネイルも表示されるので、次に気になるものをタッチ。
・・・・・を繰り返していたら、延々とデジタルテーブルにいることに (笑)
本気を出したら (?)、ここだけで1日楽しめます。


と、そんなアドミュージアム東京のリニューアルオープン記念として、
企画展示スペースで開催されているのが、“「思いつく」を考える展” という展覧会。

思い付く


こちらは、話題のヒット作や便利な日用品などを例に取り、
それらの優れたアイデアを 「思いつく」 過程に迫る展覧会です。

優れたアイデアなんて、そうそう 「思いつく」 気がしませんが。
実は、「思いつく」 のパターンは、そんなにバリエーションがあるわけでなく。
『くらべてみた』『いれかえてみた』 など、

くらべてみた


たった9パターンに集約されるそうです。
例えば、中身をあえて隠して販売したことで、
5万部を超える異例の売れ行きを見せた “文庫Ⅹ” は 『かくしてみた』、

た
かくしてみ


小学生男子バカウケの “うんこ漢字ドリル” は 『くっつけてみた』 に分類されるとのこと。

感じ
うんこ


確かに言われてみれば、ふなっしーは、中の人を隠したことでブレイク、
ピコ太郎は、リンゴとパイナップルとペンをくっつけたことでブレイクしています。
なるほど、この9パターンを考えれば、ヒット商品が 「思いつく」 のですね!
「思いつく」 のヒントがえられる得する展覧会。
星星


ちなみに、広告専門のミュージアムらしく、
各パターンに分類されるCMも、それぞれ紹介されていました。

cm


特に印象的だったのは、『やばくしてみた』 の一例として紹介されていた、
過酷にもほどがあるXboxOne/Xbox360用ゲームソフトのプロモーション広告です。
ロンドンの特設野外ビルボードに選ばれた8人が立ち、
人為的に発生させた極寒、強風、吹雪などの脅威に24時間耐え続け、
最後まで立ち続けることができた人に旅行がプレゼントされるという企画。
その名も、サバイバル・ビルボード。




このアイデアを 「思いつく」 人もやばいですし、
この 「思いつき」 に乗った人たちもやばいです。

他にも、『やばくしてみた』 の一例として、超懐かしCMも紹介されていました。




この頃は、炎上という言葉はなかったですが。
炎上社会を予言するようなCMですね。




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没後70年 北野恒富展

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現在、千葉市美術館で開催されているのは、“没後70年 北野恒富展” という展覧会。
大阪を代表する美人画家・北野恒富の大々的な回顧展です。

その妖艶な作風から、デビューの頃には、「画壇の悪魔派」 と呼ばれていたとのこと。
どんな悪女に出会えるのかと楽しみに会場を訪れたのですが・・・

墨染
《墨染》 大正後期 川浦真樹氏蔵(全期間展示)


悪女らしい悪女は、いませんでした。
むしろ、はんなり系で優しげ。
八の字眉の困り顔美人が多かったです。


いかにも大和撫子な正統派の美人画だけでなく、

願いの糸
《願いの糸》 大正3年(1914) 公益財団法人木下美術館蔵(全期間展示)


どこか妖しげでホラーチックな美人画や、

淀
《淀君》 大正9年(1920) 耕三寺博物館蔵(全期間展示)


アールヌーヴォー風で洋画のような美人画など、

浴後


器用すぎるがゆえに、さまざまなスタイルの美人画を手掛けた北野恒富。
良く言えばバリエーション豊か、悪く言えば作風が一貫しない。
そのカメレオン画家 (?) ぶりが仇となり、
同時代に活躍した美人画家、上村松園や鏑木清方ほどは知名度が高くないのかもしれません。
ただ、いろんなタイプの美人画が見られるという意味で、
展覧会としては、松園や清方のよりもお得感や見ごたえアリ。
似たような美人画は数点で飽きますが、恒富の美人画は全く飽きません。
星星


ちなみに、絵として一番惹かれた美人画は、《いとさんこいさん》 という作品です。

いとさんこいさん
《いとさんこいさん》 昭和11年(1936) 京都市美術館蔵(後期展示)


「いとさん」 とは、大阪の商人言葉で、長女のこと。
「こいさん」 とは、末の女の子のことなのだとか。
おしとやかな 「いとさん」 とは対照的に、自由奔放な 「こいさん」 です。
二人のポーズがなんとも絶妙で、妙なリアリティがありました。
内またにそっと手を挟んでいる 「いとさん」 のポーズとか、
「こいさん」 の下駄の脱ぎ散らかしかたとか、ちょっとだけ足がはみ出ているところとか。
ちなみに、よく見たら、着物は色違いでした。
2色展開。


それから、歯磨き粉のポスターをはじめ、

ポスター
《ポスター:朝のクラブ歯磨》 大正2年(1913) 公益財団法人吉田秀雄記念事業財団 アド・ミュージアム東京蔵(全期間展示)


人気画家ゆえ多くのポスターを手掛けた北野恒富。
その中には、まんまミュシャ風のポスターも。

ポスター


全体的には、イイ感じにパクれていますが。
体に巻き付いた髪の毛は、なんか気持ち悪いことになっています。
なんとなく排水溝を連想。


最後に、もっとも印象に残った作品をご紹介いたしましょう。
切手の図案にも採用されたことがあるという 《阿波踊》 です。

阿波踊り


ダンスがキレッキレ。
三味線の女性も、実にロック。
全体的にグルーブ感が凄いです。
阿波踊りというよりも、ダンシング・ヒーロー。




そうそう、余談も余談ですが。
美術館の1階に、山本リンダから届いた花がありした。

山本リンダ


なぜ、山本リンダ??
気になって気になって、どうにもとまらない。




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第3回 私の代表作展

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“写実の殿堂” ホキ美術館。
そのハイライトとも言える 「私の代表作」 コーナーが、3年ぶりに一新しました!
ホキ美術館を代表する画家14人が描きおろした最新 「私の代表作」 が集結。
今、美術界でもっとも注目を集めている写実絵画の、まさに “最前線” がここにあります。
ホキ美術館に行ったことがない方は、是非この機会に!
ホキ美術館に行ったことがある方も、改めて是非この機会に!
星星


「私の代表作」 は、どれも100号を超す超大作。
館内には他にも120点近くの作品が展示されていましたが、
この 「私の代表作」 コーナーだけでも、十分に見ごたえがあります。
ノーベル化学賞を受賞した野依良治さんをモデルにした野田弘志さんの作品や、

崇高なるもの
野田弘志 《「崇高なるもの」OP.6》 2016年 ホキ美術館


今最も注目を集める若手イケメン写実画家・塩谷亮さんが竹林を題材にした意欲作、

月洸
塩谷亮 《月洸》 2017年 ホキ美術館


島村信之さんの 「標本箱」 シリーズの現時点での集大成ともいうべき作品など、

夢の箱
島村信之 《夢の箱》 2017年 ホキ美術館


どれも素敵な作品ではありましたが。
全部を紹介していると記事が長~くなってしまいますので、
ここからは 「私のオススメ作」 に絞ってご紹介いたしましょう。
まず紹介したいのは、原雅幸さんの 《薄氷の日》 です。

薄氷の日
原雅幸 《薄氷の日》 2017年 ホキ美術館


描かれているのは、イギリスのとある運河の風景。
イギリス在住の原雅幸さんにとっては、
娘の送り迎えの関係で、かれこれ12年間通っているという日常の風景です。
そんな何気ない風景なのに、心をグッと捉えて離さないものがありました。
どこかフェルメールの 《デルフトの眺望》 を彷彿とさせます。
ちなみに、画面手前の水鳥は、今にもこちらに振り向きそうですね。
どこかフェルメールの 《真珠の耳飾りの少女》 も彷彿とさせます。


続いては、小尾修さんの 《静寂の声》

小尾
小尾修 《静寂の声》 2017年 ホキ美術館



小尾修さんと言えば、木の床。
木の床と言えば、小尾修さん・・・というくらいに、木の床へのにこだわりが特に強い小尾修さん。
その最新作には、木の床はもちろん、たくさんの木の幹が描きこまれていました。
方向性は不明ですが、何かしら進化していることは確実です。
センターのモデルさんの堂々した姿が、なんとも印象的。
たくさんの木の幹をバックに、こんなにも堂々と、
しかも、ナチュラルにしてられる女性はそうそういないでしょう。
木の幹たちを従えているようにすら見えます。
チーム木の幹の女総長。


毎回、新しい試みにチャレンジする五味文彦さんの新作は、《像にそうて容に泣く》

左
右
五味文彦 《像にそうて容に泣く》 2017年 ホキ美術館


五味さんには珍しく、裸体をテーマにした作品です。
パッと見は、普通のヌード画のようです。
他の写実画家が描くヌード画と、そう違いはないように思えます。
が、五味さん曰く、“この作品は空間を浅くしてみました” とのこと。
一瞬何のことかよくわかりませんでしたが、
しばらく眺めていると、五味さんの言わんとすることが朧げながらわかってきました。
なんとなく、あくまで、なんとなくのイメージですが。
自分が透明なアクリルの板に立っていて、
そのすぐ下で眠っている女性モデルを見下ろしているような感じがするのです。
もしくは、女性モデルは棺のような空間にいて、
それを透視した光景を描いたもののような感じがするのです。
今までの絵画鑑賞では味わったことのない不思議な奥行きを感じました。


最後にご紹介するのは、毎回、五味さん以上に、
新しい (とんでもない?) 試みにチャレンジする石黒賢一郎さんの新作。
その名も、《Injection Device 2017》 です。

石黒賢一郎
石黒賢一郎 《Injection Device 2017》 2017年 ホキ美術館


時は、2047年。
世界各地でウィルステロが発生。
そのウィルスに感染し、死を免れたものは異形化してしたという。
ウィルスに感染したものの、
科学者である父が開発したワクチンにより、かろうじて一命を取り留めた少女がいた。
その名は、ユウキ。
彼女は首に装着した “Injection Device” から、定期的にワクチンを注入し続けている。
そして、その副作用として驚異的な力を手に入れた。
さらに、父が開発したナノマシンを全身にまとい、
より強靭な力を得たユウキは、異形化した人々や独裁国家の戦闘兵器から人類を守る戦いに挑む!


・・・・・という石黒さん完全オリジナルのSFチックな設定を下敷きにした一枚。
こちらを見つめている少女が、ユウキです。

さてさて、この絵の横には、不気味な立体模型が置かれていました。
体はロボット。顔はオジサン(=ユウキの父)。
なんでも、そのロボットにも、ちゃんと設定があるようです。

激しい戦闘の末、命を落としてしまったユウキの父。
しかし、彼は死の直前に自身の意識をスキャニングしAIに移植していた。
そのAIは、ユウキが搭乗して戦うグルアビペダに埋め込まれ
・・・・・って、すいません。
さすがに、ちょっと何言ってるか分からなくなってきました (笑)

ちなみに、ユウキのモデルは石黒さんの実の娘さんとのこと。
つまり、ユウキの父のモデルは、石黒さん本人。
そう、グルアビペダは石黒さんの顔なのです。
石黒先生何やってんすか (笑)


【告知】
明日12月4日放送のNHK 『ニュース シブ5時』 に、生出演してきます。
「テーマ設定で勝負!人気集めるアート展」 というコーナーで、
“「怖い絵」展”&“レアンドロ・エルリッヒ展” の人気の秘密を紹介。
ホキ美術館についても、チラッと紹介する予定です。
もしよかったら、ご笑覧くださいませ。




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Film:39 『ロダン カミーユと永遠のアトリエ』

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ロダン


■ロダン カミーユと永遠のアトリエ

  監督・脚本:ジャック・ドワイヨン
  出演:バンサン・ランドン、イジア・イジュラン
  2017年/フランス/120分/PG12

《地獄の門》《考える人》 などの作品で知られ、「近代彫刻の父」 と称される、
19世紀フランスの彫刻家オーギュスト・ロダンの没後100年を記念して製作された伝記映画。
弟子入りを切望する女性彫刻家カミーユ・クローデル、
彼女と出会ったロダンが、彼女の才能と魅力に惹かれていく姿を描く。
1880年、パリ。
40歳の彫刻家オーギュスト・ロダンは、
ようやく国から作品制作を依頼されるようになり、後に代表作となる 《地獄の門》 を生み出していく。
その頃、内妻ローズと暮らしていたロダンだったが。
弟子入りを願う女性カミーユ・クローデルが現れ、
彼女の才能に魅せられたロダンはクローデルを助手にし、やがて愛人関係になっていく・・・。
(「映画.com」より)


「ただただロダンの好感度が下がる映画でした(笑)

 ロダンの彫刻家としての面も、もちろん描かれてはいましたが。
 どちらかと言えば、若い愛人カミーユ・クローデルとの顛末がメイン。

 オッサンが若い愛人にデレデレするわ、
 人目をはばからずイチャイチャするわ、
 内縁の妻と別れるよう詰め寄られてオロオロするわ、
 反対に妻からも責められ、もう一つおまけにオロオロするわ。

 カミーユに妊娠したと告げられ、
 芸術を理由にして中絶を迫ったところでは、さすがに男の僕から見ても、辟易しました。
 ただのゲス不倫野郎です。
 ロダンが、こんなにも “考えがない人” だったとは。
 
 たぶん、今まさに不倫真っ最中のオッサンが、この映画を見たなら、

 “うわ~、若い愛人と不倫してるのって、客観的に観たら、こんな感じなのかぁ”

 と、ドン引きするはず。
 そういう意味では、ゲス不倫ブーム (?) の流れを断ち切る良い映画なのかもしれません。
 
 ほとんど得るものの無い映画でしたが。
 アートテラー的には、《バルザック記念像》 の制作過程が詳しく描かれていて勉強になりました。

 バルザック


 何でバルザックが理科室の暗幕みたいなのに巻かれているのか。
 ずっと謎だったのですが、その理由がちゃんと映画で描かれていました。
 もともとは、裸だったようです。

 裸


 ちなみに、特に笑うシーンではないはずなのですが、
 別バージョンの裸のバルザック像が登場した瞬間、劇場内でクスクスと忍び笑いが起こりました。

 裸


 まぁ、確かに (笑)

 バルザックというよりも、ただのゴブリンです。



 さてさて、何よりも衝撃的だったのが、映画の大オチ。
 ネタバレになりますので、映画を楽しみにしている方は、
 ここから先の数行は、お読みにならないほうが賢明です。

 こんなにも愛人にひどい仕打ちをして、
 他のモデルたちとも、ふしだらな関係になって、
 どういうラストがロダンに待っているのか、と興味津々だったのですが。
 
 ラストシーンの舞台は、超意外な場所。
 なんと日本です。
 それも現代の日本。
 《バルザック記念像》 がある箱根彫刻の森美術館です。

ロダン


 そこで、だるまさんが転んだをして遊ぶ子供たち。
 《バルザック記念像》 が鬼の立ち位置でした。

 これは、あくまで僕の見解ですが、きっとこう言いたかったに違いありません。

 近代彫刻の父・ロダン。
 その人生をかけた最高傑作の一つである 《バルザック記念像》 が、
 今や遠い日本の国で、芸術品というよりも、子供たちの遊び場所になってしまっている。
 それもこれも、カミーユの人生を狂わせた報い。
 若い愛人との不倫、ダメ。ゼッタイ。


 いや、なんだそのオチ?!
 あまりの唐突な展開に思わず笑ってしまいました。
半分星 ほし ほし ほし ほし (星0.5つ)」


~映画に登場する名作~

カミーユ・クローデル 《嘆願する女》

嘆願する女


THE ドザえもん展 TOKYO 2017

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現在、森アーツセンターギャラリーにて、
“THE ドラえもん展 TOKYO 2017” が絶賛開催中ですが。

ドラえもん


神楽坂の住宅街にあるギャラリーeitoeikoでも、
“THE ドラえもん展 TOKYO 2017” が開催されています。

ギャラリー


あ、すいません。
一文字間違えていました。
正しくは、“THE ドザえもん展 TOKYO 2017” です。

ポスター


展覧会タイトルは、明らかに本家に寄せていますが。
ポスターのデザインも、まるまる本家に寄せています。
さらには、キャッチコピーも。
もはや確信犯です (笑)

キャッチコピー


こちらは、某カップ焼そば風の巨大オブジェを地表に埋めた 《UFO(未確認墜落物体)》 や、
ルイ・ヴィトンやシャネルといった高級ブランドのバッグの生地でバッタを作った 《バッタもん》 など、
思わずクスッと笑える作品を、発表し続けている岡本光博さんによる最新展。
本家の展覧会のほうに呼ばれなかったこともあり、
2000年に青森県立美術館で初めて発表した 《ドザえもん》 の展覧会を企画したとのことです。

ドザ衣文


確かに、本家の展覧会のほうは、全体としては面白かったのですが。
藤子プロへの ‘忖度’ があったのか、はたまた、桃太郎印のきびだんごを食べたのか、
ほとんどの参加作家が、おとなしい作品を発表していたことに、物足りなさを感じたのも事実。
もう少し毒があってもよかったです。

そこへ行くと、《ドザえもん》 には、ちゃんと毒があります。
藤子不二雄Ⓐばりに。

なので、“THE ドザえもん展 TOKYO 2017” には期待をしていたのですが・・・

どざえもn
会場
会場


全部、ネタ一緒じゃん!!

もっといろんなバリエーションがあるのかと思えば、
基本的には、うつぶせに浮いているドラ〇もんばかり。
棺をイメージしたオブジェもあるにはありましたが。

ひつぎ


もっと他の展開があるのかと思っていただけに、残念。
「ドラ〇もん=ドザえもん」 という1つのボケに溺れすぎです。
というか、そもそも、「ドラ〇もん=ドザえもん」 というボケ自体、全く新しくなく。
むしろ、日本人なら誰もが思い付くベタもベタなボケです。
それゆえに、もう1段階、2段階、ひねりがないと笑えません。

とは言ったもの、どんなパターンのネタが考えられるのでしょう。
例えば、しずかちゃんのお風呂に浮いているとか、
どざえもんを覆うゴザがタイムふろしきになってるとか、
かなりブラックですが、「きこりの泉」 の回で登場した、
通称 “きれいなジャイアン” が泉に浮いているとかでしょうか。
本家の展覧会に呼ばれなかったことがモチベーションなら、
本家の展覧会の図録を水の上に浮かべてみるというのも、皮肉が効いている気がします。


何はともあれ、本家の展覧会の期間にぶつけてきたのは、素晴らしい。
ロックです。
星

ちなみに、美術品は実物を観てナンボと、常日頃思っていますが。
この 《ドザえもん》 という作品だけは、例外です。
実物を観たところで、さほど大きな感動はありません (笑)




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世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦

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現在、板橋区立美術館で開催されているのは、
“世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦”
南インドの小さな出版社タラブックスを、日本で初めて本格的に紹介する展覧会です。

タラ


全体でも50人に満たない小さな出版社であるにも関わらず、
世界中の本好きから熱い注目を集めているというタラブックス。
そんなタラブックスを代表する1冊 『夜の木』 はもちろん、

原画
夜の木


これまでに出版した絵本とその原画や資料など、合わせて約300点が展示されています。

絵本
絵本


タラブックスの人気の秘訣は何と言っても、ハンドメイドの美しすぎる絵本にあるそうです。
インド各地の少数民族たちによる味わい深い絵を、
ふかふかした風合いの手すきの紙に、シルクスクリーンの技法で印刷。
それを、職人さんたちが1冊1冊、手作業で製本しているのだとか。

シルク


中には、紙ではなく、布に印刷している絵本も。
もはや絵本というよりも美術工芸品といった感じでした。

布


美しすぎる絵本として人気が高いのも納得です。
と、ふと気になって、すぐにスマホでAmazonを立ち上げ、
タラブックスの本をチェックしてみたところ・・・やはり、それなりのお値段!
しかも、そのほとんどが、手作りのため入荷待ち!

そんな希少な本が会場に集結しているだなんて。
しかも、閲覧も可能だなんて。

絵本


世界中のタラブックスファンにとっては、きっと奇跡のような展覧会なのでしょう。
どうりで食い入るように展覧会を鑑賞している人が多かったわけです。
星


ちなみに、個人的にお気に入りなのは、『みずの生きもの』 という一冊。

みず
いきもの


パッと見は、まるで子供が描いたようなヘタウマな絵なのですが。
よくよく見ると、細部が異常に細かく、執拗なほどにみっちりと線が描きこまれています。
無邪気と狂気が共存したかのような独特の画風に、思わず引き込まれてしまいました。
サンタさん、今年のクリスマスプレゼントは、この絵本だと嬉しいです。

最後に、一番印象に残った絵本をご紹介。

絵本


いきなりですが、ここでクエスチョンです。
この絵本は、とある有名な童話をタラブックスが大胆にアレンジしたもの。
さて、その童話とは、一体なんでしょう?

この時点でわかったアナタ、かなりスゴいです。
わからなかった方のために、ヒントとして、別のカットをお見せいたしましょう。

花


人形と伸びる鼻。
さすがに、もうおわかりですね。

そう、正解は・・・

ピノキオ


『ピノキオ』 でした。
最初に紹介した絵の右のほうは、
クジラに食べられてしまったピノキオのシーンを表していたのですね。
・・・・・クジラのお腹の中、狭っ!




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あなただけのフチ子展

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「コップのフチに舞い降りた天使」 こと、コップのフチ子が発売されて早5年。
それを記念し、PARCO MUSEUMでは12月18日まで、
“あなただけのフチ子展 5年分の感謝を込めて、あなただけのフチ子になります♪ が開催されています。

あなた


カプセルトイ (ガチャガチャ) としては、異例の大ヒットを記録したコップのフチ子。
これまでに発売された総累計は、なんと2000万個を突破しているそうです!
さらに、シリーズ累計で1500種類ものフチ子が存在しているとのこと。
今回は、その1500種類すべてのフチ子が、会場に舞い降りています。

一度は目にしたことがあるであろうメジャーなフチ子もいれば、

フチ子
フチ子



企業とコラボしたレアなフチ子や、

企業


水族館とコラボしたフチ子、

水族館


有名キャラクターとコラボしたフチ子もいました。

キャラ


また、フォースの使い方を完全に間違っている彼らや、

フチ


以前、このブログでも紹介したべらぼうなヤツ

太陽の塔


フチではなくコップの底にいるソコ子といった、

そこ


もはやフチ子ではないものも、ちらほら。
何はともあれ、たった5年という短い期間で、
こんなにも展開、増殖していたフチ子さんに、若干の恐怖を覚えました (笑)

ちなみに、フチ子さん化していた有名人の皆さまもちらほら。
例えば、いつの間にやら、あの人物もフチ子さん化していました。

海老蔵


こちらは、ライオンの歯ブラシを買って抽選で当たる、
コップのフチに舞い降りた市川海老蔵フィギュアとのこと。
灰皿やテキーラショットグラスのフチには、なんとなく乗せづらいですね。

また、今年話題のあの歌姫もフチ子さんになっていました。

安室


こんなバラエティっぽい仕事もしてたのですね・・・(笑)
『夜もヒッパレ』 以来ではないでしょうか。


ちなみに、SNSで人気が広まった元祖インスタ映えのコップのフチ子の展覧会だけに・・・

もちろん展覧会は写真撮影OK!!(一部写真撮影禁止ゾーンあり)

さらに、インスタ映えを狙ったコーヒーカップ風モニュメントや、

インスタ


フチ子のなりきり写真が撮れる撮影スポットも用意されていました。

フチ子


くだらないけど、なんかクセになる。
コップのフチ子らしい展覧会です。
星




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わらしべ長者生活

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美術品を手に、銀座を代表するギャラリーの数々を訪問し、
昔話 『わらしべ長者』 のように、物々交換してもらおうという企画。
それが・・・

わらしべ


わらしべ長者生活開始から、早2ヶ月。
我が家を飾っていた阿部瑞樹さんの作品が、

阿部


ツジモトコウキさんの作品に変わり、

家


伊賀敢男留さんの作品に変わり、

我が家


途中、有元利夫の版画作品にも変わり・・・と、

アップ


ここまで順調も順調に交換が進んできたわけですが。
前回訪れた小林画廊で、まさかの展開に。。。

表情


南米のよくわからない土人形へと変貌を遂げてしまいました。

“む~~~ん” じゃねーよ!!

なんか呪術的なヤツかもしれないので、これは早く交換するに限ります。
しかし、誰が交換してくれましょう??
と、悩んでいたところ、お世話になっているギャラリストさんから一本の連絡が入りました。

『とに~さんが面白そうな企画をしていることを聞きました。
 うちの画廊も、いつでも協力しますよ』

とのこと。
これはグッドタイミングです。
何と交換するかは内緒にして、とりあえず訪れてみることにしました。

太郎


やってきたのは、岡本太郎の 《若い時計台》 がシンボルとなっている数寄屋橋公園。
そこに隣接する数寄屋橋ビルの3階にある銀座柳画廊です。

銀座


相変らず、床がふかふかで、
ゆったりとした心地良い雰囲気が漂っています。
今さらながら、わけのわからないブツを持ってきたことを反省です。

とは言え、まぁまぁな重さのものゆえ、
このまま引き返して持って帰るのもなんなので、一応、見せてみることに。
ちなみに、こちらがメールをくれた副社長の野呂洋子さんです。

野呂


元はIBMのエンジニアだったという異色の経歴を持つ野呂さん。
老舗画廊三代目だった社長との結婚を機に、ギャラリーの世界に飛び込んだのだそうです。
そのあたりの詳細は、こちらの本に↓

銀座の画廊経営/ファーストプレス



そんな別の世界からアート界に飛び込んだ同士ということもあるのでしょう。
いつも何かと親身になってくださる野呂副社長。
「きっと今回も何とかしてくれるはず!」 と恐る恐る中身を取り出すと・・・

「あら、可愛いじゃない!」

想定外の好反応。

「じゃあ、どの作品と交換しましょうか?」

とノリノリです。
銀座柳画廊とは長い関わりのある洋画家・岡野博さんの作品や、

丘の


本日から来週16日まで個展が開催中のスペイン在住の長縄眞兒さんの作品とも、

長縄


交換してくれそうな勢いでしたが。
いろいろ悩んだ末、野呂さんが選んだのは、
喜多尾ボンタン礼子さんというフランス在住の画家の作品でした。

喜多尾ボンタン礼子


日本にいた頃は、歯科技工士として働いていたそうで、
その後、パリに渡り、ルーブル美術館で模写をして絵画を学んだという異色も異色の経歴の持ち主。
絵を観た瞬間、なんとなくシャルダンを連想したのですが、
もしかしたら、ルーブル美術館でシャルダンの静物画も模写していたのかもしれません。

元


元エンジニアのギャラリストさんのおかげで、
元歯科技工士の画家が描いた絵と、元吉本興業芸人の手元にあった土人形が交換されました。

ボンタン


【今回ご協力いただいた画廊】
銀座柳画廊
住所:東京都中央区銀座5-1-7 数寄屋橋ビル3F




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【告知】 現在募集中のアートツアー 【告知】

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現在募集中のアートツアーです。

アートに興味のない方でも楽しんで頂ける企画を心掛けております。
初参加の方も多いので、どうぞお気軽にご参加くださいませ♪
(男女比は、7:3くらいで女性が多いです。
 また、おひとりで参加される方が大半ですので、一人でもふらっと遊びにいらしてください!)
定員になり次第、募集は〆切らせて頂きますので、よろしくお願いします。
参加希望の方は、お手数をおかけして恐縮ですが、
件名に希望するアートツアーを明記して、以下のメールフォームよりお申し込みくださいませ。
詳細をお知らせいたします。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
お知らせ先のメールアドレスが間違っている方が、ごくたまにいらっしゃいます。
こちらからの返信がない場合は、もう一度ご確認頂けますと幸いです。


12/16(土) 猫好きさん集まれ!ねこねこアートツアー

今回お届けするのは、猫をテーマにしたアートツアー。
みんなで、カワイイ美術作品の猫たちに会いに行きましょうにゃー

まず訪れるのは、台東区立朝倉彫塑館。
こちらでは、“猫百態―朝倉彫塑館の猫たち―” が開催中です。
寝転んだり、餌を食べたり、体を伸ばしたり、
館内のあちこちで、猫たちが思い思いのポーズを取っています。
猫好きには、ニヤニヤが止まらないこと請け合いです。

朝倉彫塑館を鑑賞した後は、谷中で小休憩。
街のあちこちでホンモノの猫に会えるかもしれません。

その後、東京国立近代美術館へ向い、
“没後40年 熊谷守一展 生きるよろこび” を鑑賞いたします。
この展覧会では、熊谷守一の代表作の一つで、
日本の美術史上でも10本の指に入る可愛さの猫の絵と出会うことができます。
どうぞお楽しみに!

時間:12時半~17時
定員:10名
参加費:2000円 (展覧会の鑑賞代を含む)

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/


12/17(日) 年末だよ!ドラえもん展へ行こう!

年末と言えば、ドラえもん?!

そこで、今回は、現在開催中の話題の展覧会、
“THE ドラえもん展 TOKYO 2017” にみんなで行きましょう♪
こちらは、日本を代表する28組のアーティストが、
『ドラえもん』 をテーマに新作を制作した展覧会。
現代アート好きも、ドラえもん好きもどちらも楽しめる展覧会です。

観終わった後は、近くのカフェへ。
感想を話し合ったり、まったりと過ごしましょう。

時間:13時~16時半
定員:10名
参加費:1600円 (展覧会の鑑賞代を含む)

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/


12/23(祝・土) レアンドロ・エルリッヒ展へ行こう!

本年もいろいろとお世話になりました!
今年ラストに相応しく楽しいアートツアーをお届けいたします。

現代アートが好きな方はもちろん、そうでもない方も100%楽しめる美術展。
森美術館で開催中の “レアンドロ・エルリッヒ展” に、みんなで遊びに行きましょう♪
もし、レアンドロ・エルリッヒの名にピンと来なくても、
金沢21世紀美術館にある 《スイミング・プール》 は、何らかの形で一度は目にしたことがあるはず。
そんな彼の代表作の数々から、新作までが勢ぞろいした展覧会です。
一人で行ってももちろん楽しめますが、
体験型作品が多く、写真撮影もOKなので、みんなで行ったほうが、その何倍も楽しめます。
今年の締めくくりの思い出作りに、是非みんなで楽しみに行きましょう!

展覧会を鑑賞した後は、近くのカフェでまったりする予定です。
どなた様も是非気兼ねなく、遊びにいらしてくださいませ。

時間:13時~16時半
定員:12名
参加費:1600円 (展覧会の鑑賞代を含む)

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



いずれのツアーも、皆様のご参加を心よりお待ちしております!!

~現代作家70名が描く、つくる~吾輩の猫展

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今年2017年は、夏目漱石生誕150年の節目の年。
それを記念して、現在、佐藤美術館では、
“~現代作家70名が描く、つくる~吾輩の猫展” という展覧会が開催中です。

新宿


こちらは、現在第一線で活躍中の写実画家・諏訪敦さんや、

諏訪


竹久夢二以来の天才美人画家と名高い日本画家・池永康晟さん、

池永康晟


このブログで何度も紹介している富田菜摘さんをはじめ、

駒子


今を時めく70名のアーティストが、猫をテーマに制作した作品を紹介する展覧会です。
藤田嗣治や歌川国芳、熊谷守一など、
猫を描いた名作を生み出した美術界の巨匠は数知れず。
もしかしたら、今回の70人の中に、次世代の “にゃんこスター” がいるかもしれません。
星星


さてさて、一口に猫の作品と言っても、作風はさまざま。
リアルな猫もいれば、

リアル


デザイン化された猫もいます。

デザイン


その中でも特に心を鷲掴みにされたのは、
星美加さんによる 《porta fortuna》 という作品。
ねこ鍋的な可愛さです。

猫


それから、伊藤清子さんの 《PRIVATE EYES》 も。

伊藤清子 《PRIVATE EYES》


怒っているのに、可愛いだなんて。
その絶妙な表情に完全にメロメロになりました。

変わり種 (?) としては、ホキ美術館でお馴染みの石黒賢一郎さんの猫作品もお気に入り。

石黒


猫は猫でも、キャッツアイ風。
というか、ダイナマイトボートレース風です。


意外性といえば、今年岡本敏子賞を受章した井原宏蕗さんも作品を出展していました。

岡本敏子賞


井原宏蕗さんといえば、動物の糞を漆でコーティングして、
それを動物の形に組み上げた作品を制作するアーティストです。
ということは、これも猫の糞なのかと思いきや、
今回はキャットフードを漆でコーティングしているとのことでした。

猫


ですよね。
猫の糞は、もっとゴロゴロしていますよね (←?)。
安心しました。
フリスキーかチャオか、はたまたカルカンか。
ねこまっしぐら。


ちなみに。
会場には作家のみなさまが撮影した猫の写真も展示されていました。

猫
猫


展覧会を根底から崩してしまうようで恐縮ですが、
正直なところ、猫の写真のほうが断然可愛かったです (笑)
やっぱり実物の猫が好き。




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没後40年 熊谷守一 生きるよろこび

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今年2017年は、洋画家・熊谷守一の没後40年に当たる節目の年。
それを記念して、現在、東京国立近代美術館では、
“没後40年 熊谷守一 生きるよろこび” が開催されています。

熊谷


実は、東京では久しぶりの開催となる熊谷守一の回顧展。
それだけに、かなり気合が入っているのでしょう。
出展数は、圧巻の200点超え!
初期の作品から、

初期


脂が乗っている時期の作品、

油


そして、晩年期の作品まで。

晩年


守一の代表作の数々が会場に大集結しています。
さらに、守一による裸婦像がズラリと並べられたゾーンがあったり、

ラフ


守一作品でも特に人気の高い猫の絵がズラリと並べられたゾーンがあったり、

猫
猫


圧巻で壮観な光景の展示が随所に用意されています。
まさに熊谷守一の回顧展の決定版ともいうべき、質・量ともに充実した展覧会でした。
星星


さてさて、熊谷守一といえば、97歳で生涯を終えるまでの最後の約30年間、
ほぼ家を出ず絵を描き続けたという伝説から、『画壇の仙人』 と称されることが多い人物ですが。
今回の展覧会では、まるで科学者のように、
焦点距離や色彩学について守一が記述したノートが紹介されていたり、

守一


下図をトレーシングペーパーとカーボン紙を用いて複写する技法を紹介していたり、

下図


アンリ・マティスら西洋画家に多分に影響を受けた作品が紹介されていたり、

稚魚
熊谷守一 《稚魚》 1958年 天童市美術館


「仙人=単なる世捨て人」 ではなく、
実は研究者タイプだったという守一の意外な一面がクローズアップされていました。
一見すると、シンプルな、いやシンプルすぎる守一の絵ですが、
そこには、計算し尽くされた美、究極の引き算の美が宿っていたのですね。
どこか浮世絵の構図や俳句の精神に通ずるものを感じました。

俳句


洋画家ではありますが、目指したのは和の境地だったのかもしれません。
何はともあれ、守一の絵と守一自身を見る目が変わる展覧会でした。


ちなみに、かなりの数が出展されている今展覧会ですが、
その中でもダントツで印象に残っているのは、やはり 《轢死》

轢死


日暮里駅近くでの女性飛びこみ自殺に遭遇した体験をもとに若き守一が描いた作品です。
経年による暗色化のため、パッと見は何が描かれているか全くわかりませんが、
そのタイトルから推察できるように、横たわった女性の轢死体が描かれています。
よく見れば・・・いや、なるべくなら、よく見たくないところですが、
じーっと絵を眺めていると、女性の轢死体の姿が浮かび上がってくるのです。
思わず鳥肌。
ゾゾゾっとする、リアル怖い絵でした。


最後に。
今回の熊谷守一展の音声ガイドは、オススメです。
なんと、来年5月に公開する映画 『モリのいる場所』 で、
守一役を演じた山﨑努さんと、妻役を演じた樹木希林さんが担当しています!

音声


大物俳優&大物女優。
まるで邦画の名作を1本観たかのような充実感が得られる音声ガイドでした。




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単色のリズム 韓国の抽象

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先週の日曜は、東京オペラシティアートギャラリーへ。
12月24日まで開催中の “単色のリズム 韓国の抽象” を観てきました。

韓国


タイトルずばり、韓国の抽象画にスポットを当てた展覧会です。
実は、今、世界的に再評価が高まっているという韓国の抽象画。
特に1970年代に生まれた 「単色画」(ダンセッファ←ダッフンダではない) に注目が集まっています。
今回の展覧会では、そんな 「単色画」の発展を担った作家たちや、
その継承者である現代の作家など、19人の作品が紹介されていました。

会場
会場会場


ただでさえ、抽象画は難しい印象がありますが。
韓国の抽象画となると、ほぼ未知の世界ゆえ、さらに難易度はアップします。
なんとなくマーク・ロスコっぽい抽象画や、

ロスコ


なんとなくサイ・トゥオンブリーっぽい抽象画のように、

トゥ温ブリー


西洋美術の影響を受けていると思われる作品もありましたが。
全体的には、西洋の抽象画とは一線を画しており、やはり東洋的な印象です。

韓


中国美術っぽくもあり、日本美術っぽくもあり。
でも、どこか根本で、中国とも日本とも決定的に違います。
西洋人から見れば、日本人も韓国人も中国人も同じに見えるそうですが、
日本人からすれば、感覚的に日本人と韓国人と中国人の見分けはつくものです。
韓国の抽象画を前にしたとき、それと同じ感覚器官が反応しました。

と、初めてまとめて目にする韓国の抽象画に、なかなか慣れませんでしたが。
それ以上に、朴栖甫、権寧禹、丁昌燮・・・と、
画家の名前もなかなか頭に入ってきませんでした (汗)
入場時に配られる全編カラーの丁寧な作りのハンドブックを片手に、

無料

じっくりと作品と向き合ってみたものの、最後まで韓国の抽象画にハマれずじまい。
星
近いけど、遠い。
個人的には、韓国の抽象画に、なんともいえない距離感を覚えました。
う~ん、韓国料理は好きなのですが。


とは言え、李禹煥 (リ・ウファン) は、例外。

李禹煥


日本を拠点に活動していることもあり、
これまで何度も作品を目にしているからもあるのでしょう。
この空間に入った瞬間、妙に一安心。
ようやく異国の地で同胞に出会えたような感じでした (笑)

それと、もう1人、親近感を覚えたのが、徐世鈺 (ソ・セオク) の作品です。

井村屋


なんとなく、あくまでなんとなくですが。
井村屋のロゴを連想してしまいました。


ちなみに、こちらの展覧会は、日曜に限っては、会場内の写真撮影が可能。
写真を撮影したい方は、是非日曜日に。
シャッター音が気になる方は、日曜以外に行かれるのがオススメです。




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第32回 世田谷区代田でセザンヌ

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ルノアールを筆頭に、モネ、ゴッホ、シャガール…と、
街を歩いていると、時に、美術界の巨匠たちと同じ名前のお店に出くわします。
果たして、それらのお店と巨匠との間に関係はあるのか??

気になるようで気にならない。
でも、気にしてしまったら、気になって仕方がない。
そんな疑問を解消すべく、アートテラーは今日も店へと赴く!!



以前、この企画で紹介した世田谷区代沢のカリーの店 ゴッホが、
今年7月に閉店していたという衝撃的なニュースが飛び込んできました。

“あぁ、あの独特のスパイシーなカリーがもう一度食べたかった。。。”

ゴッホが死後、伝説の画家となったように。
もしかしたら、カリーの店 ゴッホも閉店後、
伝説のカレー屋として語り継がれていくことになるのかもしれません。


さて、そんなカリーの店 ゴッホから徒歩10分ほどのわりと近い場所に、
もう一人のポスト印象派の巨匠の名前が付いたお店があることが判明いたしました。
偶然にしては出来すぎている感もあるので、早速そのお店へと急行。

ポスト


そこには、「近代絵画の父」 の名がありました。

セザンヌ


セザンヌ。
いや、正式には、『せざんぬ』 です。
『とに~』 の僕がいうのもなんですが、
ひらがな表記になると、若干のうさん臭さが漂います。


ちなみに、僕がせざんぬを訪れたのは、16時半頃。
しかし、どうやらまだランチタイムは続いているようです。

ランチ


ただ出しっぱなしなだけなのかとも思いましたが。
お店に入るなり、マスターから、

「ランチは何にしますか?」

と聞かれました。
やっぱりランチタイムは続いているのですね。
というか、ランチを食べる前提で話が進んでいるのですね。
ランチはすでに食べてしまっていましたが、
せっかくなので、ちょっと早めのディナーとして、日替わりランチを注文することに。

オーダーしたランチが運ばれてくるまで、店内を見渡してみます。
果たして、セザンヌに関するものはあるのでしょうか?


結論からいうと、セザンヌはありませんでした。
りんごもありませんでした。
あるのは、スーパーマンに、マリリン・モンローに、シュルレアリスムなオブジェに・・・。

スーパーマン
モンロー
カオス


カオスな世界がありました。
それから、大量のマンガ本。

マンガ


漫画喫茶くらいの量のマンガ本があります。
あまりに多いので、もはや本棚に入りきっていません。

カオス
本


本棚の上に絶妙に積まれた 『沈黙の艦隊』 が、
何かしらのアート作品のようにさえ見えてきました。


と、そうこうしているうちに、ランチが登場。

オムライス


ドライカレーのオムライスに唐揚げが2個ついて、
味噌汁もついて、さらに食後にコーヒーもついて、750円です。
実に良心的。
肝心のオムライスや唐揚げのお味は、実に家庭的。
友達の家でご馳走になったお昼ご飯といった感じでした (←?)。
ただ、味噌汁に関しては・・・。
一口飲んだ瞬間に、思わず声が漏れてしまいました。
店内のマンガ本の量に比例するかのように、味噌汁の塩分量も多かったです。


さてさて、食後にコーヒーを飲んでまったりしていると、


食後


ちょっと大き目な女性の声が聞こえてきました。
声の主は、どうやらマスターの妻のよう。
何かしらの理由でマスターが責められています。
しかし、黙って耐え忍ぶマスター。
セザンヌ夫妻は、セザンヌが責めて、妻のオルタンスが耐え忍ぶパターンだったようですが。
せざんぬ夫妻は、その逆なのかもしれません。


ひと段落がついたようなので、お会計。
帰り際、思い切ってマスターに、

「やっぱり、この店名って画家のセザンヌと関係があるんですか?」

と聞いてみました。
すると、

「あ、はい。でも、店内は何も関係なくなっちゃったけど (笑)」

との回答が。
自覚はある様子。


<お店情報>
セザンヌ
住所:東京都世田谷区代田1-29-14
定休日:情報なし
営業時間:9:00~19:00
 



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石内 都 肌理と写真

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横浜美術館で開催中の “石内 都 肌理と写真” に行ってきました。

石内
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


こちらは、2014年にアジア人女性として初めて、
「写真界のノーベル賞」 と言われるハッセルブラッド国際写真賞を受賞するなど、
国際的に最も高く評価されている写真家・石内都さんの大々的な個展です。
第4回木村伊兵衛写真賞を受賞した初期の傑作 〈Apartment〉 シリーズから、

「アパートメント」


広島の被爆者たちの遺品を撮影した代表作 〈ひろしま〉 シリーズ、

ひろしま


モノクロからカラー写真へと移行したターニングポイントとなる 〈Mother's〉 シリーズなど、

Mother's
《Mother's #35》 2002年 ©Ishiuchi Miyako


40年にわたる石内都さんの活動を、
最初期から未発表までを含む16シリーズ約240点の作品で紹介する展覧会です。

横浜の古びたアパートメントに、
広島の被爆者たちや母の遺品に、日本を代表する舞踏家・大野一雄にエトセトラに。
石内都さんが撮る被写体には、特に共通点がないような気がしていましたが。
今回の展覧会タイトルのために、石内氏自らが掲げた、
「肌理(きめ)」 というキーワードを聞いて、初めて胸にストンと落ちるものがありました。
確かに、石内さんのどの写真の被写体にも独特の肌ざわり、質感があるのです。
触感的と言いましょうか。
さらに言えば、物質としての写真そのものにも独特の肌ざわり、質感が感じられるのです。
ザラザラゴカサカサした写真もあれば、

石内
《Bayside Courts #67》 1988-89年 ©Ishiuchi Miyako


ツルツルスベスベとした写真もありました。

絹
絹


まさに、肌理を感じる写真です。
目で観るのではなく、目で肌触りを感じる写真。
石内都ワールドの源泉に触れられた気がした展覧会でした。
星


また、レセプションでの石内さんご本人の挨拶を聞いて、
衝撃を受けるととともに、もう一つ胸にストンと落ちるものが。

石内


美大では、染織を学んでいたという石内さん。
それだけにデビュー時は、写真家という意識がなく、今でもそこまでないとのことでした。
実は、今までなんとなく、石内さんの作品を観るたびに、
いわゆる写真家のプロの作品とは一線を画している印象を受けていました。
いい意味で、自分が出ているというか、
いい意味で、調子が外れているというか、
いい意味で、独特のビブラートがかかっているというか。
いわゆる写真家のプロの作品が、歌手が歌う歌とすれば、
石内さんの作品は、スナックのママが歌う歌といった感じ (※個人の感想です)。
スナックのママの歌のほうが情感がこもった分、
リリシズムが増幅し、時に、歌手の歌よりも胸を打つことも。
石内さんの作品に、それに通じるものを感じました。


ちなみに、現在、横浜美術館の 「コレクション展」 写真展示室では、
石内氏のデビュー作 〈絶唱、横須賀ストーリー〉 シリーズ55点が展示されています。

絶唱・横須賀ストーリー
絶唱・横須賀ストーリー


山口百恵以上にハスキーボイスな 『横須賀ストーリー』 が聞こえてくるようでした。


また、コレクション展としては、
“全部みせます!シュールな作品 シュルレアリスムの美術と写真” が開催中です。

シュル


国内外約50作家の約300点のシュルレアリスム作品が集結した大々的なシュルレアリスム展。
ダリ好き、マグリット好きな人、必見の展覧会ですよ。
(“石内 都 肌理と写真” のチケットで観覧できます)


┃会期:2017年12月9日(土) ~ 2018年3月4日(日)
 ┃会場:横浜美術館
 ┃
http://yokohama.art.museum/special/2017/ishiuchimiyako/index.html

~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “石内都展” のペアチケットを、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。

https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
(〆切は、12月20日。当選は発送をもって代えさせていただきます)




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ルネ・ラリックの香水瓶 -アール・デコ、香りと装いの美-

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渋谷区立松濤美術館で開催中の展覧会、
“ルネ・ラリックの香水瓶 -アール・デコ、香りと装いの美-” に行ってきました。

ラリック


今でこそ、工芸品としても美しく、バリエーションも豊富なガラスの香水瓶ですが。
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実は、20世紀初頭までの香水瓶は、ほぼ似たり寄ったりで、
リキュール瓶か薬瓶のような味気ない形をしていたのだそうです。
それを店頭で受け取って、家に持ち帰ったあとは、
クリスタルや陶製の贅沢な瓶に移し替えるのがポピュラーだったのだとか。

ガラス
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


そんな香水の世界に革命を起こしたのが、伝説の香水商フランソワ・コティとのこと。
彼は、それまで贅沢品であった香水を市民階級でも買える価格で販売しました。
それも、当時新しく誕生したばかりのデパートに、ズラっと並べて販売するというスタイルで。
しかし、ここで一つの問題が発生します。
それまでの香水瓶の形では、それぞれの香水が、どんな香りをしているのかイマイチ伝わりません。
どうにか、香りをビジュアル化できないものか。
そこで白羽の矢が立ったのが、当時、ジュエリー作家として成功を収めていたルネ・ラリックでした。
かねてよりガラス産業に興味を持っていたラリックは、香水瓶作りの依頼を快諾。
以後、水を得た魚のように、斬新な香水瓶を作り続けます。
ジュエリー作家よりも性に合っていたようで、
完全にガラス工芸作家へと転向したラリックは、生涯で約400種類の香水瓶を制作したそうです。

今回の展覧会には、そんなラリックの香水瓶を中心に、
ガラス工芸品や同時代のファッションアイテム約160点が展示されていました。

会場
会場


20世紀初頭の貴重なイヴニングドレスなど、
一部、神戸ファッション美術館所蔵のものもありますが。

会場


基本的に出展作品は、諏訪湖畔にたたずむ北澤美術館のコレクション品。
箱根ラリック美術館以外にも、これだけまとまったラリックコレクションが日本にあったのですね。
諏訪湖を訪れる機会があったら、北澤美術館にも立ち寄ってみたく思います。


さてさて、今回の展覧会を通じて、
改めて驚かされたのが、ガラス工芸作家ラリックの非凡にもほどがある才能です。
例えば、単なる栓をティアラ型にすることで、オブジェのようにしてみたり。

ティアラ
ティアラ


また例えば、単なる嗅ぎ棒を子供やサテュロスの形にかたどって、遊び心を演出してみたり。

嗅ぎ棒


独創的な発想力も、美術品としての造形力にも驚かれますが、
何よりも、これらの香水瓶が比較的廉価で大量生産できるということに驚かされました。
天は二物を与えずと言いますが、
ラリックは、ガラス工芸作家としての才能を何物も与えられていたようです。
星


ちなみに、個人的にお気に入りなのは、天球儀をモチーフにした香水瓶。
その名も 《真夜中》 です。

展球技


見た目の美しさもさることながら、仕掛けがなんともニクい香水瓶。
表面全体に星型が浮き彫りされています。
香水液が満ちている間は、その色を透過するため、この星は琥珀色に見えるそう。
しかし、香水液が減るにつれ、琥珀色から銀色に変化していく仕掛けなのだとか。
思わず、「あまーい!」 と声を出しそうになりました。
もしくは、「惚れてまうやろー!」


ちなみに、全体的には写真撮影不可となっておりますが。
1階ロビーに、1点だけ写真撮影可能な香水瓶が展示されています。

色


あくまで、僕の勝手なイメージですが。
色といい、柄といい、美川憲一がこんな感じの服を着てそうです。




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リボーンアート・フェスティバル東京展

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音楽プロデューサーの小林武史さんとワタリウム美術館がタッグを組み、
この夏、宮城県石巻市を舞台に開催された、東北初の 「アート」「音楽」「食」 の総合芸術祭。
その名も、“リボーンアート・フェスティバル2017”(略して、RAF)。
51日間で、のべ26万人ほどの来場者数があったそうです。

会期中、ずっと気にはなっていましたが、
気軽に行ける距離ではないため、結局行けずじまいでした。
その後、実際に訪れた人たちの感想を聞いて、
“やっぱり思い切って、行っちゃえば良かったなぁ” と何度もヤキモキしたものです。
似たような思いを抱えた人は、他にもいらっしゃることでしょう。

そんな皆様に朗報です!
なんと、現在、ワタリウム美術館にて、“リボーンアート・フェスティバル東京展” が開催されています。

リボーン


こちらは、RAFのネクストステージにあたる展覧会。
この展覧会を観ることで、「RAFにどんな作品が出展されていたのか」、
そして、「RAFの実際の様子はどんな感じだったのか」 が、大体わかります。
会場では、プロジェクトが画像やドローイングが紹介されているだけでなく、

ドローイング
画像


実際に石巻市に設置されていた作品も紹介されていました。

会場
会場


とは言え、単なる結果報告会ではないので、
ちゃんと東京会場 (ワタリウム美術館) 仕様になっています。
実際にRAFを訪れた方も、改めて楽しめることでしょう。

ワタリウム


今回出展されている中で、一番心を惹かれた作品は、
ナフタリンでオブジェを制作する宮永愛子さんの 《海は森から生まれる》 です。

宮永愛子さん


こちらは、石巻市男鹿半島に浮かぶ牡蠣の養殖用のブイを使用した作品。
上の白いほうのブイに小さく空いたガラス窓を覗くと・・・

ナフタリン


ナフタリンでできた落ち葉が何枚も入っていました。
ナフタリンも落ち葉も、消滅を想起させるもの。
しかし、そのことがかえって、新たな生命を連想させるといいましょうか。
まさに、リボーンなアート作品でした。


それから、ビジュアル的に一番インパクトを受けたのが、
SIDE COREによる 《rode work》 という作品の一部をなす工事灯で作られたシャンデリアです。

スケート
シャンデリア


造形的にも、妙に心を動かされるものがありましたが。
シャンデリアを構成する工事灯に、電波時計と似た仕組みが内蔵されており、
東日本にある同様の工事灯すべてが、同じタイミングでライトを点滅させているとのこと。
つまり、石巻の工事現場で使われている工事灯と同じタイミングでライトが点滅しているわけです。
小さなことですが、東北と繋がっているんだなァ、と思うと妙に心を動かされました。

ちなみに、展示室の3階に名和晃平さんの作品が展示してあったのですが。

名和晃平


その背後、ワタリウム美術館の向かいの建物の上に怪しげな人影を発見。

名和晃平


あとで確認したところ、あちらも 《rode work》 の一部でした。
訪れた際には、見逃しませんように。

他にも、さわひらきさんやら島袋道浩さんやら、心に残った作品は多々ありましたが、
なんだかんだで、結局一番心に残ったのは、RAFの実際の様子を紹介したスライドでした。

スライド
スライド


観れば観るほど、“やっぱり思い切って、行っちゃえば良かったなぁ” という思いが再燃。
見逃した悔しさが、リボーンです。
星




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