Quantcast
Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
Viewing all 5005 articles
Browse latest View live

小野木学 絵本原画展 ぼくの中のコドモ

$
0
0
現在、練馬区立美術館で開催されているのは、
“小野木学 絵本原画展 ぼくの中のコドモ” という展覧会です。

小野木


練馬区立美術館が所蔵する作品は、約6700点。
その中でもっとも所蔵点数が多い作家である小野木学の絵本原画が紹介されています。

小野木


「小野木学?小野 木学?小野木 学??」

正直なところ、名前を見ても、ピンと来なかったのですが。
『かたあしだちょうのエルフ』 は、幼い頃に読んだ記憶がありました。

ダチョウ


なるほど。この作者さんだったのですね。
どうでもいいですが、『よい絵本』 というストレートすぎる帯のコピーに痺れました (笑)


また、『シートン動物記』 の挿絵も担当されていたとのこと。

シートン


こちらも幼い頃に、よく読んでいました。
知らず知らず、小野木さんにお世話になっていたのですね。
今さらながら、改めて感謝です。


ちなみに、個人的に最も懐かしく感じたのが、こちら↓

大造じいさんとガン


『大造じいさんとガン』 です。
どんなストーリーだったか、全く思い出せないのですが (笑)
『大造じいさんとガン』 というフレーズは、記憶の片隅になんか残っていました。
この挿絵も小野木さんが描かれていたのですね。


他にも、可愛らしい絵本の原画の数々が展示されていたり、

絵本
絵本


実際に手に取って絵本が読めるコーナーが設けられていたからでしょうか、

絵本


子連れのお客さんがチラホラいらっしゃいました。
普段の練馬区立美術館では、あまり見受けられないレアな光景。
ハートフルな光景でした。
マニアックな路線に走りがちな練馬区立美術館らしからぬ展覧会です。
星


ただ、絵本の原画展といいながらも、展覧会の前半で、
小野木学の前衛的な絵画作品の数々をガッツリ紹介するあたりは、さすが練馬区立美術館。

練馬区立美術館
練馬区立美術館


ビックリするくらい子供たちが食いついていませんでした (笑)


ちなみに、絵画作品で特に印象に残ったのが、こちらの一枚。

説得


何を表している絵なのか、さっぱりわかりませんでしたが。
《説得》 というタイトルを見て、妙に納得。
確かに、右の男性 (?) が左の女性 (?) を説得しているように見えます。
説き伏せるというよりは、頭ごなしな印象です。
パワハラ、ないしはモラハラ。
ちょっと怖い絵です。


ちょっと怖い絵と言えば、こんなパステル画もありました。

似せ紳士


タイトルは、《ニセシンシ》
山高帽を被り、パイプをくゆらせ、
一見すると、普通の紳士ですが、コイツはニセシンシ。
皆さま、騙されませぬように。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

博物館に初もうで

$
0
0
すっかり年始めの恒例企画となった東京国立博物館の “博物館に初もうで” に行ってきました。

トーハク


例年と同じく、新春特別公開として、国宝の 《古今和歌集(元永本)》 は展示されていましたが、

古今和歌集(元永本)


残念ながら、今年は、長谷川等伯の 《松林図屏風》 の姿は無し。
おそらく、昨年、京都国立博物館での “国宝展” に出展されたのが原因かと思われます。
その代わりなのでしょうか。
今年は、京都国立博物館の国宝 《釈迦金棺出現図》 が特別出展されています。

釈迦金棺出現図
釈迦金棺出現図


絵の中でも、蘇った釈迦の周りに、わらわらと人だかりが出来ていますが。
この絵の周りにも、わらわらと人だかりが出来ていました。
釈迦、大人気。


それと、毎年恒例の干支にまつわる特集展示は、今年も健在です。
平成30年の干支である 「犬」 が描かれた美術品の数々が紹介されていました。
全体的には、可愛らしいワンちゃんが多かったですが、

犬
犬
犬


中には、気味の悪いものも・・・。

犬


『バイオハザード』 に出てくる犬かと思いました。
コイツに噛まれたら、間違いなくアウトです。

また、中には、伝夏珪の 《山水図》 のように・・・

犬


「えっ、どこに犬がいるの??」 というパターンも。

犬


まぁ、描かれては、いますけれども・・・ (苦笑)
他に、犬が描かれた絵は、たくさんあるでしょうに。


他にも、会場となる本館では、
昨年に重要文化財に指定されたばかりの 《鳥獣戯画断簡》 や、

鳥獣戯画断簡


伊藤若冲の 《松梅孤鶴図》 など、

松梅孤鶴図


おめでたい感じの美術作品が、いつもより余計に展示されております。
企画自体には、ややマンネリ感を覚えますが、
それも含めて、お正月らしい企画といえましょう。
星


ちなみに、おめでたい美術作品の数々に交じって、
おめでたい感じが全くしない亜欧堂田善の 《浅間山図屏風》 も出展されていました。

浅間山図屏風


煙はあがっているのに、人が一人も登場しない。
大ぶりな木の枝がポツンと置かれている。
まるで白昼夢を見ているかのような、なんとも寂しい光景です。
この絵が目に飛び込んできた途端、急に虚無感が。
華やかだった気持ちは、一瞬にして消え去りました。
スゴい絵です。


個人的にお気に入りなのは、仏像コーナーで展示されていた 《二天王立像》

二天王立像


向かって右のほうが、泉谷しげるにしか見えませんでした。
たぶん、「うるせー!」 って言ってます。

泉


最後に、キッズコーナーで謎すぎる顔はめパネルを発見!

目だけ


なぜ、目元だけ?!

基本的に、誰がやっても、同じような写真が出来上がるはず。
何が面白いんだ?




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

生賴範義展 The Illustrator

$
0
0

上野の森美術館で開催中の “生賴範義展 The Illustrator” に行ってきました。
こちらは、日本を代表するイラストレーター・生賴範義の東京では初となる大規模回顧展です。

お恥ずかしながら、この展覧会を訪れて初めて、生賴範義という人物を知りました。
そもそも、この展覧会を訪れて初めて、「おおらいのりよし」 と読むことを知りました。


しかし、そんな僕ですが。
彼が手掛けたイラストは、これまでの人生で幾度となく目にしていました。

「えっ、この絵も生賴範義!あの絵も生賴範義!」

例えば、『スター・ウォーズ』 のポスター。

スター
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


また、例えば、『ジュラシック・パーク』 のカバーイラスト。

ジュラシックパーク


他にも、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』 のポスターや、
「信長の野望」 シリーズのパッケージイラストや小松左京の小説のカバーイラストなどなど、
一つ一つ挙げていたらキリがありません。
知らず知らず、生賴さんのイラストにお世話になっていたのですね。

そして、極めつけは、『ゴジラ』 シリーズのポスター。

ゴジラ


あまりお金に余裕のある家ではなかったので (笑)
小学生の時、映画に連れて行ってもらえるのは年に1回、『ゴジラ』 シリーズだけでした。
『ゴジラ』 の新作のポスターを観るたびに、
船橋のららぽーとに連れて行ってもらえる日を楽しみにしていましたっけ。
このポスターを見た瞬間、そんなことを久しぶりに思い出し、こみ上げるものがありました。
今さらながら、生賴さんに感謝。
小学生時代に、たくさんワクワクさせてもらいました。
ありがとうございます。
星星


さてさて、展覧会では、ポスター原画や書籍装丁画だけでなく、
レコードジャケットや商業広告など全部で約250点 (!) の原画が紹介されています。

イラスト
イラスト


その膨大な仕事量に、思わず圧倒されました。
が、これでも、生賴範義ワークスのほんの一部でしかないとのこと。
生涯では3000点以上の作品を残しているそうです。
しかも、それだけ膨大な数の作品を描いているにも関わらず、
1枚1枚のクオリティがハンパなく高いことに、さらに圧倒されました。
特にSF作品のイラストを得意としていたそうですが、
もはや生賴範義自身がSFなのではないかという気がしてなりません。


ちなみに、展覧会のラストには、
イラストレーターの仕事の合間を縫って描かれたオリジナル作品の数々が展示されています。
特に印象的だったのは、7年かけたという大作 《破壊される人間》 です。

破壊される人間


人間をモノであるかのように破壊する。
そんな戦争に対する怒りが、この絵に込められているのだとか。
まるで魂の叫びが聞こえるかのような。
心が震える一枚でした。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

食べ物に関する説①

$
0
0

アートテラー・とに~が信じる美術に関するを検証していく企画 『水曜日のアートテラー』

水曜日



2018年も攻めの姿勢で、いろいろな説を検証しますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、以前、この企画の元ネタ 『水曜日のダウンタウン』 で、
バイきんぐの小峠さんが体を張って、このような説を検証していました。

「芸能人の名前に入っている食べ物しか食べられなくても 1週間はギリ生きられる

馬場典子さんに会ったら、馬。
サンドウィッチマンに会ったら、サンドウィッチというように、
会った芸能人の名前に入っている食べ物しか食べられないという企画でした。
結果的には、食べ物の名前をコンビ名にしている若手芸人が多いことが判明し、
企画開始5日目にして、これ以上検証する必要はないのではと、強制的に終了していました。



・・・・・と、そこで今回は、この説のアートテラーver.を提唱したいと思います。

説


例えば、フェルメールの 《牛乳を注ぐ女》 を観たなら、牛乳パンを、

牛乳



高橋由一の 《鮭》 を観たなら、

鮭


新巻鮭を食べることが出来ます。
ちなみに、浮世絵などの版画作品は食べ物が多く描かれていそうなので、今回の検証は、絵画限定。
さらに、心優しいギャラリストさんが僕のために、
食べ物が描かれた絵画を展示してくれることも無きにしも非ずなので、美術館限定とします。
果たして、このルールのもと、1週間を無事に乗り切ることができるのか!?


2018年1月11日。
【検証1日目】

とに~


まずは、確実なところで、国立西洋美術館にやってきました。
こちらの常設展には、必ず何かしら食べ物が描かれた絵画があるはずです。

常設展


と、予想は的中。
会場を訪れてものの数分で、食べ物が描かれた絵画を発見しました!

キリスト降誕


ロレンツォ・レオンブルーノ・ダ・マントヴァという画家の 《キリスト降誕》 です。

母乳


このチャレンジ企画の記念すべき1発目の食べ物は、まさかの母乳。

「母乳なんて、絶対に手に入らないよなァ・・・。」

そう、もし絵画の中で食べ物を見つけたとしても、
その食べ物を調達できなければ、食べることは出来ません。
また、《キリスト降誕》 には、牛が描かれていますが、
明らかに食材として描かれていないので、牛肉を食べることは出来ないのです。

気を取り直して、館内を探索。
予想に反して、食べ物が描かれた絵画が見つかりません。

気弱になりかけた次の瞬間。

「あったーー!!」

思わずテンションが上がる僕。
絵のもとに駆け寄ります。

食材


こちらは、フアン・バン・デル・アメンというスペインの画家が描いた静物画。
《果物籠と猟鳥のある静物》 です。
ブドウモモメロンザクロなどフルーツをまとめてゲット。
ついでに、よくわからない鳥もゲットです。

さらに、その絵の近くに、もう一点似たような主題の静物画がありました。
アドリアーン・ファン・ユトレヒトの 《猟の獲物と野菜のある静物》

猟の獲物と野菜のある静物


再び、よくわからない鳥を大量にゲット。
どこで売っているかわかりませんが、
ウサギアーティチョークもゲットしました。

とりあえず、今夜は何かしらの鳥の肉は食べられそうです。
ルンルン気分で、お馴染みの鳥博士・高橋君にLINE。
すると、衝撃の答えが返ってきました。

《果物籠と猟鳥のある静物》 に描かれてるのは、
 シロハラサケイ (ヨーロッパや北アフリカに生息)アカアシイワシャコ (イベリア半島のみに生息)
 《猟の獲物と野菜のある静物》 に描かれてるのも、ほとんど日本にいない鳥だよ」

絶対、調達できないじゃん (泣)。
しかし、まだ希望はあります。

「でも、《猟の獲物と野菜のある静物》 の真ん中にキジがいるよね?」

キジ肉ならば、探せば調達できそうです。

「それはコウライキジで、日本のキジとは別種」


・・・・・・・・・・・・・。


その後、美術館をくまなく探し回りましたが、見つかるのは、フルーツばかり。

フルーツ
フルーツ
フルーツ


お腹にたまりそうなもの、のどを潤せそうなものには出会えません。
かろうじて発見したのは、パン。
ミレーの 《春(ダフニスとクロエ)》 をじーっと観ていたところ・・・

ミレー


カバン (?) の中にパンが入っていました!

パン


これまで何十回と常設展を訪れていますので、
この作品も何十回と目にしているはずなのですが。
パンが描かれていることに初めて気が付きました。
これぞ執念です。


国立西洋美術館をあとにし、食材探し。

“ひとまず水分は確保しないといけないし、フルーツは多めに買っておこう!”

と、スーパーに向かいました。
しかし、青果コーナーに足を踏み入れた瞬間、とんでもない事実に気づかされるのです。

「モモもスモモもザクロもサクランボもないじゃん!」

そう、今は1月。
西洋絵画で描かれがちなフルーツは、旬じゃないのです。
売り場にあったのは、リンゴやミカン。
そんな絵、無かったわ。

何でこの企画を、今の時期にやることにしたんだ!バカヤロウ!

と、まだまだ自分を責めたいところですが、
0時から飲まず食わずなので、怒る気力も底をつきかけています。
ひとまず買えるものを購入し、帰宅。
企画開始初の食事にありつきました。

ブドウ
パン


「美味いっ!」

気力がチャージされましたので、再び買い出しへ。
夕食となる食材を探しに行きました。
しかし、なかなか見つからず。
数多くのスーパーを巡り、最終的に、青山の紀伊国屋インターナショナルにて、

紀伊国屋


ウサギアーティチョークを調達しました。
どちらも人生で初めて手にする食材です。
恐る恐る調理。

食材
調理


で、恐る恐る食事。

調理
食事


・・・・・お腹が空いているので、何でも美味しく感じました (笑)


さてさて、この企画は、本日 (1/11) 始まったばかりです。
なんとか、1週間後の水曜日 (1/17) まで、無事にチャレンジし続けたいと思います。
応援のほど、よろしくお願いします。
「食べ物が描かれた絵画なら、あの美術館にありましたよ」
そんな情報を、心よりお待ちしております。
「うちで展示してるよ」 という美術館の方からの情報も大歓迎です。
とりあえず、今は、お米と水分を身体が欲しています (笑)




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

墨と金―狩野派の絵画―

$
0
0

現在、根津美術館では、
日本美術界の華麗なる一族・狩野派にスポットを当てた展覧会が開催されています。
その名も、“墨と金―狩野派の絵画―”

墨と着ん
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


なんともシブいタイトルです。
思わず福本伸行の漫画を連想してしまいましたが、もちろん全く関係なく。
「墨と金」 は、狩野派が日本の美術界にもたらした2つの革命を象徴したタイトルなのだそうです。

まず、「墨」 とは、水墨画の墨。
狩野派が台頭するまでの絵師たちは、
「夏珪の絵っぽい感じで描きます」 とか 「牧谿の絵に近い感じで仕上げます」 とか、
中国の一流絵師風のスタイルで絵を描くのを得意としていました。
しかし、それでは幅広いオーダーには、なかなか対応できません。
そこで、狩野派の2代目は、数ある中国の絵師たちの水墨画を一旦整理します。
「細密な描写と描線による真体」「もっとも崩した描写である草体」、
そして、「その中間にあたる行体」 の3パターンの画体を確立させました。
そのようにマニュアル化された画体を学べば、
弟子たちも狩野派スタイルで描くことが可能となるのです。

今回の展覧会には、そんな狩野派の弟子たちによって描かれた作品や、

弟子
長吉筆 《芦雁図》 紙本墨画淡彩 日本・室町時代 16世紀 小林中氏寄贈 根津美術館蔵


狩野元信が描いたと伝えられる作品が多数紹介されています。

水墨画
伝狩野元信筆 《養蚕機織図屏風》 紙本墨画淡彩 日本・室町時代 16世紀 根津美術館蔵


狩野派がいかに多くの仕事を手掛けていたかが、よくわかりました。
(ただ、残念ながら、狩野元信が描いた真筆は出展されていません)


また、「金」 とは、金屏風の金。
今ではすっかり当たり前の金屏風ですが。
やまと絵のスタイルを取り入れ、
屏風における 「金」 の存在感を強めたのも、何を隠そう狩野派なのだとか。

金
狩野探幽 《両帝図屏風》 紙本金地着色 日本・江戸時代 寛文元年(1661) 根津美術館蔵


ちなみに、今回出展されていた中で、
もっとも 「金」 の存在感が強かったのが、狩野宗信の 《桜下麝香猫図屏風》 という作品です。

猫
狩野宗信 《桜下麝香猫図屏風》 紙本金地着色 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵


引きで見たら、ほとんど金一色。
もはや存在感とか、そんなレベルではありませんでした (笑)


さてさて、今回の展覧会で紹介されているのは、すべて根津美術館の所蔵作品。
必ずしも狩野派を代表するような作品がなく、やや物足りない印象は否めませんでした。
ただ、17世紀の京都で活躍した狩野山雪の 《梟鶏図》 という作品に出合えたのは、大きな収穫。

梟鶏図
ニワトリ
狩野山雪 《梟鶏図》 紙本墨画淡彩 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵


こんなにもキャラ立ちした日本画があったのですね。
サンリオのキャラクターに混じっても違和感がない気がします。
星


ちなみに、キャラ立ちといえば、
展示室6では、今年の干支である犬にちなんで、長沢芦雪の 《竹狗児図》 が展示されていました。

竹狗児図
竹狗児図
長沢芦雪 《竹狗児図》 紙本墨画淡彩 日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵


愛嬌満点。
毛並みのモフモフ感とつぶらな瞳がたまりません。
連れて帰りたくなるくらいに可愛らしかったです。


そして、同じ展示室6内に、もう一匹、犬にまつわる作品が展示されています。
その名も、《染付犬荘子香合》

染付犬荘子香合
《染付犬荘子香合》 景徳鎮窯 施釉磁器 中国・明時代 17世紀


・・・・・・犬なのか?

頑張れば、ウナギイヌに見えないこともないですが。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展

$
0
0
現在、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されているのは、
“神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展” という展覧会。

bunkamura
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


神聖ローマ帝国のローマ皇帝、ルドルフ2世にスポットを当てた展覧会です。

るどるふ
ハンス・フォン・アーヘン作のコピー 《ハプスブルク家、神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の肖像》 
1600年頃、油彩・キャンヴァス、スコークロステル城、スウェーデン Skokloster Castle, Sweden




肖像画を見るに、ちょっと・・・というか、だいぶ下膨れています。
ほっぺたが、たるんたるん。
というか、だるんだるん。

“なんか、皇帝って感じが全くしないんだよなァ”

と思ったら、案の定 (?)、政治能力が欠けていた人物とのこと。
しかし、政治家としての才能とは裏腹に、
文化人としては超が付くほどの一流の人物。
多くの芸術家や天文学者、錬金術師を庇護し、文化の発展に多大な貢献をしています。
さらに、珍しいものが大好きだったというルドルフ2世は、コレクターとしても超一流。
質、量ともに驚異的なコレクションを宮殿に形成したそうです。

そんなルドルフ2世にまつわる品々や、

コレクション


ルドルフ2世が実際にコレクションしていた作品などが、会場に大集結!

絵画


統一感があるようで、無いようで。
ヴィレッジヴァンガードや所ジョージさんの世田谷ベースを、どことなく彷彿とさせるような。
いい意味でゴチャゴチャした展覧会でした。
星星


さてさて、今展の目玉は何と言っても、《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》
ルドルフ2世のお気に入りの画家の一人アルチンボルドによって描かれたルドルフ2世の肖像です。

《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》
ジュゼッペ・アルチンボルド 《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》 1591年、油彩・板、スコークロステル城、スウェーデン Skokloster Castle, Sweden


洋ナシや栗、カボチャ、サヤエンドウなど、
さまざまな果物や野菜を組み合わせて、皇帝の顔を表現。
アルチンボルドの腕が冴えわたった一枚です。
ちなみに、ウェルトゥムヌスとは、ローマ神話に登場する果樹と果物の神のこと。
このような絵を描いて、ルドルフ2世を茶化しているわけではなく、むしろ神格化しているのです。
さすが、宮廷画家アルチンボルド。
そういえば、ルドルフ2世の顔も、すっきりシャープに描かれています。
ほっぺたが、全くだるんだるんしていません。
ヨイショの腕も冴えわたった一枚です。


ちなみに、アルチンボルドと関連して、
作者不詳のアルチンボルドっぽい絵画も紹介されていました。

ある陳墓るdp


なんというか、全体的に残念な感じです。
やりたいことは伝わってきますが、いかんせん技術が追い付いていません。
この3点を観てから再びアルチンボルドの作品を観ると、改めてその才能のスゴさに気づかされます。


今回出展されている作品の中で、個人的に印象に残っているのは、
こちらもルドルフ2世のお気に入りの画家ルーラント・サーフェリーの 《2頭の馬と馬丁たち》 です。

2頭の馬と馬丁たち
ルーラント・サーフェリー 《2頭の馬と馬丁たち》
1628年頃、油彩・板、コルトレイク市美術館、ベルギー Loaned from the City Museums, Kortrijk(Belgium)



左の白馬のタテガミが、とにかく長い。
地面スレスレまで伸びています。
貞子か。


それと、ルドルフ2世お抱えの天文学者ティコ・ブラーエを描いた肖像画も印象的でした。

ブラーエ
作者不詳 《デンマークの天文学者ティコ・ブラーエの肖像》
1596年、油彩・キャンヴァス、スコークロステル城、スウェーデン Skokloster Castle, Sweden



ヘアスタイルが個性的にもほどがあります。
と、頭にばかり目がいってしまいましたが。
実は、ティコ・ブラーエの鼻も個性的。
決闘が原因で、鼻を削がれてしまったそうで、以来、金属製の人工鼻をつけていたのだとか。
妙に気になる人物なので、さらっと調べてみたところ、
「膀胱破裂で死亡した可能性が最も高い」 という衝撃的な死因が判明。
きっと、不幸の星のもとに生まれた人物なのでしょう。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

食べ物に関する説②

$
0
0

アートテラー・とに~が信じる美術に関するを検証していく企画 『水曜日のアートテラー』

水曜日


説


【検証2日目】

この日は、内覧会に出席する予定が3件もある過密スケジュール。
内覧会で出会えればラッキーですが、出会えない可能性のが大。
合間を縫って、いかに食べ物が描かれた絵画を観られるかがポイントになります。

この日、1件目の内覧会は、パナソニック汐留ミュージアムの “ヘレンド展”

ヘレンド
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


ハンガリーを代表する高級磁器窯ヘレンドの歴史的名品およそ150件が一堂に会する展覧会です。しかし、今回のチャレンジは、あくまで絵画限定。
絵付けされた磁器は、ノーカウントとなります。
つまり、この展覧会で食料をゲットする可能性は、はなから0%です。

“あー、この皿に何か載せ (て食い) たいなァ・・・。
 あー、このカップに何か入れ (て飲み) たいなァ・・・。”

今の僕には、目に毒な展覧会でした (笑)


さてさて、次の予定は、14時より。
時間的には、1館くらいは訪れられる余裕があります。
どこを選ぶか。
この日最初の食事がかかった大事な決断です。

「よし、東京ステーションギャラリーにしよう!」

バナナ


開催されていたのは、“鉄道絵画発→ピカソ行 コレクションのドア、ひらきます” という展覧会。
東京ステーションギャラリー初となる大規模なコレクション展です。
当たり前ですが、鉄道をテーマにした絵画が多め。
やっぱり食べ物なんて描かれてないよなぁ・・・と思った次の瞬間です。

ステーション


「あ、バナナだ!」

中村宏さんの 《ばななと車窓》 という、
まさにこの企画のために描かれたような絵画と遭遇。
見事、バナナをゲットしました。

ばなな


・・・・・とは言ったものの。
もしも、『新・食わず嫌い王決定戦』 に出演する日が来たなら、
バナナを正解にしようと思っていたくらいに、実は、バナナが大の苦手な僕。
しかし、この日は朝から何も食べていないので、背に腹は代えられません。
無理やり押し込むように食べました。


さらに、東京ステーションギャラリーでは、もう一つの奇跡がキラキラ

そば


斎藤吾朗さんの 《軽井沢駅物語》 という作品を、じーっと観ていたところ・・・

そば


立ち食いそばを発見!

まさか、このチャレンジ中に立ち食いそばが食べられるとは!!
斎藤吾朗さん、ありがとう。
僕はあなたのことを一生忘れないでしょう。

そば
そば


立ち食いそばを食べ、身も心も温まった後は、
世田谷美術館の “ボストン美術館 パリジェンヌ展” の内覧会へ。

ボストン
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


ポスターのメインビジュアルにもなっている・・・

マネ


マネの 《街の歌い手》 で女性が食べているのは、ブドウだと信じて疑わなかったのですが。
なんと、ブドウでなく、さくらんぼとのこと。

ガーン。サクランボは、この時期、売ってないのです (泣)

ブドウで水分を確実にゲットしようとした当初の目論見は崩れましたが、
ルイ=レオポルド・ボワイー 《アイロンをかける若い女性》 という絵 (手前) を何気なく見ていると、


絵


水差しに入った水が描かれているのを発見。
チャレンジ2日目にして、待望の水をゲットです。

水


これで生き長らえます。
水、うめー。


さてさて、この日ラストの内覧会は、国立新美術館の “20th DOMANI・明日展”
文化庁の在外研修制度 (新進芸術家海外研修制度) により、
海外派遣された若手芸術家の成果発表の場として、1998年より毎年開催されている美術展です。
ここ10年ほど毎年のように訪れているので、大体イメージは湧きます。

“まぁ、この展覧会には食べ物が描かれた絵画なんて無いよなァ・・・”

と、全く期待していなかったのですが。
予想だにしなかった展開が、僕を待ち受けていました。

「えっ?えっえっ??食べ物だらけじゃーん!!」

クロワッサンチョコレート寿司に。

クロワッサン
チーズ
寿司


他にも、美味しそうなものが沢山。
これらの絵を描いたのは、フランス在住の田中麻記子さん。
フランスでの生活を機に始めた水彩画による 「食べ物シリーズ」 で、
アートブック 『La collection gastronomique』 を出版しているという、
まさにこの企画のために生まれたかのようなアーティストです (←んなわけない!)

La collection gastronomique/HeHe



こちらが、田中麻記子さんご本人。

田中


感激のあまり、今チャレンジ中の企画のことを、田中さんにお伝えしました。
すると、

「それ、面白い!」

と、ノリノリ。
面白がって、「カクテルもあるよ」 「これはチーズね」 と、いろいろと教えてくれました。
女神にのようなお方です。

さてさて、そんな女神のおかげで、今日は食べ物選びに困ってしまうほど。
今の気分は、カレーライスです。

カレー


念のため、田中さんに、
「これって、カレーですよね?」 と確認してみたところ・・・

「カレーじゃなくて、フェジョアーダ。ブラジルの国民食の」

とのこと。
レア度が高すぎる食べ物です。
・・・・・フェジョアーダは、諦めます。

というわけで、この日の夕食は、以下の通り。

クロワッサン
寿司


ご馳走さまでした。

“この企画、結構余裕なんじゃないの?”

そんな風に思ってられたのも、この日まで。
3日目4日目に待ち受けていた展開とは?!
チャレンジは、現在も続いています。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

【告知】 現在募集中のアートツアー 【告知】

$
0
0

現在募集中のアートツアーです。

アートに興味のない方でも楽しんで頂ける企画を心掛けております。
初参加の方も多いので、どうぞお気軽にご参加くださいませ♪
(男女比は、7:3くらいで女性が多いです。
 また、おひとりで参加される方が大半ですので、一人でもふらっと遊びにいらしてください!)
定員になり次第、募集は〆切らせて頂きますので、よろしくお願いします。
参加希望の方は、お手数をおかけして恐縮ですが、
件名に希望するアートツアーを明記して、以下のメールフォームよりお申し込みくださいませ。
詳細をお知らせいたします。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
お知らせ先のメールアドレスが間違っている方が、ごくたまにいらっしゃいます。
こちらからの返信がない場合は、もう一度ご確認頂けますと幸いです。


1/20(土) 画廊で買ったつもりになりまショウ

ギャラリーに入るのは、敷居が高くて・・・。
美術品を買うのは、もっと敷居が高くて・・・。

そんな皆様にお送りする新企画。
それが、『画廊で買ったつもりになりまショウ』 です。

ツアーのスタート時に、参加者全員に架空の10万円を支給。
それを元手に銀座の画廊を数軒巡ります。
各画廊でギャラリストさんが、10万円以内のオススメ作品を用意してお待ちしています。
作品を一点購入するもよし、小品を数点購入するもよし。
買い方は、皆さま次第です!
(↑あくまで、“てい”ですが笑)

買い物をしながら、銀座の画廊を巡る。
新感覚のアートツアーを、どうぞお楽しみに♪

時間:13時~17時
定員:10名
参加費:1000円

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



1/21(日) そうだ 江戸、行こう。【明治神宮編】
(注:おかげさまで定員に達しました。現在はキャンセル待ちでの受付となっております。)

“浮世絵に描かれた街並みは、今、どのような姿になっているのでしょうか?”

浮世絵を手掛かりに、東京の街を歩きながら、
江戸時代にタイムスリップする・・・気持ちになれるツアーです。
講師の太田記念美術館の渡邉晃学芸員とともに、
浮世絵に描かれた場所に実際に赴き、浮世絵と見比べてみましょう!

さてさて、2018年一発目の “そうだ 江戸、行こう。” は、初詣を兼ねた特別編。
初詣の参拝者数日本第1位の明治神宮を中心に、
渡邉さんのホームグラウンド中のホームグラウンドである表参道を舞台にお送りします。

まずは、太田記念美術館にて、“明治維新150年 幕末・明治” を鑑賞。
その後、ランチタイムを挟み、明治神宮をたっぷり参拝&散策いたします。
参拝後は、“そうだ 江戸、行こう。” 的表参道散策。
キャットストリートや裏原を、浮世絵を片手に歩きます。
そして、ツアーの最後には、江戸のメイクができる㊙コーナーも!
新春1発目に相応しい、スペシャルもスペシャルなツアーです。
どうぞご期待くださいませ!
僕と渡邉氏の漫才の掛け合いのようなガイドも合わせて、どうぞお楽しみに(笑)

浮世絵がお好きな方はもちろん、浮世絵を好きになってみたいという方も大歓迎です♪
ちなみに、おかげさまで、“そうだ 江戸、行こう。” は特に人気が集中しております。
初参加の方、もしくは過去3ヶ月以内に、
“そうだ 江戸、行こう。” 以外のアートツアー (イベント) にご参加頂いた方のみの受付となります。
なお、1月開催の他のアートツアーにエントリーされている方もご参加頂けます!

時間:10時半~16時半
定員:12名。
参加費:2600円 (展覧会鑑賞費を含む)

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



1/28(日) “ボストン美術館 パリジェンヌ展” へ行こう!

いよいよ、世田谷美術館で “ボストン美術館 パリジェンヌ展” がスタートします。
日本初公開となるマネの 《街の歌い手》 をはじめ、
ドガやルノワールなど印象派の巨匠が描いた女性の肖像、カルダンやバレンシアガの斬新なドレス、
さらには、ブリジット・バルドーほか映画や舞台で活躍した女優のポートレートまで。
19世紀から20世紀のパリジェンヌたちが集結する華やかな展覧会です。

“気になるなァ。でも、世田谷美術館はちょっと遠いからなァ・・・”

と、尻込みしていた方、是非この機会にご一緒いたしましょう♪

展覧会をたっぷりと鑑賞したあとは、館内のカフェでまったりコーヒー
図録を持参しますので、展覧会の感想などを中心に楽しくワイワイ話せたらと思っております。
もちろん美術の知識は不要です!
美術マニアの集いではないので、どなたでも気軽な気持ちで遊びにいらしてくださいませ。

定員:10名
時間:13時~17時
参加費:1500円 (展覧会の鑑賞料を含む)

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



2/3(土) 史上最大の汐留アートツアー

実は、隠れた人気企画 “汐留アートツアー”。

「汐留でアートツアー??」

という意外性が楽しめるアートツアーです。
今回は、その決定版!
アートツアーの皆様だけにとある場所を特別に見学させてもらえたり、
ツアーの終盤から㊙ゲストが合流したり、と、盛りだくさんの内容になっています。
基本的に3か所のアートスポットを巡りますが、
小ネタもちょこちょこ挟んでいきますので、お楽しみに♪
もちろん、休憩もきちんと挟みますので、体力に不安がある方もご安心を。
どうぞご期待くださいませ。

時間:13時~17時
定員:12名
参加費:1200円 (入館料を含みます)

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



2/10(土) 祝10周年!アートテラーの原点に戻る旅

おかげさまで、「アートテラー」 を始めて10周年目を迎えることが出来ました。
これを記念して、今一度初心を取り戻すべく、
アートテラーの原点に戻るツアーを開催したいと思います。

まず訪れるのは、アートテラーとしてデビューを飾った横浜美術館。
現在、こちらでは、“石内 都 肌理と写真” とともに、
“全部みせます!シュールな作品 シュルレアリスムの美術と写真” が同時開催されています。
実は、僕が最初に紹介したのが、横浜美術館のシュルレアリスム作品。
まさに原点ともいうべき、作品群が展示されています。
10年ぶりに (?)、それらの作品の見どころを解説いたします!

その後、休憩を挟んで、横浜市民ギャラリーあざみ野へ。
こちらでは、アートテラー誕生のきっかけを作った天野太郎学芸員直々に、
1月27日より始まる話題の写真展 “金川晋吾 長い間” をガイドしてくださいます。
お楽しみに!

ちなみに、ツアー終了後、希望者で軽く打ち上げを予定しています。
(天野さんも参戦予定!)
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

時間:12時半~18時
定員:12名
参加費:1500円 (鑑賞料を含む)

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



2/17(土) 高天麗舟先生と行く!仏像の手相 (勝手に) 鑑定ツアー

占い師の高天麗舟先生を講師に迎え、
仏像の手相を (勝手に!) 鑑定して巡るあの大人気企画の最新版!

今回は、秘仏が多数出展されることで話題のあの展覧会、
“特別展 仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-” を舞台にします。

もっともありがたい手相の持ち主は、どの仏像なのか?!
はたまた、頼りがいのない手相の持ち主は、どの仏像なのか?!
内容盛りだくさんでお届けいたします。

もちろん、手相鑑定をしたことが無いという方 (多くの方がそうですがw) も、ご安心を。
手相の見方がわかる簡単なレクチャーコーナーを予定しています。
仏像を手相という視点から鑑賞しながら、自分の手相も知ることが出来てしまう。
一粒で二度美味しいアートツアーです。

時間:13時~17時
定員:12名
参加費:3000円 (鑑賞料を含みます)

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



2/3(土) 史上最大の汐留アートツアー

実は、隠れた人気企画 “汐留アートツアー”。

「汐留でアートツアー??」

という意外性が楽しめるアートツアーです。
今回は、その決定版!
アートツアーの皆様だけにとある場所を特別に見学させてもらえたり、
ツアーの終盤から㊙ゲストが合流したり、と、盛りだくさんの内容になっています。
基本的に3か所のアートスポットを巡りますが、
小ネタもちょこちょこ挟んでいきますので、お楽しみに♪
もちろん、休憩もきちんと挟みますので、体力に不安がある方もご安心を。
どうぞご期待くださいませ。

時間:13時~17時
定員:12名
参加費:1200円 (入館料を含みます)

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



いずれのツアーも、皆様のご参加を心よりお待ちしております!!


[企画展]生誕150年記念 横山大観 ―東京画壇の精鋭―

$
0
0

今年2018年は、横山大観の生誕150年に当たる年。
さらに、没後60年にも当たります。
まさに横山大観のパーフェクトイヤーです。

それを記念した展覧会が、年内に各所で続々開催される予定。
そのトップバッターを飾るのが、山種美術館での展覧会です。
初公開作品や38年ぶりの展示となる作品を含む、
大観コレクション全点が、開館以降初めて一堂に会する展覧会を1月3日より開催しています。
その名も、“[企画展]生誕150年記念 横山大観 ―東京画壇の精鋭―

横山
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


中国旅行の体験を基に描いた若き日の水墨画巻や、

中国


琳派を彷彿とさせる金屏風の作品、

大観


南画風であり、やまと絵風でもあり、セザンヌ風でもあるような大正期の作品など、

山種美術館
横山大観 《喜撰山》 1919(大正8)年 紙本・彩色 山種美術館


実に、さまざまなスタイルの大観作品が紹介されていました。
まさに大観七変化。
こんなにも芸域が広い画家だったのですね!
そして、富士山ばっかり描いている画家ではなかったのですね!

藤
横山大観 《心神》 1952(昭和27)年 絹本・墨画淡彩 山種美術館


150年目の真実 (?)。
横山大観の真の魅力に気づかされる展覧会です。
星


さてさて、今回出展されている作品の中でイチオシなのが、《叭呵鳥》

山種美術館
横山大観 《叭呵鳥》 1927(昭和2)年 紙本・彩色 山種美術館


バッドばつ丸ばりに、ふてぶてしい表情をした叭呵鳥がなんともキュート。
羽毛のモフモフ感もキュートです。
また、枝になっている何らかの実も、小ぶりでキュート。
横山大観の作品というと、ダイナミックで男らしい印象がありましたが。
こんなKawaii作品もイケる口だったようです。

キュートな作品は、他にも。
《蛙》 もオススメですが、

蛙
蛙
横山大観 《蛙》 1938(昭和18)年 紙本・彩色 山種美術館


個人的には、《松竹梅のうち 「松(白砂青松)」》 がお気に入り。

松竹梅のうち 「松(白砂青松)」
横山大観 《松竹梅のうち 「松(白砂青松)」》 1955(昭和30)年 紙本・彩色 山種美術館


たぶん、というか絶対、大観はカワイさを狙って描いたわけではないでしょうが。
砂浜にポツンポツンと描かれた松を眺めていたら、なんだかキャラクターのように見えてきました。
大きい松は母親?
小さい松は子供?
中央に描かれた一番小さな松は、赤ちゃんでしょうか。
砂浜をちょこちょこと駆け回ってるようです。
(『ドラえもん』 に登場したキー坊というキャラクターをついつい思い出してしまいました)


ちなみに、今回の展覧会には、横山大観の作品だけでなく、
大観と交流があった画家や東京画壇を代表する画家たちの名品も紹介されています。

絵


その中には、山種美術館所蔵の作品の中でも特に人気の高い一枚、東山魁夷の 《年暮る》 の姿も。

年暮る
東山魁夷 《年暮る》 1968(昭和43)年 紙本・彩色 山種美術館


まさか、年明けに 《年暮る》 が観られるだなんて。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

ヘレンド展―皇妃エリザベートが愛したハンガリーの名窯

$
0
0
パナソニック 汐留ミュージアムで開催中の展覧会、
“ヘレンド展―皇妃エリザベートが愛したハンガリーの名窯” に行ってきました。

ヘレンド
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


こちらは、ハンガリーを代表する高級磁器窯ヘレンドを大々的にフィーチャーした展覧会で、
開窯初期の希少な逸品から現代の製品まで、前後期合わせて約230点 (!) が紹介されています。

当初
現代


お恥ずかしながら、ヘレンドという名前を聞いても、全くピンと来なかったので。

“まぁ、ロイヤ●コペンハーゲンとか、マ●センとか、そんなたぐいの展覧会でしょ?”

と、実は、そこまで期待せず会場を訪れたのですが、
ハッと気が付けば、ヘレンドワールドにガッツリ引き込まれている自分がいました。
星
その魅力は、何と言っても技術力の高さ。
パッと見は、花や果物が盛られた皿としか思えない騙し絵ならぬ騙し磁器や、

野菜


透かし彫りがみっちり施された磁器のお皿など、

透かし


まさに超絶技巧な作品を、ヘレンドは数多く生み出しています。
中でも究極とも言えるのが、「ウエールズ」 文と呼ばれる技法。

ウェールズ
ウエールズ
《金彩「ウエールズ」文龍飾りビアマグ》 1881年 ブダペスト国立工芸美術館蔵


先ほど紹介したお皿は、透かし彫りが外側に施されているだけでしたが。
この 「ウエールズ」 文では、表面全体に透かし彫りが施されています。
当然、ただのアミアミ状態だと、中の液体が漏れてしまいますので。
内部にもう一回り小さな磁器が組み込まれ、二重構造となっています。
装飾性と機能性を兼ね備えた逸品といえましょう。
さすが、オーストリア皇帝フランツ=ヨーゼフ帝が、
イギリスのウエールズ公への贈り物としてヘレンドに注文したデザインだけはあります。


さてさて、技術力の高さもさることながら、
それ以上に魅力的だったのは、ちょいちょい垣間見えるヘレンドのユルさ。

「あ、スゴいだけじゃなくて、意外とヘンなところもあるんだw」

そんな人間臭さ (?) に親近感を持ちました。
19世紀当時、世界でもっとも流行していた中国や日本の磁器を徹底的に研究し、
そのテイストやエッセンスを、どうにか取り入れようと模索していたヘレンド。
もちろん、巧いこと取り入れられているものもありましたが。

中国
《色絵金彩「皇帝」文コーヒーセット》 1860年頃 ブダペスト国立工芸美術館蔵

伊万里
《色絵金彩「伊万里」様式人物飾り蓋容器》 1860年頃 ブダペスト国立工芸美術館蔵


リュック・ベッソンやタランティーノばりに、
日本観がおかしなことになってる作品もチラホラ。

変


↑左のお皿は、こう見えて、柿右衛門様式の皿なのだそうです。
顔が青くて、体が青い新種のポケモンみたいなのは、獅子とのこと。
何がどうなって、こうなったのか。

また、こちらの布団に入った3人は・・・

変


《すやすや眠る日本の子供》 なのだとか。
どう見ても、日本人には見えないのですが。
そして、どう見ても、子供の身長と敷布団のサイズが合っていないのですが。


ちなみに、今回もっとも印象に残っているのは、画面一番右の《魚売りの女性》 です。

魚


籠、ねーのかよ!

と、思わずツッコミたくなりました。
「新鮮な魚はいかがですか?」 って、こんな販売スタイルでやってこられても・・・。
「どれどれ、ちょっと見せてくださいね」 となるわけがない気がします。
百歩譲って、買ったとしましょう。
「じゃあ、一匹くださいな。今、千円しかないんだけどお釣りもらえる?」 と言おうものなら、
「はーい。今、お釣り出します」 とポケットを探った際に、魚が全部地面に落ちるに決まってます。
速攻、籠を用意してください。


そうそう、魚と言えば、こんな作品も。

魚


魚をモチーフにした把手が斬新すぎます。
どういう発想だ。
そんなわけで、ヘレンドは見飽きません。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

食べ物に関する説③

$
0
0
アートテラー・とに~が信じる美術に関するを検証していく企画 『水曜日のアートテラー』

水曜日


説


【検証3日目】

この日の午前中は、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館へ。

東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館


開催されていたのは、“クインテットⅣ” という展覧会。
こちらは、今年で4回目を迎えるシリーズものの展覧会で、
毎回、将来有望な女性中堅作家たち5人の作品が紹介されています。
昨日の田中麻記子さんの一件で、すっかり味を占め、

“女性の現代アーティストばかりの展覧会なら、
 一人くらいは食べ物をモチーフにした絵画を描いてるんじゃないかしらん♪”

と、期待に胸を膨らませていたのですが・・・。

女性
女性


食べ物らしきものは一切登場せず。
というか、食べ物うんぬんではなく、具体的な何物かも登場せず。
なんでも、今回の展覧会のテーマは、「具象と抽象の狭間」 とのこと。
完全に訪れる展覧会を間違えてしまいました。

ただ、常設として、ゴーギャンの 《りんごとナプキン》 は展示されていたので、

りんごとナプキン


りんごをゲット。

りんご
りんご


寒空の下、りんごを貪り食いました。

そんなボクサーみたいな食事を終えたあとは、一路箱根へ。
きっと食べ物が多いに違いないであろうポーラ美術館に勝負をかけます。

ポーラ


もし、ポーラ美術館に食べ物の絵画が一つも無かったら、
時間的に、ここから他の美術館に移動するのは、ほぼ不可能。
今日の食事は、あのりんご2個だけということになってしまいます。
それだけは、なんとしても避けたいところ。
ポーラ美術館さん、何卒よろしくお願いします!

ポーラ


すると、まずはルノワールの 《ムール貝採り》 で、ムール貝を発見。

ムール貝
ムール貝


このチャレンジ初となる魚介類をゲットです。
その直後に、ゴーギャンの 《白いテーブルクロス》 で、デカンタに入ったワインを発見。
色的には、ロゼでしょうか。

ゴーギャン


りんごに続き、ワインまで。
ゴーギャンさまさまです。

さらに進むと、『牡丹と薔薇』 ならぬ、
『薔薇とキャベツ』 という謎のコーナーと遭遇しました。
普段の僕であれば、「どんな組み合わせだ、それ!」 とツッコむところでしょうが。
この日に限っては、「やったー!キャベツ食べれるじゃん♪」 と素直に受け入れられました。

キャベツ


いろいろと業務に支障が出ている気がします。
何はともあれ、小出楢重の 《静物》 のおかげで、

キャベツ


紫キャベツキュウリといった野菜もろもろが食べられます。
魚介類に酒、野菜と来れば、あとは肉があれば完璧です。

“でも、そう都合良い展開なんて無いよなァ。
 もしあったら、このチャレンジ企画は、念入りに事前に調べたヤラセと思われちゃうよなァ”

そんな風に思っていた次の瞬間、肉が視界に飛び込んできました。

「!!!!!」

思わず二度見。
いや、三度見。

大人の関係で画像を載せることは出来ませんが、
藤田嗣治の 《ラ・フォンテーヌ頌》 という作品に、なんと丸鶏が描かれているではないですか!
(画像を見たい方は、こちらをクリック→ポーラ美術館コレクション紹介ページ

藤田


ここまでラッキーが続くなら、あとは炭水化物が欲しいです。
ついでに言えば、ここ数日、コーヒーを飲んでないので、コーヒーを飲みたいです。

で、隣の作品を何気なく目をやると・・・

「!!!!!」

思わずガン見。

藤田


カフェオレクロワッサンをゲットです。

なんと都合のよすぎる展開!!
チャレンジしている自分すらヤラセを疑うレベルです (笑)

ひとまずカフェオレを飲んで、落ち着くとしましょう。

カフェオレ
クロワッサン
(↑クロワッサンは、東京に戻る途中で食べました)


さてさて、東京に戻って食材探しです。
ムール貝と紫キャベツは、なんなくゲット。

ムール貝
紫キャベツ


丸鶏も、無事にゲットできました。

丸鶏


気づけば、時刻は20時。
思い返せば、今日はリンゴやカフェオレといったOLのような食生活しかしていません。
すぐにでも肉に喰らい付きたいところですが、丸鶏は調理するのに時間がかかります。
空腹との闘いに耐えること1時間。

チキン


丸鶏のオーブン焼きが完成しました!

焼きあがるまでに作ったムール貝と紫キャベツの炒め物と、
キュウリを切ったものとロゼワイン、そして、メインディッシュの丸鶏を並べて、用意は万端。

他


いただきます!

食べ物
ワイン


美味ーい!

肉もワインも、どちらも最高でした。
紫キャベツを炒めたヤツは、味は普通に美味しいのですが、ビジュアル的には・・・。

結果的に、普段よりも贅沢なディナーとなりました。
ありがとう、ポーラ美術館!

こうして、検証3日目の夜は更けていきました。
しかし、4日目にあんなことが待ち受けていようとは。
この時の僕は知る由もありません。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

食べ物に関する説④

$
0
0

アートテラー・とに~が信じる美術に関するを検証していく企画 『水曜日のアートテラー』

水曜日


説


【検証4日目】

チャレンジ企画も、いよいよ折り返し。
この日は12時から、自分が主催するアートツアーがあるため、午前中を利用し、
東京国立近代美術館で開催中の “没後40年 熊谷守一 生きるよろこび” へ行ってきました。

近日


作品は200点以上 (!) 出展されていましたが、
猫や蟻などの動物や、風景画、裸体画が多く、食べ物はほとんどなし。
しかし、レア食材となるのし餅卵4個をゲットしました。

伸し餅


本日、初めての食事。
アートツアーが始まる前に、急いで卵を食します。
・・・・・・・もちろん、水なしで。

卵
食う


1個目は余裕でしたが、2個目で口の中がパサパサに。
3個目を口に詰め込んだ時には、一瞬ですが、マジでンガググとなりました。
水分って、大事です。


さて、この日、アートツアーでやってきたのは・・・

ホキ美術館


千葉県が誇る “写実の殿堂” ホキ美術館
これまで20回近くは訪れている、いわばホームのような美術館です。
ここに来れば、確実にパンが食べられるはず。
しかも、大量に。

パン
(注:ポストカード売り場の写真です)


さらに、ロブスターだって食べられるはず。

島村 信之 《幻想ロブスター》
(注:2013年に訪れた際の写真です)


ホキ美術館を知り尽くした男に、死角はないのです。
昨夜に引き続き、今夜も豪華なディナーになりそうな予感。

・・・・・が、しかし、肝心なことを失念していました。
現在開催されているのが、“理想の風景画” という展覧会だということを。

食べ物、関係ないじゃん!!

がっつり死角でした。
展示室に一歩足を踏み入れた瞬間に、やってしまったことを自覚しましたが。
アートツアーのお客さんを残して、一人だけ別の美術館に行くわけにはいきません (←当たり前!)。
もしかしたら、パンが飾ってあるかも。
もしかしたら、ロブスターが飾ってあるかも。
そんな願いも虚しく、パンやロブスターの姿はありませんでした。

ただ、冨所龍人さんの 《窓辺》 という作品と、

冨所龍人
冨所龍人


森本草介さんの 《コーヒータイム》 という作品のおかげで、

コーヒー


なんとか、ぶどうジュースコーヒーをゲット。
水分を確保することは、出来ました。

コーヒー


今晩の食材になる作品も、どうにか1点だけ発見。
安彦文平さんの作品です。

収穫


その名も、《収穫の喜び》
収穫の喜びとは、まさに、この時の僕の心境です。
カリフラワーズッキーニ、さらに、ラディッシュをゲットしました。

やさい


この日の夕食は、ぶどうジュースと野菜炒め、そして、餅。

野菜
もち


のどに詰まりそうになった餅を、ぶどうジュースで流し込む。
謎の食事スタイルを経て、4日目は終了。


【検証5日目】

この日は朝から取材の予定が詰まっており、午後まで体が空きません。
くわえて、この日は月曜日。
ほとんどの美術館が休館日です。
果たして、今日を乗り切れるのか。
チャレンジ企画最大の試練となる一日です。

用意されたお茶を一滴も口にしないことを不審に思われながらも、取材をこなします。
全てが終わったのは、15時。
この日、都内では食べ物を見つけるのは不可能と判断し、
飲まず食わずでヘロヘロではありましたが、千葉市美術館へと向かいました。

千葉市


実は、開催中の “小沢剛 不完全―パラレルな美術史” は、先日訪れたばかり。
その時に目にした不思議な食べ物の絵の記憶が、かすかに残っていたのです。
その不思議な食べ物とは・・・

金沢


金沢名物ハントンライス

ハントんライス


一般的にハントンライスとは、ケチャップライスの上に玉子焼を乗せ、
さらに、その上に白身魚のフライを乗せてケチャップとタルタルソースをかけた料理とのこと。
ハントンライスは無事にゲットしたものの、
課題は、金沢名物を関東近郊で食べられるかどうかです。
いろいろとリサーチした結果、大井町のアトレにある神田グリルで食べられることが判明。
千葉市美術館から急行しました。

大井町


小沢剛展では、ワインもゲットしていたので、

ペインターf


ワインとともに、ハントンライスをオーダー。

ハントんライス


時刻は、19時を過ぎていましたが。
ようやく、この日初となる食事にありつきました。

ハントン


うめーーー (泣)


あっという間に完食。
ちなみに、展覧会には、9枚のハントンライスの絵が展示されていたので、

金沢


ルール上、あと8ハントンライス食べれるわけですが、
この1杯を食べただけで、お腹がいっぱいになってしまいました・・・。

チャレンジ企画が始まって以来、日に日に食が細くなっている気がします。
しかも、ついに1日1食って。
いよいよ、片岡鶴太郎さんみたいな食生活になってきました。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

100点の名画でめぐる100年の旅

$
0
0
昨年2017年に、めでたく開館15周年を迎えたポーラ美術館。
それを記念したスペシャルな展覧会、
“100点の名画でめぐる100年の旅” が、3月11日まで開催されています。

ポーラ
ポーラ


こちらは、およそ1万点を数えるポーラ美術館コレクションの中から、
厳選された西洋絵画71点、日本の洋画29点、計100点の名作を一挙大公開した展覧会。
まさにベストofベスト、最強カードが揃ったコレクション展です。
しかも、1860年に描かれたマネの作品にはじまり、

1930


マティスとピカソが特に活躍した1930~1940年代の作品を経て、

19540年


1960~1970年代に描かれたシャガールや岡鹿之助の作品へ。
100点を鑑賞することで、西洋と日本の近代絵画の変遷をきちんと追うことが出来ます。
まさに、“西洋と日本の近代絵画の流れがラクラク頭に入る美術館” (←?)。
名品の数々を堪能できるとともに、タメにもなる。
問答無用で素晴らしい展覧会でした。


また、展示されている作品の年代にあわせて、イスを変えていたり、

椅子
椅子


鎧塚俊彦さんら著名人17人の 「この絵が名画である理由」 が添えられていたり、

鎧塚


著作権が切れている作品に関しては全て写真撮影可能であったり…etc
この展覧会のオススメポイントを一つ一つ挙げていったら、100点に達してしまうのではなかろうか。
3ツ星。
星星星


ちなみに、個人的には、モネの睡蓮作品2点の競演に痺れました。

モネ


これまで数多くの展覧会で、数多くのモネの睡蓮作品を目にしてきましたが。
この2点それぞれ、確実に8位入賞しています。
そんな名品が、どちらも日本国内にあるだなんて。
しかも、どちらもポーラ美術館が所蔵しているだなんて。
この2点が隣り合った光景に出会うだけでも、箱根に足を運ぶ価値は大いにあります。


さてさて、開館15周年を機に、昨年よりポーラ美術館には、
現代アートを展示するスペース 「アトリウム ギャラリー」 が誕生。
ますます、パワーアップしています。
現在は、トランプやドミノを題材に作品を制作する竹村京さんの個展、
“竹村京 ― どの瞬間が一番ワクワクする?” が、「アトリウム ギャラリー」 にて開催中。
現代アートも合わせてお楽しみくださいませ。

「アトリウム ギャラリー」
「アトリウム ギャラリー」


ちなみに。
毎回密かに楽しみにしている “美術をじっくり楽しむプロジェクト 「じっくり」” ですが、
今回は、カンディンスキーの抽象画 《支え無し》 が、その題材に選ばれていました。

支えんし


実際の作品の近くにあったのは、立体ver.の 《支え無し》
忠実に再現されています。

支え無し


外から眺めるもよし、中に入ってみるもよし。
いろんな角度から、《支え無し》 の世界を楽しむことが出来ます。

セット
ワイヤー


もろもろは宙に浮いていましたが、もちろん、自力で浮いているわけはなく。
ワイヤーによる支えアリでした。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち

$
0
0
東京都美術館での “ボストン美術館の至宝展” に、
千葉市美術館での “ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信” に。
昨年も、ボストン美術館には何かとお世話になりっぱなしでしたが。
年明けも早々に、ボストン美術館コレクションで構成された展覧会、
“ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち”が、世田谷美術館でスタートしました。

ボストン
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


今回のテーマは、『パリジェンヌ』
18世紀のパリジェンヌが実際に着ていたドレスから、

パリジェンヌ
《ドレス(3つのパーツからなる)》 1770年頃 The Elizabeth Day McCormick Collection 43.1643a-c


ルノワールやピカソら巨匠によって描かれたパリジェンヌ、

ルノワール
ピエール=オーギュスト・ルノワール 《アルジェリアの娘》 1881年 Juliana Cheney Edwards Collection 39.677


さらには、写真の被写体となった20世紀のパリジェンヌまで。

写真
レギーナ・レラング 《バルテ、パリ》 1955年 
Gift of Leon and Michaela Constantiner 2010.429 Münchner Stadtmuseum, Sammlung Fotografie, Archiv Relang



250年あまりのパリジェンヌの歴史が展観できる展覧会です。
パリジェンヌだらけの展覧会場は、いつになく華やかな感じになっていました。

パリジェンヌ
会場


当時の女性たちの衣装やファッションプレートなど、
ファッション系の展示品が多めなので、どちらかと言えば、女性向けの展覧会。
男の僕からすると、終始、女性ファッション誌を読んでいるような印象でした。
星星


余談も余談なのですが。
当時の女性が実際に着用していたコルセットの前で、

コルセット


“当時の女性にとっては、ある意味、下着のようなものだったんだよなァ・・・”

などと想像してしまい、なんだかドギマギしてしまいました (笑)


さてさて、今回の展覧会の目玉は何と言っても、
修復後初公開となるマネの大作 《街の歌い手》 です。

街の歌い手
エドゥアール・マネ 《街の歌い手》 1862年頃 
Bequest of Sarah Choate Sears in memory of her husband, Joshua Montgomery Sears 66.304



1年にも及ぶ修復作業により、
これまで薄汚いねずみ色と思われていた上着やスカートは、青みがかったシックなグレーに。
さには、細いストライプも浮き出てきたそうです。
まぁ、なんということでしょう!
ちなみに、ギターを脇に抱え、さくらんぼをはむはむ食べながら、
居酒屋から出てきた女性は、マネのミューズといわれるヴィクトリーヌ・ムーランという女性。
なんだか見覚えある顔だと思ったら、
マネの代表作 《草上の昼食》《オランピア》 でも、モデルを務めた人物とのことでした。


そして、もう1点、ポスターのメインビジュアルに使われているのが、
サージェントの 《チャールズ・E. インチズ夫人(ルイーズ・ポメロイ)》 という一枚です。

インチズ
ジョン・シンガー・サージェント 《チャールズ・E. インチズ夫人(ルイーズ・ポメロイ)》
1887年 Anonymous gift in memory of Mrs. Charles Inches’ daughter, Louise Brimmer Inches Seton 1991.926



着ているのは、当時のパリ風のドレス。
“パリジェンヌ展” に飾られていたので、当然パリジェンヌなのかと思いきや、
実は、インチズ夫人は、『ボストンの社交界の華』 といわれたアメリカ人女性とのこと。
パリジェンヌに憧れるのは、日本人だけでなかったのですね。
当時のボストンでは、「流行のものを身につけるのは、品のないこと」 という風潮があったそうで、
セレブたちは、パリの最新衣装を手に入れながらも、あえて2年間ほど寝かせてから着用したのだとか。
2年前の流行って、逆に一番ダサい気がするのですが・・・。
お笑いで例えると (←?)、今年の新年会で、
とにかく明るい安村のモノマネやラッスンゴレライをやるようなものです。


最後に、個人的にもっとも惹かれた作品をご紹介。
ボワイーの 《アイロンをかける若い女性》 です。

アイロン
ルイ=レオポルド・ボワイー 《アイロンをかける若い女性》 1800年頃 Charles H. Bayley Picture and Painting Fund 1983.10


こちらを熱っぽい視線で見つめる女性の姿にも、もちろん惹かれましたが (←?)。
女性の衣服やエプロン、墨や水差し、陶器などの質感の再現度に強く惹かれました。
ちなみに、女性がアイロンがけしている布には、もう目立ったシワはありません。
画面のこちらを気にするがあまり、この後、布を焦がしてしまわないか心配です。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

特別展「仁和寺と御室派のみほとけ ―天平と真言密教の名宝―」

$
0
0

現在、東京国立博物館で開催されているのは、
“仁和寺と御室派のみほとけ ―天平と真言密教の名宝―” という特別展。

展覧会
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


京都・仁和寺を総本山とする真言宗御室派の寺院 (←全国に約790寺あるそうです) から、
通常非公開の秘仏8体を含む彫刻66体など計約170件の名宝を紹介する展覧会です。(※途中展示替えあり)

正直な話、この一つ前に開催されていたのが、60万人越えを達成した “運慶展” だったこともあり、

「あっちと比べちゃうと、今回の展覧会はなー・・・
 国宝の仏像や秘仏が観られるらしいけど、
 どうせ運慶の仏像ほどの感動はないだろうからなー・・・」

と、あまり期待していませんでした。
タイミングが悪かったですね。
“運慶展” のインパクトを超えることはないでしょう。


ところが!

いざ、修理が完了したばかりの空海ゆかりの国宝 《三十帖冊子》 全帖の一挙公開や、
(注:全帖の一挙公開は、1/28まで。1/30以降は2帖ずつ公開)

全帖
全帖


大阪・道明寺の国宝 《十一面観音菩薩立像》 を含む・・・

十一面観音菩薩立像


秘仏本尊の数々を前にすると、秒でアガりました。
激しく、前言撤回。
(仁和寺と御室派の寺院の皆様ならびに、関係者の皆様に深くお詫び申し上げます)
“運慶展” と同じくらいインパクトがありました。
とりわけ衝撃を受けたのが、一般には非公開とされている観音堂の再現展示。

展示
忠実


かつて、これほどまで忠実に、再現された展覧会があったでしょうか?!

しかも、ここにある仏像は、決してレプリカなどではなく。
実際の観音堂の安置されているものです。
つまり、モノホン。

それ以上に驚かされたのが、この再現展示コーナーに限っては・・・

写真撮影が可能ということ!!!

本多


どことなく本田博太郎似の難陀竜王も写真に撮り放題。
SNSにアップし放題です。


他にも、まだまだ見どころがいっぱい。
日本三大曼荼羅図の一つ 《両界曼荼羅(子島曼荼羅)》 や、
像高が約250㎝にもおよぶ福井県の明通寺の秘仏が登場するなど、

仏像
仏像


驚きと感動のオンパレードでした。
エンターテインメント性という面では、“運慶展” を超えていた気がします。
星星星


ちなみに、会期後半2月14日以降からは・・・

像公
国宝 《薬師如来坐像》 円勢・長円作 平安時代・康和5年(1103) 京都・仁和寺蔵  (注:展示期間は、2月14日~3月11日)


像高は、わずか10.7cm。
仏像界の小さな巨人 (?)、
秘仏中の秘仏である仁和寺の国宝 《薬師如来坐像》 が登場。


さらに、本当に手が1000本ある、いや、1000を超えて1041本もある千手観音、
大阪・葛井寺 (ふじいでら) の国宝 《千手観音菩薩坐像》 も満を持して登場いたします。

国宝 千手観音菩薩坐像
国宝 《千手観音菩薩坐像》 奈良時代・8世紀 大阪・葛井寺蔵 (注:展示期間は、2月14日~3月11日)


どちらも東京初公開。
後期も行くしかありません。
前半でも十分に楽しめましたが、
この展覧会、後半に伸びるタイプです。

「去年、“運慶展” に行ったから、今回の仏像展はパス」

なんて思ってるそこのアナタ!
きっと後悔しますよ。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ


食べ物に関する説⑤

$
0
0
アートテラー・とに~が信じる美術に関するを検証していく企画 『水曜日のアートテラー』

水曜日


説


【検証6日目】

その日観た絵画に描かれていた食べ物だけしか食べられない。
そんな生活も、ついに6日目。

この日は、「常設展に、食べ物の絵がいくつかありましたよ」 という、
読者さんから寄せられた情報を頼りに、八王子にある東京富士美術館へやってきました。

常設展


お世話になっている学芸員さんとともに、状津展示室へ。
と、開始早々、食べ物が描かれた絵と遭遇しました!

農民


確実に、何かを食べています。
確実に、何かを配膳しています。

ブリューゲル


学芸員さん曰く、これは、“ヴライ” と呼ばれるフランドル地方特有のプディングなのだとか。

「やったー!まずは、プリンをゲット!」

と喜んだのも束の間。

「でも、断定は出来ないからねぇ」

とのこと。
確かに、よくよく注目してみると、
皿を配ってるオッサンの指がガッツリ当たっているのに、型崩れしていません。
プリンとは思えぬ強度。
だんだんと固めるテンプルに見えてきました。


しかし、その後、コルネリス・デ・ヘームの 《果物のある静物》 で、

コルネリス・デ・ヘーム


カキ白ワインをゲット。

カキと白ワイン


さらに、大人の事情で画像は紹介できませんが、
アクリルで仕上げたバージョンのウォーホルの 《キャンベル・スープ缶》 で、

ウォーホル


キャンベルのトマトスープ缶をゲットしました!

キャンベル


ちなみに、この日、企画展示室で開催されていたのは、
“東山魁夷展 ─長野県信濃美術館東山魁夷館所蔵品による” という展覧会。

穂がし山


東山魁夷と食べ物・・・・・全くもって想像がつきません!
1点もあるはずないでしょうが、念のため、見てみることに。

すると・・・

おでん
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


若き日の東山魁夷が、靖国神社のお祭りの様子を描いた絵の中に、意外な食べ物を発見!

このへん
(この辺に描かれています)


なんと、おでんが描かれていました。
これには同行していた学芸員さんもビックリ。
描かれていたメニューが、お好み焼きや焼きそばだったら、もっと良かったですが。
かき氷とかわたあめでなかっただけ、全然マシです。

おでん


キャンベルのトマトスープ缶に、おでんに。
汁気の多い東京富士美術館 (?) に別れを告げ、一路、横浜へ。
「ウチに来れば、牛タンが食べられますよ!」
という学芸員さんからのタレコミを信じて、横浜美術館へとやってきました。

横浜美術館


“・・・・・でも、牛タンが描かれた絵って、どんなんだ?”

半信半疑で探すこと、しばし。
それらしき絵を発見しました。

「まぁ、確かに、牛タンといえば牛タンだ (笑)」

牛たん
アップ


こちらは、オットー・ディックスの 《子牛の頭部のある静物》 という一枚。
食材として牛の頭部が描かれているので、
ルール上は、牛の頭部がまるまる食べられることになります。
が、牛の頭部なんて絶対に調達できる気がしないので、
ペロンと出ていた牛タンを、この日のメインディッシュにしました。

子牛の頭部
ディナー


子牛さん、舌を出しててくれて、ありがとう。


【検証7日目】

チャレンジ生活最終日。
最終日にして、最大のピンチが訪れました。

「目ぼしい美術館は、昨日までに全て行き尽くしてしまった!!」

正直、今日どこに行けばいいのか、何もアイディアが浮かびません・・・。
とは言え、家にいては、お腹は膨れません。
可能性が少しでもあるところに、手あたり次第行ってみることにしました。
まずは、新宿中村屋が運営する中村屋サロン美術館へ。

中村屋


ひょっとしたら、クリームパンや肉まんが描かれた絵があるかも。
ひょっとしたら、インドカリーが描かれた絵があるかも。


・・・・・しかし、そんな絵などあるわけはなく。
あるのは、人物画や風景画といった食べどころのない絵ばかり。

ただ、中村彝の 《牛乳瓶のある静物》 が展示されていたおかげで、

牛乳


この日の朝食兼ランチとなる牛乳はゲットできました。

牛乳


続いては、松岡美術館へ。

松岡美術館


食べ物の大量ゲットが狙えそうな 《洛中洛外図》 が出展されていましたが・・・

洛中洛外図


小さすぎて、判別不能!!

食べ物
判別


もう少しわかりやすく描けよ。
と、この絵を描いた江戸時代の絵師に、軽い怒りを覚えました。
とりあえず、松岡美術館でゲットできたのは、茄子のみです。

荒木十畝《春秋花鳥図》


あとは、どこに行けば・・・。
何かヒントはないかと、
これまでのチャレンジを振り返っていると、一枚の写真が目に飛び込んできました。

伸し餅
豊島区


豊島区立 熊谷守一美術館だ!

豊島区立 熊谷守一美術館


図録に掲載されていた 《仏前》 が運よく展示されていたので、卵3個をゲット。

卵


ついでに、《しいたけ》 というスケッチが展示されていたおかげで、しいたけもゲットしました。


というわけで、この日のディナーは、茄子とシイタケの炒め物。
チャレンジ企画、最後の晩餐です。

なす
しいたけ


ヘルシーもヘルシー。
ライザップみたいな食事でした。

ご馳走様


そんなこんなで、短いようで長かった1週間が終了。
想定していたよりも、食べ物の絵画は少なく苦戦はしましたが、なんとか生きてます。
見事、説は立証されました。


検証結果

1週間はギリ生きられるが、
10日間に設定していたら、たぶんギリ死んでいた。
あと、食費がかさんだ。





1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

東山魁夷展 ─長野県信濃美術館東山魁夷館所蔵品による

$
0
0
東京富士美術館で開催中の展覧会、
“東山魁夷展 ─長野県信濃美術館東山魁夷館所蔵品による” に行ってきました。

穂がし山
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


こちらは、東京富士美術館の開館35周年と東山魁夷の生誕110周年のW記念で開催された展覧会で、
改修のため休館中の長野県信濃美術館の収蔵品を中心に東山魁夷作品が約80点紹介されています。

これまで一度も長野県信濃美術館を訪れたことが無いので、
その東山魁夷コレクションが、どれほどのものなのか想像がつかず。
正直なところ、会場を訪れるまで、

“ほぼ1館のコレクションだけで、東山魁夷展が成立するものなのかなァ”

と、心もとなく思っていました。
しかし、それは全くの杞憂。
初期の作品から、

初期


晩年の作品まで、

晩年


万遍なく東山魁夷の作品を堪能することが出来ました。
長野県信濃美術館の東山魁夷コレクションが、こんなにも充実しているとは。
勝手に低く見積もっていて、申し訳ありませんでした!

それに加えて、《道》 の下図や、

道


唐招提寺御影堂障壁画の試作などもあり、

試作


本画ではないものの、東山魁夷の代表作の数々も楽しめました。
これは嬉しいサプライズです。
さらに、東山魁夷の代名詞ともいうべき、
白馬の見える風景シリーズも数多く出展されていました。

白馬


それらの中には、かつてAQUOSのCMにも登場した 《緑響く》 も。

アクオスのCM


また、雲が白馬になった変わり種 (?) の作品もありました。

白馬


東山魁夷は、白馬の見える風景シリーズに関して、

「ある時、一頭の白い馬が、私の風景の中に、ためらいながら、小さく姿を見せた。
 すると、その年 (1972年) に描いた18点の風景の全てに、小さな白い馬が現れたのである。」


と述べているのですが。
会場の中で、こんな作品を見つけてしまいました。

白馬邸


オーストリアで取材した 《白馬亭》 です。
描かれたのは、1972年よりも前の1969年。
もしかしたら、この絵が、白馬の見える風景シリーズの元ネタなのかもしれません。


ちなみに、平日の午後に訪れたのですが、会場は大賑わい。
さすが東山魁夷。
国民的画家と称されるだけはあります。

大賑わい


なぜ、そんなに人気があるのか。
改めて考えてみたのですが、やはり一番は、魁夷の作品に向き合った時に、
“日本人に生まれてよかった” としみじみ実感できるところにある気がします。
日本の風景を描いた作品は当然として、

日本


フィンランドやフランス、デンマークといった海外の風景を描いた作品でさえ、

フィヨルド
フランス


なんとなく懐かしさが感じられ、どこかホッとするのです。
おそらく魁夷の作品を観て、そのように感じられるのは日本人だけなのでは?
演歌、温泉、東山魁夷。
3大 “日本人ホイホイ” です。
星星


ちなみにちなみに。
現在、東京富士美術館ではユニークな試みが行われています。

ウォーキング


それは、美術鑑賞しながらウォーキングしようというもの。
せっかくなので、ためしに万歩計を借りてみました。
結果は、1時間半の鑑賞で6000歩。
鑑賞中、ちょこまか移動しているので、意外に距離を歩いているものなのですね。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

忘れられない、―浜口陽三、カロリーナ・ラケル・アンティッチ、前原冬樹、向山喜章―

$
0
0
現在、ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションで開催されているのは、
“忘れられない、―浜口陽三、カロリーナ・ラケル・アンティッチ、前原冬樹、向山喜章―” という展覧会。

忘れ
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


「忘れられない」 ではなく、「忘れられない、」
「藤岡弘、」 みたいな展覧会タイトルです。

こちらは、カラーメゾチントという独自の表現技法で世界的に有名な版画家・浜口陽三と、
浜口陽三の作品と共鳴する現代作家の作品を合わせて紹介する展覧会としては3回目に当たるもので、
今回も過去2回と同様、ジャンルを問わず、3人の作家が選ばれていました。
星星


まず一人目は、向山喜章さん。
これまで一貫して、「光」 をモチーフに作品を制作してきたというアーティストです。
フェルメールにモネに、ここ最近ではジェームズ・タレルに。
古今東西、「光」 をモチーフに作品を制作したアーティストは数多くいますが。
彼らのいう 「光」 が、物質的な 「光」、現象としての 「光」 であるのに対し、
向山喜章さんが表現している 「光」 は、精神的な 「光」、神秘的な 「光」 です。

光


写真では巧く伝わりませんが (言葉でも巧く伝えられる自信はないですが)、
作品の前に立つと、画面からじんわり光が染み出し、こちらに向かってじわじわ迫ってきます。
で、最終的に、その光が自分の体に吸収されるかのような。
これまでにない不思議な感覚を味わえました。
まさに、“忘れられない、”鑑賞体験。
ちなみに、絵に近づいてみると・・・

ろう


幾重にも塗り重ねられた繊細な色の上に、
厚みのあるワックスが重ねられているのがわかりました。
独特の質感の正体こそ判明しましたが、
向山喜章さんの作品が神秘的であることには変わりなかったです。

向山喜章さん


続いては、カロリーナ・ラケル・アンティッチ。
レアンドロ・エルリッヒと同じく、アルゼンチン生まれの作家です。
彼女の作品の特徴は、何と言っても、その余白。

アルゼンチン


余白は、日本人の専売特許かと思っていましたが。
カロリーナは、日本人以上に余白をたっぷりと取っています。
そして、その中央に描かれているのは、思春期を思わせる少年少女。

余白


たっぷりとした余白の効果なのでしょう。
現実の光景というよりも、ポワポワポワンと浮かび上がった記憶の情景のような印象を受けました。

(´-`).。oO (←こういうイメージ)

初めて目にするにも関わらず、なんか懐かしい感覚に陥る作品です。
昔、クラスメイトにこんな子がいたような。
昔、近所にこんな子がいたような。

ちなみに、銅版画と絵画。男と女。
日本生まれでフランスで活動とアルゼンチン生まれでイタリアで活動。
浜口陽三との共通点は、ほとんどないのですが、
作品を並べてみると、不思議なほどに共鳴していました。

共通


そんな取り合わせの妙もまた、“忘れられない、”。


さてさて、3人目は、前原冬樹さん。
元ボクサーという異色の経歴を持ち、超絶技巧すぎる一木造で人気急上昇中の彫刻家です。
このケース内にある陶片も栃の実もすべて木彫。

一木


石鹸に関しては大理石製だそうですが、その下のタイルは木彫です。
作品は、木製の展示台に乗っていましたが、
どれだけ目を凝らしてみても、タイルと展示台が同じ木とは思えませんでした。

木彫


また、こちらの壁に掛けられた何の変哲もないキャンバスも・・・

キャンバス
キャンバス


なんと一木造りです!
どこからどう見ても、キャンバス。
細部の細部まで完璧に再現されていました。
もはや狂気すら感じるレベルです。

そして、究極ともいえるのが、こちらの壁に掛けられたネジ。

ネジ


さすがに一木ではないだろうと思いきや、やはり一木造とのこと。
鎖の部分は、彫り抜いて制作されたのだとか。
アートを通り越して、イリュージョンを見ているかのようでした。


そんな前原さんの最新作が、こちら↓

ブリキ


一木で造られたブリキ製の柿です。
設定の作品が、なんとも複雑。
しばらくじーっと観察していたら、とんでもないことに気が付いてしまいました。

牡蠣


ブリキ製の柿の内部が空洞になっているではないですか!
小さく開いた穴を通して、反対側に開いた穴も見えています。
どうやったら、こんな作品が作れるのか、皆目見当が付きません。
思わず、口アングリ。
アッパーカットを喰らった気分です。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝

$
0
0
現在、日本で初めてサウジアラビア王国の至宝を公開する展覧会、
“アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝” が、東京国立博物館の表慶館で開催中です。

アラビア


アジア最古級の石器から、サウジアラビア王国の初代国王の遺品まで。
400件を超える貴重な文化財が、ところ狭しと紹介されていました。

展示
展示


エジプト文明やアンデス文明の展覧会は、何度か訪れていますが。
アラビアやイスラム文明を取り上げた展覧会を訪れるのは、今回が初。
「タイマー」や「タールート島」 といった耳馴染みない地名や、
「カリフ」や「バリード」、「ダーダーン文字」 といった耳馴染みない言葉が、
当たり前のように続々登場し、やや面食らってしまいましたが。
(↑できれば、もう少し詳しく解説して欲しかった・・・)

なんかサブレみたいな 《人型石柱》 や、

石柱



なんかロディみたいなラクダの塑像、

楽だ


なんかイラっとさせられる骨製の人形など、

穂ね


印象に残る作品も多く、眺めているだけでも、なんか楽しめました。
ちなみに、この展覧会は、展示作品すべて撮影OK!
しかも、総合文化展 (平常展) と同じチケットで観覧できます。
さらに、2月4日までは、各日先着1000名限定で、
アラビックコーヒーとデーツ (ナツメヤシの実) を無料で提供してくれるとのこと。
さすが、サウジアラビア王国は太っ腹です。
なんか、いろいろお得な展覧会でした。
星


個人的に一番印象に残っているのは、
カルヤト・アルファーウで発掘されたという 《男性頭部》 です。

苅谷と
《男性頭部》 前1~2世紀、カルヤト・アルファーウ出土 キング・サウード大学博物館所蔵


カラーを巻いたオバチャンかと思いきや、男性頭部とのこと。
性別を間違えて、大変失礼いたしました。
ただ、しばらくじーっと眺めていたら、ビートたけしにも見えてきました。


それと、アラブの人はライオンが好きなのでしょうか、
いろんなパターンのライオンがいたのも、印象的でした。

ライオン
ライオン


こちらの四角い分銅も・・・

分銅


ライオンなのだとか (そうは見えませんが・・・w)。
おはようからおやすみまで、重さをはかるライオンです。


全体的には、見慣れないものが多かったですが、
中には、「あれっ、これって日本製じゃないの?」 と思わされるものも。

茶碗


シルクロードを通じて、アラビアと日本が繋がっていたことを実感した次第です。


ちなみに、僕が訪れたのは、関東地方を大雪が直撃したあの日。

雪


展覧会に合わせて表慶館前に設置されたアラビアの遊牧民テントが雪で埋もれていました。
本場アラビアでは、おそらく目に出来ないであろう光景です。

展と




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

第百五十六話 国宝ハンター、占ってもらう!

$
0
0

前回までのあらすじ~

国宝 それは 君がみた光。
ぼくが みた 希望。
国宝 それは ふれあいの心。
幸せの国の宝。
国宝。
そんな国宝を求めて、日本中を旅する国宝ハンター・とに~。
2018年もどうぞよろしくお願いいたします。



今年の初詣は、深大寺へ。
これまで何度か訪れていますが、《銅造釈迦如来倚像》 が国宝に昇格してからは初となります。

銅造釈迦如来倚像


よっぽど国宝に昇格したのが嬉しかったのでしょう。
参道のいたるところで、国宝昇格を祝う旗がはためいていました。

旗


もちろん、国宝昇格の波は境内にも。
本堂の横に、「国宝」 の2文字が踊る立札が掲げられていました。

国宝
国宝


お参りを済まし、いよいよ、《銅造釈迦如来倚像》 が安置されてる釈迦堂へ。
一昔前は、ひっそりと安置されていましたが、

釈迦堂


国宝になった今では、これでもかというくらいにアピっていました。
拝観する人も増えており、ちょっとしたシャンシャン状態です。
さすが、国宝になると違いますね。

《銅造釈迦如来倚像》とは、国宝に昇格した直後にトーハクで会って以来、半年以上ぶりの再会。
記念写真を撮ろうと楽しみにしていたのですが・・・

撮影


なんと重要文化財だった時とは違い、撮影は禁止に!
しかも、値段は決められていませんが、拝観には志納金が必要になっていました。
“アイツ、売れたら変わったな” っていう人はいますが、
“アイツ、国宝になったら変わったな” っていう仏像もあるのですね。


さてさて、その2週間後、
トーハクで開催中の “仁和寺と御室派のみほとけ” へ。

展覧会


こちらの特別展にて、《紺綾地金銀泥絵両界曼荼羅図〈/(子島曼荼羅)〉》(ジャンル:絵画) を含む・・・

児島
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


《新修本草〈巻第四、第五、第十二、第十七、第十九/〉》(ジャンル:書跡・典籍)
《黄帝内経明堂巻第一》(ジャンル:書跡・典籍)
《医心方〈第一、第五、第七/第九、第十残巻〉》(ジャンル:書跡・典籍)
《延喜式〈巻第十二残巻、第十四/第十六〉》(ジャンル:書跡・典籍)

未見の国宝5件をゲットしました。
新年早々、幸先のいいスタートです。


この日は、2月17日に開催予定のアートツアー、
『仏像の手相 (勝手に) 鑑定ツアー』 の下見も兼ねており、高天麗舟先生も同伴してくださっていました。

高天
(↑仏像の手相鑑定中の様子です)


展覧会場にある仏像の手相を鑑賞してもらっている最中に、
ふと深大寺の一件を思い出し、《銅造釈迦如来倚像》 も鑑定してもらうことに。

「高天先生、ついでにこの仏像の手相も鑑定してもらっていいですか?」

手相


すると、その夜、こんな鑑定結果が返ってきました。

「音楽や芸術、スピリチュアルなど精神的なものに関心があり、
 目の前の出来事に対して、有り余る体力とガッツで対応していきます。
 ただし、感情のコントロールは得意ではなく、
 調子に乗りやすく、失敗した時の落ち込み方は激しいでしょう。
 一喜一憂せず、広い視野で物事を捉えることで改善できます。」


ほら、やっぱり!


今現在の国宝ハンティング数 951/1110




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

Viewing all 5005 articles
Browse latest View live