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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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『東京のレトロ美術館』

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2月1日。

かねてより、「そのうち発売されます」 と、
たびたび匂わせてきた3冊目となる書籍が、いよいよ発売されます!
その名も、『東京のレトロ美術館』




「レトロ」 というキーワードで、
僕が独断と偏見で選んだ都内の美術館33館の見どころをガイドする本です。


この本の依頼があったのは、2017年の秋のこと。
特に建築ジャンルに強いエクスナレッジの編集者さんより、
レトロな美術館の魅力をアートと建築の観点からガイドする本を執筆してほしいと依頼がありました。


・・・・・レトロな美術館って、何??
と、その時点ではあまりピンと来ませんでしたが、
いつもお世話になっている美術館のお役に立てそうなのでお引き受けすることにしました。

さて、その最初の打ち合わせの席でのこと。
「自分的には、あの美術館も、レトロという切り口で紹介したい!」
「普通の人が見過ごしているようなマニアックな見どころも紹介したい!」
など、いろいろとアイディアを出すその流れで、
これまで出版した2冊の反省 (?) を踏まえて、一つの希望を伝えました。

“この本は僕は映らなくていいですよね?”

そう。すっかり白タキシードのイメージが付いてしまった1冊目も、
「国宝ハンター」 と書かれたタスキを掛けて、さまざまなポーズを取らされた2冊目も、
どちらも全編にわたって、僕が登場しているのです。
あくまで、僕はアートを広めるアートテラー。
僕自身を広めようという気は、これっぽっちもありません。

そんなことを伝えたつもりでいたのですが、
後日、編集者さんより、こんなメールが届きました。

「カメラマンは青山裕企さんが受けてくださることになりました!」


・・・・・・・・・えっ?
青山裕企さんって、あの 『ソラリーマン』 シリーズの?




青山裕企さんって、あの 『スクールガール・コンプレックス』 シリーズの??




確実に、僕が登場することになるがな!!

とはいえ、あの青山さんが撮影してくださるなんて、おそらく一生に一度の機会でしょう。
そこはもう気持ちを切り替えて、3冊目も被写体になることを受け入れました。

かくして、都内の美術館を巡りながら、
その見どころポイントをプレゼンしつつ、
時々、青山さんの指示するポーズを取る、そんな謎の日々がスタート。
座ったり、壁にもたれたり、展示ケースを覗き込んだり、はたまたジュースを飲んだり。
ありとあらゆるパターンのポーズを取りました。
あるロケの最中に、ボソッと青山さんの口から、
「これって完全にとに~さんの写真集だよね」 と飛び出した時には、さすがにゾッとしました。
いやいやいや、写真集でなく、これは美術館のガイド本なのです。




ちなみに、もっとも多く取ったポーズは、もちろんジャンプ。
『ソラリーマン』 シリーズ並みに、各館でジャンプすることとなりました。
さまざまな飛び方にチャレンジしましたので、
その飛びっぷりも本の見どころの一つと言えましょう (←?)。


さてさて、全員のスケジュールがなかなか合わなかったこともあり、
2018年春に始まった撮影がオールアップしたのは、その年の12月中旬のことでした。
それからレイアウトが組まれ、2019年春頃から執筆作業がスタート。
他の原稿や仕事の合間を縫いつつ、
「レトロ」 という縛りの中で、ネタが被らないように書くのは、至難の業。。。
すべてを書き終えた頃には、すっかり2019年の末となっていました。

そこから急ピッチで作業が進められ、
このたび2月1日に無事に出版されることとなったのです。
何よりもホッとしたのは・・・・・




本の中で紹介している東京国立近代美術館工芸館の閉館に間に合ったこと!
閉館日は、3月8日。
ギリギリ紹介することが出来ました。


著者である僕が言うことでは無いのでしょうが、
これまでの美術館ガイド本とは一線を画す素敵な本が誕生したなァと自負しています。
朝早いロケや執筆中に、何度も心が折れそうになりましたが、
完成した本を手にした瞬間に、その苦労が一気に吹っ飛びました。
自信をもって、僕の現時点での集大成と言える一冊です。
これもひとえに、青山さん、編集者さん、デザイナーさん、
そして、この本で紹介した33館の東京のレトロ美術館のおかげ。
この場を借りて、厚く御礼申し上げます。

さらに、この本を手に取ってくださる皆さまにも、
この場を借りて、一足先に厚く御礼申し上げたいと思います。
予約はこちらから↓




お買い上げ頂き、誠にありがとうございます!




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雛人形と犬筥・天児・這子

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『翔んで埼玉』 では特に言及されていませんでしたが、
実は埼玉県は、全国一の雛人形の生産量を誇り、国内シェアの約半数を占めているのだそう。
中でも特に人形生産が盛んなエリアが、岩槻 (2005年より、さいたま市に編入) です。




駅前のいたるところに人形屋さんが軒を連ねる ”人形のまち” 岩槻。
そんな岩槻エリアに誕生したのが、さいたま市岩槻人形博物館です。




こちらは、公立美術館としては日本初となる人形専門のミュージアム。
オープンは来月ですが、それに先駆け、一足先に取材して参りました!




展示室は、全部で3つありました。
まず展示室1では、埼玉の人形作りを紹介。




知ってるようで全然知らない人形の製造工程を、
実際に使われていた道具や映像を交えて丁寧に紹介しています。




1つの人形を作るのに、こんなにも手間がかかるものなのですね。
これほどまでに職人さんが想いを込めて制作していただなんて。
それは、人形の髪が伸びるわけです (←?)。


続く展示室2では、「コレクション展示 日本の人形」 が展開。
さいたま市岩槻人形博物館のコレクションの中から選りすぐりの名品が紹介されています。




展示室の入り口で皆を出迎えるのは、江戸時代の 《有職雛》




なんと、こちらの 《有職雛》 は、着せ替えが可能とのこと。
さらに、下半身のパーツが可動するようになっているそうで、
あぐらをかかせるのも、正座をさせるのも、思いのままなのだとか。
「こいつ・・・動くぞ!」 と驚かされる雛人形です。

なお、こちら展示室2では他にも、
ポージングがフィギュアを彷彿とさせる 《竹田人形》 や、




張子状の本体に絹糸を1本1本丁寧に貼り付けて制作された 《毛植人形》 など、




さまざまな人形、時々、人ならざる形 (?) が展示されています。
もちろん、それらの人形も見どころですが、
それらの人形を照らす照明にも是非注目くださいませ。




他館では目にしたことがない謎の照明器具が、展示ケース内に設置されています。
実は、こちらは、怖いと思われがちな人形の顔のイメージを払拭すべく、
ほんのり柔らかなスポットライトを当てることで、本来の優しい表情を引き出す照明器具。
すべては人形の展示のために作られたオリジナルな照明器具なのです。


さてさて、最後の展示室3は、企画展示室。
こちらでは、開館記念展として、
”雛人形と犬筥・天児・這子” が開催されます。




館が所蔵する雛人形や、雛人形にまつわる名品・珍品を一堂に展示する展覧会。
まさに春に相応しい展覧会です。




石川さゆりさんにそっくりな雛人形も印象的でしたが、




個人的に特に印象に残ったのは、こちらの 《三五雛》




三月の雛人形と五月人形が一体化した珍品中の珍品です。
キャプションには、三月五月どちらの節句にも共用で飾れるとありましたが。
周囲が華やかな雛人形を飾っているのに、この 《三五雛》 を飾ると浮くでしょうし。
かといって五月に、周囲が勇ましい人形を飾っているのに、
こののほほんとした 《三五雛》 を飾ると、やはりそれはそれで浮くことでしょう。
二兎追うものは一兎をも得ず。そんな人形です。


なお、展覧会のサブタイトルにある天児 (あまがつ) や這子 (ほうこ) とは・・・





その見た目からは全然想像が付きませんが、雛人形のルーツとされるもの。
子どもの枕元に飾られたそうで、災厄を引き受ける人形だったそう。
いわば、コピーロボットのようなものですね。


ちなみに、展覧会の目玉となるのは、
さいたま市岩槻人形博物館館がイチオシする 《犬筥》
もちろん会場のセンターに堂々と飾られていました。




犬筥 (いぬばこ) とは、大名家の婚礼の調度品としても使われたという犬型の張り子の箱。
当然、中は空洞となっており、化粧品などを収納することができるそうです。
同館が所蔵する犬筥は、約30cm。
これほどの大きさのものは、日本になかなか残っていないのだそう。
造形の美しさも、サイズも破格。
まさに名品中の名品です。
しかも、その顔はどことなく、”笑わない男” 稲垣啓太選手に似ていました。




そういう意味でも、今観ておきたい 《犬筥》 と言えましょう。
星
そんな 《犬筥》 がメインの展覧会が開幕するのは2月22日です。
犬の日ではなく、猫の日。




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記憶の珍味 諏訪綾子展

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資生堂ギャラリーで開催中の展覧会、
“記憶の珍味 諏訪綾子展” に行ってきました。




こちらは、「食」 の新しい可能性を開拓し続ける、
フードアーティストこと諏訪綾子さんによる最新個展です。
食のアーティストといっても、
“食の美” を追求するシェフやパティシエ、美食家にはあらず。
「食」 を通じて、体験者に新たな問いや発見をもたらす唯一無二のアーティストです。


今回の展覧会で発表する新作のテーマは、『珍味』。
食べ物の中に、美味しい食べ物や不味い食べ物もあれば、珍味があるように。
美味しい (=思い出すだけで幸せ) な記憶、不味い (=思い出したくもない) 記憶、
そして、特にこれといったものではないけれども、思い返せば思い返すほど味が出てくる。
そんな “珍味のような記憶” が味わえる展覧会です。


会場の真ん中に設置されていたのは、近未来感満載のテーブルセット。




こちらでは、週に1度、諏訪綾子さん本人によって、
《「記憶の珍味」 をあじわうリチュアル》 が開催されるそう。
僕が訪れた際に、ちょうどそのリチュアル (=儀式) が開催されていました。




見たこともない器具で調理された見たこともない料理を提供される参加者たち。




離れたところから眺めていたので、
諏訪さんの手元はくっきりとは確認できませんでしたが。
水が張られたガラスの容器に謎の液体を入れ、
それを金色の葉っぱ (?) でよく混ぜていたら、
ねるねるねるねのような半透明の物体が発生していました。
サーブされたソレを恐る恐る口に運ぶ参加者たち。
フリーメイソン感がハンパなかったです。

なお、諏訪さんやギャラリーからは、リチュアルについての詳細の説明は特にありません。
半透明のソレを食した参加者たちの食レポも特にありません。
何をしているのか、何がしたいのか、
正直なところ、終始一切わからない、謎にもほどがあるリチュアルでした。
ただ、まったく意味がわからないながらも、なぜか見入ってしまう。
まさに珍味のようなリチュアルでした。


さて、リチュアルが開催されていない際は、
僕らも 「記憶の珍味」 を味わうことが出来ます。




テーブルの周りに並べられた何やら怪しげなガラスケース。
この中には、それぞれ異なる匂いが閉じ込められています。




まずは、ガラスケースを手に取って、それらの匂い嗅ぎましょう。




そして、その中から、考えるのではなく、直感で1つの匂いを選びます。
好きな匂いとか心地よい匂いではなく、
もう一度嗅ぎたくなる珍味のような匂いを選ぶのがポイント。
選んだら、その匂いを会場にいるスタッフさんに伝えましょう。
すると・・・・・




1枚のカードが手渡されます。
こちらは、“「記憶の珍味」 をあじわう為のチケット” とのこと。
そのチケットと引き換えに、
こちらの白い空間の中で 「記憶の珍味」 を味わいます。




その体験が展覧会のメインなので、ネタバレしないよう、詳細は記載しませんが。
確かに、「記憶の珍味」 を味わうことが出来ました。
用意されたあるもの口にした瞬間、大学時代に初めてバーを訪れた際に、
飲んだことない味のお酒を、さも飲み慣れているフリをした時の記憶がふと蘇ってきたのです。
特に面白くもなんともない “どうでもいい記憶” なので、今日の今日まで完全に忘れていましたが。僕の記憶の片隅に、こんな記憶は残っていたのですね。
なるほど。これが 「記憶の珍味」。
貴重な体験をすることができました。
星


ちなみに、「記憶の珍味」 は1人ずつしか味わえません。
そのため、体験ブースの前には、かなりの確率で行列が発生しています。




1人につき、約5分ほどかかるので、
行列ができるラーメン屋よりも、待つことになるかも。
時間には余裕をもって訪れてくださいませ。
なお、僕が訪れた際には、すでに8名並んでおり、味わうのに30分ほどかかりました。
「記憶の珍味」 を味わった記憶よりも、
行列に並んで待ち続けた記憶のほうが強く残っています。




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しきのいろ 志村ふくみ・洋子×須田悦弘

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昨日は、資生堂ギャラリーでの展覧会を紹介しましたが。
資生堂の子会社で、スキンケアブランド 「ザ・ギンザ」 を扱う株式会社ザ・ギンザ、
その旗艦店であるザ・ギンザ コスメティックス 銀座にもアートスペースがあるとのこと。
せっかくなので、資生堂ギャラリーからハシゴしてみました。




どうやらそのアートスペースは、
資生堂ギャラリーと同じく、地下にあるようです。
1フロア分、階段を降り・・・・・




さらに、1フロア分、階段を降りると・・・・・




そこに、お目当てのアートスペースがありました。




その名は、THE GINZA SPACE
ロゴは、どことなく 『ピタゴラスイッチ』 っぽいですね。


と、まぁ、それはさておき。
こちらのTHE GINZA SPACEで開催されていたのは、
“しきのいろ 志村ふくみ・洋子×須田悦弘” という展覧会です。




まず、会場に入って目に飛び込んできたのは、
《ひかりの茶室》 というインスタレーション作品。




紬織の人間国宝で、御年95歳の現役染織家・志村ふくみさんと、
同じく染織家で、染色の芸術学校アルスシムラを主宰する娘の洋子さん。
親子による競作です。
染織家ではあるものの、

「布を織る前の、糸の状態の時の色が最も美しい」

と考えている志村親子。
この新作では、藍やくちなし、ヨモギなど、
さまざまな野草で染め、春夏秋冬の色を表現した約800本の糸を・・・・・




あえて織ることなく、そのままの姿、ありのままの姿で見せています。




縦の糸のあなただけ、横の糸の私はいなかったですが (←?)
これはこれで、繊細で幽玄で美しかったです。
いつまでも見ていられる作品でした。


・・・・・と、あまりにも志村親子の 《ひかりの茶室》 に目が吸い寄せられすぎて。
すっかりその対面に設置されていた須田悦弘さんの作品に気づきませんでした。
まさに、「志村~!うしろ、うしろ~!志村のうしろ~!」 状態です。


須田さんといえば、本物と見紛うほどリアルな草花を木彫作品で制作する現代作家。
しかも、他の芸術家が制作した屏風作品の裏側や柱の上、
監視員が座る椅子の下など、展示空間の四角に作品を設置することでお馴染みの現代作家です。
しかし、今回は珍しく、堂々と (?) 作品が展示されています。




資生堂の容器とコラボ。
まるで生け花のように、作品が飾られていました。





作品は、全部で4点。
コヒルガオに、露草に、菊に、そして、資生堂だけに椿。
須田さんの作品も春夏秋冬が揃っているようです。




ちなみに、展覧会はなんと無料!
日本に四季があってよかった。
日本に資生堂があってよかった。
そう思える展覧会です。
星




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【告知】 現在募集中のアートツアー 【告知】

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現在募集中のアートツアーです。

アートに興味のない方でも楽しんで頂ける企画を心掛けております。
初参加の方も多いので、どうぞお気軽にご参加くださいませ♪
(男女比は、7:3くらいで女性が多いです。
 また、おひとりで参加される方が大半ですので、一人でもふらっと遊びにいらしてください!
 お子様とご一緒の参加も大歓迎です[お子様の参加費は基本無料])
定員になり次第、募集は〆切らせて頂きますので、よろしくお願いします。
参加希望の方は、お手数をおかけして恐縮ですが、
件名に希望するアートツアーを明記して、以下のメールフォームよりお申し込みくださいませ。
詳細をお知らせいたします。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
お知らせ先のメールアドレスが間違っている方が、ごくたまにいらっしゃいます。
こちらからの返信がない場合は、もう一度お送り頂けますと幸いです。


2/8(土) ハマスホイの魅力にハマる旅

2008年、『北欧のフェルメール』 と呼ばれたデンマークの画家、
ハマスホイの日本初個展が、国立西洋美術館で開催され、大きな話題となりました。

あれから、12年―。
彼の作品が再び来日!!
日本では2度目となる大々的な個展が開催されます。
タイトルは、“ハマスホイとデンマーク絵画”
注目の展覧会が今年も目白押しの東京都美術館、そのスタートを飾るに相応しい展覧会です。
是非、この展覧会を訪れ、鑑賞後にみんなで感想を共有しあいましょう!

「ハマスホイって誰?」 という方でもご安心を。
当日は、ハマスホイの魅力をたっぷりお伝えいたします。
アートテラーが自信を持ってオススメする3つ星展覧会!
ハマスホイワールドにハマること間違いなしのアートツアーです。

時間:13時~16時
定員:12名
参加費:1500円 (観賞料を含みます。カフェ代は別途)

ご参加希望の方は、ツアー名を書き添えて、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/


2/11(火・祝) 今日は建国記念日!古代ロマンのアートツアー

今年2020年は、日本最古の歴史書 『日本書記』 が成立して1300年という節目の年。
それを記念して、東京国立博物館では、
“出雲と大和” という大々的な特別展が開催されます。
国宝20件以上、重要文化財70件以上が集結する空前絶後の考古展!
是非、令和初の建国記念日に訪れましょう。

その後、休憩を挟んで、渋谷にある國學院大學博物館へ。
こちらは、考古と神道をテーマにした知る人ぞ知るミュージアム。
当日はその見どころを学芸員さんによる特別ガイド付きでたっぷりご紹介いたします。
どうぞお楽しみに!

時間:12時半~17時半
定員:12名
参加費:1600円 (展覧会鑑賞料を含みます)

ご参加希望の方は、ツアー名を書き添えて、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/


2/15(土) 今日は一日“写真”アートツアー

‟写真美術って、よくわからない・・・”

そんなすべての皆様のためにお送りするのが、
今回の『今日は一日“写真”アートツアー』です。

まず訪れるのは、2017年にBunkamura ザ・ミュージアムで開催中の展覧会、
日本初個展が開催され、口コミで大きなヒットとなった写真家ソール・ライター、
その待望の新作展 “ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター” です。
日本の琳派や浮世絵の影響を受けたともいわれる斬新な構図。
全体として抑えた色調のなかにビビッドな差し色を入れるセンス。
何気ない日常を切り取っただけなのに、
ドラマチックに感じられる彼の写真は、理屈抜きで心惹かれること間違いなし!
2020年もっとも注目の写真展といっても過言ではありません。

ソール・ライターの世界をたっぷりと堪能したあとは、
渋谷駅から東急田園都市線に乗って、横浜のあざみ野へ!
横浜市民ギャラリーあざみ野で開催される注目の写真展、
“田附勝 KAKERA きこえてこなかった、私たちの声展” の見どころや裏話を、
担当された天野太郎学芸員、直々にガイド頂きます。
ちなみに、天野さんは、今年12月よりスタートする札幌国際芸術祭2020、
その統括ディレクターを務める現代アート界のレジェンドのような人物です。
当日は、きっと写真美術の魅力をオモシロく伝えてくれることでしょう!

ちなみに、ツアー終了後、希望者で軽く打ち上げを予定しています。
もちろん天野さんも参戦予定です!
お酒が入った方が、天野さんはよりオモシロくなりますので、どうぞお楽しみに (笑)

時間:13時~17時半
定員:10名
参加費:1500円 (展覧会鑑賞料を含みます)

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2/22(土) 丸の内スペイン満喫アートツアー

2月8日より、東京ステーションギャラリーにて、
“奇蹟の芸術都市バルセロナ” という展覧会が開催されます。
ダリやミロ、ガウディといったバルセロナに関わりの深い芸術家の作品を紹介する展覧会です。
展覧会を鑑賞するだけでも、十分楽しめるとは思いますが。

スペイン文化をより深く知るべく、
展覧会鑑賞前に、皆で丸の内にあるスペイン料理屋でランチを食べましょう!
(↑ただスペイン料理を食べたいだけw)
目と舌で味わうアートツアーです。

時間:12時~16時
定員:10名
参加費:1200円 (展覧会鑑賞料を含みます。ランチ代は各自負担)

ご参加希望の方は、ツアー名を書き添えて、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
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2/24(月・祝) “憧れ”の世田谷アートツアー

世田谷=お金持ち。
住みたい街ランキングでも、常に上位に入る世田谷区。
今回は、そんな世田谷区を “憧れ” というキーワードで巡るアートツアーをお届けいたします。

まず訪れるのは、静嘉堂文庫美術館
三菱財閥第2代総帥・岩崎弥之助、小弥太父子のコレクションを母体とした美術館です。
こちらでは、現在、“磁州窯と宋のやきもの” が開催中。
明治の文化人が憧れたという陶磁器を紹介する展覧会です。
さらに、国宝の中の国宝と名高い逸品、
全茶人が憧れるあの 《曜変天目》 も特別展示されています。
これは見逃せません!

続いて訪れるのは、岡本公園民家園
こちらでは、囲炉裏体験をはじめ、憧れのスローライフを体験いたします。

最後は、世田谷美術館へ。
こちらでは、“村井正誠 あそびのアトリエ” を鑑賞いたします。
フランスに憧れ、フランスへと渡り、
当時最先端だった美術の潮流に刺激を受け、帰国後、そのエッセンスを日本に広めた村井正誠。
そんな彼の 「あそび心=エスプリ」 を余すことなく紹介する展覧会です。

世田谷に憧れている人も、そうでない方も。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

時間:12時半~17時半
定員:10名
参加費:2000円 (展覧会鑑賞料を含みます。ランチ代は各自負担)

ご参加希望の方は、ツアー名を書き添えて、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



いずれのツアーも、皆様のご参加を心よりお待ちしております!!

Film:50 『HAZAN』

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■HAZAN

  監督:五十嵐匠
  出演:榎木孝明、南果歩
  2003年/日本/108分

岡倉天心に思想的影響を受け、
幼き頃に見た美しい陶磁器を自らの手で作ってみたいとの衝動に突き動かされ、
経験を持たぬまま日本の新しい陶芸を開拓すべくその道を歩み始めた男・板谷波山。
その名は故郷・下館から見える “筑波山” からとった。
波山の決意を聞いた妻まるは、
ただひとこと “子どもたちだけは泣かさないで下さい” と言い、
夫について行く覚悟を決めた。
教職を辞し、東京田端に小さな新居を構えた波山一家。
この時から、貧困に苦しみながらも、
自らの作品には一切妥協を許さない波山の、苦しく悲愴な試行錯誤の日々が始まった。
(「allcinema ONLINE」より)


「DVDのジャケットは、なぜかバンクシー感がありますが。

 


 主人公は、Banksyではなく、HAZAN。
 日本の近代陶芸の開拓者であり、
 陶芸家としては初の文化勲章受章者となった板谷波山です。
 
 ただ、真の主役は、その妻・板谷まると言っても過言ではありませんでした。
 最終的に文化勲章を受章したから良いようなものの、
 この映画で描かれているのは、板谷波山の下積み時代。
 作品が売れないのに、ただただプライドだけは高く、
 そのうえ、まったく家計を顧みないダメンズなHAZANを、妻まるが必死に支えています。
 
 そんなまるを演じているのは、南果歩さん。
 ワガママな夫に献身的に尽くす南果歩さん。
 これはもちろん演技だとはわかっているのですが、
 その演技力が高いので、本当に幸が薄い妻にしか見えません。
 だんだん、これは映画のシーンなのか、
 はたまたプライベートのシーンなのかわからなくなってきました。
 それゆえ、いろいろあった、あの元夫がちらついてしまいました。
 (ついでに、あまり関係ないですが、その元夫の娘婿もちらついてしまいました)

 
 

 しかしまぁ、波山が葆光彩磁 (※) を生み出すまでに、
 彼の家族が、こんなにも苦労を重ねていたとは、、、
 (※波山の代名詞。葆光釉により、薄絹を透かしたような淡い光を放つ技法)
 今後、波山の葆光彩磁の作品を鑑賞する際には、
 光が滲み出るような独自の風合いとともに、家族の苦労も滲み出て見えることでしょう。
 
 特に印象的だったのが、正月に関するエピソード。
 「せめて正月のお餅は!」 と楽しみにしていた子供たち。 
 しかし、そのお餅代で、波山はしれっと薪を買ってきてしまうのです。
 
 鬼か、お前は!
 
 かといって、波山は決して家族に愛情がなかったわけでなく、
 納得のいく陶芸作品は作り出せないというのに、子供は何人も作り出していました。

 
 ちなみに、何より気になったのは、
 波山と二人三脚で作品を作り続けた轆轤師・現田市松のキャラクター設定です。
 なぜか常にトリップ状態。
 『北斗の拳』 にでも出てきそうな 「ヒャッハー」 な人物として描かれていました。
 ドラッグでもやっていたのでしょうか??


 何はともあれ、いろんな意味で、
 これから波山の作品を観る目が変わりそうです。
 スター スター 半分星 ほし ほし (星2.5つ)」


~映画に登場する名画~

板谷波山 《葆光彩磁草花文花瓶》

ルネ・ラリック アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美

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現在、東京都庭園美術館で開催されているのは、
”ルネ・ラリック アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美” という展覧会。
19世紀末~20世紀のフランスにおいて、
宝飾デザイナー&ガラス工芸家として活躍したルネ・ラリックの展覧会です。




ちなみに、東京都庭園美術館でラリック展が開催されるのは、20年ぶり4度目とのこと。
そんな甲子園の常連校ばりに開催されるのには大きな理由があります。
ラリックといえば、アール・デコを代表するアーティスト。
そして、東京都庭園美術館 (旧朝香宮邸) といえば、日本を代表するアール・デコ様式の建物。
そんなアール・デコ繋がりもさることながら、
旧朝香宮邸の正面玄関のガラスレリーフの扉をデザインしたのが、何を隠そうラリックなのです。




また、大客室と大食堂のシャンデリアも、ラリックによるデザイン。
そう、東京都庭園美術館は、日本で最もラリックと相性の良い美術館なのです。


さてさて、今回の展覧会で紹介されているのは、
諏訪湖畔にたたずむ北澤美術館が所蔵するラリックコレクション。




意外と知られていませんが、実は、日本はラリック大国なのだそう。
箱根ラリック美術館のコレクションを筆頭に、
本国フランスよりも、ラリックの名品を多く有しているのだとか。
一説によれば、ラリックの名品のうち、3分の2が日本に存在しているとも。
(浮世絵の名品が海外の美術館にあるのに似ていますね)
北澤美術館のラリックコレクションも、
世界有数のものとして名高いコレクションの一つ。
しかし、北澤美術館は他にも、
世界的なエミール・ガレコレクションと世界的なドーム兄弟コレクションを有しているそうで。
それらを紹介する機会のほうが多いため、
ラリックコレクションは、基本的にいつも収蔵庫に眠っているのだそうです。


つまり、今回のラリック展は、
そんな世界的ラリックコレクションをまとめて観られる貴重な機会。
それも、アールデコの館とのコラボレーションで!
しかも、なんと写真撮影可能です。
星星
これは行くしかありません。




出展数は驚異の約220点 (!)。
そのため、普段、展示スペースとして使用している部分だけでは足りなかったそう。
そのため、通常は立ち入り禁止となっている書斎や、




ガラス棚やマントルピースの上、さらにはお風呂場など、




ありとあらゆる場所にラリック作品が展示されていました。
また、多くのガラス工芸品の展覧会では、暗い展示室内で、
スポットライトを当て、ガラス工芸品を浮かび上がらせるように展示していますが。
今回の展覧会では、ラリックの作品が生活品として実用されていた一面を重視。
なるべく自然光を取り入れた展示となっています。




当然ですが、午前と午後、夕方の光で、
ラリック作品の見え方が変わるとのこと。
何度でも通いたくなる展覧会です。


なお、見どころは本館だけにあらず。




建築家の永山祐子さんが展示デザインを手がけた新館では、
旧皇族がコレクションしていた貴重なラリック作品が中心に展示されています。
例えば、こちらは、朝香宮家が旧蔵していた花瓶。
共箱はもちろん日本で作られたものだそうです。




例えば、こちらは、かつて鍋島家が所蔵していたカーマスコット。
ちゃんとスペアも用意されていたようです。




極めつけは、こちらのインコがデザインされた一対の花瓶。




なんと昭和天皇が皇太子時代に、パリでお土産として購入し、
当時の内閣の閣僚全員にプレゼントしたもののうちの1つなのだそうです。
現在確認されている中で、もっとも早く日本にもたらされたラリック作品とのこと。
日本人のラリック好きは、この花瓶から始まったと言っても過言ではありません。


ちなみに。
ラリックと言えば、上品なマダムが好きな作家というイメージが強かったのですが。
数ある作品の中には、かなり攻めたものもありました。




ビッシリ表面に亀の甲羅が施された花瓶は、なかなかグロかったです。




個人的に印象に残っているのは、香水瓶 《カシス》 の赤ver.(写真右)




カシスと言われれば、カシスにも見えますが。
ノーヒントだと (?)、野沢雅子に見えました。




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大清帝国展

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現在、東洋文庫ミュージアムでは、
”大清帝国展” という展覧会が開催されています。




辮髪やチャイナ服、満漢全席といった文化を生みだした王朝、
「始皇帝じゃないほう」 の『しん (清)』 にまつわる書籍や資料を紹介する展覧会です。
それらの中には、皇帝から賜る世界一豪華な (?) 辞令書 《誥命》 や、




合格倍率は3000倍ともいわれる世界最難関の試験・科挙、
その最終試験である 「殿試策」 をトップ通過した人物の答案 (手書きとは思えない!) も。




さらには、歴史の教科書でお馴染みの 《アヘン戦争図》 もありました。




見応えたっぷり。
まさに、満漢全席のような展覧会です。
星


さてさて、数ある展示品の中で、特に印象深かったのは、
清国に派遣された最初のイギリス使節マカートニーが乾隆帝に謁見した様子を描いた一枚。




↑肖像画によると、乾隆帝は、こんな容姿をしていたそうですが。
イギリスの風刺画家ジェームズ・ギルレイが描くと・・・・・





全くの別人に!!

ディズニー映画に出てくる悪役みたいなビジュアルになっています。
「歴史は勝者によって作られる」 とは言いますが、
それにしても、これはいくらなんでも事実を歪めすぎ!
メディアって恐ろしいですね。


それから、もうひとつ印象的だったのが、《清朝皇帝の龍袍》





五本指の龍がデザインされた服が着れるのは、皇帝だけ。
つまり、こちらは実際に皇帝が着ていた服なのです。
(ちなみに、『ドラゴンボール』 に登場する神龍は4本指。5本指の龍よりも格が下がります)
何気なくキャプションに目を向けると、「東洋文庫研究員蔵」 となっていました。
えっ、個人で中国の皇帝の服を持ってるの?!
これ以外にも、数点の展示品が東洋文庫研究員蔵でした。
どうやら、東洋文庫にはスゴい研究員がいるようです。


ちなみに、東洋文庫ミュージアムといえば、
やたらとキャプションやパネルでウケ狙いをしてくるミュージアム。
今回ももちろんウケ狙いに走ったキャプションがちらほら (笑)




中でも特にスルーできなかったのが、「中国王朝の覚え方」 です。
『アルプス一万尺』 のメロディに乗せて覚えるというものなのですが・・・・・。




いや、無理だろ!!!

まず冒頭の 「殷 周 東周 春秋戦国」 が 「♪アルプス一万尺」 に入らない!
後半部のどの 「らん」 が、どの王朝に対応しているのかもわからない!

・・・・・もう、普通に覚えます。




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森田恒友展 自然と共に生きて行かう

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現在、埼玉県立近代美術館で開催されているのは、
”森田恒友展 自然と共に生きて行かう” という展覧会。
埼玉県熊谷市出身の画家・森田恒友 (1881~1933) の大々的な回顧展です。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)


おそらく、この記事を読んでる大半の方が、
「森田恒友って誰??」 と思ったことでしょう。
森田恒友と交流の深かった画家の一人、
小杉放庵は、恒友について、こう証言しています。

一度も人気作家となつた事なく、遂に赫々たる大家巨匠と呼ばれたことなく
それで居て非常な重量を以て、一方に存在し、其仕事に深い理解愛好者を持ち、
其芸術家的態度に殆ど異議なき信用を得て居た―
(以下略)

友人からもディスられる。
実に埼玉人らしい画家といえましょう。


さて、初期の頃の恒友は、東京美術学校の先輩であった、
青木繁や坂本繁二郎らの影響を受けた洋画を描いていましたが。




1914年に渡欧すると、セザンヌの作品に感銘を受け、
その影響を強く受けた作品を制作するようになります。




翌1915年に、帰国。
日本各地を旅しながら風景画を描く中で、
恒友は、あることに気がついてしまうのです。
「日本の風景を描くには、油彩画よりも水墨画のほうが適している!」 と。

ヨーロッパに行く前に気づけよ!

いや、ヨーロッパに行ったからこそ気づけたのかもしれない。
すべてのことには意味がある。そうだろう?(←ぺこぱ風ツッコミ)

何はともあれ、それ以来、
恒友は、日本画も描くようになりました。



なお、日本画に取り組むようになってからも、
洋画を捨てたわけではなく、相変わらず油彩で風景画も多く描いています。




特徴的なのは、その中に必ずと言っていいほど、小さな人が描かれていること。
タイトルに採用されている恒友の言葉、
”自然と共に生きて行かう” を地で行くような風景画です。




とはいえ、52歳という若さでなくなった恒友、
その晩年に描いた尾瀬沼をモチーフにした穏やかな風景画には、人が登場していません。




ちなみに。
展覧会の冒頭で紹介されていた最初期の風景画にも、人は登場していませんでした。




青木繁やセザンヌの影響、水墨画への挑戦など、
紆余曲折あったものの、一周回って元の場所に戻ってきたような。
「時を戻そう!」 な画家人生を歩んだ人物です。


さてさて、穏やかな印象の風景画も多い恒友ですが、
同じくらいに、実はよく見ると、ヘンテコな風景画も多かったです。
何と言っても、クセがスゴいのが、木の生え方。




現実にはあり得ないような生え方をしています。
もはやシュルレアリスムの世界。
特にインパクトが強かったのが、《松原》 という一枚です。




完全に松が意思を持っています。
もしくは、完全に世界が歪んでいます。
じっくり見れば見るほど、正気ではいられなくなる一枚でした。

クセがないようでいて、噛めば噛むほど味が出る。
スルメのような画家、それが森田恒友。
皆さまも是非、”森田恒友アワー” をご堪能くださいませ。
星星


最後に、余談も余談ですが。
《半月》 という作品を鑑賞している際、妙なデジャヴを感じました。




”うーん。この表具の柄、どこかで目にしたことがあるような??”

その時には、すぐに答えが出ませんでしたが。
後日、スーパーで買い物中に、答えが判明しました。




・・・・・・・あずきバーだ。




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ビンゴに関する説①

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アートテラー・とに~が信じる美術に関するを検証していく企画。
それが、『水曜日のアートテラー』 です。

水曜日



さて、突然ですが、2年前にチャレンジしたこちらの企画は覚えていますか?

説


絵画に描かれている食べ物しか食べられない。
そんな前代未聞のチャレンジに1週間挑みました。
(参考記事→食べ物に関する説①

あの食べ物生活に比べたら、過酷ではないですが、
今回は、新たな1週間チャレンジに挑んでみようと思います。




美術品の中には、《ルイ14世の肖像》 や、




《東海道五十三次之内 島 朝霧》 のように、




タイトルに数字が含まれたものがありますよね。
任意で選んだ1枚のビンゴカードを手に美術館を巡り、
タイトルに登場する数字でビンゴをしてみようというのが、今回の企画。
例えば、《ルイ14世の肖像》 を観たなら、『14』 の穴を、
《東海道五十三次之内 三島 朝霧》 を観たなら、『53』 と 『3』 の穴を開けることが出来ます。
1週間以内に、1列でも揃えば、見事説立証です。

鍵となるのは、2桁の数字。
2桁の数字をいかに見つけるかが攻略のポイントとなりそうです。


【検証1日目】 (2020年2月5日)

今回の企画で使用するのは、
無作為で選んだこちらの1枚のビンゴカード。




比較的、見つけやすそうな1桁の数字が、バラけて配置されています。
ビンゴが狙いやすそうなのは、1番上の横一列でしょうか。

まずは、日本一美術品を所蔵している東京国立博物館へ。




本館にて、タイトルに数字を含む美術品を探します。
すると、開始1分もせずに、数字を発見しました!




この企画、記念すべき一発目の数字は、鈴鏡》6
しかも、ビンゴカードの中に6があります。




幸先が良すぎるスタートです。
続いて出会ったのは、十一面観音菩薩立像》




しかし、残念ながら、ビンゴカードに11はありませんでした。




・・・・・チッ(・д・)
数字がカードの中に無いと、
本当のビンゴ大会のように悔しいものがあります。

気を取り直して、数字を探していると、
こちらの重要文化財の経典を発見しました。




その名は・・・・・




《大般若経 巻第四百六十八(神亀十五日長屋王願経)》
今回のルールでは、3桁の数字は、あくまで3桁の数字。
四百六十八の下2桁を取って、68というのは認められません。
とはいえ、タイトルに日付が含まれていたおかげで・・・・・




515をダブルゲット!
まさかの2枚抜き達成です。


なお、その後。
《釈迦尊像》 と、




大林宗套筆 行書「諸悪莫作衆善奉行」》 と、
策彦周良筆 言絶句》 とを、立て続けにゲット。




さらに、狩野永敬による 十二ヶ月花鳥図屏風》 もゲットしました。




さすがは、美の殿堂・東京国立博物館。
予想よりも早いペースで、ビンゴカードに穴が空いていきます。
そして、1館目にして、早くもその瞬間はやってきました。




手観音菩薩坐像》 の周囲に、
天王立像》 が配置されていたため、4をゲット。




斜めに、リーチが完成しました!!

・・・・・・ただ、ビンゴするのに必要な数字は、62
62という数字がタイトルに含まれる美術品なんてあるのでしょうか??
正直なところ、1つも思いつきません。。。


さて、リーチ完成後、本館だけでなく、
東洋館や法隆寺宝物館に捜索範囲を広げるも・・・




見つかった新たな数字は、銭博筆 《蘭亭十三跋》13のみ。




やはり、そう簡単に数字は見つかりません。
前半飛ばしていたのが幻だったかのような失速ぶりでした。
改めて、このチャレンジの難しさを実感した次第です。




2時間くまなく館内を巡って、空いた穴は、全部で8つでした。
果たして、残り6日で無事にビンゴを達成することはできるのでしょうか?


ちなみに。
調べると、すぐに終わってしまうかもしれないので、
ルールとしては、僕はネットなどでの検索は禁止にしています。
つまり、皆さまから寄せられる情報が頼り!
2桁の数字がタイトルに含まれる美術作品情報、心よりお待ちしておりますm(_ _)m

ビンゴチャレンジ企画に関する有益な情報をお持ちの方は、是非以下のメールフォームに。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/




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北斎師弟対決!

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浮世絵界の最大流派といえば、”歌川派”。
歌川豊春を祖としたこの歌川派からは、
歌川広重、歌川国芳、歌川国貞、月岡芳年をはじめ、
人気、実力ともにトップクラスの浮世絵師が多数輩出されています。

一方、日本が世界に誇る浮世絵師・葛飾北斎。
意外と知られていないかもしれませんが、
北斎にも、後世になってから、”葛飾派” と呼ばれた弟子たちがいました。
その数、孫弟子も含めて、実に200人とも言われています。


・・・・・・・・と言っても。
よほど浮世絵に詳しい人でない限り、
北斎の弟子の名前は頭にパッと浮かばないはず。
お笑い界に例えるならば、歌川派は吉本興業、
北斎一門はさしずめ、たけし軍団といったところでしょうか。

そんな今ひとつマイナーな北斎の弟子たちにスポットを当てたのが、
現在、すみだ北斎美術館で開催中の ”北斎師弟対決!” という展覧会。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。作品はすべてすみだ北斎美術館蔵)


すみだ北斎美術館のコレクションの中から、
北斎と弟子が同じテーマで描いた作品を並べて展示し、その両者を見比べる展覧会です。


左)葛飾北斎 《冨嶽三十六景 隠田の水車》  右)春婦斎北妙 《冨嶽三十六景 隠田の水車》


左)葛飾北斎 『椿説弓張月』続編 巻三 石櫃を破て曚雲出現す
右)二代葛飾戴斗 『画本西遊全伝』四編 五 青竜山の妖怪三蔵を摂去 (いずれも通期展示)



”対決!” とはありますが、
基本的には、北斎師匠の一人勝ち。
良くも悪くも、「師匠を追い抜いてやろう!」 という野心的な弟子はほぼおらず。
師匠のスタイルを、素直に自身の作品に取り入れていました。

例えば、魚屋から浮世絵師に転身した魚屋北渓 (ととやほっけい)
彼が描いた 《養老の滝》 の滝の表現にご注目ください。


魚屋北溪 《養老の滝》


滝が勢いよく流れる様を、直線で表現しています。
この独特な表現は、北斎の滝の描き方に倣ったものなのだそう。
確かに、北斎も滝を直線で描いていますね。


葛飾北斎 《諸国瀧廻り 美濃ノ国養老の滝》


また例えば、北斎が辰政と名乗っていた時期に、
「辰」 の一字を貰ったという柳々居辰斎による 《兎手柄囃 六》


柳々居辰斎 《兎手柄囃 六》


おそらくセクシーアピールなのでしょう。
女性が不自然なほどにお尻を突き出しています。
この江戸時代のグラビアポーズ (?) を考案したのも、北斎師匠。


葛飾北斎 《雪中二美人》


やはり不自然なほどにお尻を突き出しています。
現実で女性にこんなポーズを取られたら、
惹かれるどころか、むしろ引く気がするのですが・・・。
何はともあれ、この師匠にしてこの弟子あり、といったところです。


ちなみに。
数多く紹介されていた弟子たちの中で、
特に師匠に大きな影響を受けていたのが、二代葛飾戴斗。


二代葛飾戴斗 『神功皇后 三韓退治図会』三 翠燕孤児を将て猛虎に逢


二代葛飾戴斗 『花鳥画伝』初編 加奈阿利 (注:出展は前期のみ)


大きな影響を受けていたというか、
師匠の描いた絵を、そっくりそのまま自身の作品に採用していました。
こちらが、上で紹介した二代葛飾戴斗の元ネタとなる北斎の作品です↓


葛飾北斎 『唐詩選画本 五言律』二


葛飾北斎 《小禽》 (注:出展は前期のみ)


トレース疑惑。
もう少しオリジナリティを出してみてはいかがでしょう?


弟子たちの作品と見比べることで、
北斎のオリジナリティが、より際立っていたように思います。



葛飾北斎 『北斎漫画』三編


人魚の描き方一つとっても、
オリジナリティが爆発しています。
師匠よあなたは強かった。
そんなことを改めて実感させられる展覧会でした。
星


ちなみに。
そんな北斎師匠が今年の大河ドラマの主役 (?) 麒麟を描いた作品もありました。


葛飾北斎 『絵本庭訓往来』初編


戦がない世の中になった時、コイツがくるのですね。
それはそれで、新たなパニックが起こりそうな予感がします。


なお、現在、4階の展示室2では、
常設展の拡大版にあたる ”常設展プラス” が開催されていました。




こちらでは、なんと 『北斎漫画』 (複製本) の立ち読みコーナーが設けられています。




本屋やコンビニと違って、
思う存分立ち読みが楽しめますよ。
葛飾北斎先生の漫画が読めるのは、すみだ北斎美術館だけ。


 ┃会期:2020年2月4日(火) 〜4月5日(日)
 ┃※前後期で一部展示替えを実施 ◎前期(2/4~3/8) ◎後期(3/10~4/5)
 ┃会場:すみだ北斎美術館
 ┃
https://hokusai-museum.jp/modules/Exhibition/#1

~読者の皆様へのプレゼント~
“北斎師弟対決!” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、2月20日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。




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日本オリンピックミュージアム

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東京オリンピック開幕式まであと168日。
そんな今だからこそ行っておきたいミュージアムがあります。
その名も、日本オリンピックミュージアム

日本スポーツ協会 (JSPO) と日本オリンピック委員会 (JOC) が新設した新本部ビル、
ジャパンスポーツオリンピックスクエア内に、昨年9月にオープンしたばかりのミュージアムです。




ミュージアムの目の前に広がる屋外のモニュメントエリアには、
1964年の東京オリンピックや札幌オリンピックの聖火台のレプリカが設置されていました。




また、こちらは、長野オリンピックの聖火台とのこと。




”・・・・・こんなアヴァンギャルドな聖火台でしたっけ??”

と思って、長野オリンピックの開会式を、
ネットで検索してみたところ、その時の動画がヒット。




伊藤みどりさんの衣装が奇抜すぎて、
そっちの印象のが強く残っていたようです。
確かに、聖火台はこのデザインでしたね。

なお、モニュメントエリアには、
オリンピックシンボルも設置されています。




こちらは、記念撮影スポットとして、とても人気がある様子。
平日に訪れたのですが、次から次へと、
多くの方が記念撮影を楽しんでいらっしゃいました。




しかも、目の前には、話題の新国立競技場も。
今東京でももっともホットなスポットといえましょう。

ちなみに。
日本オリンピックミュージアムの1階、
ウェルカムエリアも入場無料&写真撮影可能なため、大賑わい。
現在は、今年の東京オリンピックの聖火トーチと、
日本代表選手団の公式服装 (左が開会式用、右が式典用) が展示されていました。




こういった実物を目にすると、
いやが上にも、東京オリンピックへの期待が高まります。
今更ながら、何かしらのチケットを取りたくなってきました。


さて、1階を楽しんだ後は、いよいよ2階の有料エリアへ。




こちらは、「知る」「学ぶ」「挑戦する」 など、5つのエリアで構成されており、
オリンピックに関する様々な情報や、オリンピックにまつわる貴重な資料が紹介されています。




その中には、日本人五輪選手第1号の金栗四三や、




日本人女性初のオリンピックメダリスト人見絹枝に関する品も。




他にも嘉納治五郎や前畑秀子に関する品も紹介されており、
昨年の大河ドラマ 『いだてん』 のファンには、たまらない展示となっています。

また、洋画の巨匠・和田三造がデザインした、
1940年の幻の東京オリンピックの公式ポスターや、




日本を代表するグラフィックデザイナー亀倉雄策の伝説的な東京オリンピックポスター、




さらに、出口前に何故か、日比野克彦さんによる5つの輪を表現した絵画も。




アートファンも、それなりに楽しめる展示となっていました。
聖徳絵画記念館の近くにあるので、セットで訪れてみてはいかがでしょうか。


個人的に興味深かったのは、歴代の聖火トーチを紹介したコーナー。




こんなにバリエーションがあったのですね。
毎回似たり寄ったりなのかと思いきや、
オリンピックごとに、全然デザインが違いました。




特にトリノ、バンクーバー、ソチの聖火トーチは、
ぱっと見、パナソニックの美容家電か何かかと思いました。
聖火トーチも進化しているんだなァ。


それから、オリンピアンの身体能力を体感できるコーナーも興味深かったです。




とりわけ衝撃的だったのは、
ウサイン・ボルトの100m走のオリンピックレコード。




目の前のレーンに、実際の足の運びがプロジェクションされるのですが・・・・・




撮影が追いつかないくらいに速い!
そして、歩幅が大きい!
このスゴさは、テレビの映像では伝わりません。
人間って、こんなに速く走れるものなのかと感動しました。
是非、日本オリンピックミュージアムで体験されることをオススメいたします。
星


ちなみに、会場の一角では、
そんな素晴らしい歴代の日本人オリンピアン全員の名前が紹介されていました。




その中には、もちろん今何かと話題のあのオリンピアンの名前も・・・・・。




大麻。ダメ。ゼッタイ。




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ものいう仕口-白山麓で集めた民家のかけら-

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先日は、京橋にあるLIXILギャラリーに行ってきました。
会場に所狭しと飾られていたのは・・・・・





木で出来た何やら。
これこそが、今展の主役 「仕口」 です。

仕口とは、柱と梁のように方向の異なる部材を、
臍 (ホゾ) という突起とホゾ穴で、直角 (時に斜め) に繋ぐ技法および、その部分のこと。
釘やかすがいといった金物はほとんど使わない、日本が世界に誇る伝統木造建築の技法です。
そんな仕口に魅せられた建築家の瀧下嘉弘さんのコレクションの中から、
江戸時代の職人がその持てる限りに技を込めて制作したものを紹介するのが、今回の展覧会。
その名も、”ものいう仕口-白山麓で集めた民家のかけら-” です。




出展されている仕口は、全部で16点。
すべて、福井県白山麓にあった築200年以上の古民家で実際に使われていたもの。
つまり、すべて実際に柱と梁のように方向の異なる部材を繋いでいたものです。

例えば、こちらの仕口。




一体どのように2つの木材をジョイントさせていたのでしょう?
大工経験が一切無いため、見当も付きません。。。
でも、ご安心を。
正解は、その裏側に。




ちゃんと図解で説明されています。
まずは図解を見せずに、仕組みを想像させて、
そのあとに、観客にどういう仕組みなのかを種明かしする。
謎解き要素もある展覧会でした。
ちなみに、解説曰く、この仕口が一番、「単純な仕口」 とのこと。
確かに、他の仕口はもっと複雑でした。
図解を見ても、まったく見当も付きません (笑)




・・・・・・・・ただ。
仕口の仕組みは、結局のところ、わからずじまいでしたが。
職人が己の持ちうる限りの技術と精魂を込めて作り上げた仕口は、
一つのアート作品として、純粋に惹きつけられるものがありました。





それは、どこか素朴な仏像の彫刻のようでもあり。
それは、どこか ”もの派” の作家のアート作品のようでもあり。
仏像に魂が宿るように、アート作品に芸術性が宿るように。
職人が手がけた仕口にも、生命が宿ることを実感させられる展覧会でした。
星
職人技とアート。
その2つを繋ぐ、まさに ”仕口” のような展覧会です。


ちなみに。
今回紹介されていた仕口の中で、
もっとも複雑だったのは、こちらの仕口。




あまりにも複雑すぎて、
何度、図解を見ても理解するのは無理でした。
ムズすぎ。




現在は、コンクリートで、基本的に何でも自由に作れてしまいます。
それは、もちろん便利で有り難いことなのですが、
その裏で、仕口のような職人技がどんどんと消えてしまっているのですね。
仕口は、こうして残ることがあるでしょうが、
コンクリートの破片は、きっと残らないことでしょう。
技術が進歩することは良いことなのですが、
アート界にとっては、そこまで良いことではないのかもしれませんね。

・・・・・などと、仕口から、いろいろなことを考えさせられました。
さすが、“ものいう” 仕口。




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ビンゴに関する説②

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水曜日



【検証2日目】

東京国立博物館の充実したコレクションのおかげで、
1日目は、かなり順調なスタートを切ることができました。
そこで、2日目も、コレクション展に狙いを定めることに。


ところが、頼みにしていた国立西洋美術館も、
東京国立近代美術館も、現在、休館中であることが判明アセアセ
そこで、都心から少し足を延ばし、八王子へ。
都内屈指の美術コレクションを誇る東京富士美術館で、ビンゴチャレンジです。




なお、残念ながら、この日は本館がお休み。
新館の常設展示室で数字を探します。




まず、見つけたのは、《ドーセット伯爵4世 エドワード・サックヴィルの肖像》




しかし、4は、昨日すでにゲットしています。
気を取り直して、新たな数字を探すも、
《アンリ4世、宰相シュリー、愛妾ガブリエル・デストレ》 に、




《皇帝ナポレオン3世》 に、




“ナンチャラ〇世” ばかりでした。。。
現時点でビンゴカードで空いていない数字の中で最も若いのは、23。
“ナンチャラ23世” なんているわけありませんでした。


ただ、肖像画は無いとしても、東京富士美術館には、
確か50~60番台の数字がタイトルに入ったターナーの海景画があったはず。
数字はうろ覚えなのですが、この常設展示室で、何度もその絵を目にしています。
その1点だけでも観られれば、八王子まで足を運んだ甲斐があったというものです。


・・・・・・・・が。
常設展示室をくまなく探せど、その作品は見つかりません。
どうやら現在は展示されていないのだそうです。
(検索禁止のルールがあるため、事前に調べることはできません)

ちなみに、館内のデータベースで調べてみたところ・・・・・




タイトルは、《ヘレヴーツリュイスから出航するユトレヒトシティ64号》 でした。
ビンゴカードに、64があるだけにショックを隠し切れません。
八王子からの帰路は、いつも以上に遠く感じました。


【検証3日目】

この日は、ブログの読者さんからの情報をもとに、
弥生美術館の “もうひとつの歌川派?! 国芳・芳年・年英・英朋・朋世” へ。




どうやら、こちらの展覧会の出展作品の中に、28があるとのこと。
早速、館内を探してみます。
すると・・・・・


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)


月岡芳年の無残絵の代表作、《英名二十八衆句》 シリーズがありました。
裸の女性が逆さ吊りにされ、無残に斬りつけられている。
普段なら、目を背けたくなる浮世絵ですが、
この日に限っては、絵の前で思わずガッツポーズを取ってしまいました (笑)

ちなみに、展覧会には他にも、
同じく芳年による 《新柳二十四時 午後時》 や、




芳年の師匠・歌川国芳の 《木曽街道六十九次之内 ツ家老婆 大久手》 や、




芳年の弟子・右田年英の 《名誉十八番・もみじ狩》 など、




意外と数字がありました。
がしかし、ことごとくビンゴカードにその数字が無し。
空振りが続きます。
もう他に無いかと諦めかけた次の瞬間、
一緒に数字を探してくれていた学芸員さんより、

「とに~さん、47がありましたよ!」

との報告が!

「本当ですか?!」

学芸員さんのもとに駆け付けると、
確かに、展示ケースの中に新出の数字がありました。
四十七士》




なんと、これにより・・・・・




もう一つ、斜めにリーチが完成しました!!

3日目にして、ダブルリーチ。
これはひょとすると、一週間かからずに、ビンゴ達成できるかもしれません。


・・・・・・・とはいえ、ビンゴに必要な数字は、71
62以上に、難易度の高い数字である気がします。

ビンゴチャレンジ企画に関する有益な情報をお持ちの方は、
引き続き、以下のメールフォームによろしくお願いいたします。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/




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ビンゴに関する説③

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水曜日



“美術品のタイトルに登場する数字で、
一週間以内に、ビンゴは完成するのか?”

という企画に挑戦中。




3日目までに登場した数字は、
13456712152847
残る数字は、若い方から順に、
212334354044
5556576264667172

果たして、これらの数字がタイトルに含まれる美術作品はあるのでしょうか?


【検証4日目】

この日は、アートツアーで、
東京都美術館の “ハマスホイとデンマーク絵画” へ。




さすがに、ハマスホイ作品のタイトルには、
2桁の数字は登場しないだろうと、期待をしていなかったのですが。
こちらのフォトスポットに使われている作品のタイトルが、
なんと、《室内—陽光習作、ストランゲーゼ30番地》 でした。
他にも、《カード・テーブルと鉢植えのある室内、ブレスゲーゼ25番地》 という作品も。




なるほど。
住所として、数字がタイトルに登場するパターンもあったのですね!
しかし、残念ながら、3025も手持ちのビンゴカードにはありませんでした。
あぁ、ハマスホイが、32番地か35番地に住んでいてくれたなら。。。


さて、このままでは、ビンゴが達成できそうにありません。
と、ここでふと思ったのですが、日本美術や西洋美術よりも、
現代アート作品のほうがタイトルに数字が使われているのでは?
そこで作戦を変更し、現代アート展にターゲットを絞ってみることに。
というわけで、アートツアー終わりで、
国立新美術館で開催中の “DOMANI・明日展2020” へ!




私の記憶が確かならば、展覧会の冒頭に、
タイトルに数字が入った作品が展示されていたはず。




ありました。
人の身体に刻み込まれた傷を接写した石内都さんの 《Scars》 シリーズです。




睨んだ通り、その作品タイトルに数字が登場していましたが・・・・・




26501346もビンゴカードには無し。
ついでに、その隣に、石内都さんの 《Mother's 25 Mar 1916 #46 が展示されていましたが。




25もビンゴカードにはありませんでした。


・・・・・・・・・・・。


まぁ、でも、まだそこまで傷ついてはいません。
なぜなら、私の記憶が確かならば、展覧会の最後にも、
タイトルに数字が入った作品が展示されていたはずです。





ありました。
日本を代表する写真家の一人、畠山直哉さんが、
東日本大震災の爪痕が残る樹木をとらえた 《untitled(tsunami trees)》 シリーズです。
《2018年1031日 宮城県亘理町》 や、
《2019年81日 宮城県仙台市》 というように。
23点すべてのタイトルに日付が入っています。

これは、1つくらいはビンゴカードに穴が開くはず!




・・・・・・・・・・のはずだったのですが。

何度、確認しても欲しい数字がありません (汗)
おいっ、嘘だろ??
ちなみに、全23点のタイトルは、以下の通り。

《2018年6月4日 宮城県気仙沼市》《2018年9月16日 宮城県石巻市》
《2018年10月31日 宮城県亘理町》《2019年3月8日 福島県浪江町》《2019年3月22日 岩手県陸前高田市》
《2019年5月10日 岩手県大船渡市》《2019年5月13日 岩手県陸前高田市》《2019年6月2日 宮城県石巻市》
《2019年6月3日 宮城県女川町》《2019年6月4日 宮城県石巻市》《2019年7月31日 宮城県仙台市》
《2019年8月1日 宮城県仙台市》《2019年8月1日 宮城県仙台市》《2019年8月2日 福島県南相馬市》
《2019年8月2日 福島県相馬市》《2019年9月14日 福島県楢葉町》《2019年9月15日 福島県浪江町》
《2019年9月24日 宮城県仙台市》《2019年9月24日 宮城県仙台市》《2019年9月25日 宮城県七ヶ浜町》
《2019年9月26日 宮城県石巻市》《2019年9月27日 宮城県気仙沼市》《2019年10月6日 岩手県陸前高田市》



こんなに数字があって、1個も穴が開かず!
もはや仕込みなのではないかと、自分自身でも疑いたくなるレベルでした。
しかし、やらせは一切行っていません。
これぞリアルガチです!

と、ここで今さらになって気が付いたのですが。
そういえば、自分の人生の中で、
ビンゴを揃えて何か景品を貰った経験は、2、3度しかありませんでした。

・・・・・・・・・・・・・・。

そう。僕は、恐ろしいほどにビンゴ運がない男。
もっともこの企画に向いていない人間だったのです!


【検証5日目】

持ち前のビンゴ運の無さから、1つも穴は開かなかったものの、
現代アート作品のほうが、タイトルに数字が含まれているという読みは当たっていました。
そこで、この日は東京都現代美術館へ。




“ミナ ペルホネン/皆川明 つづく” や、
“ダムタイプ|アクション+リフレクション” は空振りに終わりましたが。
地下1階で開催中の “MOTアニュアル2019” で、奇跡が起こったのです!




その奇跡は、2010年のVOCA賞を受賞した、
三宅砂織さんを紹介するコーナーで起こりました。




展示されていたのは、三宅さんの代名詞ともいうべきフォトグラム作品。
既存の写真を自らの手で陰陽反転して描き写し、
それをカメラを使わずに、印画紙の上に直接対象物を乗せて感光させた作品です。




タイトルは、《The Missing Shade 55-1
他にも、《The Missing Shade 56-1《The Missing Shade 57-1 が、
展示されており、なんと一気に50番台のすべての数字の穴を開けることが出来ました。


ありがとう、三宅砂織さん!


とはいえ、そこはビンゴ運の無い僕。
絶妙な具合でビンゴにはならず・・・。




ファイブリーチを完成させてしまいました。
ある意味、こっちのほうが難しいような (笑)


さて、その後、常設展示室に最後の望みをかけたのですが、
やはり、ここでもビンゴ運の無さを、存分に発揮することに。




会場の一角で紹介されていたのは、
豊嶋康子さんの 《パネル》 シリーズ。
こちらの作品もタイトルに、それぞれ数字が入っているのですが・・・・・





穴が開いたのは、《パネル #21 の1つのみ。




また一列、リーチが増えただけでした。
シックスリーチ。




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かこさとしの世界展 だるまちゃんもからすのパンやさんも大集合!

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現在、八王子市夢美術館で開催されているのは、
“かこさとしの世界展 だるまちゃんもからすのパンやさんも大集合!” という展覧会。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)


『だるまちゃん』 シリーズや 『からすのパンやさん』 シリーズで知られ、
2018年に惜しまれつつ、この世を去った絵本作家かこさとしの大規模な回顧展です。




今展では、デビュー作の 『だむのおじさんたち』 から、




おそらく日本一歯医者さんで見かける絵本 『はははのはなし』 や、




今なお名作絵本と評価される 『どろぼうがっこう』 、




そして、92歳で亡くなる直前まで制作に携わった科学絵本 『みずとは なんじゃ?』 まで。
(絵は、絵本作家の鈴木まもるさんが担当)




かこさとしの代表的な絵本の原画の数々が紹介されていました。
もちろん、彼の代表作中の代表作である『からすのパンやさん』 シリーズや、




『だるまちゃん』 シリーズもたっぷりと紹介されています。




てんぐちゃんやかみなりちゃんなど、いろんな友達と遊ぶだるまちゃん。
誕生当初は、ずんぐりむっくりとした達磨らしいフォルムですが。




シリーズ中盤あたりから、ボディが徐々にスッキリしていき・・・・・




最終的には、かなりシュッとした体形になっていました。




遊ぶことで、シェイプアップ。
だるまちゃんは、僕らにいろんなことを教えてくれます。


今回紹介されていた中で、個人的に一番印象に残った絵本は、『とこちゃんはどこ』 。




デパートや動物園、海水浴場など、人がたくさん集まる場所で、
両親が目を離した隙にどこかに行ってしまった “とこちゃん” を読者が探すという絵本です。
この絵本が発売されたのは、1970年。
『ウォーリーをさがせ!』 よりも前に、
日本では、こういう絵本が誕生していたのですね。
この当時、やっぱり、勝手にとこちゃんに丸つけたヤツもいたのでしょうか。
(出典:「勝手にウォーリーに丸つけんなよ」byふかわりょう)




なお、展覧会で紹介されているのは、かこ作品のごく一部。
彼はその生涯で、なんと600冊以上 (!) の著作を残しているのだそうです。
それも、ほとんどが子ども向けの著作。
なぜ、かこは、それほどまでに子どもたちのために全精力を注いでいたのか。
展覧会の冒頭では、その原点となった若き日のセツルメント活動も紹介されていました。




セツルメントとは、工場労働者などの生活を助けるボランティア。
当時、昭和電工という会社に研究者として勤務していたかこは、
週末になると、セツルメントに集まる子どもたちにオリジナルの紙芝居を披露していたのだとか。
そこでの体験が、のちの国民的絵本作家かこさとしを生むこととなったのです。
あの 『だるまちゃん』 のモデルも、セツルメントに集まる子どもたちなのだそう。
ちなみに、セツルメントの子どもたちは、
面白い作品だと、ちゃんと集まって笑顔で聞いてくれるものの、
面白くない作品だと、あっという間にどこかへ行ってしまったとのこと。
ビートたけしの浅草フランス座での下積み時代にも似た体験があったのですね。


展覧会を通じて、何よりも印象的だったのは、
会場にいるすべてのお客さんが、子どものような目で、かこさとしの絵を眺めていたこと。
誰もが、子どもの頃の気持ちに戻れる。
まさに “かこ” に戻れる、タイムマシンのような展覧会でした。
星星


なお、会場では、子どもの気持ちに戻れるのですが。
会場を抜けると、そこには素敵なかこグッズがいっぱい!




多くのお客さんが、大人に戻って、大人買いしていました。




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かこさとしの世界展 だるまちゃんもからすのパンやさんも大集合!

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奇蹟の芸術都市バルセロナ

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ガウディ、ピカソ、ダリ、ミロ・・・etc

建築界や美術界のスターを多数輩出した奇蹟の都市、それがバルセロナ。
そんな類まれなる芸術都市の魅力に迫るのが、
東京ステーションギャラリーで開催中の “奇蹟の芸術都市バルセロナ” という展覧会です。




展覧会場では、絵画を中心に、彫刻や家具、
さらには、宝飾品など多彩なジャンルの作品約150点が紹介されています。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)


その大多数が、バルセロナから来日したもの。
それも、一か所ではなく、個人蔵を含む各所から集められています。
これほどの作品が一堂に会しただなんて!
まさに、奇蹟の展覧会といえましょう。
星星


さて、そんな奇蹟の展覧会。
会場に入るとまず出迎えてくれるのが、こちらの伏し目がちな女性です。




作者は、彫刻家アウゼビ・アルナウ。
モデルは、バルセロナそのもの。
バルセロナという都市を擬人化した作品なのだそうです。
擬人化といえば、日本の伝統芸能かと思いきや、
100年以上も前にバルセロナで、擬人化がなされていたのですね。

ちなみに、アウゼビ・アルナウは、
当時のバルセロナを代表する彫刻家の一人とのこと。
もちろん、ガウディやピカソ、ダリ、ミロといった、
日本人にもお馴染みの巨匠の作品も展示されていましたが。
紹介されている作家のほとんどが、
アウゼビ・アルナウのように、「はじめまして」 なお方ばかり。
ただ、日本で紹介される機会が少ないというだけで、その実力は折り紙付きです!

個人的に一押しなのは、ルマー・リベラ。
くつろいだ姿の女性を描かせたら、
彼の右に出るものはいないのではないでしょうか。


ルマー・リベラ 《夜会のあとで》 1894年頃、カタルーニャ美術館 ©Museu Nacional d’Art de Catalunya, Barcelona (2019)


夜会から帰ってきたら、まず靴を脱ぐ。
足を組んで脱いでいる姿に、なんともいえないリアリティを感じます。
いつの時代も、女性は大変なのですね。
今日も一日お疲れ様です。
メディキュットをプレゼントしてあげたくなりました。

それともう一人、推したいのが、サンティアゴ・ルシニョル。
ピカソにも影響を与えたといわれる人物で、
若き日には、モンマルトルで芸術活動を行っていたバルセロナの巨匠です。


サンティアゴ・ルシニョル 《自転車乗りラモン・カザス》 1889年、サバデイ銀行 ©Banco Sabadell Collection


展覧会では、ルシニョル作品が数点紹介されていましたが、
どの作品からも、描かれた人物のキャラクターがちゃんと伝わってきました。
特に印象的だったのは、《ボヘミアン ― 室内のエリック・サティ》 (画面中央)




聴く人も弾く人も眠くなる曲 『ジムノペディ』 で、
お馴染みの作曲家エリック・サティを描いた一枚です。




なんでも、エリック・サティは、“人間嫌い” を自称していたのだそう。
そんな彼が、自室に誰かを招き入れるだなんて。
それも、その姿を描かせるだなんて。
レア中のレアケースなのだとか。
・・・・・・・とはいえ、この絵を見る限り、
完全にエリック・サティは、家に招き入れたことを後悔していますね。
自分の部屋なのに、隅っこのほうに避難しています。
すみっコぐらし。


ちなみに、今回の展覧会では、
都市の近代化が進んだ1850年代から約80年間のバルセロナがフィーチャーされています。
展覧会のラストを飾るトピックは、1930年代後半のスペイン内戦。
ピカソやダリ、ミロといった画家たちが、
スペイン内戦を契機に制作した作品の数々が紹介されていました。
(注:大人の都合で、会場風景を紹介することはできません。あしからず)

なお、スペイン内戦がきっかけとなった作品の中で、
もっとも有名なのは、やはりピカソの 《ゲルニカ》 でしょう。
国外はもとより、国内での貸し出しも禁止されている 《ゲルニカ》
もちろん今回の展覧会には出展されてはいません。

しかし!

東京ステーションギャラリーから、徒歩数分の場所にある丸の内オアゾの中に、
なんと実寸大かつ忠実に再現された 《ゲルニカ》 の陶板壁画が展示されているのです。




これもまた奇蹟。




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ビンゴに関する説~完結編~

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水曜日



“美術品のタイトルに登場する数字で、ビンゴは完成するのか?”

2月5日よりスタートし、毎日いろんな美術館を巡りましたが、
6日目 (月曜日) は、ほとんどの美術館が休館日のため、お休み。
最終日の7日目にすべてを賭けることにしました。


【検証7日目】

現時点で、6リーチ。
ビンゴするために必要な数字は、
233540627172の6つです。
この中でもっとも可能性が高そうなのは、23
タイトルに日付が使われている作品に狙いを定めます。

日付が使われている作品といえば、あの抽象画。
というわけで、ブリヂストン美術館、
改め、アーティゾン美術館にやってきました。




果たして、この賭けは、吉と出るのか。
それとも、凶と出るのか。




まず現れたのは、シスレーの 《サン=マメス月の朝》




6は初日にゲット済です。
続いて、現れたのは、ボッチョーニの 《空間における連続性の唯の形態》




しかし、やはり1も初日にすでにゲットしています。
他にも・・・




堂本尚郎の 《連続の溶解9 と、ジョルジュ・マチューの 10番街》 がありましたが。
ビンゴにはなりません。


と、ここで、いよいよ本命のザオ・ウーキーの作品が現れました。




そう、彼の作品タイトルは、数字だけで構成されているのです。
なお、それらの数字は、作品が完成した日の日付。
まさに、このビンゴ企画のためにあるような美術作品です。
・・・・・ということは覚えているのですが、
数字が覚えられず、タイトルは完全にうろ覚え。
23が含まれていたような??

さて、その肝心のタイトルは、《07.06.85 でした。

「・・・・・・・・・・カスってもないじゃん (泣)」


いや、でも、アーティゾン美術館には、他にも日付の絵画があります。
それは、ピエール・スーラージュの抽象絵画。
彼もまた、やはり完成した日の日付をタイトルによく付けています。
果たして、この作品のタイトルは・・・・・




《絵画 2007年326日》

「26かよ!!」

あぁ、スーラージュが、
あと3日早く作品を完成させてくれていれば。。。

もはやアーティゾン美術館に望みなし。
そう思った次の瞬間、いきなりその時はやってきました。





え~と、何々、《T1989-H35・・・・・・・・・35?!




ビンゴ!!





というわけで、7日目で、ようやくビンゴ達成!
見事、説立証となりました。
ありがとう、アンス・アルトゥング!
ありがとう、アーティゾン美術館!
僕は一生この絵を忘れることはないでしょう。




・・・・・・・・・が、実は、初日。
東京国立博物館内を探索していた際に、こんなことがありました。
武具を紹介するコーナーにて、





六十二間筋兜鉢》 という名前の兜と遭遇していたのです。

兜は美術品なのだろうか・・・?
美術品といえば美術品とも言えなくもないけど・・・・・う~ん。




だいぶ悩んだ末に、兜は美術品ではないという自己判断を下しました。


検証結果

兜が美術品なら、瞬殺だった。




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西野達 個展 やめられない習慣の本当の理由とその対処法

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寺田倉庫が運営する現代アートの複合施設TERRADA ART COMPLEX




その4階にあるギャラリー、ANOMALY (アノマリー) では、現在、
”西野達 個展 やめられない習慣の本当の理由とその対処法” が開催されています。




こちらは、国際的に活躍するアーティスト西野達さんの最新個展です。
ちなみに、「西野達」 と書いて、「にしのたつ」。
「にしのたち」 という複数形のユニットではないので、お間違えの無いように。
西野さんといえば、21_21 DESIGN SIGHTのギャラリー3、
その空間をまるまるカプセルホテルにしてしまったり (実際に泊まった方も)、

3
ホテル


あのシンガポールのシンボル、マーライオンを壁で囲い、ホテルの部屋にしてしまったり、





日本に限らず、世界各国の公共空間で、
誰もが思いも付かないぶっ飛んだプロジェクトを発表しているアーティスト。
あまりにもアートのスケールが大きいため、その長いキャリアに反して、
これまで室内で展覧会が開催されたことは、数えるほどしか無いのだとか。
今回の最新個展も、実に10年ぶりの開催となるそうです。
星


展覧会のコンセプトは、”屋外のものを室内に持ち込む” とのこと。
屋外のものを室内に取り込む、
普段の西野作品とは逆の発想で制作された作品が多く並べられています。




例えば、こちらの 《達仏ー仏陀は生きている(九尊仏)》 という作品。




素材は、なんと本物のサザンカの樹。
幹も枝も葉も、すべて本物です。
その先端部分をよく見ると、仏像が彫られています。




これらの仏が、タイトルにある ”達仏”。
有り難いような。そうでもないような。
一応、手は合わせておきました。


また例えば、《破壊されたギリシャ彫刻のフロアランプ、ヴィーナス》




こちらは、西洋の美の基準であるギリシャ彫刻の石膏像を、
ハンマーで破壊し、再構成したというアート作品にして、照明器具です。
西野さん曰く、ギリシア彫刻とは、その完璧なフォルムの陰影を自然光で眺めるものとのこと。
しかし、その常識も破壊すべく、人工のLED照明を付けたのだとか。
確かに、フロアランプなのに、フロアよりも、彫刻のほうを照らしていますね。


さてさて、何と言っても、会場で一番目を惹くのが、こちらの作品。
展覧会のタイトルにもなっている 《やめられない習慣の本当の理由とその対処法》 です。




大胆にカッティングされた車の上に、冷蔵庫やキャビネット、
ベッドやソファーが絶妙なバランスで積み上げられ、それらすべてを街灯が串刺しする。




冷静に言葉にして説明すればするほど、
「何だそれ?!」 と言いたくなる作品でした。
ちなみに、お値段は、1100ドルとのこと。
日本円にして、約12万円。
・・・・・・・・あれっ?意外と安い?!
頑張れば、買えなくもない金額です。


と、一瞬ダマされそうになりましたが (←?)。
買ったところで、これをどこに置くというのか。
そもそも、どう運ぶというのか。
衝動買いしなくて、良かったです。


ちなみに。
部屋に飾りやすい写真作品も数点ほど、紹介 (販売) されていました。
こちらは、代表作の 《The Life’s Little Worries of Général Mellinet》




フランスのナントの広場で撮影されたという写真作品です。
とある将軍の像の上に積み重ねられているのは、彼の人生を綴った文献に登場する要素の数々。
合成写真のように見えますが、さにあらず。
それらの品々をワイヤーで固定し、上からクレーンで吊っているのだそうです。
遠い将来、自分の像がこんな目に遭うとは、
この将軍は夢にも思っていなかったことでしょう。

他にも、CG無しの写真作品2点が紹介されていました。




タイトルは、それぞれ 《女神》《楽しくないと言えば嘘になる》
清々しいくらいに、馬鹿馬鹿しい作品でした。
見る分には、楽しいです。
さすがに、自分が被写体になりたくはないですが。
・・・・・・・いや、まったくやりたくないと言えば嘘になります。




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