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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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密ですアート

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ここ最近、テレビ番組を観てる際に、
人がたくさん集まっているシーンが映ると
「密だなぁ」 と感じてしまうことが多々あります。
緊急事態宣言が発令される前に収録されたものだと、
頭ではもちろん理解しているのですが、どうしても感じてしまうのです。
おそらく、しばらくはこの感覚と付き合うことになるのでしょう。



・・・・・・・・・・であるならば。
今後しばらくは、オランダの集団肖像画や、




ミケランジェロの 《最後の審判》 を鑑賞する際に、




「密だなぁ」 と感じてしまうのでしょう。
昨年までは、そんな感想を一切抱かなかったというのに。
レオナルド・ダ・ヴィンチの 《最後の晩餐》 を鑑賞する際にいたっては、




「一緒に会食に行く弟子の数を減らさないと」 とか、
「このお店は、ちゃんと20時に閉まるのかな?」 とか。
そんな感想を抱いてしまうかもしれません。


ということで今回は、美術界における密な作品を集めてみました。
都知事でなくとも、「密です!」 と思わず言いたくなる絵画の数々です。


●ウジェーヌ・ヴーダン 《浜辺の風景》




今も昔も、人は浜辺に集まるもの。
湘南のビーチも大変なことになっていましたが、
フランスのこのビーチにも、やはり大変なことになっていたのでしょうか。



●ヤン・ブリューゲル(父) 《山上の垂訓》




何かのフェスな??
そう思ってしまうくらいに人が集まっています。
よく見ると、青いものを身に付けた人が目立ちますね。
彼らの推しメンのイメージカラーは、きっと青なのでしょう。



●エイドリアン・ファン・デ・ヴェンネ 《Fishing for souls》




見渡す限り、人・人・人。
コミケの行列を彷彿とさせるものがあります。
船の中も、とんでもなく密集状態です。
乗船率は間違いなく200%を超えていますね。





●デニス・ファン・アルスロート
 《ブリュッセルのオメガングもしくは鸚鵡の祝祭:職業組合の行列》




2018年に開催された “プラド美術館展” で出合った衝撃的な作品。
外も密。内も密。
クラスターになるのは確実です。



●橋本貞秀 《東都両国ばし夏景色》




日本の美術界にも、もちろん “密ですアート” はあります。
その中でも群を抜いて、密なのがこちらの浮世絵。
隅田川は、舟でかなり密に。
さらに、橋の上をよく見てみると・・・・・・




たくさんの人が描かれているのがわかります。
決して、ポップコーンの種ではありません。
これだけ密集していると、もはやコロナとか関係なく不安になります。



《阿弥陀聖衆来迎図》




たくさんの菩薩を引き連れて、阿弥陀様が迎えに来てくれる。
これまでであれば、それを有難く感じたのでしょうが。
今だけは、「いやいやいや、そんなに大勢で来ないでよ (汗)」 となること必至です。
阿弥陀様も集団感染にはお気を付けくださいませ。



●ヘクター・ジャコメリ 《鳥の止まり木》




記事を読んでいる方に、
「密だなぁ」 と不安を煽ってばかりいるのもなんなので。
ここらで可愛らしい “密” をご紹介しましょう。
鳥の世界には、ソーシャルディスタンスはないようです。



●ビンビ(バルトロメオ・デル・ビンボ) 《さくらんぼ》




密な静物画ばかりを描く画家。
それが、バルトロメオ・デル・ビンボ。通称、ビンビ。
さくらんぼが、密。
密すぎて、観てるだけで胸焼けがしてきました。



他にも、まだまだ “密ですアート” はありますが。
“密ですアート” が密になるのもなんなので、本日はこれまで。
皆さま、しばらく密を避けて、乗り切りましょう。




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ポスター貼りの流儀

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本家 (?) である “日曜” のほうでは、
まず取り上げられないであろう美術館のニッチなトピックを紹介するコラム。
それが、『月曜美術館』。
おかげさまで、いくつか連載を担当していますが、
一番長く続いているのが、この 『月曜美術館』 です。
2015年の8月にスタートしたので、今年でいよいよ6年目に突入します。




さて、この 『月曜美術館』 は、
アートファンのための会員制クラブ、アーチクラブの会報誌 「arch」 の連載であるため、
一般の方の目に触れる機会は、ほとんど無いのですが。
美術館に行きたいのに行けない。
そんなSTAY HOME週間に、皆さまに少しでも美術館情報を伝えたく、
「arch」 の編集長さんと、毎回素敵にレイアウトしてくださるデザイナーの新貝直人さんと、
過去の記事を特別に公開してよいか打診したところ、快諾してくださいました。

文章はさすがに字が小さくて読めないと思うので、
改めて、文字起こししたものを下に記載しておきます。
(注:読みやすいように多少リライトしています)

さて、どの記事も個人的には想い出深いのですが、
初回となる今回は、三井記念美術館を取り上げた回をご紹介。
あまりにニッチ過ぎて、学芸員さんや広報さんも、
この記事を通じて初めて、ポスター通りの秘密を知ったのだそうです。


(注:展覧会は終了しております)


日本橋の三井本館7階に位置する三井記念美術館。
レトロなエレベーターに乗って、7階へ。
かつて重役用の食堂だった部屋の雰囲気を活かした展示室で、美術展をたっぷりと堪能。
満たされた気分で、展示室の出口からエレベーターへと向かう、
その廊下部分で、あなたはちょっと不思議な光景に出くわすはずです。
数名のお客さんが足を止めて、廊下の両側の壁をじっと見つめています。
皆さまの視線の先にあるのは、ポスター。
他館で開催中の展覧会ポスターが、壁一面にズラリと貼られているのです。
数えてみたところ、ざっと80枚以上のポスターが貼られていました。
人気の展覧会のポスターもちらほらありますが、
日本各地のマイナーな展覧会のポスターも多く貼られています。
また、中には、動物園のポスターも (取材は2019年1月中旬)。
ここは、通称ポスター通り。
おそらく日本で一番展覧会のポスターが密集している場所です。
この通りでしか目にできないポスターも多く、
それを楽しみにしている熱心なお客さんも少なくないのだとか。

しかし、これほどの数のポスターを誰がどのように貼っているのでしょう?
その質問に答えてくれたのは、三井記念美術館運営部の大澤さん。
前任から引き継ぎ、3年前からたった一人でポスター通りを管理している人物です。

―ぶっちゃけ、これだけ数が多いと、把握しきれないんじゃないですか?

「いえいえ。ポスターを貼る位置には、
 端から順に、1、2、3・・・と、いわば住所のようものがありまして。
 その位置に何のポスターが貼られているかをデータ化し、パソコンで管理しています。
 会期終了日の情報もデータに入れてあるので、その日を迎えたら剥がし、
 たくさんある控えのポスターの中から適したものを選んで貼っています。」

―適したもの?ということは、何かポスターを貼るルールがあるんですか?

「はい。実はあります。
 ポスター通りの入り口には、開催中の展覧会に関連するものを貼るようにしています。
 例えば、今は “国宝 雪松図と動物アート” が開催中なので、
 まずは動物繋がりで、あえて動物園のポスターを貼りました。
 続くエリアでは、動物が登場する展覧会を選んで貼っています。」

―なるほど。あれっ?でも、これらの展覧会は動物関係ないですよ!

「あぁ、それは、(指さして) こっちにカエルが、こっちに鳥が描かれていたので」

―そういうパータンもあるのですか(笑)。遊び心満載ですね。

「女性用化粧室の近くには、次の展覧会の予告をかねて、連想できるものを選んでいます。
 4月20日から “円覚寺の至宝” が予定されているので、
 今回は、仏教美術関連の展覧会ポスターを並べてみました。
 ポスター通りのクライマックスには、
 やはり三井記念美術館は茶道具のコレクションに定評のある美術館なので、
 茶道具関連の展覧会のポスターを。
 ちなみに、大トリは毎回、樂美術館さんのポスターと決めています。」

―まさか、ポスターの並びに、そんなストーリーがあったなんて!
 今まで何度もこの場所を通っていますが、気づきませんでした。


「気にしないでください。たぶん、館の人も気づいてないですから(笑)」

かくしてポスター通りでは、
今日もプロフェッショナルの手によって、ひっそりと新たなドラマが生まれている。



【この記事を振り返って・・・】
後日、この記事を読んだ大澤さんより、
是非、この記事をポスターにしたいとの連絡がありました。
おそらく今でも、ポスター通りにこの記事のポスターが貼ってあるはずです(笑)




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この部屋を除かないでください!

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本家 (?) である “日曜” のほうでは、
まず取り上げられないであろう美術館のニッチなトピックを紹介するコラム。
それが、『月曜美術館』 です。
アートファンのための会員制クラブ、アーチクラブの会報誌 「arch」 での連載なのですが。
美術館に行きたいのに行けないSTAY HOME週間ということで特別に、
「arch」 の編集長さんとデザイナーの新貝直人さんが、過去回の公開を快諾してくださいました。

今回紹介するのは、昨年10月に起きた浸水のため、
コロナ騒動よりも前から臨時休館を余儀なくされたホキ美術館を取り上げた回です。
ホキ美術館親善大使ならではの視点で書いた記事だと、我ながら自画自賛しております。
タイトルに関しても、自画自賛です (笑)
ホキ美術館が無事再開した際には、この部屋にも是非注目してみてくださいませ。




近年、写実絵画が大ブーム。
その火付け役ともいえるのが、2010年に千葉県にオープンしたホキ美術館です。
上皇ご夫妻の肖像画で話題となった写実絵画界の第一人者・野田弘志さんを筆頭に、
ベテランから注目の若手作家まで、約480点の写実絵画を所有する ”写実の殿堂” です。
近年では、同じく写実絵画を専門とするバルセロナのMEAM、
ヨーロッパ近代美術館と提携し、初の交換展を実現させました!
昨年秋にMEAMで開催されたホキ美術館コレクション展は、現地で大好評を博したそう。
日本が世界に誇る美術館の一つと言えましょう。

そんなホキ美術館には、スペースの約半分が宙に浮いているギャラリー1や、
日本の写実絵画界を代表する画家が描きおろした大作を展示するギャラリー8など、
全部で8つの個性的な展示室が存在しています。
その中に一つ、不思議な展示室が。
それは、ギャラリー5。
板谷波山や富本憲吉らの陶芸作品が展示された小さなスペースです。
テレビや雑誌などメディアで取り上げられる機会が多いホキ美術館ですが。
このギャラリー5に関しては、まったく写実と関係ないためスルーされがち。
そこで今回は、そんなイジられたことがない展示室を、あえてフォーカスしてみます!
保木博子館長に、直撃取材してきました!

―これまでギャラリー5を取り上げた取材ってありましたか?

「今回が初めてです(笑)」

―何で陶芸作品がコレクションに加わっているのですか?

「森本草介先生の 《横になるポーズ》 に出逢って以来、
 創設者である父は写実絵画を集めるようになりました。
 それからしばらくして、某番組で板谷波山が紹介されているのを目にして、
 また 『これだ!』 と直感したらしく、波山の作品も集めるようになったんです。
 その後、富本憲吉の名品にも巡り合って、
 さらに若手作家の作品にも興味を持って・・・・・で、陶芸熱は冷めました (笑)
 以来、ずっと写実絵画一筋です」

―写実絵画専門の美術館なのに、どうして陶芸作品を展示することにしたのですか?


「実は、あのスペースはもともとカフェにする予定だったんです」

―言われてみれば、大きなガラス面からちょうど宙に浮く回廊が見えて、眺めが抜群ですね!

「でも、カフェを別の場所に作ることになり、あのスペースが余ってしまったんです。
 日が差し込むため、絵画を飾るには不向きで。
 それで、陶芸作品を展示することにしました」

―あの展示室に関して、お客さんの反応って、どんな感じですか?

「やっぱり、“何で急に陶芸??” って疑問に感じて、
 そのままサーッと引き返していくお客様が多い気がします (笑)
 でも、“写実絵画よりも、波山の作品が良かった!” という感想を頂いたことも」

ちなみに、ギャラリー5の陶芸作品は常設のため、不動とのこと。
これまでに日本各地の美術館で、ホキ美術館コレクション展が何度も開催されていますが。
陶芸作品が貸し出されたことは一度もありません。
ホキ美術館の陶芸作品が観られるのは、ホキ美術館だけです。

なお、そんな陶芸作品は、ポストカードの売行きも不動の最下位。
ついには、スペースの関係上、ショップから撤去されてしまったのだそう・・・。
しかし、ここまでを読んで陶芸作品のポストカードが欲しくなった皆さま、朗報です。
店員さんにその旨お尋ね頂ければ、販売してくれることになりました!



【この記事を振り返って・・・】
臨時休館のため、今はそもそもポストカード自体が買えないだなんて。
この記事を書いた時には、想像すらしていませんでした。
開館したら、陶芸作品のポストカードを買います!
(取材した日も、買おうとは思わなかったのでw)




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天野太郎という男

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本家 (?) である “日曜” のほうでは、
まず取り上げられないであろう美術館のニッチなトピックを紹介するコラム。
それが、『月曜美術館』 です。
アートファンのための会員制クラブ、アーチクラブの会報誌 「arch」 での連載なのですが。
美術館に行きたいのに行けないSTAY HOME週間ということで特別に、
「arch」 の編集長さんとデザイナーの新貝直人さんが、過去回の公開を快諾してくださいました。

今回紹介するのは、連載の中では異色の回。
僕がアートテラーとして、横浜美術館でデビューを果たす。
そのきっかけとなったとある学芸員について紹介した回です。




世界でただ一人の職業、アートテラー。
その誕生の裏には、一人の学芸員さんの存在がありました。
話は今からちょうど12年前、まだ現役で芸人をやっていた頃に遡ります。
当時mixiで書いていた美術展レビューが一部の人たちにウケて、
その方々向けのトークイベントをひょんなことから横浜美術館で開催することに。
窓口となってくれた学芸員さんとのち合わせを終えると、
そこに、ヤ〇ザのような強面の男性が近づいてきました。
そして、僕の前に立つなり、こう言い放ったのです。

「お前か、オモロいことやるって芸人は?」

いきなりわけのわからないオッサンにスゴまれて、言葉が出ない僕。
そんな僕にお構いなしに、その男性は、

「お前、横浜美術館の顔に泥を塗るなよ!」

と言い捨て去って行きました。
これが横浜美術館主席学芸員 (当時)、天野太郎さんとの出会いです。

さて、イベント当日。
ふと気づくと、天野さんがいつの間にか会場の後ろに立っていました。
しかも、ジロリと睨んでいます。
なるべく目を合わさないようにしながら、どうにかこうにかイベントは終了。
すると、天野さんが僕のところに、つかつかやってきて、こう言ったのです。

「まぁまぁオモロかったわ。今度、うちのお客さん向けにもトークしてくれんか?」

このことがきっかけで公式に横浜美術館でトークイベントをする運びとなりました。
ただこの時、僕はまだ某お笑い事務所に所属していたので、闇営業となってしまう可能性も。
そこで、芸人以外の肩書を作ろうという流れになりました。
「よっしゃ、俺に任せとけ」と、妙に張り切る天野さん。

「そうだな、『美術漫談師』ってどうや?」

・・・ダサっ!

マズい、このままでは妙な職業名を付けられてしまう (汗)
そう追い込まれた結果、閃いた名称が、
美術の語り部=アートテラーだったのです。
ちなみに、その公式デビューイベントの結果はというと、緊張のせいでズタボロもズタボロ。
噛むわ。早口になるわ。台詞を忘れるわ。
終演後に、

「お前、お笑いなめとんのか!」

と芸人の先輩にも怒られたことないくらいに、天野さんに怒られました。
でも、あの叱責があったからこそ、今の僕があることは確か。
そういう意味では、天野さんはアートテラーの父、いやアートテラーの義父なのです。
(↑偶然にも父と同じ年齢!)

さてさて、あれから場数も踏んで、多少なりとも成長したはずなのですが。
今でも天野さん会うたびに、「オモンない」「もっと勉強せぇ」 と言われています。
正直、腹が立ったことは何度もありますが、
天野さんの美術に対する情熱、知識量を知っているだけに、ぐうの音も出ません。
そんな天野さんは現在、拠点を横浜美術館から、
横浜市民ギャラリーあざみ野に移し、精力的に展覧会を発信しています。
(人間的にはともかくも、展覧会はどれも素晴らしい!)。

徹底的に現場主義にこだわり、
次世代の現代アーティストを発掘すべく常に日本中を飛び回り、
業者に交じっては、自らトンカチトンカチ会場を設営しています。
そして、毎晩のように若手アーティストや美術関係者と酒を酌み交わしています。
いつ休んでいるのか、時に心配になるほど。
僕も美術に人生を捧げていますが、お義父さんにはまだまだ適いません。



【この記事を振り返って・・・】
今もなお、天野さんは横浜市民ギャラリーあざみ野で学芸員をされていますが。
この冬開催予定の札幌国際芸術祭2020の総括ディレクターに就任されています。
無事に開催できますように!
ちなみに、改めて読み直したら、
2017年の記事なのに 「闇営業」 って言葉を使ってましたね (笑)




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ダリとTシャツと私

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本家 (?) である “日曜” のほうでは、
まず取り上げられないであろう美術館のニッチなトピックを紹介するコラム。
それが、『月曜美術館』 。
アートファンのための会員制クラブ、アーチクラブの会報誌 「arch」 での連載ではありますが。
美術館に行きたいのに行けないSTAY HOME週間ということで特別に、
「arch」 の編集長さんとデザイナーの新貝直人さんが、過去回の公開を快諾してくださいました。

本日お届けするのは、ダリに関するお話。
日本全国のダリファンのハートを掴んで離さないあるグッズについて深掘りしました。




福島県の裏磐梯高原に、
日本全国からダリファンが集う、
ダリファンの聖地のような美術館があります。
その名は諸橋近代美術館。
大型スポーツショップSUPER SPORTS XEBIOでおなじみ、
「ゼビオ」 を創業した諸橋廷蔵氏 (1934~2003) のコレクションをもとに、
1999年に開館したアジア最大級のダリ常設美術館です。
ダリファンのお目当てはもちろん、世界でも3本の指に入るダリコレクション。
特にダリの彫刻コレクションには定評があり、
それを見るために毎年足繁く通っているダリファンも少なくありません。

また、コレクションと同じくらいに、
ダリファンが楽しみにしているのが、ここでしか買えないオリジナルのダリグッズです。
会津の伝統的な紋様とふにゃふにゃした時計がコラボした扇子や、
1枚1枚図柄が違うというアリ柄の角皿も人気グッズだそうですが。
不動の人気を誇っているのは、毎年新作が発表されるダリのTシャツ。
通称、ダリTです。
毎年、ほぼ完売。
昨年は900枚を完売したそうです。
そんな大人気のダリTの秘密を、学芸員の大野方子さんに伺ってきました。

―デザインで心掛けていることはありますか?

「ダリというと過激なパフォーマンスで知られた人ですが、
 一方で人を驚かせることを楽しんでいた人だと思うので、
 そういったダリの性格や色がデザインに出せればと。
 また、ダリTを見て展覧会を思い出してもらえるように、
 その年の展覧会のテーマに沿ったデザインを心掛けています。
 例えば、イギリスの作家を取り上げた年のダリTは、
 ダリのトレードマークでもあるヒゲをユニオンジャック柄に。昨
 年は、“食” をテーマにした展覧会だったので、
 ダリのヒゲがパスタのようにフォークに絡め取られているデザインを採用しました」

―ちなみに、大野さんの一番お気に入りのダリTは?

「思い入れが一番強いのは、当館へ着任した私が最初に袖を通した2013年のダリT。
 まだらのアニマル模様のヒゲのデザインです。
 動物と言えば、ダリはオセロットというネコ科の動物を飼っていたことがあります。
 ちょうどこのようなまだら模様で、小型の豹みたいな見た目の動物です。
 『バブー』 という名をつけて可愛がり、どこにでも連れて出かけたのだとか。
 普通の家猫じゃないのが、さすがダリですよね!
 クラシカルを貫いたダリのヒゲと、
 派手なアニマル模様のミックスが楽しい一枚です。」

・・・あ、熱い。
実は、大野さん。寝ても覚めてもダリのことを考えているという人物。
一度話し始めると、ダリ愛が止まらなくなる名物学芸員さんです。
せっかくなので、ダリの魅力も伺ってみることに。

「お騒がせの芸術家というイメージが強いですが、
 とんでもなく繊細な一面も持ち合わせています。
 そうしたギャップがダリの大きな魅力です。
 皆様にも、ぜひ作品やダリTを通して、
 彼の人間的な側面を知って頂けたらと思っています!」

さて、気になる最新ダリTには、
現在開催中のダリとエッシャー、福田繁雄とのコラボ展 (注:展覧会は終了しています) に合わせて、
エッシャーの作品にインスパイアされたデザインが採用されました。
ちなみに、打ち合わせの際に館長が、
Tシャツを着ているのに裸に見えるだまし絵風なデザインを提案したようですが、
その場で却下されたとのこと。
ダリTに妥協なし!


【この記事を振り返って・・・】
この記事を書いた翌年、つまり去年に、代官山蔦屋書店にて、
大野さんと 「恋のダリ騒ぎ」 と題したトークショーを行いました。
(その詳細は、こちらに→20周年出張トーク【ダリナイト 〜恋のダリ騒ぎ〜】
1年ぶりにお会いした大野さんは、
ダリに対して、ちょっとした倦怠期に突入していました (笑)




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1000年に1つのゆるキャラ

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アートファンのための会員制クラブ、アーチクラブの会報誌 「arch」 での連載ではありますが。
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さてさて、本日は、『月曜美術館』 の過去回を紹介する最終日。
東京国立博物館は意外とドラマや映画のロケ地になっているということを紹介した回や、
ミュゼ浜口陽三ヤマサコレクションでしか食べられない㊙アイスをフィーチャーした回など、
まだまだ紹介したい回はたくさんありますが。
こんな状況ですので、紙面が一番ポップだった記事を取り上げたいと思います。




太宰府天満宮のすぐ隣にある九州国立博物館。通称、九博。
東京、京都、奈良に次いで、108年ぶり (!) に新設された国内4番目の国立博物館です。
収蔵品は年々増加し、今や1500件を数えるほどに。
そんな九博コレクションの中で絶対にムシすることが出来ないのが、『針聞書』。
戦国時代に元行なる人物によって書かれた医学書です。
針の打ち方や人体解剖図、そして、当時、
病気の原因と考えられていた虫たちがその特徴や治療法とともに記載されています。
虫とはいっても、蚊やヒアリといった実在の虫ではなく。
肝臓に棲み人を怒りっぽくさせる 「肝積」 や、
普段は肺に棲み人の身体を抜け出しては気絶させる 「肺虫」 など、
体内でいろいろな悪さをする架空の 「はらのむし」 です。
いたって真面目な医学書なのですが、
想像で描かれたという虫たちの姿は、どう見てもゆるキャラ。
笑わずにはいられません。

開館当初からジワジワ話題だったという 『針聞書』。
さらなる人気アップを目指して、
九博はあらゆる手段で 「はらのむし」 を猛プッシュしています。
その熱中ぶりは、まさに “「はらのむし」の虫” といえましょう。

まず驚かされるのが、ミュージアムショップにあるオリジナルグッズの数々。
ディ●ニーストア並のグッズ展開です。
ノートやペン、小瓶に入ったフィギュアなど、常時10種以上のアイテムが販売されています。
売れ筋は、マスキングテープと付箋。
過去には、ぬいぐるみもあったそうですが、こちらは完売してしまったそうです。
なお、「はらのむし」 は全63種類。
その中でよくグッズ化されるのは、
毎年開催される人気投票 (←AKB48か!) で上位に選ばれる7匹 (←神7か!) とのこと。
ちなみに、職員の久保田さんの推し虫は、ベロを出した姿がキュートな蟯虫だそう。
ただ、コイツはたまに身体を抜け出して、
その人の悪事を閻魔様に告げ口するのだとか。
可愛い姿に油断しませぬように。

さらに、九博は、グッズ展開だけに飽き足らず、
2016年には公式ソングとして、『はらのむし体操』 を制作しています。




歌詞、楽曲、振付ともにオリジナル。
HPで動画を公開するのはもちろん、
九博の館内で 『はらのむし体操』 を来場者で踊るイベントを何度も開催しているそうです。
そして、今年はついに 「はらのむし」 を主人公にしたオリジナルアニメを制作!
しかも、ただのアニメではなく、
今話題の映像スタジオ、モンブラン・ピクチャーズとタッグを組んだ本格的なアニメです。
こちらもHPで公開されています。




5話すべて面白いですが、個人的には最終話が特にオススメ。




国立の博物館が、ここまで笑いに走るだなんて!
九博そのものに何かの虫が棲みついてしまったのでは、と若干心配になりました (笑)

そんな九博のこれまでの努力が実り、
今では子供から大人、そして、本職の鍼灸師さんまでが、
『針聞書』 を目的に九博を訪れるほどの看板作品になっているそうです。
作品保護のため、普段は精巧に作られた複製品が展示されていますが、
年に1か月ほどは実物の 「はらのむし」 にお目にかかれるそうですよ。
なお、毎年公開する日は3月の啓蟄からと決まっているそう。
なるほど。虫が出てくる日だけに。


【この記事を振り返って・・・】
去年の夏、九州国立博物館を初訪問しました。
なので、「はらのむし」 の本物たちには会えず。
今年、彼らに逢いに行こうと計画していたのですが、コロナのせいで・・・・・。
『針聞書』 の中に、コロナの退治の仕方は載ってないのかしら?




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鉈が頭に刺さったままでもなんか平気そうな奇跡

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美術の世界には、奇跡を起こしたヒーローが数多く存在する。
もしも、そんな彼らにヒーローインタビューを行ったなら・・・?





インタビュアー (以下:イ) 「放送席、放送席。
                 こちらには、ペテロさんにお越し頂いております」

ペテロ (以下:ペ) 「サン・ピエトロ大聖堂でお馴染みの聖ペテロじゃないほうのペテロです。
             よろしくお願いします」

イ 「確か、イタリアのヴェローナ出身なんですよね?」

ペ 「そうなんです。
  それで、あの聖ペテロさんと区別して、ヴェローナの聖ペテロと呼ばれています」

イ 「ところで、あのぉ・・・・・・・。
  僕の見間違えでなければ、そのぉ・・・・・ペテロさんの胸に・・・・・・・」

ぺ 「あぁ、はい。剣が刺さってますよ」

イ 「もう一つ、見間違えでなければ、そのぉ・・・・・ペテロさんの頭に・・・・・・・」

ぺ 「あぁ、はい。鉈が刺さってますよ」




「いや、大丈夫なんですか?!」

ペ 「あ、はい。まぁ、なんとか」

イ 「めっちゃ血が出てますけど」

ペ 「あぁ、これですか?あとで洗濯するんで大丈夫です」

イ 「いや、服の心配じゃなくて!というか、一体、何があったんですか?」

ぺ 「私はその昔、ドミニコ会の修道士をしてたんですけどね。
  ある時、ミラノで布教をしていたら、いきなり背後から暗殺者たちが現れまして」


ジョバンニ・ジローラモ・サヴォルド 《聖ペテロの暗殺》


イ 「怖っ」

ペ 「持っていた剣で私の胸をブスッと一刺し」

イ 「うわぁぁぁぁぁぁぁ」

ぺ 「さらに、鉈で私の頭をパッカーンと振り下ろしたんです」

イ 「うへぇぇぇぇぇぇぇ」

ぺ 「これはもう死んだなと思いまして、
  そこで最後の力を振り絞って、地面に血文字を書こうと」

イ 「いわゆるダイイングメッセージってヤツですね!何て書いたんですか?」

ペ 「いえ、『私は神を信じます』 と書きました」


ジャン・ブルディション 《聖ペテロ》


「何でだよ?!犯人の名前とか特徴を書けよ!」

ペ 「そういうのを書いたほうがいいんですか?」

イ 「まぁ、普通はそうですよね」

ぺ 「とはいえ、あえて犯人の名前を書かなかった、
  というところが評価されて、私はその死後、聖人となったのです」

イ 「死後?ということは、剣や斧が刺さっても、
  なんとか間一髪助かったっていうわけじゃないんですね??」

ぺ 「そりゃそうですよ。さすがにこれだけ刺さったら死にますよ」

イ 「・・・・・・・・・・。」

ペ 「ハリウッド映画の悪役じゃないんですから。ハハハ」

イ 「・・・・・・ん?あれ?じゃあ、何で今も剣と斧を刺しっぱなんですか??」


ロレンツィオ・ロット 《聖ペテロ》


ペ 「それはですね。剣と斧で殺されたっていうのが私の人生の最大のエピソードでして」

イ 「はぁ」

ぺ 「まぁ、ぶっちゃけていえば、キャラ付けですよね。
  剣と斧で殺されたキャラ」

「何そのキャラ?!」

ぺ 「なので、まぁ、もうあれ以来ずっと刺しっぱなし。
  この格好していれば、一目で僕だとわかるので」

イ 「それはそうでしょ。他にそんなイカれた聖人はいないんですから」

ペ 「そうですか?僕はもうすっかりこの格好に慣れちゃいましたが。アハハ」

イ 「いや、こっちが慣れないですよ!」

ペ 「そうですか?この前、幼いキリストさんと、
  マリアさんに逢ってきたんですが、普通に対応してくれましたよ」

イ 「本当ですか?」

ぺ 「はい。あっ、これがその時の様子です」


ロレンツィオ・ロット 《聖ペテロ》


イ 「いやいやいや!完全に目を合わせないようにしてるじゃん!
  2人とも危ねぇヤツが来たって感じの表情してますよ」

ペ 「そうですか?」

イ 「(これ以上、関わるのやめよ)
  こちらからは以上です。放送席にお返しいたします」




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アートで一言 ~オスロ国立美術館編~

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美術館に行きたい!
・・・・・・・でも、行けない。

そんな時は、インターネット上で美術鑑賞を。
太っ腹にも、その膨大なコレクションを、
無料公開している世界各国の美術館のサイトを訪問してみましょう。

本日訪れてみたのは、オスロ国立美術館のコレクションページ
ノルウェーの国民的画家ムンクの傑作 《叫び》 をはじめ、
4万点以上のコレクションをほこるノルウェー初の国立美術館です。
そんなオスロ国立美術館のコレクションの中から、
厳選した作品の数々で、『アートで一言』 をしてみました。


●ラオリツ・アンデルセン・リング 《天窓を眺める少女》 1855年




『情熱大陸』 のワンシーン



●テオドール・キッテルセン 《アスケラッドとキツネ》 1900年




「あの時、助けて頂いたキツネです」
「・・・・・・・普通、化けて出てこない?」




●テオドール・キッテルセン 《アスケラッドと熊》 1900年




「え~っと、お嬢さんが現れたら、
まず、『お逃げなさい』 って言うんですよね?」
「そうそう。そのあと、お嬢さんを追いかけて、
 この白い貝殻の小さなイヤリングを渡してね」




●オラツィオ・ジェンティレスキ 《聖母と幼いキリスト》 1528年




あ、もう夕食は済ませてきたんで



●エーリック・ヴァーレンショルド 《Den gamle statist og ertekrokene》 1917年




横山弁護士



●フランチェスコ・グアルディ 《サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂》 18世紀




ワイプで抜かれていることに全然気づいていない



●フリッツ・フォン・ウーデ 《俳優》 1893年




♪濡れたまんまで、イッちゃって~
 で、このタイミングでタオルを振り回すのね




インターネット上もいいですが、やはり実物を観たいものですよね。
少しでも早く美術館が再開することを願ってやみません。




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【告知】 現在募集中のアートツアー 【告知】

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注:新型コロナウイルスの影響により、通常のアートツアーはしばらく中止とさせて頂きます。
再開は状況を見て判断いたしますm(__)m



現在募集中のアートツアーです。

アートに興味のない方でも楽しんで頂ける企画を心掛けております。
初参加の方も多いので、どうぞお気軽にご参加くださいませ♪
(男女比は、7:3くらいで女性が多いです。
 また、おひとりで参加される方が大半ですので、一人でもふらっと遊びにいらしてください!
 お子様とご一緒の参加も大歓迎です[お子様の参加費は基本無料])
定員になり次第、募集は〆切らせて頂きますので、よろしくお願いします。
参加希望の方は、お手数をおかけして恐縮ですが、
件名に希望するアートツアーを明記して、以下のメールフォームよりお申し込みくださいませ。
詳細をお知らせいたします。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
お知らせ先のメールアドレスが間違っている方が、ごくたまにいらっしゃいます。
こちらからの返信がない場合は、もう一度お送り頂けますと幸いです。


5/15(金) 世界中の名画が日本に来た!2019年の展覧会を振り返る会

先日開催された初のオンライントークイベントが好評だったとのことで。
おかげさまで早くも第2弾が決まりました!
今回も 『東京・ミュージアム&アート情報』 さんとコラボしてお届けいたします。
第2弾のテーマは、「2019年の展覧会を振り返る」です。
展覧会がいつでもどこでも開催されていたあの頃が、懐かしいですね。
何でもないような事が幸せだったと思う。そんな毎日です。

とはいえ、トークはしんみりすることなく、楽しく振り返っていこうと思います♪
僕が昨年観た700以上の展覧会の中から、
これは是非とも語り継がねばと思うものを図録を交えながらベスト10形式でご紹介!
一体どの展覧会がランクインするのか?
こうご期待!
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

以下詳細です↓

★★★★★★★★★★ご参加の皆様へ★★★★★★★★★★  
コロナの影響で、リアルイベントは開催できません。
今回は、オンラインイベントとなります。
オンラインミーティングによく利用されているZoomを使い、
お手持ちのPCやタブレット、スマートフォンからご参加になれます。
1部はアートテラー・とに~によるトーク、2部は懇親会となります。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★     

■日時 2020年5月15日(金) 20:00~21:30(入場開始 19:30~)

■スケジュール
 19:30 zoomにて入場開始 順番に承認しますので、待機してください。
 20:00 アートテラー・とに~さんのトーク開始
 20:40 休憩
 20:50 懇親会開始
 21:30 懇親会終了 
 (Zoom会議室はあけておきますので、居残り組で二次会をやってもOK)

■会場 ご自由な場所でZoomミーティング
    ネットのつなげるところならOK

■お申し込みHP
https://tokyoart.info/event/20190513artteller/
mixi、Facebook、趣味人などからもお申し込み可能ですが、
こちらから申し込みいただければ、即時に連絡が届くそうです。

■参加費:1200円

■定員:40名



いずれのツアーも、皆様のご参加を心よりお待ちしております!!

動画編集はじめました

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4月下旬のとある日。
いつもお世話になっている練馬区立美術館の小野寛子学芸員より、1本の電話がありました。

「とに~さん、動画に出演しませんか?」

話を詳しく伺ってみると、
4月26日スタート予定の “ショパン展” の開幕延期が決まったので、
家に居ながらにして展覧会を楽しめるような動画を制作することになったとのこと。
ついては、その動画に進行役として出演して欲しいとのこと。
できれば、撮影もして欲しいとのこと。
もうひとつおまけに、編集もして欲しいとのこと。



・・・・・・・いやいやいや。
これまでおかげさまで、
テレビやYouTubeに何度か出演させて頂いた経験はありますが。
撮影をした経験は、ゼロです。
ましてや、動画の編集だなんて。
出演はもちろん協力させて頂きますが、
撮影も編集もやったことがない旨を伝えると、こんな返答が。

「う~ん。でも、うちの美術館にも、
 撮影や編集ができる人が一人もいないんですよ」


まぁ、そうでしょうけども!


とはいえ。
今は、Stay Homeの期間。
時間は余るほどあります。
これを機に、撮影や編集を身につけてみるのもいいのでは?
そう思い、すべて引き受けることにしました。

こうして完成した動画が、本日より、
練馬区文化振興協会の公式チャンネルで公開されています。

編集に関しては全くのド素人でしたが。
家に籠もって、編集ソフトと向き合う日々に挑んだところ、メキメキとその能力がアップ。
プロが作成したものと比べると、いろいろ甘い部分はありますが、
それなりに見られるものが作れるようになったかなと、自負しております。
人間やれば出来るものですね。
こういう時だからこそ、新たなことにチャレンジしていきたいものです。

さてさて、第一弾として制作したのは、
僕と “ショパン展” 担当の小野さんとの対談形式の動画。
小野さんのキャラクターを全面的に押し出すため、
かなりバラエティっぽい演出・編集で仕上げました。
本日公開されたのは、その第1回。

こちらのリンク先から、ご覧頂けます↓
https://www.youtube.com/watch?v=_phiiQaO-8Y


なお、13日に第2回が、15日に第3回が公開される予定です。
また、すでに撮影は終わりましたが、
おうちで楽しむ動画の第2弾が、近日公開される予定となっております。
現在、絶賛 (?) 編集作業中。
テロップを入れる作業は実に面倒くさく、
『プロフェッショナル』 での宮崎駿監督ばりに、
「面倒くさい」 が口をついて出ますが、頑張ります (笑)

この動画が皆さまの 「おうちdeアート」 のお役に立てば幸いです。




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(笑) の大学

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今から5年前。
ちひろ美術館・東京で開催された “「長新太の脳内地図」展” 。
その関連イベントとして、「アートテラー・とに~が語る長新太」 がありました。

元吉本芸人という立場から、お笑い理論をもとに、
独自の長新太論を解説するという実験的なトークショーで、
さらには、ツインツインを解散して以来、8年ぶりに人前で漫才を披露しました。
(この3年後に、ツインツインは再結成するのですが、それはまた別の話)

長新太の代表作 『ちへいせんのみえるところ』 を相方に、漫才を成立させる。
そんな前代未聞のチャレンジは、それなりに各方面から反響を頂きました。
実はこのトークショーでは、漫才を披露するだけでなく、
自身で、フリップネタを作って、前説もしていたのでした。
先日、部屋掃除をしていた際に、
その時のネタ帳が偶然発見されましたので、
本日はそれをブログver.で発表したいと思います。
アートにはほとんど関係ないですが、まぁ、そこはご容赦くださいませ。






皆様は人生の中で、どれだけ 『(笑)』 について考えたことがありますか?

最近、僕はこの 『(笑)』 について、ある興味深い発見をいたしました。
それは、既存の様々な言葉の文末に、
『(笑)』 をつけると、そのニュアンスが大きく変わるということです。

例えば、あいだみつをの 「にんげんだもの」 という有名な言葉があります。
ほのぼのとし、人の温かみが伝わってくる素晴らしい言葉です。
では、この言葉に、『(笑)』 を付けてみましょう。

「にんげんだもの(笑)」


先ほどのほのぼの感はどこへやら。
実に開き直った感に溢れる残念な言葉となります。
『(笑)』 が文末に付くだけで、“仕方がないさ” から、
“しょうがねぇじゃん(笑)” というニュアンスに変化してしまいました。

と、今回はこのように。
『(笑)』 について考察した、僕の研究成果をお届けいたします。


・「おぉ、ロミオ。どうしてあなたはロミオなの(笑)?」

(笑)がつくだけで、ジュリエットの性格が大きく変わってしまったような気がします。
格調高いシェークスピアの名セリフが、
“ロミオって名前、超ウケるんですけどwww” なニュアンスに・・・。



・「ブルータス!お前もか(笑)!」

きっとブルータスは、シーザーと同じ失敗をしてしまったのでしょうね。
例えば、2人とも間違えて休校日に学校に来てしまったとか。
例えば、2人とも同じ女性に手玉に取られていたとか。
これでブルータスとシーザーはマブダチです。



・「松島や ああ松島や 松島や(笑)」

3回も同じ言葉を繰り返したから、
自分の中で、ちょっと面白くなってしまったのかもしれません。
しかし、まぁ、自分の中のツボって、あまり人には理解されないものですよね。



・「このはしわたるべからず(笑)」

これすなわち、“渡れ” ということ。
芸人なら、そう理解しましょう。



・「何じゃあこりゃああ(笑)!!」

これが何なのかはわかりませんが。
血以外であることは確かです。
個室トイレを開けたら、前の人が流して無くて・・・いや、やめときましょう。



・「クリリンのことかーーーっ(笑)!!!」

悟空、大ウケ。
きっと思い出し笑いなのでしょうね。
ちなみに、強調形は 「クリリンのことかーーーっ(爆)!!!」 です。



・「サーバーにメールがありません(笑)」

無性にイラっとさせられます。
そんな言い方はないだろ!
あのね、僕だってね、無いだろうなぁとは思ってましたよ。
ただ、一応ね。念のために、センターに問い合わせただけなんだから。
とりあえず、そういう気持ちを察せよと言いたいです。



・「殴ったね!親父にもぶたれたことないのに(笑)!」

どうやらアムロが、何かに開眼してしまったようです。
ある意味で、ニュータイプになってしまったのかもしれません。



とまぁ、皆様も、こんな感じで、
いろんなフレーズの文末に 『(笑)』 をつけてみてはいかがでしょうか。
人生が少しだけ楽しくなるかもしれませんよ (笑)
それでは、本日の講義はここまで。




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13杯目 これが、ターナー丼だ!

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俺は、今、モーレツに腹が立っている!
展覧会に合わせて、レストランが提供する限定メニューってあるだろ?
なぜ、フレンチだとか、スイーツだとか、女が喜ぶメニューばっかりなんだ?!
漢 [おとこ] が、あんなこじゃれたものを、食ってられるか!
漢なら、ガッツリと丼が食いたいんだ。
展覧会に合わせたアートな丼も作ってくれ!
何、作らないだと?それなら、俺が作るしかないじゃないかっ!
そう。これが、漢のアート丼だ!



今年2020年大本命の展覧会。
“ロンドン・ナショナル・ギャラリー展” は、いまだ臨時休館中です。
そこで本日は、一日でも早い開幕を祈願して、
イギリスを代表する画家の一人であり、展覧会にも作品が出展されている・・・




ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー。
彼をイメージした丼を作ってみようと思います。


さて、ターナーと言えば・・・・・・・





黄色が好きなことでお馴染みの画家です。
その反対に、緑色が嫌いだったようで、
ある知人に、「木を描かずに済めばありがたい」 と語ったこともあるほど。
ということで、今回のターナー丼は緑色NGを徹底したいと思います。

そして、もう一つ。
ターナーの大きな特徴は、モヤモヤボヤボヤとした作風です。
彼は、印象派の画家たちよりも約30年も早く、
画面が光に満ちたこの作風に辿り着いていました。
しかし、当時は斬新すぎて、人々からは、
「石鹸の泡のようだ」 とか 「カレーのようだ」 とか酷評されていたそうです。



・・・・・・・ん?カレー??
なるほど。カレーは黄色いですし、
“カレー” 違いですが、初期の代表作の一つに 《カレーの桟橋》 がありますね。
ならばもう、これはカレーを作るしかありません!


ということで、まずは、ルーを作ります。
市販のルーは茶色いものが多いので、
なるべく黄色に近づけるべく、一から作りたいと思います。
用意したのは、ラード。




ここに、小麦粉を投入し、
焦げ付かないよう、弱火でひたすらかき混ぜ続けます。




その間、約30分。
途中何度か飽きそうになりましたが。
ターナーは、《吹雪-港の沖合の蒸気船》 を描く際に、




リアルな嵐を描写するため、嵐の中、蒸気船に乗り、
マストに縛り付けられた状態で、嵐を観察したのだとか。
それも、約4時間も。
そんなターナーの苦行 (?) に比べたら、
小麦粉を30分間かき混ぜるなんて、たいしたことがありません。

さて、ルーが色付いたら、イギリスが発祥となるカレー粉を投入。




さらに、黄色味をより足すために、ターメリックも投入します。




これで、黄色いルーは完成しました。




そしたら、カレーを仕上げていきましょう。
タマネギをみじん切りにし、透明になるまで炒めたら、水とコンソメを入れます。




沸騰したら、火を止め、先ほど作った黄色いカレールーを混ぜ入れました。




しばらく、弱火でコトコト煮込んだら、
メインの具材となるシーフードミックス (白ワインで軽く蒸したもの) を入れましょう。




牛肉でも豚肉でも何でも良いかと思ったのですが、
ターナーは船の絵を多く描いているので、今回はシーフードカレーにしてみました。


さて、いよいよ盛り付けです。
黄色好きのターナーの丼なので、
もちろんご飯はターメリックライス。
真っ黄色です。




この上に、カレーを盛り付けます。
家にもとからあったお玉でよそっても良かったのですが。
たまたま調理器具売り場で・・・・・・




ターナースプーンなるものを見つけたので、これでよそいました。




しかし、これで完成ではありません。
実は、もう一つ大事なトッピングを作っていました。
ターナーはその生涯で、代表作の 《雨、蒸気、速度―グレート・ウェスタン鉄道》 をはじめ、




蒸気をモチーフにした絵画を多く残しています。
蒸気→煙→燻製。
ということで、今回人生で初めて、自宅で燻製作りにチャレンジしてみることに。
と言っても、燻製を作る一式を買いそろえるのは面倒なので、
100均で売っていたステンレス製ボウル2つと、網とで簡易の燻製器を制作。





これで燻製卵を作ってみました。




燻製すること、約15分。




色づきはまぁまぁですが、それっぽい燻製卵が出来ました。
これを半分に切って、トッピングすれば、ターナー丼の完成です。




それでは、いただきます!




・・・・・・・・うん。
普通に美味しいです。
まぁ、ターナー丼とは言ったものの、
ただの “シーフードカレー燻製卵トッピング” なので、美味しくないわけがありません。





これでターナー丼といえるのか!?

そう思い、食べかけのターナー丼を持って、再びキッチンへ。
余っていたスモークウッドと丼を鍋の中にイン!




で、蓋をして、火を付けます。
すると、みるみるうちに、丼が蒸気で満たされました。




我ながら、蒸気を・・・もとい、常軌を逸した行動だとは思いますが。
嵐の中、マストに縛り付けられたターナーほどではありません。




数分後、十分に燻製の蒸気をまとい、
よりターナーらしさが増した新・ターナー丼を改めて試食しました。


・・・・・・・・・・・・・・・・。


カレーもご飯も燻製卵も、そして、丼自体も、全部が燻製味です。
モヤモヤボヤボヤした味になりました。




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アートテラー・とに~氏の新聞連載スタート!

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こんばんは。
ATN (=アートテラーニュース) のお時間です。

新型コロナウイルスのせいで、雑誌が臨時休刊し、
担当する連載がいくつかストップしてしまったというアートテラーのとに~氏ですが、
今年4月より、読売新聞にてコラムの連載をしれっと始めていたことが明らかになりました。
とに~氏がコラムを寄稿しているのは、
読売新聞の水曜夕刊に掲載されている新感覚のカルチャー面 「Pop Style」。




その右下にあるコラム欄の2週目を担当することになったようです。
コラムのタイトルは、『モーソウ美術館』。




毎回、古今東西の名画を1点取り上げ、
それを徹底的に “モーソウ (=妄想)” するのだそう。
過去に新聞で連載されたあらゆる美術系のコラムの中で、
もっともくだらないコラムであろうことは、妄想に・・・いや、想像に難くありません。
なお、記念すべき初回は、《ミロのヴィーナス》 の失われた腕に、
一番しっくりくるアニメのキャラクターの腕を妄想するという内容。
昨日5月13日に掲載された回では、ゴッホの 《ひまわり》 をテーマにしたそうです。

新聞連載をスタートさせたとに~氏より、こんなコメントが届いております。

「これまで単発では新聞にコラムを寄稿したことは何度かありますが。
 まさか連載を担当する日が来るとは思ってもみませんでした!
 しかも、自由にやっていいだなんて!
 一人でも多くの読者さんに楽しんでもらえるよう、
 全力でバカバカしいコラムを目指していこうと思っております。
 ちなみに、一つだけ気になるのは、連載陣のラインナップ。
 僕の他にこのコラムを週替わりで担当しているのが、
 ハロプロ出身のアーティスト田村芽実さん、
 仮面ライダー出身(?) のイケメン俳優・渡邊圭祐さん、
 お笑い第7世代の四千頭身のツッコミ後藤拓実さんと、
 僕以外、若くキラキラしたメンバーばかり。
 何で一世代上のキラキラしてない僕がキャスティングされたのか、謎も謎。
 とりあえず足を引っ張らないよう頑張ります (笑)」



さて、そんなとに~氏ですが、昨年に引き続き、
今年の夏もパナソニック汐留美術館で、トークショーを担当するようです。
この夏開催される話題の工芸展 “特別企画 和巧絶佳展令和時代の超工芸”




その関連イベントとして、とに~氏が進行役となり、
「工芸家あるある」 や 「この工芸がすごい」 といったテーマで、
出展作家の皆さまがトークを繰り広げるスペシャル企画が開催されるそうです。




その名も、『工芸家さんいらっしゃい』
とに~氏的には、『パナトーーク』 とも悩んだそうですが、
過去に、『ホキトーーク』 や 『ダリトーーク』 をやっているので、
今回はあの日曜お昼の長寿番組のタイトルをパロディさせてもらうことにしたようです。
なお、定員は150名の予定でしたが、
密を避けるために、50名に変更されたとのこと。
詳しい応募方法は、パナソニック汐留美術館のHPをご覧くださいませ↓
https://panasonic.co.jp/ls/museum/exhibition/20/200718/index.html#exhibition-detail-event


とに~氏は、このイベントのために、
ここ最近、椅子ごとコケるあの技を練習しているそうです。




それでは、今夜のATNはこの辺りで。
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年齢順に並べ替え!芸術家の自画像クイズ

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本日お届けするのは、芸術家の自画像の年齢を当てるクイズです。
アートの知識は一切必要ありません!
必要なのは、年齢を見極める能力。
ただそれだけです。
登場する4枚の自画像を年齢が若い順に並べてください。
レディーゴー!


Q1 レンブラントの自画像を年齢順に並べてください

















アンサーチェック!




Dのレンブラントは、かなり老けてますね。
20代前半とは思えません。
あと、Cは本当にレンブラントなのでしょうか?
一瞬だけ、ジョン・カビラにも見えます。



Q2 クールベの自画像を年齢順に並べてください

















アンサーチェック!




Dのクールベは35歳なんですね。
今の僕よりも年下だとは。
髭があると、年齢当てクイズは難易度がグッとあがりますね。



Q3 ゴッホの自画像を年齢順に並べてください


















アンサーチェック!




それぞれ1歳差しかないとはいえ、
歳を重ねるごとに、むしろ若返っているような・・・。
ベンジャミン・バトン??



Q4 フリーダ・カーロの自画像を年齢順に並べてください

















アンサーチェック!




Dのアン・ミカみたいなフリーダ・カーロと、
Cの大阪のおばちゃんみたいなフリーダ・カーロが、
20代であったことに驚きを隠せません。
「老け顔は、ある程度の年齢になったら歳を取らない」 の典型例ですね。



Q5 ダリが描いた妻ガラの肖像画を年齢順に並べてください




















アンサーチェック!




ダリの愛情表現なのか。
はたまた、ガラが若い愛人を囲っていたからか。
見た目がほぼ変わりません。
《記憶の固執》 の世界と同様に、時空が歪んでいるのかもしれません。



Q6 ヴィジェ・ルブランの自画像を年齢順に並べてください

















アンサーチェック!




Aの26歳の時はともかくも、
そこから、沢口靖子ばりに、まったく見た目が変わらないヴィジェ・ルブラン。
歴史上、稀に見る童顔なのでしょうか。
それとも、日々のアンチエイジングの努力の賜なのでしょうか。
もしくは、異様に自己採点が甘いのでしょうか。
その真相は誰にもわかりません。



ということで、出題は以上となります。
2問以上正解できれば大したもの。
1問も正解できなかった方は、もう少し人を見る目を養いましょう。




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千手観音の朝

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例えば、薬師如来は左手に薬壺を。




また例えば、不動明王は倶利伽羅剣と羂索 (=ロープのようなもの) を持っています。




仏像が手に持つこれらの持ち物を、「持物(じもつ)」 と呼びます。
そんな持物をもっとも手にしている仏像が・・・・・・・・




そう、千手観音です。
右手に19コ。左手に19コ。
合わせて、38コ。
すべてを用意するのは、かなり大変そうです。
もしも、千手観音の母親が心配性だったなら。
きっと、こんな会話が繰り広げられているかもしれません。


 母 「あんた、今日初出勤でしょ?ちゃんと持物用意した?」

 千手観音 「したした」

 母 「羂索持った?」

 千手観音 「持ったよ」

 母 「錫杖持った?」

 千手観音 「持ったよ」

 母 「法螺 (=ホラ貝) 持った?」

 千手観音 「持ったって」

 母 「数珠葡萄払子は持った?」

 千手観音 「持った持った!」

 母 「蓮華の花は?」

 千手観音 「紅蓮華白蓮華青蓮華、それと、紫蓮華 も持ったよ。
      何で4つも蓮華の花が必要なんかよくわからないけど」

 母 「宝剣は?」

 千手観音 「持ったって!いちいちうるさいなぁ!」

 母 「何よ、アンタのために言ってるんじゃない!」

 千手観音 「大丈夫だって!子どもじゃないんだから!」

 母 「そんなこと言って、もし忘れ持物あったとしても、
   お母さん、今日はパートあるから、届けてあげられないんだからね」

 千手観音 「恥ずかしいから、そんなことしなくていいって」

 母 「で、水瓶は持ったの?」

 千手観音 「持ったっつうの!まだ続けんのかよ。
       軍持胡瓶の両方持った。中に功徳のある水も入れたし」

 母 「法具系は持ったの?」

 千手観音 「持ったよ。イマイチ使い方と違いがわかってないけど。
      跋折羅金輪戟鞘金剛杵も持った。
      あと、月精摩尼日精摩尼も持ったから」

 母 「化仏は?」

 千手観音 「化仏だけじゃなくて、頂上化仏も持った。
       何で仏像の俺が、小さな仏像を持たなきゃいけないか意味不明だけど」

 母 「あと、アレは持ったの?宝・・・なんとか」

 千手観音 「どれだよ!『宝』 が付くヤツ多いんだよ。
      宝鉢とか宝印とか宝弓とか宝箭とか宝珠とか宝鐸とか。
      大体さ、『ほうきょう』 って同じ読み方のヤツが、
      宝経宝鏡宝篋の3種類もあるのなんて、どんな嫌がらせだよ」

 母 「楊柳は・・・」

 千手観音 「持った!」

 母 「玉環は・・・」

 千手観音 「持った!」

 母 「何て読むかわからないんだけど、
   ほら、あの先端が直角に曲がってる棒状の武器みたいなのは?」

 千手観音 「倶尸鉄鈎 (くしてっこう) ね!持ったよ!」

 母 「ドクロのついたあのダサい杖は持った?」

 千手観音 「髑髏杖ね。ダサいとか言うなよ!」

 母 「じゃあ、ドラゴンがデザインされてるあのダサい盾は?」

 千手観音 「傍牌な!だから、ダサいとか言うなって!」

 母 「不老不死を得るっていう五色雲は持った?」

 千手観音 「雲って持てるのかわかんないけど、一応持った」

 母 「宮殿は持った?」

 千手観音 「確実に手に持つものじゃあない気がするけど、なんとか持った」

 母 「それじゃ、忘れ持物はないのね?」

 千手観音 「だから、無いって!んじゃ、行ってきます!」

 母 「あー、待って待って!ほら、玄関に鉞斧、忘れてる!」

 千手観音 「あー、本当だ!ありがと!」

 母 「まったくもう・・・。鉞斧を忘れるなんて信じられないんだから」

 千手観音 「ごめんごめん。ところで、この斧って何に使うんだっけ?」

 母 「確か、役人の難から逃れることができる法具だったはずだけど」

 千手観音 「そういう斧なんだ」

 母 「いざとなったら、これで役人の脳天をかち割れってことなんじゃないかしら??」

 千手観音 「怖っ!」



・・・・・・とかなんとかいうやりとりが、
仏の世界のどこかで、行われているかもしれません。




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死ぬまでに一度 声に出して読みたい日本語

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先日お届けした 『(笑) の大学』 に引き続き、
本日も、あるトークイベントの前座として披露したネタをブログver.でお届けいたします。
アートには全く関係ない記事ですが、まぁ、そこはご容赦くださいませ (笑)



“死ぬまでに一度 声に出して読みたい日本語”

―それは、ドラマや漫画の世界では、ごく当たり前のように使われているが、
我々の日常生活においては、一度も声に出したことがない日本語のことである。
そんな日本語を、一生の間に一度でも声に出すことが出来たなら。
貴方の人生は、きっとドラマチックなものになるに違いありません。


「アンタ、街でだいぶウワサになってるぜ」
もし貴方がバーのカウンター席で飲んでいる際に、
ハードボイルドな主人公がバーに入ってきたら、こう言ってあげましょう。
ただ、地域のコミュニケーション不足が騒がれる現在、
街中が一人のウワサで持ち切りになるなど皆無に等しいです。
よくて、ネットで炎上するくらいなもの。



「おいおい。安全装置がかかったままだぜ」
銃を向けられる。
そんな絶体絶命のピンチに陥ったら、この言葉を口にしてみてください。
きっとなんとなかなるはずです。
とはいえ、実際の銃をこの目で見たことないので、
安全装置がどんなものかは、いまいちよくわかりませんが・・・。
アメリカに行く人は、呪文のように唱えて覚えるべし!!



「ムニャムニャ・・・もう食べられないよ・・・」
寝言の定番中の定番と言えば、コレ。
しかし、実生活ではなかなかお耳にかかれません。
もしかしたら、自分の人生で1度くらいは声に出したことがあるかもしれませんが。
なにぶん寝言なので確認するのは不可能です。
なお、この寝言を聞いた親から飛び出るセリフは、
十中八九 「まったく、この子はどんな夢を見てるんだか」 です。



「はは~ん。なるほど」
今回、発見したこの日本語は、漫画界では頻出のセリフです。
それゆえ、何気なく読み過ごしがちですが、
この日本語こそ、是非一度声に出してみて頂きたい。
なにか、ものすごくこそばゆ~い感じがしませんか?
この日本語を違和感なく言えるようになるには、かなりの練習が必要となるでしょう。



「べ、別に好きじゃねぇよ、あんな暴力女!」
少年漫画雑誌の恋愛漫画によく登場する日本語です。
風のイタズラによって、貴方の前を歩く女の子のスカートの中が見えてしまう。
すると、貴方は振り向いた女の子に変態扱いされ、あろうことかビンタされてしまいます。
去りゆく彼女の背中に向かって、
貴方は 「何だよ、いきなり!この暴力女!」 というセリフを投げつけることでしょう。
さて、その後、二人はかなり高い確率で意外な場所で再会します。
しばらくギスギスした関係が続きますが、最終的には結ばれますよ。
おめでとうございます。



「一体どうなってるんだ・・・この街は・・・?」
日常生活で “あれっ?” と違和感を覚えることはよくありますが。
その違和感が街規模になると、それはもう立派に奇妙な世界の主人公です。
これから貴方の身に起きる出来事は、タモさんによって語り継がれることでしょう。



「・・・って、感心してる場合かー!!」
漫画やアニメの世界では定番中のギャグです。
敵の攻撃やライバルの行動に、
主人公がのほほんと構えていたら、すかさずこの日本語を口にしましょう!
すると、この言葉をきっかけに主人公が本気を出してくれるはずです。
そんなスーパーサブのための日本語。



「旅の人」
旅先で 『旅行客』 や 『旅人』 と言われるよりも、遥かに旅情を醸し出す日本語。
「おやおや、旅の人はどこから来たのかね?」
「今日の宿は決めてあるのかい?旅の人」
現在、「旅の人」 という日本語は絶滅しかかっています。
観光地にお住まいの方に、是非とも声に出していただきたいものです。




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死ぬまでに一度 声に出して読みたい日本語2

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本日は、昨日お届けした “死ぬまでに一度 声に出して読みたい日本語” の第2弾。
アートとはまったく関係ない記事ですが、どうぞご容赦くださいませm(__)m



“死ぬまでに一度 声に出して読みたい日本語”

―それは、ドラマや漫画の世界では、ごく当たり前のように使われているが、
我々の日常生活においては、一度も声に出したことがない日本語のことである。
そんな日本語を、一生の間に一度でも声に出すことが出来たなら。
貴方の人生は、きっとドラマチックなものになるに違いありません。


「お前とは、違う形で出会いたかったぜ」
貴方は、主人公にとって最大のライバル。
もしあなたが負けた際には、潔くこの日本語を声に出してください。
ライバルとの長きに渡る死闘によって、
2人の間には敵と味方を超えた絆が生まれていることでしょう。
貴方がこのセリフを口にしたということは、最終回はもう間もなくです。



「今夜は、しゃべりすぎたようだ」
大人の風格が漂う日本語です。
しかも、この日本語を声に出すだけで、どれだけ酔っていたとしても、
“そこまで酔っていないよ” というアピールをすることも出来てしまいます。
ちなみに、声に出したら、ただちにその場を後にしましょう。
1万円札をバーに置き、無言で相手の肩にポンと手を置けば、さらに大人の風格はアップ。



「小説家にでもなれるんじゃないかしら?」
もし、万が一。
貴女が殺人犯になってしまったら。
しかも、トリックも動機も、すべて探偵に見破られてしまったら。
そんな絶体絶命の大ピンチの際には、どうぞ冷静にこの日本語を声に出してみて下さい。
0.1%くらいの確率で、ピンチを回避できるかもしれません。



「今、殴ったのは俺の分!そして、これはアイツの分だ!!」
よくよく冷静になると、意味がわからない日本語です。
殴られた方にしてみては、同じ人にただ2回殴られただけ。
とはいえ、そんなことはどうだっていいのです。
殴られるようなことをした人が悪いのですから。
アイツの分も殴ってやりましょう。



「今、何て言った?・・・違う、その一つ前!」
事件を解決する糸口になる言葉というのは、
意外と言った本人は気づいていないものです。
それゆえ、聞き返されたところで、見当違いな言葉をリピートしてしまいます。
・・・・・という2時間サスペンスでよくあるやり取りは、現実ではまぁ見かけません。
もし、現実世界で誰かに 「今、何て言った?」 と質問されたなら、
この日本語を声にしたいであろうこと察して、あえてわざと間違えてあげましょう。
それが、優しさというものです。



「飛んで火にいる夏の虫とはこのことだな」
数あることわざの中で、知名度がありながら、
日常で最も声に出さないことわざと言ったら、間違いなくこれ。
まず、悪の組織にいる人間しか使う機会がありません。
そして、その組織が仕掛けた罠に、
ヒーローがまんまとハマってしまった時にだけしか、声に出すチャンスはないのです。
このことわざが一般的になった当時は、どんな世の中だったのでしょうか。



「バブー」
漫画やアニメの世界において、
赤ちゃんの発する言葉ランキング堂々の1位を飾るのが、この 「バブー」(当社調べ)。
ところが!
現実世界でいろんな赤ちゃんに出会いましたが、
誰一人として 「バブー」 という言葉は発していませんでした。
バブー・・・謎のフレーズです。



「こ、これが、愛という感情か!」
大きな事故により、感情を一切無くしてしまった貴方。
もしくは、謎の秘密組織によってサイボーグにされてしまった貴方。
でも、安心して下さい!
かなりの確率で、愛という感情は戻ってきます。
・・・・・と言っても、多くは死ぬ間際なのですが。




「とりあえず、逃げろ~!!」
どういうお約束なのだかよくわからないのですが、
アニメや漫画のオチの一つに、主人公たちが誰かから逃げるというものがあります。
実はすべて夢だったというオチは、
あまりにベタすぎて 『夢オチ』 という言葉が定着しています。
これを機に、このタイプのオチには、『逃げオチ』 という言葉が定着しますように。



というわけで、2日間にかけてご紹介してきた “死ぬまでに一度 声に出して読みたい日本語”。
いつかまた出逢えるその日まで。
とりあえず、僕は逃げるとしましょう!




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死ぬまでに一度はみたい10のこと

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本日お届けするのは、昨日一昨日にお届けした、
『死ぬまでに一度 声に出して読みたい日本語』 の姉妹編ともいえるネタ。
ドラマや漫画の世界では頻繁に見かけるシチュエーションをセレクトしたものです。
しかし、単なるベタなシチュエーションというわけではありません。
セレクトの基準となるのは、そんな場面をいかに我々の日常生活で見かけないかということ。
もし、一生の間に一度でも現実世界でその場面を見ることが出来たなら。
貴方の人生は、きっとドラマチックなものになるに違いありません。


・お腹なんて空いてないと強がった瞬間に、腹の音が鳴り響く
シリアスな場面を一瞬にしてほんわかムードに変える。
そのテクニックの一つとして、脚本家のための教科書に書いてあるのではないか。
そう勘ぐってしまうほど、よく見かけるシチュエーションです。
ちなみに、僕のリサーチによりますと、この場面の後に、
「あらあら、お腹は正直ね」 というセリフが飛び出す確率は軽く70%を超えてます。



・記憶の中に、逆光で顔が見えない人がいる
“あなたは一体誰なの??”
人生の節目節目で思い出す子供の頃の記憶の中に現われる人物。
自分が幼い頃に若くして死んだ父親か。
はたまた、生き別れた優しい母か、それとも、海外に行ったきりの叔父か。
どう頑張っても、顔が思い出せません。



・呪いの唄を唄うおばあちゃん
呪われた伝説が残る村に必ず一人はいるのが、この手のおばあちゃん。
まず間違いなく、怪しげな服を着ています。
そして、その手には、これまた間違いなく、怪しげな杖を持っています。
とっても怪しいですが、決してその村で起こる事件の犯人ではありません。
見た目とは裏腹に、意外と無害です。



・商店街のみんなが声をかけてくれる
「お、今、学校の帰りかい?」 と肉屋のおじさんが声をかければ、
「今日は、サバが安いよ!あとで寄ってくれよな」 と魚屋の親父にも声をかけられる。
彼らとのやりとりを笑顔で返したなら、
今度は服屋のオバちゃんが、「さては、今日何かいいことあったね?」 と声をかける。
商店街がシャッター化する現代、まさに絶滅必死の光景です。



・急所を押えてトイレに駆け込む
「あぁ~、漏れそう漏れそう・・・(汗)」
そう何度も繰り返しながら、
小の場合は股間を、大の場合は臀部を押さえて小走りする男性。
コントやコメディーでは、よく見る光景です。
が、しかし、実際に日常生活で、このピンチに陥った時は、そんな動作はしません。
無言で早足。
間違いなく、急所は押さえません。
刺激しちゃうもん。



・頭を振って、妄想していたものを掻き消す
もし、貴方が漫画やドラマの登場人物だったら、
妄想をする際には、一つ注意しないといけないことがあります。
アナタが妄想を始めた途端、頭上にそのイメージ映像が浮かび上がります。
(注:現実世界では、まずあり得ません)
で、大概の場合、その妄想のイメージ映像に、思わぬ邪魔者が割り込んできます。
(注:現実世界では、これまたあり得ません)
その妄想をどうにか止めたい場合は、落ち着いて、以下の方法を取ってください。
頭をブンブンと横に振りましょう。
そうすれば、嫌な妄想は自然と消え去ります。
(注:現実世界では、絶対にあり得ません)



・生徒会長が権力を持っている
学園ドラマの世界ではたいてい、白い詰襟を着た生徒会長が、
取り巻きたちを引き連れて、学校で強大な権力を握っているものです。
・・・・・・が。
現実世界での生徒会長の握っている権力なんて、チッポケなもの。
過度な期待はしませんように。



・長靴を釣り上げる
マンガの世界では、釣りが下手な人は、まず例外なく長靴を釣り上げます。
ただ、冷静に考えると、長靴には針が引っ掛かかりようがないような。
実際に釣り上げるとしたら、むしろテクニックが必要である気がします。
もう一つおまけに冷静に考えると、
長靴って、そうそう海や川に落ちている物でもないような。



・若女将が名探偵
2時間ドラマの世界では、誰しもに探偵になるチャンスがあります。
その中でも、特に探偵になれるチャンスが高いのは、ズバリ若女将。
大女将ではなく、あくまで若女将です。
ちなみに、現実世界の若女将は殺人事件よりも、
旅館の経営と大女将との関係性に頭を悩ましていることでしょう。



・進研ゼミのおかげで何もかもが上手くいく
小学生の頃、毎月のように送られてきた進研ゼミのDM。
その中に同封されていた漫画の登場人物は、
進研ゼミをやることで、勉強の成績がグングンとアップしていました。
さらに、勉強する時間が減ったおかげで、部活に専念でき、レギュラーに抜擢!
そのうえ、成績がよくなったことで、
気になるあの子の見る目も変わったではないですか!
この漫画に何度ダマされたことか。
進研ゼミはそこまで夢のようなものではなかったです。はい。



さて、いかがだったでしょうか。
皆さんはこれらの場面を現実世界でいくつ見かけたことがありますか?
明日からまたアートのブログに戻ります (笑)




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チェック1 ワイン

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新企画 『アートテラー格付けチェック』。
本家の格付けチェックでは、
一流品かそうでないかを見極める問題にチャレンジしますが。
この 『アートテラー格付けチェック』 では、
アートと関わり深い品かそうでないかを見極める問題に挑みます。
アートテラーならわかって当然 (?) の問題ばかり。
果たして、僕は何流のアートテラーなのか?!






最初にチャレンジするチェックは、ワインです。
今回用意したのは、レオナルド・ダ・ヴィンチが愛したというイタリアワイン。
ヴィラ ダ ヴィンチ サン ジオ。
1本、2650円です。




レオナルド・ダ・ヴィンチの名前のゆかりとなっているヴィンチ村。
そこに本部がある歴史の深いワイナリーのワインで、
かつてダヴィンチ一族が所有していたブドウ畑の中から、
厳選されたサンジョヴェーゼのみを使用しているのだそう。
ラベルにはダ・ヴィンチの代表作の1つ 《受胎告知》 が使用されています。

そして、もう一つは、同じくイタリア産のワイン。
こちらは1本、1200円のワインです。
ということで、この2つを飲み比べ、
ダ・ヴィンチと関わりの深いワインのほうを当てたいと思います。




自分でワインを注いだら、さすがにどちらがどちらかわかってしまいます。
そこで、不正をなくすために、
出題は近所に住む友人にお願いしました (ついでに撮影も)。




見た目はほぼ一緒。
色からは、ダ・ヴィンチらしさは一切感じられません。

まずはAのワインを1口。





「・・・うん。美味しい」


続いて、Bのワインを一口。




「なるほど・・・・・」


1問目から外すわけにはいきません。
何度も飲み比べて、悩むことしばし。




ついに答えを決めました。
甘みがあって飲みやすかったのは、A。
フレッシュな感じがありました。
対して、Bは個人的には好きな味ではないのですが、
渋みがあり、若干のかび臭さのようなものあって (←?)、歴史が感じられます。
Bのワインを一口飲んだ瞬間に、
サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院にいるような感覚になりました。
(サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院に行ったことは1度もないですが)
《最後の晩餐》 に描かれているワインの味に近いのはAとBならば、断然B。
ということで、Bを選びました。




運命の分かれ道。結果発表。
正解は・・・・・・・・




















でした。




ということで、1問目は見事正解。
残るチェックは、あと2つ。
この続きは、また明日!






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チェック2 スパークリングワイン

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新企画 『アートテラー格付けチェック』。
本家の格付けチェックでは、
一流品かそうでないいかを見極める問題にチャレンジしますが。
この 『アートテラー格付けチェック』 では、
アートと関わり深い品かそうでないかを見極める問題に挑みます。
アートテラーならわかって当然 (?) の問題ばかり。
果たして、僕は何流のアートテラーなのか?!


前回、チェック1のワインを見事正解し、少しだけ一安心した僕。




続いてのチェックにチャレンジしたいと思います。





今回用意したのは、
クリムトの生誕150周年を記念したスパークリングワイン。
その名も、キュヴェ・クリムト。
1本、5000円です。




あのハプスブルク家御用達の老舗、
オーストリア最古のスパークリングワインメーカー・シュルンベルガー製。
オーストリアの国民的画家クリムトの生誕150周年を記念し、
代表作 《接吻》 をラベルと化粧箱にあしらった特別記念ワインです。

そして、もう一つは、フランス産のスパークリングワイン。
こちらは1本、1600円です。
ということで、この2つを飲み比べ、
クリムトと関わりの深いスパークリングワインのほうを当てたいと思います。

さて、今回も引き続き、不正をなくすため、
近所に住む友人に出題と撮影を協力してもらいました。
さらに、問題となるワインの自分で注文しているため、
キュヴェ・クリムトの色は、すでに目にしてしまっています。
そこで、色で正解を導き出せないように・・・・・・・




本家と同じ目隠しスタイルを導入することにしました。




これで色はまったく見えません!
装着したところで、目の前に2つのスパークリングワインが用意されました。




まずはAのスパークリングワインを1口。




「・・・・・・・・あれっ?」


続いて、Bのスパークリングワインを一口。




「・・・・・・・え~~~~??」


ぶっちゃけ、どっちも思っていたよりは美味しくなかったです (笑)
これはチェック1よりも難問ですね。




Aのスパークリングワインは、ベタッとした甘さで、
シャンメリーにアルコールを足したような味がしました。
で、Bのほうは、Aよりもキリッとした味なのですが、
泡立ちがよすぎて、泡が口中に 「ブワッ!」 と広がる感じ。
一瞬、溺れそうになりました (←?)。
バブを浴槽に入れた瞬間くらいのシュワシュワ感があります。
クリムトのように官能的な味というと、Aなのかなとも思ったのですが。
《接吻》 を思い返していたら・・・・・




背景がシュワシュワした泡のように思えてきました!
もしかしたら、Bのスパークリングワインはそれをイメージしているのかも!?
ということで、Bに決めました。




運命の分かれ道。結果発表。
正解は・・・・・・・・




















でした。




これで2連勝。
明日はいよいよ最終チェックです。
果たして、一流を死守できたのでしょうか?






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