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第16回文化庁メディア芸術祭
もはやすっかり毎年2月の恒例人気イベントとして定着した感のある・・・
“文化庁メディア芸術祭” に行ってまいりました。
メイン会場は、今年も国立新美術館です。
毎年恒例イベントのため、メディア芸術祭に関して簡単に説明する必要があるのも、毎年恒例。
今年は、省エネするために、第13回の時の記事に飛べるようにしておきます (笑)
さてさて、回を重ねるごとに、注目の集まっている文化庁メディア芸術祭。
今年は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門に、
過去最多となる3503点もの作品が応募されたとのこと。
特に、日本国内だけでなく、海外からの応募が増えたとのことで、
これまで、 『バガボンド』 や 『ピアノの森』 などが大賞を受賞してきたマンガ部門に異変が・・・!
ブノワ・ペータースとフランソワ・スクイテンによるフランス・ベルギーの漫画 『闇の国々』 が大賞を受賞。
第16回にして、マンガ大国ニッポンは、大賞受賞を逃してしまったのです・・・。
ちなみに、優秀賞を受賞したのは、
石塚真一さんの 『岳 みんなの山』 や、羅川真里茂さんの 『ましろのおと』 など。
来年は、ニッポン勢の巻き返しがあるのか?!
それとも、フランスやベルギー以外の海外からの刺客が制すのか?!
メディア芸術のオリンピックからも目が離せません。
マンガ部門大賞こそ逃しましたが、お家芸であるアニメーション部門は、
大友克弘さんの 『火要鎮』 が大賞を受賞。
明暦の大火や八百屋お七などを題材に作られた江戸時代を舞台にした短編アニメーションです。
発想や映像美など、そのクオリティの高さは、まさに大賞に相応しいものでした。
作品そのものはもちろん、
会場に展示された絵コンテや設定資料一つ一つからして、クオリティ高し。
これは、必見です。
エンターテインメント部門は、
Perfumeの世界デビューを記念したプロジェクトPerfume "Global Site Project"が大賞を受賞しましたが。
個人的には、新人賞を受賞した・・・
永野亮さんのシングル 『はじめよう』 のミュージックビデオのほうがツボでした。
Perfumeがデジタルの最先端なのに対して、こちらは超アナログ (笑)
ワイヤーや合成技術を使わずに、空中浮遊映像を実現しようという、
そんな真面目でアホなクリエイター精神には、うっすらと感動すら覚えました。
ちなみに、 エンターテインメント部門 からもう一点。
推薦作品の一つである 《グリッチ刺繍》 も印象的でした。
素材となるロゴをパソコンに取り込むと、
自動的に、その刺繍データをわざとグリッチ (破壊) させて刺繍するのだとか。
ありそうでなかった発想ですが、なくてもいい発想である (笑)
最後は、 アート部門 。
大賞を受賞したのは、2010年に引き続き、2度目の受賞となるCod.Act。
スイス生まれの兄弟ユニットです。
今年は、9人のアカペラと18の油圧ジャッキからなるオリジナル合唱作品 《Pendulum Choir》 で堂々受賞。
個人的には、 「スゴい!」 というよりは、 「不気味!」 という感想でした (苦笑)
人間と機械のキメラのような印象を受け、自然界には存在していけないものを目にしてしまったような・・・
背筋が、うすら寒くなりました。
この作品よりは、三上晴子さんの 《欲望のコード》 を推したいところです。
会場には、小型カメラを搭載した90個のストラクチャーと、
天井から吊り下げられたカメラとレーザープロジェクターが搭載された6基のサーチアーム。
これらが、まるで生物かのように、観客である僕らの動きを常にサーチしながら監視し、
その映像データを昆虫の複眼を彷彿とさせる円形スクリーンに映し出すというもの。
この作品でしか感じられないSFチックな観賞体験は、経験する価値ありです。
僕が訪れたのは、平日の午後でしたが。
会場は、それでも賑わっていました。
会期が短いこともあって、土日は混雑が予想されます。
ある程度覚悟して行かれることを、オススメします。
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アノニマス・ライフ 名を明かさない生命
NTTインターコミュニケーション・センター (ICC) で開催中の・・・
“アノニマス・ライフ 名を明かさない生命” なる展覧会に行ってまいりました。
アノニマスと言えば・・・。
ついつい不気味な仮面でお馴染み (?) の国際的なハッカー集団を思い浮かべてしまいますが。
もともと、アノニマスとは、 「匿名の、名前のわからない、個性のないもの」 という意味の言葉です。
今回の展覧会は、科学や医療の進歩によって生み出された、
生命を持っているかのような機械や、バイオテクノロジーやクローン技術の産物を、
『名づけることのできない生命=アノニマス・ライフ』
と名付け、それをめぐる作品を紹介するものです。
・・・・・・・・・・えっ、よくわからないですか?
大丈夫です。鑑賞してきた僕も、よくわかっていないです (笑)
例えば、展覧会の冒頭を飾っていた《案内嬢の部屋3F》 という作品。
© やなぎみわ《案内嬢の部屋3F》1998年
こちらの写真作品は、案内嬢たちが、単に記号としてしか捉えられておらず、
アノニマス・ライフ (=名付けることのできない生命) という表現は、言いえて妙です。
例えば、高さ約6メートルの壁一面に投影された渡辺豪さんによる 《アエウム》 という作品。
コンピューター上で作り上げた3D形体の顔に、実在する女性の皮膚の画像を合成した映像作品です。
たったそれだけのことなのに・・・というと語弊があるかもしれませんが、
CGの映像とは比べものにならないくらいに、生命感を知覚することが出来るのです。
ただ、生身の人間かと言えば、そうでもなく、
かといって、コンピューターで作られた2次元画像かと言えば、そうでもなく。
まさに、アノニマス・ライフ (=名付けることのできない生命) という表現がピッタリなのです。
・・・・・と、これらの作品に関しては、
「そうだったのか、アノニマス・ライフ」
と、合点が行ったのですが。
高嶺格さんによる映像作品 《Ask for a Trade》 や、
(自分が着ている服を路上にいる人の服と物々交換をしながら、友人のもとを目指すという作品)
スプツニ子!さんの 《菜の花ヒール》 をはじめ、
(歩くと先端から菜の花のタネが地中に植えられ、歩いたあとから菜の花が咲いていくヒール)
どこらへんが、どうアノニマス・ライフなのか、
最後までイマイチよくわからなかった作品の方が、割合的には多かったです。
高嶺格さんとかスプツニ子!さんの作品自体は面白かったですが、
展覧会全体のコンセプトがわかり辛かったばかりに、何だかボヤけてしまっていた気がしました。
展覧会観賞直後に、僕の中で芽生えたこの何とも言えぬモヤモヤした気持ち。
これぞ、まさしくアノニマス・ライフ (笑)
ちなみに、 “アノニマス・ライフ” はさておきまして (←え?)
ICCの常設展スペースで開催中の “オープン・スペース 2012” は、純粋に面白かったです。
毎度毎度、無料で満足度の高い展覧会をしてくれて感謝です。
今回の “オープン・スペース 2012” で、特に印象に残っているのが、
イギリス人コンビのジョン・ウッド&ポール・ハリソンによる映像作品 《扇風機/紙/扇風機》 。
扇風機と扇風機の間に置かれた紙が、
両方から風が当たっているおかげで、倒れないで直立している様子を写しただけの映像作品です (笑)
シンプルにくだらないですが、 『ピタゴラスイッチ』 的なテイストで、ツボでした。
それから体験型作品として秀逸だったのが、藤木淳さんの 《ゲームキョウカイ》
左から、ゲーム&ウオッチ、ファミコン、ゲームボーイ、スーパーファミコン・・・と、
この30年の代表的なビデオゲーム機が並べられています。
実は、この作品は、それらがすべて繋がっており、
左から右へと、ゲーム機の境界線を超えて、プレイできる仕組みになっています。
では、実際の映像をご覧ください↓
僕も、会場で、チャレンジしてみたのですが。
ゲームの才能が全くないので、途中でゲームオーバーになってしまいました。。。
そのプレイの様子を、後ろにいた数人に見られて、かなり恥ずかしいことに。
いわゆる羞恥プレイです。
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ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家
1944年6月6日 ゼラチン・シルバー・プリント、横浜美術館蔵、© ICP/Magnum Photos
こちらは、戦争写真の傑作と評される 《Dデイ、オマハ・ビーチ、ノルマンディー海岸》 という一枚。
皆様も、この有名な写真を、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
そして、この有名な写真の作者ロバート・キャパの名前も、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
しかし、このロバート・キャパという名前が、
実は、2人の人物によって創り出された架空の写真家であったということは、ご存知でしたか??
正直、僕は今日の今日まで知りませんでした。。。
『キン肉マン』 の作者・ゆでたまごが、
2人組だったということ以上にビックリです (←何と比べてるの?)
ではでは、ロバート・キャパとは、本当のところは何者なのでしょうか?
《ロバート・キャパ、セゴビア戦線》 1937年、ゼラチン・シルバー・プリント、ICP蔵、©ICP
こちらの男前が、いわゆるロバート・キャパこと、アンドレ・フリードマン (1913~1954)
で、こちらの写真を撮ったゲルダ・タロー (1910~1937) が、もう一人のロバート・キャパです。
実は、アンドレ・フリードマン (♂) とゲルダ・タロー (♀) は、公私ともにパートナー。
パリで出会い意気投合した二人は、
1936年春に “ロバート・キャパ” という架空の名を使って報道写真家活動を始めます。
“ロバート・キャパ” としての仕事が軌道に乗ってほどなくして、
ゲルダ・タローは、自身の名で、世界初の女性報道写真家として自立。
その後も、アンドレ・フリードマンは、“ロバート・キャパ” という名前を使い続けたのです。
・・・・・と、ここで疑問。
“どうして、ゲルダ・タローの存在は、あまり知られていないのでしょうか?”
それは、ゲルダ・タローが自立して間もなく、
スペイン内戦の取材中に、27歳という若さで命を落としてしまったから。
そのため、作品自体もほとんど残っていなく、
“ロバート・キャパ” の生みの親のでありながら、その存在があまり知られていなかったのだとか。
そんな知られざるゲルダ・タローにもスポットを当てた、これまでにない切り口のロバート・キャパ展、
“ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家” が、3月24日まで横浜美術館にて開催されています。
会期のスタートと同時に、先週早速訪れてきましたが。
まず何よりも特徴的だったのが、ゲルダ・タロー展と、
いわゆるロバート・キャパ展 (≒アンドレ・フリードマン展) とが独立していたこと。
ゲルダ・タロー展は、会場の壁を赤で統一。
いわゆるロバート・キャパ展のほうは、会場の壁が白で統一されていました。
それぞれ独立していたのは、会場だけではありません。
今回の図録も・・・
ちゃんと、このように独立しています!
もちろん購入する際にも、どちらか一方だけを買うというのも可能です。
美術展のチケットに関しては、どちらか一方だけを買うというわけにはいきませんのであしからず。
さてさて、まずは、ゲルダ・タロー展から観賞。
《ゲルダ・タロー、グアダラハラ戦線》 1937年7月ゼラチン・シルバー・プリント、ICP蔵 ©ICP
こちらの撮影者不詳の写真に写っている人物こそが、ゲルダ・タローさん。
ドイツ人にしては、 “タロー” という名前が日本人っぽいですね。
・・・・・などと思っていたら、あの岡本太郎に由来するペンネームとのこと (またペンネーム!)
会場では、《海岸で訓練中の共和国軍女性兵士、バルセロナ郊外》 や、
1936年8月 インクジェット・プリント ICP蔵 ©ICP
《共和国軍兵士たちと人民戦線の車、バルセロナ》 など、
1936年8月 インクジェット・プリント ICP蔵 ©ICP
彼女のオリジナルプリントを中心とする写真83点が日本初公開されています。
特徴的だったのは、ほとんどの写真が、低い位置から撮影されていたこと。
女性報道写真家で早くにして亡くなったという事実を知った上で見たからでしょうか、
それらの低い位置から撮られた写真は、どこか小動物の目線を連想させ、儚さすら感じました。
一言で言い表すならば、 “けなげな写真” とでも言いましょうか。
ともあれ、長い時代を経て、ゲルダ・タローに、
こうして日本でようやくスポットが当てられたという事実が、尊いことのように思えました。
続いて、いわゆるロバート・キャパ展へ。
こちらの目玉作品は何と言っても、キャパの代表作 《共和国軍兵士、コルドバ戦線、スペイン》
通称、 「崩れ落ちる兵士」 です。
1936年9月5日頃 ゼラチン・シルバー・プリント 横浜美術館蔵 ©ICP / Magnum photos
共和国軍の兵士が撃たれた瞬間を捉え、
ニュース誌に幾度となく掲載されたこの写真は、キャパの出世作にして最大の代表作です。
最初に、この写真が掲載された 『LIFE』 誌では・・・
“ROBERT CAPA'S CAMERA CATCHES A SPANISH SOLDIER THE INSTANT
HE IS DROPPED BY A BULLET THROUGH THE HEAD”
(キャパのカメラは兵士の頭が銃で撃ち抜かれる瞬間をとらえた)
と文章が添えられていたそうなのですが。
実は、その後の研究の結果、この兵士は撃たれたわけでなく、
足を滑らせて後ろに転びそうになっているだけということが発覚!
そのしょうもない事実に、こっちが崩れ落ちそうになりました (笑)
さらに、ここ最近になって、ノンフィクション作家の沢木耕太郎氏が、
「この写真を撮ったのは、本当はゲルダ・タローだ!」 という新説を発表したばかり。
何とも疑惑の絶えない写真です。
この 「崩れ落ちる兵士」 を筆頭に、冒頭で紹介した 《Dデイ、オマハ・ビーチ、ノルマンディー海岸》 、
さらに、本格的なデビュー作 《デンマークの学生に講演するレオン・トロツキー、コペンハーゲン》
1932年11月27日 ゼラチン・シルバー・プリント 横浜美術館蔵 ©ICP / Magnum photos
を含む、ロバート・キャパの生涯の全ワークスを網羅した、
193点もの横浜美術館キャパコレクションが一挙大公開されています。
こちらだけでも十分に満足度が高い美術展なのに、
ゲルダ・タロー展も楽しめるなんて、一粒で二度美味しいロバート・キャパ展です。
最後に、ロバート・キャパ展に展示されていた写真の中で、印象に残ったものを数点ご紹介。
まずは、緊迫感が如実に伝わってくる 《空襲警報、バルセロナ》
1939年1月 ゼラチン・シルバー・プリント 横浜美術館蔵 ©ICP / Magnum photos
続いて、紐の結び目と少女の目が奇跡的なコラボを見せる (?) 一枚。
《聖徳太子殿竣工式、四天王寺、大阪》
1954年4月22日 ゼラチン・シルバー・プリント 横浜美術館蔵 ©ICP / Magnum photos
「♪あたりまえ体操~」 という歌が聞こえてきそうな 《女性たちの訓練、漢口》 も良かったですが。
1938年3月 ゼラチン・シルバー・プリント 横浜美術館蔵 ©ICP / Magnum photos
マイベストは、 《早朝の散歩に出るハリー・S・トルーマン大統領、帰省した故郷で、インディペンデンス、ミズーリ州》 です。
1948年12月 ゼラチン・シルバー・プリント 横浜美術館蔵 ©ICP / Magnum photos
トルーマン 「それじゃ、せーので、右足からな」
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新・無料で観れる 美術百選 《ジョイナスの森彫刻公園(神奈川県横浜市)》
先日、横浜を歩いていた時のこと、
見過ごせない単語が目に飛び込んできました。
「ん?!」
「ジョイナスの森彫刻公園?!」
あの屋上に、彫刻公園なんてあるのですか?
真偽を確かめるべく、屋上に駆け上がりました。
すると、そこには・・・
確かに、彫刻のある公園が広がっていました!!
意識しなければ、ここがデパートの屋上であることを忘れてしまいそうです。
さてさて、そんなジョイナスの森彫刻公園にて、
朝倉響子さんやアントワーヌ・ブールデルの彫刻作品に交じって、
イタリア彫刻界の巨匠の作品を発見!!
新・無料で観れる 美術百選 008 マリーノ・マリーニ 《構成》
マリーノ・マリーニ (1901~1980)
略して、マリマリは (←?) 、馬に乗り、腕を広げた男性をかたどった彫刻で知られる彫刻家。
ここジョイナスの森彫刻公園に設置されているのは、
まさに、マリマリらしさが100%溢れた彫刻作品と言えましょう。
最後に。
ジョイナスの森彫刻公園ならではの構図でマリーノ・マリーニ作品を写した写真をご紹介。
高島屋の看板とマリーノ・マリーニ。
なかなかシュールな光景です。
<無料で観れる美術 データ>
ジョイナスの森彫刻公園
住所:横浜市西区南幸1-5-1 相鉄ジョイナス屋上
アクセス:○JR「横浜駅」西口より徒歩1分
この美術室を盛り上げるワンクリックも、無料で出来てしまいます。
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書聖 王羲之
今回ご紹介するのは、東京国立博物館で3月3日まで開催されている特別展 “書聖 王羲之” 。
こちらは、4世紀の中国・東晋時代に活躍した、
中国の政治家であり書家である王羲之(303~361、異説あり) を取り上げた展覧会です。
王羲之と言えば、書を芸術に高めたことから、 「書聖」 と崇められたほどの人物。
書道界にとっては、神様のようなお方です。
そんなスゴい書家の展覧会だけに、
「書なんて、あまり興味ないからなァ・・・ ( ;´_ゝ`)」
と、普段は、書の展覧会に足が向かない方にも注目して頂きたいところです。
ただ、最初に、衝撃的な事実をお伝えてしておきますが。
今回の “書聖 王羲之” には・・・
王羲之の真筆 (本人の直筆) 作品は、1点も展示されていません!!
「な・・・なんですと (; ゚ ロ゚)」
きっとそう思った方が多くいらっしゃることでしょう。
かつて、フェルメールが1点も展示されていないフェルメール展があったでしょうか。
かつて、葛飾北斎が1点も展示されていない葛飾北斎展があったでしょうか。
もし、そんな展覧会が開催されたら、詐欺で訴えられかねません。
では、なんで、 “書聖 王羲之” には、王羲之の真筆が1点も展示されていないのでしょう?
その理由は、単純明快。
そもそも王羲之の真筆が、この世に1点も残っていないからに他なりません。
真筆は1点も残っていないのですが、そこは、さすが 「書聖」 とでも言いましょうか。
彼の字は、唐の太宗皇帝などが国家的規模の複製事業を行ったため、模本の姿で残っているのです。
模本と聞いて、 「なんだただのレプリカか・・・」 と思うことなかれ。
当時、宮中に集められた専門の職人が超絶技巧を尽くし、
墨のにじみや筆のかすれ具合、虫食いの箇所に至るまで完璧な姿で再現した精巧な模本ともなると、
その現存数は、世界でもたったの10点以下。
そのうちの1点である 《行穣帖》 を筆頭に、
原跡:王羲之筆 唐時代・7~8世紀模 プリンストン大学付属美術館蔵
Princeton University Art Museum / Art Resource, NY
《妹至帖》 など、
原跡:王羲之筆 唐時代・7~8世紀摸 個人蔵
(注:展示期間は、2/13~3/3まで)
4点ものスペシャリティな模本が、今回の “書聖 王羲之” に特別出展されています。
まず、王羲之の文字の美しさに感銘を受け、
さらに、それらの文字が、最高の職人業によって再現されたものと知って感銘を受け。
正直なところ、僕自身も、あまり書には興味が無い方ですが、
そんな僕ですら、これらの模本には、二段階で感銘を受けることが出来ました。
展示されていた作品が、名品ばかりであったことは疑いようもないですし。
書に興味が無い人でも飽きさせないような演出も、随所に見られましたし。
“書聖” の展覧会だけに、気合の入りようが伝わってきましたが。
ただ一つだけ、難を言うならば、いつになく鑑賞後にグッタリとする展覧会だったなァということ。
お客さんが多いため、作品によっては、かなり観づらくなっています。
また、書をたしなんでいるお客さんが多いためか、エア書道をしている人もちらほらと (笑)
さらに、キャプションをはじめ、文字による解説が多く、
作品に書かれた文字と合わせると、どれだけの文字を目にしたことでしょうか (笑)
体力、精神力、そして、時間は万全に整えてから行かれることをオススメします。
ちなみに、個人的に、一番面白いと感じたのが、 『蘭亭序』 にまつわるエトセトラ。
永和9年、王羲之は、蘭亭に41人の名士を招き、詩会を開催したそうです。
この詩会、ただの詩会ではなかったそうで・・・。
《蘭亭図巻―万暦本―》 王羲之等筆 明時代・万暦20年(1592)編 東京国立博物館蔵
王羲之を含む42人が、曲水の畔に陣取って、
上流から杯が流れてきては、その酒を呑んで、詩を詠むのだとか。
もし、詠めなかった場合は、さらに大きな杯で、お酒を飲まなければならないとのこと。
時代が時代なら、アルハラで問題になりかねない詩会です (笑)
その際に、イイ感じで酔っていた王羲之が、
この詩会で誕生した詩集の序文を揮毫したそうで。
もちろん、その真筆は残っていませんが、
王羲之筆 原跡:東晋時代・永和9年(353) 東京国立博物館蔵
《定武蘭亭序-許彦先本》 のように拓本の形で、 『蘭亭序』 として現在まで伝わっているのです。
面白いのは、のちの文人たちが、
この 『蘭亭序』 に書かれた王羲之の28行324字の中から任意の文字を組み合わせて、
新たな対句を作るというムーブメントが起こったこと。
《楷書七言聯》 宣統帝筆 清時代・20世紀 東京国立博物館蔵
これは、完全に、現代のフォントと同じ発想。
書の美しさだけでなく、書のシステムも、
王羲之に源流があるのかと思うと、大変興味深いものがありました。
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超然孤独の風流遊戯 小林猶治郎展
個人的に、 『美術館界のイチロー』 と呼んでいる練馬区立美術館にて、
2月17日より、 “超然孤独の風流遊戯 小林猶治郎展” が開催されています。
(『美術館界のイチロー』 と呼ぶ理由は、この記事に)
(注:美術館内の撮影は、特別に許可を得ています)
こちらは、画家・小林猶治郎の公立美術館における没後初の回顧展です。
・・・・・・・・・・・・・・・。
ではでは、ここらで、練馬区立美術館の美術展を紹介する時のお約束となったあのフレーズの登場です。
「えっ、誰それ?!」
こちらの 《自画像》 の人物が、小林猶治郎。
肺結核のため、医者から、 「余命は25歳まで。」 と宣告されながらも、
好きな絵を描き続けていたら、なんと93歳まで生きてしまったという驚愕の人物です (笑)
ちなみに、その口癖が、
「こんなにいきて きまりがわるい」
だったというから、よほど飄々とした人物だったのでしょう (笑)
しかし、飄々としていたのは、生き様だけにあらず。
画家としての姿勢も、かなり飄々としていました。
というのも、画家でありながら (?) 、職業画家は目指しておらず、
その生涯で、自分の作品を売ることが無かったのだそうな (←!!)
さらに、歳を重ねるごとに、その傾向がエスカレートし、
最終的には、 “作品を見せたくもない!” という境地にまで達してしまったのだとか (←!!!)
・・・って、画家として、そんな境地を目指していいのか?!猶治郎!
そんな猶治郎だけに、ほとんどの作品が、今日までアトリエに残されており、
当然、そんな彼の画業の全貌が明らかになることも無かったというわけなのです。
こんな画家らしくない人生を送った小林猶治郎にも開いた口が塞がらないですが、
そんな画家を、発掘してきた練馬区立美術館のリサーチ能力の高さにも、開いた口が塞がりません。
会場では、もうず~~~っと口が開きっぱなしでした (笑)
小林猶治郎の作品の特徴は、何と言っても、スタイルが無さすぎること!
のどかな風景画 (《宿場(富士見)》) を描いたかと思えば、
子供の落書きのような抽象画 (《軌》) を描いたり、
はたまた、ドガみたいな人物画 (《髪》) を描いたり。
熊谷守一っぽい絵 (《日永》) を描けば、
ナンシー関っぽい絵 (《華子素描》) も描く。
よく言えば、型にハマらない。
悪く言えば、節操のない画家です (笑)
ただ、そのことが、いい方向に転ぶ場合もあるようで・・・。
《雪渓》 という絵の額を薪で作ってみたり、
《小鳥》 という絵を金網で覆ってみたり、
普通の画家が思いつかないような (思いついてもやらないような?) 、
斬新なアイディアが盛り込まれた作品を、いくつも目にすることが出来ました。
また、スタイルこそ定まっていないですが、
全体的に、絵の中に独特な “圧” が漂っており、グイグイグイと迫ってくるものがありました。
例えば、彼が妻をモデルに描いた 《擡頭》 という一枚。
目力が、ハンパないです。。。
何も悪いことはしていないですが、
つい 「すいません。。。」 と謝りたくなってしまいます。
また、彼が愛する息子と娘を描いた 《童心双六》 という一枚。
中心に描かれているのが、息子と娘の2ショット。
しかし、 「そこに愛はあるのかい?」 と思わず尋ねてしまいたくなるほど、
不気味な感じに仕上がっています。。。 (特に、娘さんはゾンビのようです。。。)
この絵で唯一可愛いのは、息子でも娘でもなく、その右下にいるヒヨコ。
脱力系にもほどがあります (笑)
極めつけの “圧” 作品は、 《手》 。
ただじゃんけんしている3人の手が描かれているだけなのですが・・・
まるで 『グラップラー刃牙』 の死闘レベルの殺気が漂っています。
一体、何を賭けたじゃんけんなのでしょうか?!
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web面の関係上、これ以上紹介できませんが。
まだまだまだ、今回紹介した作品とは、ガラッと違う作風の絵が、たくさん展示されています。
そのあまりの一貫性の無さに、正直、鑑賞側としては、
「もう少し、観る人を楽しませてくれよ」 と、ちょっとイラッとしてしまいましたが。
よく考えたら、本人は、 “作品を見せたくもない!” と思っていたわけですし。
何より、描いた自分が楽しんで、
その結果、長すぎる余命を過ごせたのですから、それでいいのですね (笑)
観た直後よりも、観てからしばらく経って思い返した方が、面白いと感じる美術展。
ジワジワくる美術展です。
ちなみに。
1階の展示室では、現代美術家による “富田有紀子展” が同時開催されています。
実は、この富田有紀子さん。
小林猶治郎さんの孫に当たる人物です。
時空を超えて、祖父と孫のコラボレーションをさせるだなんて、何とも粋な計らいです。
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エドワード・スタイケン写真展
現在、横浜美術館では、20世紀を代表する報道写真家の展覧会が開催中ですが。
タイミングを同じくして、こちらの世田谷美術館では・・・
20世紀を代表するファッション写真家の展覧会、
“エドワード・スタイケン写真展 モダン・エイジの光と影 1923-1937” が開催中です。
「ロバート・キャパの名は知ってるけど、エドワード・スタイケンの名は知らない・・・ (>_<)」
そんな方のために、まずは、簡単にプロフィールをご紹介。
エドワード・スタイケン (1879~1973) は、 『米国写真界の巨星』 と称されるほどの写真家です。
若い頃に、絵画のような写真 (ピクトリアリズム) を極めながらも、
次第に、芸術至上主義的な表現にうんざりとし始め、商業写真家へと転向。
雑誌 『ヴォーグ』 や 『ヴァニティ・フェア』 の主任写真家として華々しく活躍しました。
その後、商業写真を引退し、今度は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のキュレーターに転身。
数々のヒット写真展を企画し、写真の普及にも尽力しました。
とりわけ、1955年に企画した “ファミリー・オブ・マン” は、
日本を含む世界38ヵ国を巡回し、冷戦期の世界で900万人を動員した伝説の写真展。
エドワード・スタイケンは、写真の腕はもちろんですが、
それ以上に、時代が求めているモノを的確に読み取る力に長けている気がします。
さしずめ、 「写真界の秋元康」 と言ったところでしょうか (←?)
・・・・・と、なんとなくエドワード・スタイケンをイメージして頂けたであろうところで。
ここからは、今回の “エドワード・スタイケン写真展” のご紹介。
こちらの展覧会は、彼の約70年にも及ぶ彼の写真家人生の中でも、
もっとも脂が乗っていたとされる1920~30年代にターゲットを絞って、
その頃に撮影されたファッション写真やポートレート約200点で構成されています。
つまり、会場に展示されているのは、今から90年近くも前のファッション写真ということになります。
・・・・・・・・・・・・。
“いくらエドワード・スタイケンが、アメリカを代表する写真家とは言え、
今の僕らから見たら、さすがに古臭い、、、もとい、レトロな印象しか受けないんじゃないかなァ”
正直なところ、会場に足を踏み入れるまで、
今回の写真展には特別期待はしていませんでした (世田谷美術館さん、ごめんなさい)
が!!
《アール・デコふうの大判スカーフをまとうタマリス》 しかり、
1925年 ゼラチン・シルバー・プリント ©1925 Condé Nast Publications
《シュザンヌ・タルボットの黒いチュールのヘッド・ドレスと、黒いキツネの襟つきブロケード・コートをまとうモデル》 しかり、
1925年 ゼラチン・シルバー・プリント ©1925 Condé Nast Publications
《シェリュイのドレスを着たマリオン・モアハウス、コンデ・ナストのアパートメントにて》 しかり。
1927年 © 1927 Condé Nast Publications
どの写真も90年も昔のファッション写真とは思えないほどに、
スタイリッシュ!&クール!!&セクシー!!!&ラグジュアリー!!!!
(注:最後の方は、何とか知ってる横文字を捻り出してみましたw)
古臭いどころか、現代のブランドの広告写真と言われても、全く違和感のないレベル。
むしろ、エドワード・スタイケンの作品の方が、新しさを感じるくらいです。
いい意味で、期待を裏切られました♪
どの写真にも、心が惹かれましたが、
特に心をグイッと鷲掴みされたのは、今回のポスターにも使われている 《女優グロリア・スワンソン》 という一枚。
1924年 ゼラチン・シルバー・プリント © 1924 Condé Nast Publications
被写体である女優グロリア・スワンソンの目力も、相当なものですが。
その大女優を、ピンと張ったレース越しに撮るという発想力も相当なものです。
もしも、このレースがなかったら、
ただ単に目力の強い女優を写しただけの平凡なポートレートになっていたことでしょう。
しかし、このレースの紋様が彼女を覆うことで
グロリア・スワンソンの持つ妖艶さやミステリアスさが際立ち、
さらには、そこに、新たなドラマやイメージ像が吹き込まれていたような気がします。
会場では、 《女優グロリア・スワンソン》 以外にも、
モデルの魅力を最大限に引き出し、かつ新たなイメージを吹き込んだ写真が多数紹介されています。
そんなスタイケンの魔法のような撮影スタイルは、
現代の写真家でいうと、蜷川実花さんを彷彿とさせるものがありました。
“モノクロの蜷川実花” といった印象です。
また、もちろん 『ヴォーグ』 に掲載される写真とあって、
モデルの魅力と同じくらいに、ファッションの魅力も最大限に引き出しているのもスタイケンの特徴。
それだけに、「写真展って、あまり興味なくて・・・」 という方でも、
ファッションが好きな方ならば、確実に楽しめること請け合いです。
さらに、 《グレタ・ガルボ》 をはじめ、
1929年 © 1929 Condé Nast Publications
ゲイリー・クーパーやチャップリンなど、
往年の銀幕スターたちのポートレートが多数登場するので、映画が好きな方にもオススメ。
そういう意味でも、かなり間口の広い写真展と言えましょう。
ちなみに、印象的な写真は、たくさんありましたが。
マイベストは、 《作曲家ジョージ・ガーシュイン》
1931年 © 1931 Condé Nast Publications
( 『ラプソディ・イン・ブルー』 の作曲家です)
こんなカッコいい宣材写真を、いつか自分も撮ってもらいたいものです。
(いい宣材写真が無いので、いまだに似顔絵がアイコンになっているので・・・f^^;)
10位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位)
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PR: 《公式》Office 2010
【告知】 現在募集中のアートツアー 【告知】
現在募集中のアートツアーです。
アートに興味のない方でも楽しんで頂ける企画となっておりますので、どうぞお気軽にご参加くださいませ
定員になり次第、募集は〆切らせて頂きますので、よろしくお願いします。
3/2(土) アートテラー・とに~のすべらない美術展の旅
(注:こちらのツアーは、募集定員に達しましたので、キャンセル待ちでのみの参加受付となります)
「人は誰も1つはすべらない美術展を知っており、 そしてそれは誰が何度訪れても面白いものである。」
今回お届けするのは、現在オススメのすべらない美術展だけを巡るというとてもシンプルなアートツアー。
佐藤美術館の “うれし・たのし・今日このごろ いきものワールド 富田菜摘展” と、
永青文庫で開催中の “武蔵と武士のダンディズム” を訪れます。
永青文庫では、超特別に、学芸員さんに解説して頂けることに!
さらに、佐藤美術館では、まさかのご本人登場のパターン?!
時間は、12時30分~17時。
参加費は、特にかかりません。(入館料は各自でお支払いくださいm(__)m)
人数は、15名までとさせてくださいませ。
シンプルながら、満足度間違いなしのアートツアーです。
すべらんなぁ。
3/3(日) 無料で行ける美術館の旅2013
(注:こちらのツアーは、募集定員に達しましたので、キャンセル待ちでのみの参加受付となります)
都内には、たくさんの美術館があります。
その中には、何と無料で楽しめる美術館もあるのです!
そこで、そんなとっておきの無料で楽しめる美術館3館を巡るツアーを開催いたします。
まず向かうのは、 『板橋区立美術館』。
基本的には有料で美術展を開催する板橋区立美術館ですが。
なんと、毎年春は、無料で、しかも写真撮影OKで(フラッシュは不可)、
質の高い江戸美術展を開催してくれているのです。
今年は、 “狩野派以外も大賑わい” という美術展が開催されるとのこと。
「・・・・・う~ん。あまり江戸美術には興味が無いんだよなァ」
という人でもご安心を!
板橋区立美術館ならではの超ユルいキャプション(解説文)は、破壊力抜群。
江戸美術に興味が無かった人でも楽しめること請け合いです♪
ちなみに、板橋区立美術館以外に23区内の2つの美術館を巡ります。
1年のうちで2週間しか開館しない幻の美術館も訪れますので、乞うご期待!
時間は、11時開始で17時終了予定。 (途中、お昼休憩を挟みます)
募集人数は、15名としたいと思います。
準備代として、お一人様300円だけ負担して頂けたら幸いです。
(入館料は、もちろんすべて無料です!)
それでは、皆様のご参加を心より、お待ちしております!
3/9(土) 赤坂をぶらり浮世絵散歩
「浮世絵を片手に、街を歩こう。」
をコンセプトに、某浮世絵専門美術館の学芸員さんと、
浮世絵が描かれた舞台・江戸 (=東京) の街並みを、歩くツアーです。
“浮世絵に描かれた街並みは、今、どうなっているのか?”
浮世絵に描かれた場所に実際に赴き、浮世絵と見比べてみましょう♪
講師は、某浮世絵専門美術館の学芸員アキラさん。
そのフリーダムな (?) 語り口で、浮世絵の魅力を伝えてくれるホンワカ系の学芸員さんです。
今回の舞台となる街は、 『赤坂』 。
江戸城の外堀の痕跡を探しながら、歴史ある赤坂・虎ノ門の街並みを散策します。
時間は13時から17時までを予定しています。
(内容によっては、スタートが12時になるかもしれませんので、
開始時間には余裕を見ておいてくださいませ)
定員は、12名。
講師代として、お一人様2000円頂戴いたします。
浮世絵が好きな人も、そうでない方も楽しめる浮世絵バラエティツアー
是非、皆様のご参加をお待ちしております♪
3/16(土) 大東京お笑い建築ツアー【皇居一周編】
「“建築”って何をどう観たらいいの?? 」
という全ての人にお送りする“大東京お笑い建築ツアー”
建築初心者の自分を筆頭に、講師の建築家の方の話を伺いながら、
皆で、東京の色々な街を訪れ、“建築”をぶらぶらと楽しく観賞しようという企画です♪
今回のツアーの舞台は、
『皇居周辺』
東京のオアシス・皇居内堀。
その周辺には、名建築が数多く存在しているのだとか。
そんな皇居の周りの名建築を、皇居内堀の外側を歩いたり、
時には、皇居内に入ったり、散歩気分で楽しみながら巡る建築ツアーです[s:62]
前回の 【皇居一周編】 では、国立劇場をスタートして、日生劇場まで進むことが出来ました。
今回は、その続きとなりますので、
13時に日生劇場からスタートし、いよいよゴールの東京駅を目指します。
(ツアーとしては独立していますので、初参加の方でも、もちろん楽しんで頂けます♪)
時間は、13時から17時までを予定しています。
参加費として、講師代をお支払いするため、お一人様1200円頂戴いたします。
今回の定員は、13名となっています。
大東京お笑い建築ツアーは人気企画のため、
来週3月1日までに、参加希望者が定員を超えた場合に限りまして、抽選制とさせて頂きます。
当選発表は、当選のメッセージをもってお知らせいたします。
これまでに参加された方も、これまでに参加したことない方も、
皆様平等にチャンスがありますので、ふるってご参加表明くださいませ!
というわけで。
日本一楽しく、日本一わかりやすい『建築』のアートツアー!!
建築に興味がある方はもちろん、
建築は全然わかならないという方も、是非是非ご参加お待ちしています。
3/17(日) 大東京お笑い建築ツアー 【集合住宅編 ~3rd season~】
「“建築”って何をどう観たらいいの?? 」
という全ての人にお送りする“大東京お笑い建築ツアー”
建築初心者の自分を筆頭に、講師の建築家の方の話を伺いながら、
皆で、東京の色々な街を訪れ、“建築”をぶらぶらと楽しく観賞しようという企画です♪
今回は、これまでに、2回に渡って開催した 【集合住宅編】 の最新版をお届けします。
(1st season、2nd seasonの模様はこちらから)
「公共施設や商業施設等は、どうしてもいつもの自分の住まいとは違うものとして、
非日常的に感じる部分が多いのではないかと思います。
もう少し、自分自身の日常と比較しながら見れるものとして、
今回集合住宅ツアーをご提案させて頂きました。
少しリアルな視点で見て頂けると、いつもの建築ツアーとは違う発見があるかもしれません。
都市に人が集まって住む事を、その時代にどのように考え設計していたかを、少しでもお伝え出来ればと思っております。
皆様にお会い出来るのを大変楽しみにしております。」
とは、講師を勤める建築家・soさんのコメント。
実際に住める可能性のある建築を巡る、いつもとはちょっと違った大東京お笑い建築ツアーです。
ちなみに、今回のツアーは、UR都市機構 技術研究所 集合住宅歴史館を中心に、
東京西部の名集合住宅を巡る予定です。
これまでにご参加された方も、今回初参加の方もお楽しみに
時間は、12時から17時までを予定しています。
参加費として、講師代をお支払いするため、お一人様1500円頂戴いたします。
今回の定員は、15名となっています。
大東京お笑い建築ツアーは人気企画のため、
来週3月1日までに、参加希望者が定員を超えた場合に限りまして、抽選制とさせて頂きます。
当選発表は、当選のメッセージをもってお知らせいたします。
これまでに参加された方も、これまでに参加したことない方も、
皆様平等にチャンスがありますので、ふるってご参加表明くださいませ!
というわけで。
日本一楽しく、日本一わかりやすい『建築』のアートツアー!!
建築に興味がある方はもちろん、
建築は全然わかならないという方も、是非是非ご参加お待ちしています。
新たなツアー企画は、内容が決まり次第、随時こちらの記事を更新してお伝えいたします。
参加希望の方は、こちらのメールフォームよりお知らせください。
詳細をお知らせいたします。
http://homepage3.nifty.com/art-teller/tony_contact.htm
PR: なんとなく加入して、なんとなく支払っているあなたへ。
第五十話 国宝ハンター、崩れ落ちる!
~前回までのあらすじ~
え~、国宝ハンターのとに~です。
日本全国にある国宝すべてを見ることに、1年半前からチャレンジしています。
私が、これまでに観た国宝の数は、実に、320件!
これは、国宝の約3分の1を観たという計算になります。
え~、結構、観ています。
今回は、前回に引き続き、都内での国宝ハンティングの模様をお送ります。
順調に見えた国宝ハンティングでしたが、今回、ある小さな事件が起こってしまいました。
果たして、その事件とは?
国宝ハンターのとに~でした。
先月に引き続き、今月も都内は、国宝月間 (?)
都内の各美術館で、国宝が展示されています。
例えば、静嘉堂文庫美術館で開催中の “曜変・油滴天目 -茶道具名品展-” では、
《曜変天目茶碗》 (ジャンル:工芸品) が出展中。
日本を代表する茶碗の中の茶碗だけあって、その品格・美しさは、文句なしに国宝級です。
《曜変天目茶碗》 は、世界に3点しか存在しておらず、
その3点すべてが日本にあり、しかも、3点すべてが国宝とのこと。
つまり、あと2つの国宝 《曜変天目茶碗》 が、この先に待っているのですね。
また、根津美術館で開催されていた “新春の国宝那智瀧図 仏教説話画の名品とともに” では、
鎌倉時代 13~14世紀 根津美術館蔵
《絹本著色那智滝図》 (ジャンル:絵画) が出展されていました。
こちらも、静嘉堂文庫美術館の 《曜変天目茶碗》 に引けを取らない逸品。
こんな名品が、都内にいながらにして、目に出来るだなんて!
静嘉堂文庫のコレクションを築いた岩崎親子と、
根津美術館のコレクションを築いた根津嘉一郎さん様々です。
そして、何と言っても、国宝ハンター大注目の展覧会が、
東京国立博物館で開催されている特別展 “書聖 王羲之” です。
こちらには、個人蔵の 《真草千字文》 (ジャンル:書跡・典籍) をはじめ、
・京都国立博物館蔵の 《世説新書巻第六残巻》 (ジャンル:書跡・典籍)
・東京国立博物館蔵の 《世説新書巻第六残巻》 (ジャンル:書跡・典籍)
・東京国立博物館蔵の 《秋萩帖》 (ジャンル:書跡・典籍)
・文化庁蔵の 《宋高宗書徽宗文集序》 (ジャンル:書跡・典籍)
と、数々の国宝が出展されています。
これは、一挙大量ゲットのチャンスです。
会期は、1月22日からということもあり、早くゲットしたいところでしたが。
前回も触れたように、あえて本日までスルーしていました。
というのも、前期 (~2/11) で紹介されていた国宝 《趙子昂書〈与中峰明本尺贖/(六通)》 は、
すでに、第二十八話でハンティング済。
かれこれ1年半、国宝ハンターを続けてきたおかげで、
1点の国宝のために、前期と後期の両方に行かねばならないという事態を回避できました ε-(´▽`) ホッ
というわけで、 《搨王義之書(孔侍中帖)》 が出展されるのを待ってからトーハクへ。
(注:このロケは、2月13日に行われました)
・・・・・・・・・・あれ?
会場を隅々まで探せども、 《搨王義之書(孔侍中帖)》 の姿は無し。
「おかしいなぁ。《搨王義之書(孔侍中帖)》 って、2月19日から出展されるはずなのに・・・」
(注:このロケは、2月13日に行われました)
「今日から展示するんじゃなくなったのかなぁ??」
(注:このロケは、2月13日に行われました!)
「・・・・・・・って、今日は、2月19日じゃなくて、2月13日じゃん!」
(注:だから、このロケは、2月13日に行われました!)
日々、いろんなことに追われ過ぎて、
日にちを一週間間違えるという大ポカをやらかしてしまいました。
《搨王義之書(孔侍中帖)》 も出展されていなければ、
《趙子昂書〈与中峰明本尺贖/(六通)》 も出展されていない。
あえて前期をスルーしたのに、
むしろ一番国宝が少なく展示されている時に訪れてしまったのです。
(↑国宝ハンターのくせに!)
そのあまりのショックに、膝から崩れ落ちそうになりました。
誰か、コンドロイチンをください。
今現在の国宝ハンティング数 327/1085
国宝ハンターは、ランキングにも挑戦中!
(皆様のおかげで現在7位まです!ありがとうございます!!)
記憶写真展
横浜美術館の “ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家” 、
世田谷美術館での “エドワード・スタイケン写真展” に引き続き、本日も写真展を紹介します。
「え~、また写真展??」
そんな声も、ちらほらと聞こえてきそうな気がしますが (汗)
今回紹介するのは、ちょっと・・・いや、だいぶ変わった写真展です。
会場となるのは、目黒区美術館。
その名も、 “記憶写真展-お父さんの撮った写真、面白いものが写ってますね” です。
・・・・・面白い副題が付いていますね (笑)
こちらの写真展で紹介されている全ての写真は、
《雪の日の洗足駅(1955頃)》 にしても、
《目黒通りの自動車の列(1965頃)》 にしても、
《目黒新橋を渡る神輿(1937頃)》 にしても、
プロの写真家ではない普通の人々によって撮られたものばかりです。
普通の人々が、日々の生活の中で撮り溜めた何気ない写真たちが、
その後、目黒区めぐろ歴史資料館に寄贈され、歴史資料として大切に保管されているのだそうです。
会場では、そんな、いわば素人写真の数々 (約200点) が、
新たに大小様々なサイズにプリントアウトされ、ランドマークや道などテーマごとに紹介されていました。
単に写真展というよりも、目黒区美術館によるインスタレーション展といった印象です。
(注:美術館内の撮影は、特別に許可を得ています)
正直なところ、誰が撮ったかわからない・・・
しかも、自分が生まれていない時代の写真を見て、楽しめるのだろうかと、不安だったのですが。
気づいたら、真剣に1点1点の写真を見つめている自分がいました。
写真を撮った人がいる。
そこに写された時代の姿がある。
そして、時代を経て、その写真を現代の僕が見て、何かを感じる。
そんなシンプルで純粋なことが、実は、写真が持つ一番の力なのかもしれません。
また、特に、今回紹介されている写真は、
撮ったのも普通の人々なら、撮られた人物も普通の人々。
昭和を生き生きと生きる普通の人々の姿を見ていたら・・・
この曲が頭でループ再生されました (笑)
写真展を観たというよりは、リアルな 『ALWAYS 三丁目の夕日』 を観た印象です。
「写真展って、イマイチ見方がわからない・・・」
という言葉を、よく耳にしますが。
写真展ではなく、友人や知人に写真を見せられた時に、
「イマイチ見方がわからない・・・」
と言う人はいないでしょう。
この写真展を通じて、写真展や芸術として紹介される写真作品に、
自分がいかに身構えすぎていたかということに気づかされた気がします。
親戚のおじさんやおばさんに、昔のアルバムを見せて頂いているような、
そんな気楽で肩の力を抜いて楽しめる写真展です。
ツッコミを入れつつ、楽しみましょう (笑)
ただ、プロの写真でないとは言え、
中には、プロを超えるような奇跡的な仕上がりの写真も。
特に、僕が好きだったのが、こちらの 《中目黒にあったガスタンク(1962)》
超巨大なガスタンクと、それを見つめる小さな子供の後姿の対比が、何とも言えず絶妙です。
全体的に、『ALWAYS 三丁目の夕日』 な作風の中で、
この一枚だけが、『20世紀少年』 でした(笑)
他にも、なんちゃってアンリ・カルティエ=ブレッソンな写真や、
なんちゃって土門拳な写真もあって、他の写真展には無い味わいがありました。
ちなみに、もう一つの展示室では、 “特集展示「秋岡芳夫全集1 秋岡芳夫とKAKの写真」” が開催中。
目黒に長く住んだデザイナー・秋岡芳夫と、
そのデザイン事務所 「KAK」 によって撮影された写真が紹介されています。
やっぱり素人の写真と、デザイナーの写真では、仕上がりに明らかな差がありました。
“記憶写真展” で普通の人々の写真を観ることで、
プロの写真家の作品が、より際立って見えるという副作用もあるようです (笑)
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寺田政明展 発芽する絵画
熊谷守一美術館 3階ギャラリーで開催中の・・・
“寺田政明展 発芽する絵画” に行ってきました。
こちらは、豊島区が主催する美術展で、
昨年に生誕100年を迎えた画家・寺田政明 (1912~1989) がフィーチャーされています。
豊島区が主催ということもあって、入場料は、なんと無料! (よっ、太っ腹!)
《早晨の集り》 や、
《犬のいる風景》といった豊島区が所蔵している寺田政明作品だけでなく、
板橋区立美術館蔵の 《夜(眠れる丘)》 や、
練馬区立美術館蔵の 《花と骨》 など、
豊島区に隣接する区の区立美術館が所蔵する寺田政明作品も併せて展示されていました。
また、 《コンパス(人間を感じて)》 のような貴重な個人蔵作品も出展されており、
十分に満足感が得られる美術展になっていたと思います。
ちなみに、寺田政明の息子に当たるのが、俳優の寺田農さん。
『天空の城ラピュタ』 のムスカ大佐の声優を務めたことでもお馴染みの人物です。
そんなことを頭の片隅に入れながら、鑑賞していたからでしょうか・・・。
今回の目玉作品である 《発芽A》 と 《発芽B》 が並んでいるのを目にした瞬間・・・
“あぁぁ、芽がぁ、芽がぁ~~~あああああああ~~~~”
と、思わず叫びそうになりました (笑)
それは、ともかくも。
植物でありながら、どこか虫のようでもあり、古代遺跡の遺物のようでもあり。
その不思議で独特なフォルムや、この絵が発する得体のしれない存在感は、ただものでありません。
日本におけるシュルレアリスムの代表者と評されるのも納得でした。
他にも、 《坂道(板橋前之町付近)》 や、
ジョジョを彷彿とさせるデッサン群など、見どころはありましたが。
会場が狭く、点数が少ないのが、やや難点。。。
「3分間待ってやる」 くらいで美術展を一通り観終えてしまえるほどです。
有料にはなりますが、1階2階の熊谷守一常設展示と楽しむのがベターかも。
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奇跡のクラーク・コレクション
17時には、三菱一号館美術館の近くに着いてしまったのですが。
あえて、そのまま美術館には入らず、
周辺をぶらぶらしつつ、18時になるのを待ちました。
と言いますのも、三菱一号館美術館には、
実は、某夢の国と同様に、アフター6はお得になるプランがあるのです。
その名も、 “アフター6” 割引き。
通常1500円 (大人) の入館料が、な・な・なんと1000円に!
毎週木曜・金曜 (但し、祝日は除く) のみの超嬉しいサービス。
これは、利用しない手はありますまい。
三菱一号館美術館さん、ありがとうございます。
さてさて、そんな三菱一号館美術館で、現在開催されているのが、
“奇跡のクラーク・コレクション―ルノワールとフランス絵画の傑作” という美術展。
こちらは、アメリカのクラーク美術館が誇るコレクションの中から、
日本初公開の約60点を含む印象派を中心とした名画73点を紹介する美術展です。
これまでにクラーク美術館のコレクションが、まとまった形で国外で展示されたことは無かったそうなのですが。
2010年より始まったクラーク美術館の増改築工事に伴って、
世界巡回展が開催されることになり、日本にもそのチャンスが巡ってきたのです。
なんと奇跡的な機会なのでしょう♪
ただ、もしかしたら、読者の中には、
「いや、日本で見なくても、そのうちクラーク美術館に行って、観ればいいじゃん┐(´ー`)┌」
と思った方もいるかもしれません。
そんな方に、一つ、衝撃的な事実をお知らせいたしましょう。
「クラーク美術館までは、ニューヨークやボストンから車で約3時間もかかりますm9( ゚Д゚)」
それでも、クラーク美術館に行くというのなら、僕はもう何も言いません。
“いや・・・車で3時間って・・・” とヒヨってしまったなら、是非、この奇跡的な美術展へ。
どれくらい奇跡的な美術展かと言いますと。
主な出展作家を列挙してみたただけでも、クロード・モネに、
《エトルタの断崖》 1885年 油彩/カンヴァス
クラーク美術館蔵 Image© Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
ジャン=フランソワ・ミレーに、
《羊飼いの少女、バルビゾンの平原》 1862年以前 油彩/板
クラーク美術館蔵 Image© Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
エドガー・ドガに、
《稽古場の踊り子たち》 1880年頃 油彩/カンヴァス
クラーク美術館蔵 Image© Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
マネに、コローに、ロートレックに…etcと、超豪華な奇跡的なラインナップ。
さらに、日本人に大人気のルノワールに関しては、
ポスターにも使われている 《劇場の桟敷席(音楽会にて)》 を筆頭に、
1880 年 油彩/カンヴァス
クラーク美術館蔵 Image© Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
《鳥と少女(アルジェリアの衣装をつけたフルーリー嬢)》 など、
1882年 油彩/カンヴァス
クラーク美術館蔵 Image© Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
全22点 (!) ものルノワール作品が一挙に紹介されています。
昨今、様々な切り口の変化球的な西洋絵画展が開催されていて、
それらの美術展には、それらの美術展なりの面白さがある気がしますが。
“奇跡のクラーク・コレクション” は、ど直球な 「ザ・西洋絵画展」 という印象。
一つの美術館のコレクションを、ただただまとめて紹介する。
それ以上でも、それ以下でもない美術展でしたが。
クラーク美術館のコレクションが素晴らしいので、それで十分。
久しぶりに、王道の西洋美術展を堪能した気がします。
美術ファンは、もちろん。
美術ビギナーにも、オススメの美術展です。
日本でもお馴染みの画家たちの作品は、当然見応えがありましたが。
個人的に印象に残っているのは、あまりお馴染みでない画家の作品ばかり。
バーター出演した役者が、主役を喰ってしまったような感じです (←?)
例えば、ジェームズ・ティソの 《菊》
1874-76年頃 油彩/カンヴァス
クラーク美術館蔵 Image© Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
ルノワールのぽわわんとした絵を、たくさん観た後に、
いきなり登場したのが、こちらのジェームズ・ティソの絵。
視界が、急にしゃっきりしたような。
そんな不思議な感覚に襲われました。
菊の花の美しさと、女性の目力のあるまなざしの対比が素敵な一枚でした。
アルフレッド・ステヴァンスの 《公爵夫人(青いドレス)》 は、
1866年頃 油彩/板
クラーク美術館蔵 Image© Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
画集やweb上で観るよりも、 「小っちゃ!」 というのが第一印象。
ただ、尾形光琳の 《紅白梅図屏風》 しかり、フェルメールの 《真珠の耳飾りの少女》 しかり、
超一級の名品は、写真で観るよりも、実物は小さく感じる傾向にあり。
その経験則からすると、この 《公爵夫人(青いドレス)》 は、とんでもない名品なのではなかろうか。
どうでもいいですが、描かれている女性は、ちょっとSHELLYに似てますね。
ジャン=レオン・ジェロームの 《蛇使い》 も、深く印象に残っている作品。
1879年頃 油彩/カンヴァス
クラーク美術館蔵 Image© Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
いわゆる “蛇使い” と聞いてイメージする蛇使いと比べると、だいぶワイルドな蛇使いです。
「蛇、体に巻き付けてやったぜぇ~。服引きちぎってやったぜぇ~」 と言ってますね、絶対。
ただ、そんな蛇使いと向き合う観客たちは、全体的にテンションが低め。
どうやら蛇使いの芸は、あまりウケていないようです。
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新・無料で観れる 美術百選 《六本木トンネル(東京都港区)》
国立新美術館には、両手では数えられないほど足を運んでいますが。
こちら側 (青山霊園) から国立新美術館を望んだのは、実は初めてのこと。
そして、こちら側に、六本木トンネルなるトンネルがあることも、初めて知りました。
(散歩してみるものですね!)
そしてそして、その六本木トンネルの側道に、壁画が描かれているのも、初めて知りました。
どう見ても落書きではなく、完全にプロの犯行です。
足を止めて、じっくり観てみると・・・
桑久保徹さんの 《ROPPONGI SEASIDE TUNNEL》 という作品であることが判明!
そして、こちらは、鮫島大輔さんの 《東京八景》 と判明。
“なぜ、こんなところに、アーティストの作品が??”
と、疑問に思っていたところ、こんなキャプションを発見。
なるほど。
東京都によるストリートペインティング事業というものがあったのですね。
個性溢れる5人のアーティストの壁画が並んでいたわけですが、
その中で、一点だけ異彩を放っていたのが、こちらの作品・・・↓
新・無料で観れる 美術百選 009 北川純 《ジッパー》
北川純さんと言えば・・・。
街中にある裸体像にTシャツを着せてみたり、
エロはかるたなるものを作ってみたり、
湘南台駅の地下通路に、風船に下着を付けたバルーンアートを設置し、即時撤去されたり。
なかなかに、おバカ度の高い現代アーティストです (笑)
そんな北川さんの作品にしては、まだまともな方ではないでしょうか (←?)
しかし、ジッパーが笑っているように見えたり、
『YKK』 ではなく、 『JUN』 になっていたり、
と、さすがの遊び心です。
ちなみに、キャプションには、こうありました。
え~っと、失礼を承知で言わせて頂きましょう。
「ひっぱらねーよ (笑) !!!」
<無料で観れる美術 データ>
六本木トンネル
住所:東京都港区六本木7丁目
アクセス:○東京メトロ千代田線 「乃木坂駅」 より徒歩4分
この美術室を盛り上げるワンクリックも、無料で出来てしまいます。
アメリカと日本の古き時代の玩具
数年ぶりに、東京おもちゃ美術館に行ってきました。
(前回の訪問記は、こちらから)
ここは、相変わらず、おもちゃがいっぱいで楽しかったです。
気づいたら、2時間くらい平気で遊んでしまっていました。
そろそろ30歳を迎える大人なのに (笑)
一応、大人なので、遊んでばかりもいられません。
今回の来訪の目的である、
“アメリカと日本の古き時代の玩具 ―FISHER・PRICE TOYS&JAPANESE TOYS in 1930-1980―” も、
バッチリと観賞してきました。
こちらは、日本で初めておもちゃの研究で博士になった春日明夫さん、
その充実したおもちゃコレクションを紹介する企画展シリーズの第3弾。
今回は、1930~80年代 (戦前~戦後) にかけて、
アメリカと日本のおもちゃがどのように変わっていったかを年代順に展示した展覧会です。
たかがおもちゃ、されどおもちゃ。
おもちゃが、時代を映す鏡であることに気づかされる、なかなか深い展覧会でした。
その分、子供たちには、あまり人気のない展示でしたが (笑)
例えば、戦時中の日本のおもちゃ。
おもちゃとは言え、軍国主義的な影響を受けているのがわかります。
しかし、戦後になると、おもちゃから、すっかり戦争の色は消えています。
ただ、1950年代は、まだ混迷期だったゆえでしょうか。
犬なんだか、赤べこなんだか。
おもちゃ自体も、モヤモヤしています (笑)
おそらく、顔に、 『犬』 という漢字が書かれているから、犬ではあるのでしょうが。
さらに、この混迷期は、さらに10年続くようで・・・
1960年代のおもちゃも、なんだかよくわからない感じです。
これらの妙なおもちゃで育った世代が、
いわゆるバブル世代に成長したのかと思うと、なんとなく感慨深いものがあります。
数々展示されていた日本のおもちゃの中で、個人的に一番印象的だったのが、こちら↓
車そのものにも運転手にも、
スポーティーさのかけらも感じられないスポーツカーのおもちゃです (笑)
そんな日本とは対照的に、アメリカのおもちゃは、
木工からプラスチックへと素材は変わるものの、テイストはほぼ同じまま。
ちなみに、今回の展示では、アメリカ生まれの世界No.1のベビー・トイブランド・・・
フィッシャー・プライストイズのおもちゃが中心に展示されています。
いかにも、古き良きアメリカという感じのおもちゃで、
どことなくディズニーランドのウェスタンランドあたりをイメージさせます。
・・・・・なんて思っていたら、
本当に (?) 、ミッキーがたくさん登場。
その中には、明らかに、ディ●ニーの許可を得てないであろうミッキーの姿も (笑)
許可を得てないであろうおもちゃは、こんなところにも。
ス・・・スヌーピーですと!
どう見ても、ただのビーグル犬 (笑)
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