2年間という長い長い改装工事期間を経て、
昨年10月にリニューアルオープンを果たした五島美術館。
その新装開館記念名品展として、
●第1部 奈良・平安編 (2012年10月20日~11月18日)
●第2部 鎌倉・室町編 (2012年11月23日~12月24日)
●第3部 桃山・江戸編 (2013年1月5日~2月17日)
と、半年間に渡って、シリーズ形式で、
五島美術館・大東急記念文庫が所蔵する名品を紹介する美術展 “時代の美” が開催されてきましたが。
2月23日より始まった “第4部 中国・朝鮮編” にて、このシリーズはファイナルを迎えます。
「あれれっ? “中国・朝鮮編” って?!
“時代の美” なら、最後は、 “明治・大正編” じゃないの??」
と思ってしまったアナタ。
どうか細かいことには、目をつむってくださいまし (←そう細かいことでもない気もしますが・・・)
とにもかくにも、シリーズのラストを飾るのは、
中国や朝鮮にまつわる五島美術館ならびに大東急記念文庫蔵の名品たち。
唐絵として珍重された中国絵画 (《叭々鳥図》 伝 牧谿筆) に、
禅宗に多大な影響を与えた宋・元の墨跡 (《無準師範墨跡 「山門疏」》) に、
日本の古墳から出土した中国伝来の鏡 (《鋸歯紋複線波紋縁線彫式獣帯鏡(七乳)》) に、
実に多彩な美術工芸品が、会場を彩っていました。
特に、 《青磁鳳凰耳瓶(砧青磁)》 を筆頭に、
中国陶磁器の名品たちが、壁一面のガラスケースにズラリと並べられていた様は圧巻!
中国陶磁器が艶やかだったこともあって、
過去3回の “時代の美” と比べて、今回の “中国・朝鮮編” が一番華やかな印象だった気がします。
また美術展としても、過去3回のシリーズよりも、
今回の “中国・朝鮮編” が、質はもちろん、全体的なバランスも良かったかと。
そういう意味では、時代の流れに固執して、 “明治・大正編” を開催するのではなく、
あえて、時代関係無しで、 “中国・朝鮮編” を開催した五島美術
館の決断は正しかったと思います。
まさに、シリーズの有終の美を飾る美術展と言えましょう。
国宝や重要文化財の作品も多く、いろいろと目移りしてしまいましたが。
個人的に、一番印象に残っているのが、 《青磁猿型小壺(水滴)》 です。
猿が小さな壺を抱えている姿が、なんとも愛らしい水滴。
美術品というよりも、ファンシーグッズのような感じがしましたが (笑)
こちらの 《黒釉木の葉文碗》 も、印象的な作品↓
茶碗の中には、木の葉の文様。
やたらとリアルに木の葉を描いているなぁ・・・と思ったら、
実際に、木の葉を内部に置いて焼成した南宋時代の茶碗とのこと。
五島美術館ではなく、フランフランで見かけていたら、間違いなく即買いしていたと思います。
それくらい個人的に好きなデザイン。
ただ、今回の目玉作品は何と言っても、
国宝の 《六祖挟担図 偃谿黄聞賛》 ではないでしょうか。
描かれているのは、中国禅宗の第六祖である大鑑禅師慧能です。
幼い頃に父を亡くし、薪を売って母親を養っていた慧能。
そんなある日の仕事帰りに、たまたま町で、
『金剛般若波羅蜜経』 の読誦を耳にしたのがきっかけで、出家を思い立ったのだそうな。
この絵は、その場面を描いたもの。
薪を切るための仕事用の斧を、担いだ棒の先にぶら下げているのがわかります (後ろの人はご注意を!)
“ほぉ~・・・いいこと言ってるなぁ~・・・俺も出家しようかなぁ~・・・”
という何とも言えない表情の描き方が、お見事。
10位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位)
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時代の美 第4部 中国・朝鮮編
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一誠堂美術館
ハイソな街、自由が丘へやってきました。
その駅前に店舗を構えているのが、昭和7年開業の老舗時計ショップ・一誠堂です。
取り扱っているのは、カルティエにブルガリにロレックスに・・・と、僕には縁のないブランドばかりです。
はぁ~(o´Å`)=з
ただ、今回は、もちろん高級時計を買いに来たのではなく、
一誠堂の開業65周年記念に開設されたという一誠堂美術館を観るのが目的。
その一誠堂美術館は、この一誠堂ビルの横の通路を抜けた先の・・・
セザーム自由が丘の地下1階にあるようです。
階段を降りると、そこに、一誠堂美術館はありました。
館内には、ランプを中心に、アール・ヌーヴォー期のガラス工芸品が多く展示されていました。
エミール・ガレの作品もあり、
ドーム兄弟の作品もあり、
アール・ヌーヴォー好きのツボを押さえたラインナップです。
個人的に印象に残ったのは、こちらの作品↓
えっ、ゴキブリ?
いいえ、 《かみきり虫蓋物》 です (笑)
展示数は、約30点ほど。
サラサラッと観るには、ちょうど良い量な気がします。
・・・・・が、これで、500円 (大人) は、ちょっとお高め。
自由が丘価格なのでしょうか。
とは言え、ミュシャのリトグラフに囲まれながら、
コーヒーを楽しめる喫茶スペース (エミール) も併設されており、
自由が丘らしさは、満点。
こういうハイソな美術館も、たまにはアリですね。
・・・・・・・ただ。
ハイソな美術展なのですから、ベープマットが見えてはいけません (笑)
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エントリーNo.0001 あるる(ゴッホ ゴーギャン)
もし、芸術家たちが漫才をしたら・・・。
彼らのことが、なんとな~くわかるネタを披露して頂きます。
それでは、皆様、どうぞ芸術漫才をお楽しみください
あるる (左・ゴーギャン 右・ゴッホ)
ゴッホ 「ゴッホ [1] で~す!」
ゴーギャン「ゴーギャン [2] です。」
ゴッホ 「二人合わせて、 “あるる” です。よろしくお願いしま~す!」
ゴーギャン「お前、テンション高いよ」
ゴッホ 「いやぁ、だって、こうして、久しぶりにゴーギャン君とコンビを組めてるわけじゃない♪」
ゴーギャン「あぁ、そう」
ゴッホ 「僕ら、相思相愛なんですよ」
ゴーギャン「いやいや、そんなことないですから」
ゴッホ 「ゴーギャン君、照れなくていいのに」
ゴーギャン「照れてるわけじゃないって」
ゴッホ 「まぁまぁまぁ。とにかく、今日は皆様にコンビ名だけでも憶えて帰ってもらいたいですよね」
ゴーギャン「そうですね」
ゴッホ 「よく、何で“あるる”ってコンビ名なのかって聞かれるんですけどね。うちの母に。」
ゴーギャン「じゃあ、家で話せよ!ここで、話さなくていいだろ」
ゴッホ 「“あるる”ってのは、南フランスにある街の名前なんですよ」
ゴーギャン「話すんだ」
ゴッホ 「僕ね、日本好きでしょ [3]」
ゴーギャン「急に言われても知らないよ」
ゴッホ 「浮世絵を初めて見た時、ビックリしたんですよ。日本ってスゴい国だなぁって」
ゴーギャン「確かに、浮世絵は衝撃的だったよね」
ゴッホ 「風景を描いた浮世絵を観たら、影が描かれていないんですよ!」
ゴーギャン「あぁ、影は無いよね」
ゴッホ 「よっぽど眩しい国なんだなぁって」
ゴーギャン「そういうことじゃないよ!あれは、あえて描いてないだけだろ」
ゴッホ 「で、日本みたいに太陽が眩しいところに憧れて、アルルに移り住んだってわけなんですよ」
ゴーギャン「お前、バカだろ」
ゴッホ 「アルルは、ヒマワリ畑がいっぱいで、まさに日本のイメージそのものだったね」
ゴーギャン「そんなの日本でも、北海道とか成田ゆめ牧場だけだよ」
ゴッホ 「この日本みたいなアルルを、是非、一緒に味わって欲しくて、
いろんな画家に声をかけたんだけど、結局来たのは、ゴーギャン君一人だったんですよ。
で、二人で黄色い家 [4] に同棲しまして・・・」
ゴーギャン「おいおい、同棲って言うなよ!なんか誤解されるだろ」
ゴッホ 「(しみじみと)いやぁ、あの時は、本当に楽しかったなぁ」
ゴーギャン「楽しくなかったよ」
ゴッホ 「え~っ?何で?」
ゴーギャン「まず、俺の部屋に飾られてたひまわりの絵 [5] はなんだよ」
ゴッホ 「僕と一緒に暮らしてくれるゴーギャン君への感謝と愛を込めて精一杯描いたんだよ」
ゴーギャン「街中にヒマワリ畑があるのに、
何で自分の部屋でまで、ヒマワリを観なきゃいけないんだよ!しかも、4点も!」
ゴッホ 「ヒマワリ好きなイメージがあったから」
ゴーギャン「どんなイメージだよ!あ、あと、お前、夜になると俺の寝室に来て歩き回ってただろ?」
ゴッホ 「バレてたの?」
ゴーギャン「もしかして、お前にそっちの気があるのかと、毎晩ヒヤヒヤしてたわ [6]」
ゴッホ 「そ、そ、そんなことないよ (汗)」
ゴーギャン「めちゃめちゃ動揺してるじゃねーか!」
ゴッホ 「いや、僕は、ただの普通のゲイ術家だし」
ゴーギャン「その表記が怪しすぎるだろ!それから、極めつけは、お前が耳を切った事件 [7] ね」
ゴッホ 「テヘぺロ♪」
ゴーギャン「“テヘペロ♪”じゃねーよ!
料理してたら、指切っちゃったみたいなノリにすんなよ」
ゴッホ 「あれ、僕もよく覚えてないんだよね。何で、耳切ったんだっけ?」
ゴーギャン「とりあえず、俺らが絵のことで口喧嘩をして」
ゴッホ 「うんうん」
ゴーギャン「そしたら、お前が、急にキレてカミソリ持って、俺に切りかかってきて」
ゴッホ 「うんうん」
ゴーギャン「で、俺が逃げて。その後、家で一人きりになったお前は、
持ってたカミソリで耳たぶを切り落としたらしいじゃん」
ゴッホ 「あ、なるほど」
ゴーギャン「いやいやいや、なるほどってならないだろ。かなりワケがわからないよ。
ワケがわかるお前が怖いよ」
ゴッホ 「俺だったら、その後、その切り取った耳たぶを誰かにあげるけどね」
ゴーギャン「・・・・・実際、そうしたんだよ。
近くの売春宿の売春婦に渡したんだってよ。確実にドン引きだろ」
ゴッホ 「いや、今、思い出したけど、その女の人、喜んでたよ」
ゴーギャン「ウソつけよ」
ゴッホ 「“私もちょうど耳たぶを人に渡したばかりだったんです”って」
ゴーギャン「そいつもかよ!」
ゴッホ 「まぁ、それらも含めて、アルルの日差し並みにキラキラした思い出ですよね」
ゴーギャン「何、一人で巧いことまとめてんだよ」
ゴッホ 「というわけでさ、もう一回、同棲しようよ」
ゴーギャン「しないって」
ゴッホ 「今度は絶対上手くいくって」
ゴーギャン「いかないよ。そもそも俺ら制作スタイルが全然違うわけじゃん。
俺は、記憶を元に、想像力で描くけど、お前は、目の前にモデルが無いと描けないだろ」
ゴッホ 「そうだね」
ゴーギャン「だから、また絵のことでケンカになるって」
ゴッホ 「ならないと思うけどなぁ」
ゴーギャン「いや、なるね。で、ケンカになって、お前は、またカミソリを取り出すね」
ゴッホ 「あっ、それは大変だ!」
ゴーギャン「だろ?」
ゴッホ 「だって、俺、もう耳があと一個しか残ってないもん」
ゴーギャン「お前の心配かよ!もういいよ。タヒチに帰らせてもらうわ! [7]」
二人 「どうもありがとうございました」
[1] フィンセント・ファン・ゴッホ (1853~1890) オランダ生まれのポスト印象派の画家。
世界で最も人気のある画家の一人であるが、生前は1点しか作品が売れなかった。
[2] ポール・ゴーギャン (1848~1903) 株式仲買人を脱サラし、画家に。
ゴッホとともに、ポスト印象派を代表する画家の一人である。
代表作は、やたらとタイトルの長い 《われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか》
[3] 日本文化、とりわけ浮世絵に強い興味を惹かれ、約400点もの浮世絵を収集したと言われる。貧乏なのに。
[4] ゴッホが画家との共同生活のために借りた家。本当に黄色かったそうな。
アルルのラマルティーヌ広場にあったというが、今は無い。
[5] ロンドンのナショナルギャラリーにある 《15本のひまわり》 は、そのうちの1点。
[6] これはあくまで噂の話。ちなみに、生涯で4人の女性にアタックしている(但し、全戦全敗)
[7] 共同生活から約2ヶ月目のクリスマスイブに起きたトンデモ事件。
[8] ゴッホとの共同生活の解消後、西洋文明に絶望したゴーギャンは、妻子を捨てて、タヒチへと渡った。
その後、一度パリに戻るが、晩年は再びタヒチへ。
10位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在9位)
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日中国交正常化40周年記念 中国の絵本画家展
突然ですが、皆様は中国に対して、どんなイメージを持っていますか?
石景山遊楽園でのドラ●もんパクリ疑惑に始まって、
上海万博PRソングでは、岡本真夜の曲の盗作騒動が噴出し、
現在は、尖閣諸島の問題やPM2・5による大気汚染問題が紛糾中。
正直なところ、僕自身は、中国に対して、あまり良いイメージを持っていません。
(バイト先の中国人が、2人立て続けにバックれたことも要因の一つw)
が!
先日、ちひろ美術館・東京で開催中の・・・
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
“日中国交正常化40周年記念 中国の絵本画家展” を鑑賞したことで、
中国に抱いていた負のイメージが、ほとんど消えてなくなってしまいました。
付き合いたくないどころか、むしろウェルカム。
“♪等你来~ (あなたを待っている)” と歌いたいくらいです (笑)
と言いますのも、この美術展で紹介されていた・・・
チュ・チョンリャン (朱成梁) の 『チュン チエ』 という絵本を読んで感涙してしまいました。
こちらの絵本には、遠くに働きに出ているため、
年に一度、旧暦のお正月にしか帰ってこられないお父さんと娘との交流が描かれています。
翻訳された絵本には、もちろん文章も添えてありましたが。
絵だけでも、登場人物の心情が手に取るように伝わってきました。
↑お父さんが帰ってきたときは、こんなにも幸せそうだったお母さんですが。
↑お父さんが、家を出発するシーンでは、涙をこらえながら荷造りしています。
“(´;ω;`)ブワッ”
そんなお母さんの姿を見ただけで、涙腺崩壊。
さらに、父と娘のラストシーンを見たに至っては、涙袋がバカになりました。
絵本というよりは、上質のサイレント映画のような。
本当に完成度の高い作品です。
この 『チュン チエ』 を見て (読んで?) 、
“中国人も日本人も、文化に違いはあれど、人を想う気持ちは一緒なんだなぁ「”
と、しみじみ実感。
中国に対して、急に親しみが持てました。
これまで長い時間を掛けて蓄積された中国に対する悪いイメージが、たった一冊の絵本で氷解。
絵本の力って、スゴいですね。
人間の心を一番響かせることが出来るのは、
政治の力でも、メディアの力でもなく、文化の力なのだと改めて感じることの出来る美術展でした。
とは言え、 『チュン チエ』 の話ばかりしていますが、
美術展としても、非常に見応えのある内容になっていました。
これまでに、日本の絵本の原画展は、何度か目にしたことがありましたが、中国の絵本の原画展は初。
その一番の違いは、と言いますと、さすがに大国だけに (?)
絵本の原画も大きめ!
(全員が全員というわけではないですが)
シオン・リヤン (熊亮) の 『梅雨怪2』 のこちらのページに至っては・・・
ちひろ美術館・東京に展示されていなかったら、とても絵本の原画とは思えない代物。
普通に絵画作品です。
そういう意味でも、貴重な原画を見る機会に恵まれてラッキーでした。
ちなみに。
現在、ちひろ美術館・東京では、 “ちひろの庭” という美術展も同時開催中です。
こちらは、花好きで、自宅の庭でもたくさんの植物を育てたいわさきちひろにちなんだ美術展。
チューリップに、バラに、スミレに、シクラメンに。
ちひろによって描かれた様々な花が、会場に咲き乱れており、
一足早くちひろ美術館・東京に春が訪れていたかのような印象を受けました。
ストレートに、ちひろの世界観を堪能できる美術展です。
中国の絵本といわさきちひろの世界とを同時に楽しめ稀有な機会。
さらには、 “ちひろの庭” の開催にちなんで、
花柄の服を着て行くと、なんとなんと次回展覧会の招待券が1枚プレゼントされるという特典も!
(一人一回限り)
ちひろ美術館・東京にいつ行くか?今でしょ!
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狩野派以外も大賑わい
板橋区立美術館の春の恒例行事 (?)
今年も、無料で観れる江戸美術展が開催されています。
昨年のそれは、狩野派をテーマにした “奥絵師・木挽町狩野家” でしたが。
今年は、その続編ということなのでしょうか。
板橋区立美術館の江戸絵画コレクションの中から、
狩野派以外の作家の作品を紹介する美術展、その名も “狩野派以外も大賑わい” が開催されています。
孤高の人生を送った天才絵師・雪村も、
魚商出身で北斎の弟子である浮世絵師・魚屋北渓も、
椿椿山も、谷文晁も、宋紫山も。
そして、昨年は根津美術館で開催された美術展が記憶に新しい柴田是真も。
『狩野派以外』 と一括りにしてしまう板橋区立美術館の力業には、衝撃を隠せません (笑)
また、今回も板橋区立美術館らしい衝撃の (笑撃の?) キャプションも健在。
例えば、勝川春潮の 《喫煙若衆図》
(ただし、板橋区立美術館が推す新タイトルは、 《お兄さんと一緒》www)
こちらのキャプションは、こんな仕上がりに↓
「お待たせーェ」 というセリフが謎すぎます (笑)
他にも、いろいろとツッコミどころ満載のキャプションがありましたが。
一番衝撃だったのは、谷文二という絵師に対するキャプション。
谷文二は、谷文晁の長男。
「ん?長男なのに、文二??」
と疑問に思ったのですが、どうやら谷文晁の婿養子が、先に文一を名乗っていたのだとか。
谷文晁の後継者として将来を嘱望された文一に比べて、あまり絵が巧くなかったという文二。
そんな文二に対して、板橋区立美術館は、キャプションで毒舌を連発。
『画才のない人が一生懸命に描くとこんな絵になるのでしょうか』 って・・・ (笑)
そこまで、ケチョンケチョンにしなくても。
いやぁ、今回も笑いました。
もちろん笑いに走ったキャプションだけでなく、
江戸美術の世界を、より楽しむためのキャプションも設置されています。
ふざけるところはふざけて (?) 、ちゃんとするところはちゃんとする。
この絶妙なバランス感覚が、板橋区立美術館の一番の武器である気がします。
江戸美術にも出会えて、笑えて、しかも無料で。
2つ星です。
美術展とは直接関係ないですが。
今回一番謎だったのは、受付前のこちらの看板↓
『植木 2階へ持ち込み禁止』 って何ぞ?!
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【告知】 現在募集中のアートツアー 【告知】
現在募集中のアートツアーです。
アートに興味のない方でも楽しんで頂ける企画となっておりますので、どうぞお気軽にご参加くださいませ
定員になり次第、募集は〆切らせて頂きますので、よろしくお願いします。
3/9(土) 赤坂をぶらり浮世絵散歩
「浮世絵を片手に、街を歩こう。」
をコンセプトに、某浮世絵専門美術館の学芸員さんと、
浮世絵が描かれた舞台・江戸 (=東京) の街並みを、歩くツアーです。
“浮世絵に描かれた街並みは、今、どうなっているのか?”
浮世絵に描かれた場所に実際に赴き、浮世絵と見比べてみましょう♪
講師は、某浮世絵専門美術館の学芸員アキラさん。
そのフリーダムな (?) 語り口で、浮世絵の魅力を伝えてくれるホンワカ系の学芸員さんです。
今回の舞台となる街は、 『赤坂』 。
江戸城の外堀の痕跡を探しながら、歴史ある赤坂・虎ノ門の街並みを散策します。
時間は13時から17時までを予定しています。
(内容によっては、スタートが12時になるかもしれませんので、
開始時間には余裕を見ておいてくださいませ)
定員は、12名。
講師代として、お一人様2000円頂戴いたします。
浮世絵が好きな人も、そうでない方も楽しめる浮世絵バラエティツアー
是非、皆様のご参加をお待ちしております♪
3/16(土) 大東京お笑い建築ツアー【皇居一周編】
「“建築”って何をどう観たらいいの?? 」
という全ての人にお送りする“大東京お笑い建築ツアー”
建築初心者の自分を筆頭に、講師の建築家の方の話を伺いながら、
皆で、東京の色々な街を訪れ、“建築”をぶらぶらと楽しく観賞しようという企画です♪
今回のツアーの舞台は、
『皇居周辺』
東京のオアシス・皇居内堀。
その周辺には、名建築が数多く存在しているのだとか。
そんな皇居の周りの名建築を、皇居内堀の外側を歩いたり、
時には、皇居内に入ったり、散歩気分で楽しみながら巡る建築ツアーです[s:62]
前回の 【皇居一周編】 では、国立劇場をスタートして、日生劇場まで進むことが出来ました。
今回は、その続きとなりますので、
13時に日生劇場からスタートし、いよいよゴールの東京駅を目指します。
(ツアーとしては独立していますので、初参加の方でも、もちろん楽しんで頂けます♪)
時間は、13時から17時までを予定しています。
参加費として、講師代をお支払いするため、お一人様1200円頂戴いたします。
今回の定員は、13名となっています。
大東京お笑い建築ツアーは人気企画のため、
来週3月1日までに、参加希望者が定員を超えた場合に限りまして、抽選制とさせて頂きます。
当選発表は、当選のメッセージをもってお知らせいたします。
これまでに参加された方も、これまでに参加したことない方も、
皆様平等にチャンスがありますので、ふるってご参加表明くださいませ!
というわけで。
日本一楽しく、日本一わかりやすい『建築』のアートツアー!!
建築に興味がある方はもちろん、
建築は全然わかならないという方も、是非是非ご参加お待ちしています。
3/17(日) 大東京お笑い建築ツアー 【集合住宅編 ~3rd season~】
「“建築”って何をどう観たらいいの?? 」
という全ての人にお送りする“大東京お笑い建築ツアー”
建築初心者の自分を筆頭に、講師の建築家の方の話を伺いながら、
皆で、東京の色々な街を訪れ、“建築”をぶらぶらと楽しく観賞しようという企画です♪
今回は、これまでに、2回に渡って開催した 【集合住宅編】 の最新版をお届けします。
(1st season、2nd seasonの模様はこちらから)
「公共施設や商業施設等は、どうしてもいつもの自分の住まいとは違うものとして、
非日常的に感じる部分が多いのではないかと思います。
もう少し、自分自身の日常と比較しながら見れるものとして、
今回集合住宅ツアーをご提案させて頂きました。
少しリアルな視点で見て頂けると、いつもの建築ツアーとは違う発見があるかもしれません。
都市に人が集まって住む事を、その時代にどのように考え設計していたかを、少しでもお伝え出来ればと思っております。
皆様にお会い出来るのを大変楽しみにしております。」
とは、講師を勤める建築家・soさんのコメント。
実際に住める可能性のある建築を巡る、いつもとはちょっと違った大東京お笑い建築ツアーです。
ちなみに、今回のツアーは、石神井公園をスタートし、
井草、阿佐ヶ谷、三軒茶屋と、4つのエリアの名集合住宅を巡る予定です。
また今回も、毎回好評の家賃当てクイズも開催します♪
これまでにご参加された方も、今回初参加の方もお楽しみに
時間は、12時から17時までを予定しています。
参加費として、講師代をお支払いするため、お一人様1500円頂戴いたします。
今回の定員は、15名となっています。
大東京お笑い建築ツアーは人気企画のため、
来週3月1日までに、参加希望者が定員を超えた場合に限りまして、抽選制とさせて頂きます。
当選発表は、当選のメッセージをもってお知らせいたします。
これまでに参加された方も、これまでに参加したことない方も、
皆様平等にチャンスがありますので、ふるってご参加表明くださいませ!
というわけで。
日本一楽しく、日本一わかりやすい『建築』のアートツアー!!
建築に興味がある方はもちろん、
建築は全然わかならないという方も、是非是非ご参加お待ちしています。
3/23(土) まだまだ知られざる企業博物館の旅。
都内には、たくさんの美術館・博物館があります。
その中でも、 『企業博物館』 にターゲットを絞ったツアーを、昨年開催させて頂きました。
印刷博物館 (凸版印刷) や、たばこと塩の博物館 (日本たばこ産業) 、
NHK放送博物館などの有名な企業博物館とは対照的に (?)、知られざる3館の企業博物館を巡りました。
今回は、その続編として、前回紹介しきれなかった企業博物館を巡ります。
もちろん、今回紹介する企業博物館も一流企業が運営するものばかり!
(続編という位置づけですが、前回参加されていない方も、もちろん大歓迎♪
前回参加されていない方には、当日、前回巡った企業博物館をレジュメの形で配布させて頂きます)
定員は、15名。
時間は、10時開始で16時終了の予定です (途中、お昼休憩を挟みます)
参加費は、入館料を合わせて、お一人様500円となります。
ミステリーツアーとなりますので、具体的な行程は、当日をお楽しみに。
(参加者の皆様には、もちろん前日までに待ち合わせの場所をお知らせいたします)
ちなみに、3館とも23区内にあります。
大人の社会科見学のような、いつもと一味違ったアートツアー。
皆様のご参加を心よりお待ちしております
3/31(日) プレミアムTOKYOアートツアー~東京アートな寺社巡り~
“東京ほど、面白いアートの街はない!”
をコンセプトに、毎回いろんな切り口で、
東京ならではの特別なアートツアーを提案する企画。
それが、プレミアムTOKYOアートツアーです。
東京という街を一つの美術館に見立て、
ギャラリーツアーのようにガイドを交えながら、
都内のアートスポットを数か所ご案内させて頂くツアーです。
さてさて、2013年一発目となる今回のテーマは、 『東京アートな寺社巡り』
アートが楽しめる場所は、美術館やギャラリーだけに非ず。
実は、都内のいくつかの神社仏閣で、数々のアートを堪能することが出来るのです。
例えば、柴又帝釈天に、帝釈天彫刻ギャラリーがあるように。
そこで今回は、こちらの帝釈天彫刻ギャラリーをスタートし、
都内を縦断しつつ、驚き満載のアートな神社仏閣の数々を紹介して参ります。
仏像に、彫刻に、超意外な現代アートまで登場予定!
アートテラーならではの東京寺社巡りに、どうぞご期待くださいませ
開始は10時、終了は17時を予定しています。
ミステリーツアーとなりますので、具体的な行程は、当日をお楽しみに。
(参加者の皆様には、もちろん前日までに待ち合わせの場所をお知らせいたします)
募集定員は、15名です。
今回の参加費は、拝観料も含めてお一人1500円となります。
(全部で4か所の寺社仏閣を巡ります。交通費の目安は、1000円です)
というわけで、きっと東京が、より好きになるアートツアー。
これまでに、プレミアムTOKYOアートツアーにご参加された方も、
今回が初めての参加となる方も、皆様のご参加を心よりお待ちしております!
新たなツアー企画は、内容が決まり次第、随時こちらの記事を更新してお伝えいたします。
参加希望の方は、こちらのメールフォームよりお知らせください。
詳細をお知らせいたします。
http://homepage3.nifty.com/art-teller/tony_contact.htm
第五十一話 国宝ハンター、懇願する!
~前回までのあらすじ~
「国宝のゲット数を一番伸ばす簡単な方法は、一、鑑賞」
「国宝ハンターなんてただのルーティンワークなんだ!こんなものやれば誰でも出来る!」
「国宝のある場所を、どう巡っていくかということ。」
「国宝の展示期間を間違えるのが怖いってことを、今日何度も言っておきます」
「じゃあ、いつ国宝見るか?今でしょ」
わざわざ 《搨王義之書(孔侍中帖)》 (ジャンル:書跡・典籍) が展示されていない時に、
東京国立博物館の “書聖 王羲之” に行ってしまうという大ポカをやらかした国宝ハンター。
自分で撒いた種ですので、ちゃんと後日に再度足を運んで、 《搨王義之書(孔侍中帖)》 をゲットしてきました。
ついでに、トーハクの国宝室にて、
《群書治要(色紙)》 (ジャンル:書跡・典籍) をゲット。
『色紙』 というだけあって (?) 、カラフルでした。
ちなみに、『群書治要』 とは、中国・唐代初期に、治世のための参考書として編まれた書籍。
こちらの国宝は、その最古の伝本なのだとか。
イイ紙が使われているだけでなく、書写した人も一流なのだとか。
そこに力を入れるくらいなら、もっと治世に励めよ・・・とも思います。
また別の日には、五島美術館の “時代の美 第4部 中国・朝鮮編” へ。
これまでに、五島美術館及び大東急文庫が所蔵する国宝8件のうち、4件をゲットしてきましたが。
この美術展にて、残りの4件をすべてゲット。
《紙本墨画六祖挟担図「直翁」の印がある》 (ジャンル:絵画) に、
《無準師範墨蹟〈山門流/(絹本)〉》 (ジャンル:書跡・典籍) に、
《古林清茂墨蹟〈別源円旨送別偈/泰定二年九月二日〉》 (ジャンル:書跡・典籍) に、
そして、 《日向国西都原古墳出土金銅馬具類》 (ジャンル:考古資料) に。
特に印象に残っているのが、こちらの馬具セット。
大小300基あるという宮崎県西都原 (さいとばる) 古墳群のどれかから出土したそうな。
(↑アバウトですねぇ)
大陸からの舶来品で、儀式の時に馬を飾るためのものと考えられているらしいです。
古墳から出土、しかも千年以上も前の馬具のはずなのに、
恐ろしく美しかったのが、何よりも印象的でした。
こんな美しい馬具で装飾されたなら、さぞ馬も喜ぶことでありましょう。
と、“書聖 王羲之” で、多少トラブったものの。
国宝ハンティングとしては、非常に順調なペース。
そろそろ東京を飛び出して、出張ハンティングもしなくては♪
・・・・・・・などと考えていた矢先のこと。
国宝ハンター的には、憂鬱なあの季節がやってきました。
花粉症?
確定申告??
それもありますが、文化審議会のアレです。
新たに指定したい国宝や重要文化財を、文部科学大臣に答申するとかいうアレです↓
http://www.bunka.go.jp/ima/press_release/pdf/jyuyoubunka_shitei_130227_ver2.pdf
去年は、国宝の美術工芸品が、2件も増えてしまいやがりましたが (←言葉遣いが悪い)
なになに?今年は・・・
3件も増えてるじゃねーか (泣) !!
文殊院が所蔵する快慶作の 《木造騎獅文殊菩薩及脇侍像》 に、
願成就院が所蔵する運慶作の 《木造阿弥陀如来坐像》を含む5軀 (で1件) に、
醍醐寺に伝わる 《醍醐寺文書聖教》 に。
場所はそれぞれ、奈良・静岡・京都とバラバラ。。。
おいっ、文化庁、ちょっとこっちに来い。
まぁ、これは、あくまで答申の段階。
もし万が一、文部科学大臣が認可しなければ国宝指定はされません。
文部科学大臣さん、このブログを読んでいたら、是非考え直してください!!
今現在の国宝ハンティング数 333/1085
国宝ハンターは、ランキングにも挑戦中!
(皆様のおかげで現在7位まです!ありがとうございます!!)
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昔のくらしと道具展 働く形まるハッケン
先日訪れた目黒区美術館での美術展にて、
めぐろ歴史資料館の存在を知ったので、早速、足を運んでみました。
・・・・・・・・・が。
地図が示す場所にあったのは、どう見たって普通の学校です。
“もし学校だったら、通報されるかな・・・?” と不安になりつつも、敷地に潜入してみました。
やっぱり、どう見たって普通の学校です (焦)
しかし、一見すると、どの学校にもあるような植え込みを、よ~く観てみると・・・
何やら、歴史資料的な石碑がいっぱい。
ということは、ここが、めぐろ歴史資料館ということで間違いなさそうです。
実は、めぐろ歴史資料館は、2008年に旧目黒区立第二中学校の1階部分を改装して開館した施設とのこと。
学校っぽいというか、2006年までは、普通に中学校として使われていたのですね。
では、早速、中に入ってみましょう。
外観が学校感そのままなので、内部もそのままなのかと思いきや。
外観からは想像できないくらいには、スタイリッシュな空間になっていました。
一般的な歴史資料館に抱きがちな古臭いイメージはありません。
これで、入館料が無料というから驚きです。
(ちゃんと税金を納めている目黒区民の皆様に、 「ありがとう!」 と言いたいです)
ちなみに。
めぐろ歴史資料館のロゴは・・・
「ぐ」 の濁点部分が、ハートになっていました。
なんともファンシー (笑)
さてさて、そんなめぐろ歴史資料館では、
現在、毎年恒例となっているという 『道具』 をテーマにした冬の企画展が開催中。
昨年は、竹という素材を切り口に、様々な道具を紹介したのだそうですが。
今年の切り口は・・・
『○ (マル)』
大きな丸い車輪が特徴的な大八車に、
台所にある様々な丸い道具に、
円運動を利用する農機具に、
中には、たまたま丸いから展示されている (?) 東急創立50周年記念コースターに、
実に、いろいろな 『○』 が紹介されていました。
現在、21_21 DESIGN SIGHTで絶賛開催中の “デザインあ展” でも、
暮らしの中で見つけることが出来る様々な 『○』 が紹介されていましたが。
こちらの展覧会は、そのクラシック版といった印象。
わかりやすいキャプションが添えられているのもマルなら、
このように一つの切り口で紹介するというアイディアもマル。
まさに、 『丸い卵も切りようで四角』 な展覧会です。
個人的には、丸いおもちゃのコーナーで、
子供のころに遊んでいた “コピットゲーム” を見つけ、懐かしさに震えました。
(このボードゲームを、 “コピットゲーム” と呼ぶことを、この日に知りましたw)
皆様も、それぞれに懐かしい道具と出会えるかもしれません。
まだまだ寒い季節ですが、こたつで丸まっているくらいならば、めぐろ歴史資料館へGoです。
3位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(皆様の応援のおかげで、現在4位)
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ラファエロ
今回は、その中でも筆頭格である国立西洋美術館での “ラファエロ” を紹介します。
昨年のリヒテンシュタイン展 (@国立新美術館) や、
2010年のボルゲーゼ美術館展 (@東京都美術館) など、
これまでにもラファエロの作品が美術展の目玉作品として紹介される機会は、あるにはありましたが。
1、2点が来日したくらいなものでした。
ところが。
今回のラファエロ展で紹介されているのは、そんなケチケチした数 (?) に非ず!
油彩と素描作品を合わせて、なんとなんと23点ものラファエロ作品が来日!!
しかも、ウフィツィ美術館所蔵の 《自画像》 や、
1504-06年 油彩/板 47.3x34.8cm フィレンツェ、ウフィツィ美術館 © Antonio Quattrone.
プラド美術館が所蔵する 《聖家族と仔羊》 、
1507年 油彩/板 28×21.5cm マドリード、プラド美術館© Museo Nacional del Prado. Madrid
さらには、ルーヴル美術館所蔵の 《聖ゲオルギウスと竜》
1504-05年 油彩/板 30.7×26.8cm パリ、ルーヴル美術館
© RMN-Grand Palais (Musee du Louvre) / Jean-Gilles Berizzi / distributed by AMF-DNPartcom
・・・などなど、世界各地の一流美術館から、
美術館の顔とも言えるラファエロ作品が来日しているのです!!!
こんなにも大規模なラファエロ展が開催されるのは、もちろん日本初。
いや、それどころか、ヨーロッパ以外でも初めてのことなのだとか。
全面協力をしてくださったフィレンツェ文化財・美術館特別監督局をはじめ、
開催してくださった関係者の皆様には、足を向けて寝られません (どっちを向いて寝ればいいのでしょう?)
もはや美術展を鑑賞せずとも、
日本でこの美術展が開催されたという事実だけで3つ星です (笑)
さてさて、今回のラファエロ展の注目作品は、何と言っても、
1505-06年頃 油彩/板 84.4x55.9 cm フィレンツェ、パラティーナ美術館 ©Antonio Quattrone
パラティーナ美術館に至宝 《大公の聖母》 。
生涯に多くの聖母子を描いたことから、
『聖母子の画家』 とも称されるラファエロの聖母子作品の中でも傑作と名高い一枚です。
今回のラファエロ展が楽しみ過ぎて、
ポスターやサイト等で、幾度となくこの作品を目にしたせいか、
正直、実物を目にする前に、多少飽き気味になってしまっていたのですが (笑)
いざ対面した実物の 《大公の聖母》 は、
ポスターやサイトで目にした 《大公の聖母》 の比ではありませんでした (←当たり前と言えば当たり前)
こんなにも、崇高な聖母子像を目にしたのは、初めてのこと。
対面するだけで、心が浄化されていくような、そんなイメージがありました。
会場には、他の画家が描いた聖母子像も展示されていましたが、
このラファエロの 《大公の聖母》 と比べてしまうと、どうにもカジュアルな印象。
参考までに、ラファエロの弟子であるジュリオ・ロマーノ(本名 ジュリオ・ピッピ) の 《聖母子》 をご紹介。
1520-30年油彩/板 105x77cm フィレンツェ、ウフィツィ美術館.
Gabinetto Fotografico della Soprintendenza S.P. S.A.E e per il Polo Museale della città di Firenze.
「はいはい。キー君 (=キリスト) 、カメラのほうを向きましょうね~♪」
と、若いママ風のマリア様が言っていそうな感じ。
愛らしいですが、崇高さはありません。
ちなみに、画像はありませんが、美術展の最後を飾っていたのは、
ペリン・デル・ヴァーガ (本名 ピエトロ・ディ・ジョバンニ・ボナッコルシ) による 《聖母子》 。
こちらは、崇高さも愛らしさもなく、何となく感じの悪い聖母子像 (笑)
母 (マリア) の感情の無さと、子 (キリスト) のふてぶてしさは、ある意味で印象に残りました。
また 《大公の聖母》 以外では、 《無口な女(ラ・ムータ)》 が強く印象に残っています。
1505-07年 油彩/板 64x48cm ウルビーノ、マルケ州国立美術館 ©Archivio Fotografico S.B.S.A.E. Urbino
絵なのですから、無口なのは、当然。
それでも、わざわざ “無口な女” と呼ばれるのは、よっぽど愛想がないからなのでしょう (笑)
確かに、この女性、何か文句があっても、
口に出さず、じっと見つめることで非難してきそうなタイプです。
実は、こちらの絵には、レオナルド・ダ・ヴィンチの 《モナリザ》 の影響が見られるのだとか。
それならば、もう少しくらい微笑んでくれていても良さそうな気がします。
タイトルのせいで、顔の表情ばかりに目が行ってしまいますが、
自分としては、ネックレスの影の表現が見事な作品だったように思えます。
1518-20年頃 油彩/カンヴァス 99x83cm パリ、ルーヴル美術館
©RMN-Grand Palais (Musée du Louvre) / Gérard Blot / distributed by AMF - DNPartcom
↑こちらも印象に強く残った 《友人のいる自画像》 という作品。
手前の男性の肩に手を置いているのが、何を隠そうラファエロ本人。
個人的には、 《自画像》 の時代のラファエロの方が好感が持ています。
この長髪具合と髭はいただけません。
たまに、イケメン俳優が、役作りでも何でもなく、変な髪形にしたり髭を伸ばしたりしてますが。
500年前のイケメンも今のイケメンも、そこは変わらないのですね。
ちなみに、右に描かれている友人が誰なのかは、いまだ決着がついていないのだとか。
「お前、自己紹介してやれよ。」
と、ラファエロが言っているように見えなくもないです。
他にも、見逃せない作品が多数!
僕が訪れた平日は、まだそこまで混んでいませんでしたが。
会期最初の土日は、かなり混雑していたとのこと。
巡回予定もないことから、確実に今後もお客さんが増えると思いますので、
早めに行かれることをオススメします。
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素晴らしきミュージアムショップの世界 商品番号72
一人暮らしなので、必要ないと言えば、必要ない気もするのですが。
一応のエチケットとして買い置きしているのが、消臭剤。
“使い終わってしまったので、そろそろ新しいものを買わないと・・・”
と、ちょうど思っていた時に、
偶然にも、東京都美術館のミュージアムショップで、消臭剤を発見!
即買いしてしまいました♪
・・・・・・・ん?どこに??
パッと見たところ、消臭剤らしきものは無いように見えますが。
実は、こちらが消臭剤↓
その名も、牛乳瓶に入った消臭芳香剤 (1050円)
牛乳に見えるのは、ぷるぷるとした消臭芳香ゲル。
触ると、ぷにゅぷにゅしています。
使い始めるときは、もちろん牛乳瓶の蓋を取らなくてはなりません。
蓋を取ると、かすかに立ち上る香り。
ちなみに、香りは、牛乳ではなく、さくらの香りでした。
そこは、牛乳であって欲しいものです。。。 (笑)
さてさて、11月に使い始めてから、すでに3か月。
まだまだ現役です。
牛乳よりも、全然長持ちしています (笑)
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錯覚美術館
毎週土曜日にしか開いていない美術館がある―
その情報の真偽を確かめるべく、本日土曜日に、神田淡路町へとやってきました。
住所としては、いつぞやの建築ツアーで紹介した・・・
建築家・北河原温さんが設計したメトロツアーの裏側にあるようなのですが。。。
そこにあったのは、どう見ても普通のビル!
しかも、一階に、中華料理屋さんが入っちゃってます!!
“本当に、こんなところに美術館が??”
と、一瞬不安に思ってしまいましたが、
このビルの2階に、その美術館はありました。
その名も・・・
んん?
ところどころ文字に足りない棒線があるので、あまり上手く読めません。
と、戸惑っていると、自動ドアが横にスライドし・・・
自動的に、文字が完成!
そう、こちらは、錯覚美術館。
いろいろな “錯覚” 現象を体験することが出来る美術館です。
「なぁんだ、ただのトリックアート美術館か┐(´ー`)┌」
と、誤解のなきよう。
この錯覚美術館は、同じ “錯覚” をテーマにした美術館ながらも、
そこら辺の観光地にあるようなトリックアート美術館 (?) とは、全く違います。
実は、こちらは、明治大学先端数理科学研究科の杉原厚吉特任教授が館長を務める美術館。
錯覚のスペシャリストが立ち上げた錯覚美術館なのです。
ちなみに、土曜以外は、研究室として使われているのだそうな。
ではでは、早速、中に入ってみましょう。
いきなり目に飛び込んできたのが、こちらの言葉。
ビックリするくらいに、上から目線 (笑)
それだけに、一瞬、目の錯覚かと疑ってしまったほどです。
(注:これは錯覚とは関係ありません)
ここまで言われてしまったなら、その勝負受けて立ちましょう!
僕は、絶対に騙されませんよ!!
ビルの1室を美術館にした館内では、さまざまな錯覚アートが紹介されていましたが。
まずは、この 「ウサギの浮遊錯視」 から見てみましょう。
画像に顔を近づけたり遠ざけたりすると、
ウサギたちが円上を浮遊しているように見える錯視とのことですが。
あ、浮遊しているように見える
・・・・・・・あっさり騙されてしまいました (笑)
次こそは、絶対に騙されません!!
続いて、チャレンジしてみたのが、 「文字列傾斜錯視」 という錯視。
平行に並べられた文字列なのに、なぜか傾いて見える錯視とのことですが。
あ、傾いて見える
・・・・・・・って、またまた騙されてしまいました (笑)
ちなみに、読者の皆様の中には、
“本当に平行なの~??”
と疑ってる方もいらっしゃるかもしれませんので。
同じ単語を、下に起こしてみました↓
十一月同窓会十一月同窓会十一月同窓会十一月同窓会
十一月同窓会十一月同窓会十一月同窓会十一月同窓会
会窓同月一十会窓同月一十会窓同月一十会窓同月一十
会窓同月一十会窓同月一十会窓同月一十会窓同月一十
十一月同窓会十一月同窓会十一月同窓会十一月同窓会
十一月同窓会十一月同窓会十一月同窓会十一月同窓会
どうですか?傾いて見えませんか?!
この他にも、すべて正方形なのに波打って見える錯覚アートや、
円の中心部と外で色の明るさが違うように感じる錯視アートなどを体験。
これだけケチョンケチョンに騙されると (←?) 、もはや快感 (←??)
錯覚美術館では、無理に抵抗しないで楽しむのがベストです。
ちなみに、数々紹介されていてた錯覚アートの中で、
もっとも驚かされたのが、 「視覚復号型暗号」 というもの。
まずは、こちらをご覧くださいませ。
シートには、謎のキャラが描かれています。
続いて、もう一枚のシートもご覧くださいませ。
こちらにも、やっぱり謎のキャラが描かれています。
この2枚のシートをピタッと合わせると、とんでもないことが起こります!
それでは、皆様、2枚のシートをピタッと合わせた画像を、ご覧くださいませ。
な、な、中尾彬!!!
何がどうなって中尾彬が現れたのか。
理解不能にもほどがあります。
この他にも、理解不能なくらいに衝撃的な錯覚アートが、館内にはたくさん。
普段は研究室で研究しているという優しいスタッフさんが、
いろいろとサポートしてくれるので、楽しいだけでなく、ちゃんとタメにもなります。
しかも、これだけ堪能出来て、無料と嬉しいことづくめ。
1つ星ではなく、2つ星。(これは、錯覚ではありません!)
ちなみに。
さらに嬉しいことに、お土産もあります。
自宅でも 「不可能立体」 を制作できるペーパークラフトも頂けちゃいます。
さらにさらに。
こちらは、誰でもエッシャー風のパターンが作れるというエッシャー好きには夢のようなマシーン。
iPadに、タイルにしたい図形を2つ描くだけで、
あとはコンピューターが自動にエッシャー風のパターンを制作してくれます。
元ネタとなるエッシャーの作品では、鳥と魚がタイルのようになっていますが。
僕は、ヘリコプターと船の形を描いてみました。
そして出来上がったものが、こちら↓
エッシャーを超えたのでは? (自画自賛w)
ポストカードの形でお土産に頂けて、大変ご満悦です♪
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(皆様の応援のおかげで、現在3位)
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鉄腕アトム放送50周年記念 アトムが飛んだ日
“かもめが翔んだ日” ・・・もとい、
“鉄腕アトム放送50周年記念 アトムが飛んだ日” が開催されていると聞きまして。
石神井公園にやってきました!
初めて石神井公園を訪れましたが、
こんなにも広い池がある公園なのですね。
そんな広い池を横目に、しばらく歩いていくと、
練馬区立石神井公園ふるさと文化館らしき建物に到着。
ただ、練馬区立石神井公園ふるさと文化館という施設名から、
僕が想像していた建物とは全く違う建物が、そこにはありました。。。
予想に反して、スタイリッシュな建物!
『ふるさと』 らしさは、皆無です (笑)
・・・・・・・と思っていたら、
『ふるさと』 とは4つの言葉の頭文字であることが、後々判明。
ふ (ふれあい)
る (ルーツをさぐる)
さ (さわれる)
と (とりかえられる)
いろんな意味で、伝わりにくい施設です。
さてさて、そんな練馬区立石神井公園ふるさと文化館で、
現在開催されているのが、冒頭でも触れたこちらの展覧会です。
実は、今年2013年は・・・
国産初の30分テレビアニメシリーズ 『鉄腕アトム』 の放送開始から、ちょうど50周年。
それを記念して、練馬区立石神井公園ふるさと文化館では、
第一回目のアニメ映像やセル画、原作マンガの直筆原稿などの 『鉄腕アトム』 関連資料を紹介しています。
“・・・・・・ん?でも、何で練馬区立の施設で、鉄腕アトム??”
と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。
いやいや、 『鉄腕アトム』 と練馬区には、深~い関係があるのです。
というのも、 『鉄腕アトム』 の作者・手塚治虫が、、
昭和36年に設立したアニメーション制作会社・虫プロがあった場所こそが、何を隠そう練馬区。
現在の練馬区富士見台だったのです。
・・・・・・・・まぁ、それだけです。
そこまで、深~い関係ではなかったですね (笑)
展覧会自体も、 「そういう繋がりがあるから。」 くらいのノリで開催された、浅~い印象を受けました。
これまでに、 手塚治虫関連の展覧会と言えば、
江戸東京博物館での “手塚治虫展~未来へのメッセージ~” (2009) に、
世田谷文学館での “「地上最大の手塚治虫」展” を鑑賞していますが。
それらと比べてしまうと、展示スペースも狭いし、
『鉄腕アトム』 関連資料をただ並べだけという感が否めず、かなり薄味。
(星なし)
手塚治虫がよっぽど好きな人には、物足りないでしょうし、
手塚治虫がそこそこ好きな人が、そこそこ楽しめる展覧会といったところでしょうか。
とりあえず、あまり得るもののない展覧会でしたが。
唯一得たのが、 『鉄腕アトム』 のトリビア。
“鉄腕アトムは、お尻にマシンガンが装備されている。”
個人的には、満へぇです (笑)
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みんなのスーパーマーケット 47都道府県のご当地スーパー展
本日は、渋谷ヒカリエへ。
その8階にあるd47 MUSEUMに、初潜入して参りました。
47のテーブルが常設されたd47 MUSEUMは、
日本の都道府県をテーマとした、ちょっと変わった美術館。
これまでに、 「トラベル」 や 「ビール」 など、
さまざまな切り口の展覧会で、都道府県の個性を浮き彫りにしてきたのだそうです。
そんなd47 MUSEUMで、現在、開催されているのが・・・
“みんなのスーパーマーケット 47都道府県のご当地スーパー展” なる展覧会。
キュレーターを務めるのは、立体造形家にして日用雑貨のコレクターとしても知られる森井ユカさん。
全国約140のスーパーを巡ったという森井さんが、
集めに集めたご当地ならではの商品が約1000点 (!) も展示されています。
例えば、北海道のテーブルは、このような感じ↓
東京のスーパーマーケットではお目にかかれないような商品が多数並べられています。
カステーラ?らっきょ飴??
また、ただご当地ならではの商品が並べられているだけでなく。
訪れたご当地マーケットの紹介や、
キュレーター・森井さんによる取材メモ、
さらに、ご当地コメンテーターのレポートまであり、
展覧会を観るというよりも、カルチャー本を読んだくらいの情報量を得ることが出来ました。
これが47都道府県分もあるので、相当お腹いっぱいになれます。はい。
各地のスーパーマーケットの商品を見て、
まず何と言っても、強く感じたのは、こんなにも都道府県の文化が違うものなのかという驚き。
秋田県のスーパーマーケットでは、なめこの缶詰が売られていたり、
福井県のスーパーマーケットでは、紙箱入りの水羊羹が売られていたり、
静岡県のスーパーでは、トランプ感が0の 「トランプ」 という謎のお菓子が売られていたり、
熊本県のスーパーでは、 「デカ」 というそう大きくもない牛乳が売られていたり、
まだまだ日本には知られていない文化が沢山あるということを再確認しました (笑)
・・・と、ここで突然ですが、皆様にクイズ。
Q こちらのテーブルは、何県のテーブルでしょう??
赤だしみそに、味噌煮込みうどんに。
そう、こちらは、愛知県のテーブルでした。
では、ここからが、本題。
Q こちらのテーブルは、何県のテーブルでしょう??
こんなにも大きな小麦粉の袋が、普通に売られている県なのですが。
正解は、長野県。
この大きな小麦粉のを買って、おやきを作るとのこと。
なるほど。
また今回展示されているのは、商品に限らず、
スーパーマーケットに関するエトセトラも紹介されています。
ご当地スーパーマーケットの衣装 (エプロン) だったり、
カゴだったり、
チラシだったり。
特にチラシにも県民性が出るようで、
下の京都のスーパーマーケットの落ち着いたカラーリングのチラシに対し、
大阪は派手!
しかも、チラシに求人広告を載せてしまうという常識破りっぷり!!
(求人広告のがスペースがデカいw)
いやぁ、こういうのを見比べるのは、
『秘密のケンミンSHOW』 を観てるみたいで、本当に楽しかったです。
ちなみに、僕の出身地である千葉県は・・・
案の定、面白味がありませんでした・・・。
(これが、千葉県クオリティーです笑)
というか、
ワイズマートは知っていますが、京北スーパーは知りませんし。
(千葉県の中でも、柏や松戸は別枠扱い)
僕の地元にあったスーパーマーケットのリブレ京成や野口屋が取り上げられてなくて、ちょっとショックです。
とは言え、全体的には、スーパー楽しい展覧会。
是非、出身県の違う方と一緒に訪れて、ワイワイ楽しんで頂きたいものです。
そして、展覧会を鑑賞した後には、こちらのコーナーが待っています。
ミュージアムショップならぬミュージアムスーパー (笑)
なんと紹介されていた商品の一部を購入することが可能です!
ついつい僕も3点ほどお買い上げ。
チケットの半券で後日再入場可能とのこと。
もう一回くらいミュージアムスーパーで買い物をするために、足を運ぼうと思います (笑)
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カナの婚礼という奇跡。
見事な奇跡デビューを、ここカナの地で果たしたキリストさんにお越し頂きました。
キリストさん、本日は、実に素晴らしい奇跡でしたね」
キリスト (以下:キ) 「ありがとうございます」
イ 「結婚式に列席した時から、奇跡を起こそうと狙っていましたか?」
キ 「いえ。全く思っていませんでした」
イ 「そうなのですか?」
キ 「はい。母から、こっそりと『披露宴のワインが無くなったんだけど…』と耳打ちされた時も、
『母さん。それが、私と何の関係があるのでしょう?』 と言ってしまったくらいですから」
イ 「それは、だいぶそっけないですね (笑)」
キ 「ただ何となくピンと来たことがあって、
召使たちに 『あそこにある水がめに、水をいっぱい入れてください』とお願いしたのです」
【本日のハイライトシーン】
(ジョット作 《カナの婚礼》)
イ 「なるほど。それで、その水がめを宴会の世話役のところへ持って行くと・・・」
キ 「はい。中身が水からワインに変わっていました」
イ 「それは、驚きですね!ちなみに、味は、どうだったのでしょう?やはり水っぽかったとか?」
キ 「世話役の方は、 『こんなに上等なワインを、これまで隠していたのか』 と仰っていました」
【本日のハイライトシーン】
(カール・ハインリッヒ・ブロッホ作 《カナの婚礼》)
イ 「ということは、味も素晴らしかったのですね。量は、どれくらいだったのでしょう?」
キ 「水をいっぱい入れてもらった水がめは、全部で6つです。大きさは2、3メトレテスくらいでした」
イ 「え~と、メトレテスというのは??」
キ 「あっ、リットルに換算すると、1メトレテスあたり39リットルです」
イ 「つまり、3メトレテスだと約120リットルですか!
ということは、全部で、約720リットル!お風呂3.5個分じゃないですか!」
キ 「そういうことになりますね」
イ 「そんなに要りますか?」
キ 「ちょっと多すぎましたかね (笑)」
イ 「しかし、多いだけでなく、すべて美味しいと!!これは、もう素晴らしすぎる奇跡ですね」
キ 「皆の前で披露する初めての奇跡だったので、そう言って頂けて嬉しいです」
イ 「この喜びを誰に伝えたいですか?」
キ 「そうですね。水をワインに変えたことも奇跡だとは思いますが。
720リットルもの水を調達してくれた召使の皆様。
さらには、720リットルものワインを飲んでくれた結婚式の列席者の皆様に感謝したいです」
イ 「ファンの皆様にも何か一言お願いします」
キ 「これからも皆様に感動して頂けるような奇跡を起こしていきますので、よろしくお願いします」
イ 「またお会いできるのを楽しみにしています。以上、キリストさんでした。皆様、盛大な拍手をお願いします」
10位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位)
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ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア
今回ご紹介する美術展は、
Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の “ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア” です。
4月21日まで。
ルーベンスと言えば・・・
『フランダースの犬』 のネロ少年が、
最終回で命を落としてまで観たかったあの絵を描いた画家として、日本では有名かもしれません。
ネロが最期に観た 《キリスト昇架》 は、さすがに、Bunkamura ザ・ミュージアムに来ていませんが。
そんなルーベンスの良作、それも日本初公開の油彩画の数々が、
“ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア” のために来日中!!
ネロ少年が生きていたなら、間違いなく狂喜乱舞するに違いない美術展です。
実に、たくさんのルーベンスの作品が展示されているので、
「パトラッシュ、疲れたろう・・・僕も鑑賞し疲れたんだ・・・」
と、思わず言ってしまうのではないでしょうか。
(注:美術館はペットの同伴は禁止です)
展示の目玉は何と言っても、
世界最古の博物館とされるローマのカピトリーナ絵画館が所蔵する 《ロムルスとレムスの発見》
1612-1613年頃、油彩・カンヴァス、210x212cm
ローマ、カピトリーナ絵画館 ©ROMA CAPITALE-SOVRAINTENDENZA BENI CULTURALI-MUSEI CAPITOLINI
「あ、赤ちゃんのすぐ近くに、オオカミがΣ(=°ω°=;ノ)ノ」
と気が気でない方、どうぞご安心を。
この絵に登場する双子のロムルスとレムスとは、
赤ちゃん時代に、雌狼の乳を飲んで育ったというエピソードを持つローマ建国神話の主人公。
描かれているオオカミ (♀) も、赤ちゃんを食べようとしているのではなく、
舌で赤ちゃんの体を舐めて、綺麗にしてあげているところなのだとか。
(母性本能溢れるオオカミで、ホッとしました)
ちなみに、こちらの 《ロムルスとレムスの発見》 は、日本初公開となるのですが。
今回のルーベンス展には、この絵以外にも、
《毛皮をまとった婦人像》 (ティツィアーノ作品の模写)をはじめ、
1629-1630年頃
油彩・カンヴァス、91.8x68.3cm、ブリズベン、クィーンズランド美術館Collection: Queensland Art Gallery
日本初公開のルーベンス作品が多数展示されています。
ネロ少年ならずとも、日本人の皆様が一目見たかったルーベンス作品に出会えるかもしれません。
個人的に、今回のルーベンス展で印象深かったことは、
ただ単にルーベンスの作品を並べて展示しているのではなく。
ペーテル・パウル・ルーベンス(工房) 《自画像》 1622-1628年頃(?)
油彩・板、85x61cm フィレンツェ、ウフィツィ美術館 ©Gabinetto fotografico della S.S.P.S.A.E e per il Polo Museale della città di Firenze
ペーテル・パウル・ルーベンスその人の実像に迫っていた展覧会であったこと。
画家であることは、当然のこととして、
何か国語も自在に操る教養を備えた外交官でもあり、
版画というジャンルにいち早く目を付けた名プロデューサーでもあり。
マルチな才能の持ち主であるルーベンスの実像を、余すことなく紹介していたように思います。
とりわけ興味深かったのが、工房の経営手腕を発揮した一流経営者としてのルーベンスの姿です。
今までは、 “工房=弟子任せ” という勝手なイメージを抱いていたので、
「なんだ、ルーベンス本人の作品でなく、ルーベンス工房の作品か。。。」
と、ルーベンス工房の作品を、なんとなく下に見ていましたが。
今回のルーベンス展を通して、
ルーベンスが決して楽をしたいから、個人制作していたわけでないことが判明。
むしろ、工房を経営したことで、個人で製作する以上の苦労を背負ったことを知り、
ルーベンスに対する印象が、グッと良くなりました。
また、ルーベンスが、良い絵を制作するために、
得意ジャンルに特化した専門画家とコラボしたという事実も興味深く、
いい意味で、画家らしくない画家だなぁという印象に変わりました (笑)
1639-1640年、油彩・カンヴァス、130.8x196.9cm、
ローリー、ノースカロライナ州立美術館 ©North Carolina Museum of Art, Raleigh
こちらは、そのうちの1枚で、 《熊狩り》 という作品です。
人物を描いたのは、ルーベンスなのですが。
熊を描いたのは、動物を得意とする画家フランス・スネイデルスだそうです。
確かに、この熊の迫力は、相当な迫力がありました。
さすが、得意とする画家だけはあります。
そんな熊にガブリと噛まれているのに、このリアクションの薄さ。。。 (笑)
コラボ作品ならではの温度差と言えましょう。
最後に。
個人的に、出展作品の中で一番、目に焼き付いた 《復活のキリスト》 をご紹介。
1616年頃、油彩・カンヴァス、183x155cm
フィレンツェ、パラティーナ美術館 ©Gabinetto fotografico della S.S.P.S.A.E e per il Polo Museale della città di Firenze
一度死んだキリストが復活したという事実は、十分に奇跡的ですが。
その際に、特に意識した様子もないのに、
布で大事なところが絶妙に隠れているのも、奇跡だと思います (笑)
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ミュシャ展―パリの夢 モラヴィアの祈り
森アーツセンターギャラリーにて、3月8日より始まりました・・・
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
“ミュシャ財団秘蔵 ミュシャ展―パリの夢 モラヴィアの祈り” に行ってきました。
アルフォンス・ミュシャと言えば、
(伊藤園の) 缶コーヒーのパッケージになってしまうくらいに、日本人では大人気のアーティスト。
僕の周りにも、
「美術のことはよくわからないけれど、ミュシャは好き」
というミュシャファン、ミュシャマニア、ミュシャジャンキー (?) が何人もいます。
かくいう僕もミュシャファンの一人。
ミュシャが好きすぎて、堺市立文化館 アルフォンス・ミュシャ館まで行ってしまった経験があるほどです。
それだけに、今回のような大規模なミュシャ展の開催を、首を長~~~くして待っておりました。
展示されているのは、ミュシャ財団が所蔵する自慢のコレクションばかり。
ミュシャの出世作にして最大の代表作 《ジスモンダ》 はもちろん。
ミュシャのポスターの数々に、
ミュシャのリトグラフの数々に、
ミュシャファン、アールヌーヴォー好きにはたまらない、
いわゆるミュシャらしい作品の数々を堪能することが出来ました。
しか~し!
今回のミュシャ展では、ミュシャが描いた油彩画 (約30点も!) や、
ミュシャがアトリエで撮影した写真群や、
あえてパリでの名声を捨て、祖国チェコに戻って取りかかった壁画の習作・・・
などなど。
これまでのミュシャ展では、
あまり取り上げられてこなかったミュシャの作品が多く紹介されているのが、最大の特徴です。
と言いますのも、今回のミュシャ展のキーワードは、ズバリ。
「あなたが知らない本当のミュシャ」
これまでのような・・・
“ミュシャって、パリでこんなに美しい女性像のポスターやリトグラフを描いてた人なんですよ♪”
というミュシャ展を期待していた人は、会場で、少々戸惑ってしまうかもしれません。
ミュシャファンの一人である僕の率直な感想としては、
確かに、もっとミュシャっぽい作品を見たかったという気持ちもありましたが、
逆に、彼の幅広い全ワークスを目の当たりにしたことで、ミュシャという芸術家そのものに興味を覚えました。
これまでは、ミュシャファンはミュシャファンでも、ミュシャの作品のファンでしたが。
このミュシャ展を通じて、ミュシャその人のファンになった気がします。
そういう意味でも、非常に意義深い美術展です。
・・・・・・ただ、 「あなたが知らない本当のミュシャ」 ということを押し出しすぎて (?)
ミュシャがフリーメーソンの一員だったという衝撃の事実まで紹介されていました!
信じるか信じないかは、あなた次第です (笑)
また、今回のミュシャ展には、 「あなたが知らない~」 どころか、
「世界が知らない本当のミュシャ」 とも言うべき、世界初公開作品が2点も出展されています。
(《花に囲まれた理想郷の二人》 と 《スラヴ叙事詩 第9番 クジージュキの集会》)
こちらも、是非お見逃しなく!
ちなみに。
ミュシャファンの心をくすぐるブツは、展示室の外にも。
さすがに、男子ゆえに、このフリフリなミュシャファッションに身を包む気はしませんでしたが (笑)
PansonWorksと限定コラボしたミュシャグッズには、ついつい財布のひもが緩んでしまいました。
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